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4兆ドル超の外貨準備、将来託すには十分でない−ペセック
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投稿者 sci 日時 2011 年 4 月 25 日 16:44:32: 6WQSToHgoAVCQ
 

【コラム】4兆ドル超の外貨準備、将来託すには十分でない−ペセック 

  4月25日(ブルームバーグ):電話会議方式はどうだろうか。

  年に数回、世界経済を主導する国々の首脳らが会合開催都市に神々よろしく降臨し、側近らもビジネスクラスに搭乗、車列を成し、5つ星クラスのホテルに宿泊する。こうした首脳会議のコストを負担する納税者は、何を見返りに得ているだろうか。曖昧な内容の共同声明に上っ面だけの公約、そしてビデオ会議方式に移行すべきだという一般的な感覚ではないだろうか。

  私が問題視しているのは、つい最近開かれた新興市場国の首脳会議のことだ。G7にG8、G20、APEC、OPECといったアルファベットのオンパレードではあたかも足りないかのように、BRICSの会合さえ注目イベントになった。ブラジルとロシア、インド、中国の国名の英語表記の頭文字を取ってBRICsと呼ばれていたのが、今年から南アフリカ共和国が加わってBRICSになった。BRICsと10年前に名付けたゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント・インターナショナルのジム・オニール会長さえも、南アが加わった理由が分からないほどだ。

  同国以上に参加資格があると思えるのは、韓国とインドネシアというアジアの2カ国だ。しかし、BRICSの展開を見ればみるほど、両国は招待があっても拒否すべきだと思わずにはいられない。BRICSの会議が、こうしたまとまりがいかに見え透いた枠組みであるのかを浮き彫りにしているからだ。

  新たな世界秩序づくりについては、そうした秩序が不要だとはなかなか言えないだろう。それでも、20カ国・地域(G20)の方が、世界の市場や機関の再構築に向けた、より生産的な枠組みといえる。しかもBRICS参加国はG20の構成国でもある。

           発言権拡大目指す新興国

  話をややこしくしているのは、新興国が発言権の拡大を目指しているということだ。経済的に複数の国をグループ化するのは意味がないという話ではない。例えば東南アジア諸国連合(ASEAN)は、軍事政権が長年続いたミャンマーに対して世界が働き掛けできる唯一の地域協力機構だ。それでも、中身が伴うというよりは、写真撮影のための存在といった性格の方が強い。アジア太平洋経済協力会議(APEC)も似たようなものだ。

  さて、中国の海南島で今月14日に開催されたBRICS首脳会議では、デリバティブ(金融派生商品)規制や商品相場の大きな変動など、重要な話題が持ち出された。ただ、そこで本当に強調されたのは、BRICSの中の「C」の存在だった。つまり、その他4カ国の一次産品に対して旺盛な意欲を持つ中国という構図だ。そこに米国たたきも加わる。

            本当の駆け引き

  ブラジルやロシア、インド、南アはそれぞれ、主要経済国ではあるが、BRICSの会合はあたかも地政学的な投資説明会のような様相を呈してきた。中国には大量の資金があり、本当の駆け引きは公式会議の合間に行われる。中国から投資をさらに呼び込み、同国の13億人の消費者との結び付きを強めたいと4カ国は働き掛ける。

  これらの国々は中国の9.7%成長を生かさねばならないのと同様、自国経済も守る必要がある。中国が四六時中、人民元を安めに維持しようと取り組む中で、4カ国の通貨は上昇している。ここで問題となるのは、BRICSの一員である4カ国は、中国を政治的に批判しづらいということだ。

  このため、怒りの矛先が別の国に向かう。米国は2008年の危機以降の偽善的な政策の一部に責任を問われてしかるべきだ。1997年のアジア危機時、米国は同地域に対して通貨を支えるために金利を引き上げ、債務を減らし、投機家を責めるのをやめ、自由市場主義に従うよう求めた。しかし、米国が現在行っているのはその全く逆だからだ。

           ドルの役割見直し論

  それでも、準備通貨としてのドルの地位見直しという大きな課題をG20はうまく扱った。外貨準備が合わせて4兆ドル(約329兆円)を超えるBRICSのどこかの国がドルを投げ売りすれば、市場を震憾(しんかん)させる。ブラジルの通貨レアル、ロシアのルーブル、インドのルピー、中国人民元、ないし南アのランドが近い将来ドルの代わりになると考えるのなら、夢を見ているにすぎない。人民元が準備通貨になり得る存在になったとしても、まず、完全な交換性を持たなければならない。それは大分先のことだ。

  BRICSは国内総生産(GDP)が合わせて米国のGDPを2014年末までに突破する可能性がある中で、世界がワシントンに支配され続けることを望んでいない。実際、国際通貨基金(IMF)の専務理事を欧州出身者が、世界銀行総裁に米国出身者を選ぶのが暗黙の了解になったままというのもばかげた話だ。

  世界の将来は明らかに新興国にかかっている。そうした未来に向け、BRICSが政治的なまとまりとして信頼に足る役目を担う枠組みに発展していくのかどうかは明白ではない。(ウィリアム・ペセック)

  (ウィリアム・ペセック氏はブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)
更新日時: 2011/04/25 14:44 JST  

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