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英国の財政政策が大きな賭けである理由
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投稿者 sci 日時 2011 年 5 月 05 日 10:01:54: 6WQSToHgoAVCQ
 

英国の財政政策が大きな賭けである理由
2011.05.02(Mon)  (2011年4月29日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
ロンドン、2020年のGDP世界4位に上昇が見込まれる - 英国

緊縮財政に乗り出した英国。「景気刺激的な財政引き締め」はあり得るのか? (写真はロンドン市内)〔AFPBB News〕

「我々が今生きている世界に照らすと、景気刺激的な財政引き締めという考え方は、あらゆる点でその響きと同じくらい矛盾しているように思える。もし英国が今後2年間で好景気に恵まれたら、私は自分が行っている判断の誤りの深刻さについて深く悔い入らなければならなくなるでしょう」

 「あなた方、つまり私を知っている人たちは、大きな悔恨を抱きかねない立場に身を置くことについて、私がどれだけ大きなリスクを取るか判断できるはず。なので、この実験がうまくいかないということに私がかなり自信を持っていると思っていただいて結構です」

 バラク・オバマ大統領の元主席経済顧問、ローレンス・サマーズ氏は、新経済理論研究所(INET)がニューハンプシャー州ブレトンウッズで開催した最近の会議で筆者が行ったインタビューの中で、財政政策に関する質問にこう答えた。

 英国の最近の統計は、英国立経済社会研究所(NIESR)のジョナサン・ポルテス氏も指摘するように、サマーズ氏の懐疑的な見方を裏付けている。
回復の足取りが鈍い英国経済

 先に発表された2011年第1四半期の国内総生産(GDP)の速報値は、筆者が長らく抱いてきた疑念を裏付けている。0.5%(年率2%)という英国の成長率は、米国の1.8%と比較して悪くない数字であるように見える。だが、米国の成長率は2010年第4四半期の年率3.1%という成長に続くものだったが、英国の成長率は年率2%の縮小の後に続くものだ。

 2011年第1四半期の英国のGDPは、2010年第3四半期とほとんど同じだった。さらに悪いことに、英国の第1四半期のGDPは危機以前の水準を4%下回っていた。これに対して、米国のGDPは0.6%上回っていた。英国経済は景気後退局面にあるが、米国経済は危機以前のピークを上回っている。

 勇気付けられるのは、英国の製造業が第1四半期に1.1%(年率4.5%)拡大したことだ。だが、サービス業の生産高がピークを2.1%下回る程度だったのに対して、製造業が産出した生産高は危機以前の水準をまだ8.4%下回っていた。英国経済は、まだバランスを取り戻していないのである。

 こうした景気の弱さは、どれくらいが財政引き締めのせいなのだろうか? 少なくともある程度は財政引き締めによるものと想定しなければならない。英予算責任局(OBR)が3月に行った試算によると、公的部門の景気循環調整後の純借入は2009〜10年度から2010〜11年度にかけてGDPの1.5%相当分だけ減少したという。
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英国の緊縮財政は国民を苦しませている(写真は大学の授業料の大幅値上げに抗議するデモ)〔AFPBB News〕

 だが、これはほんの手始めにすぎない。景気循環調整後の純借入は、2011〜12年度にさらにGDP比2.1%、2012〜13年度にもGDP比1.6%減少すると予想されている。

 累計では、景気循環調整後の財政引き締めは、2010〜11年度から2015〜16年度にかけてGDPの6.9%に達すると見られている。

 財政引き締めの多くが実施される前でさえ、景気がこれほど弱いのは気がかりだ。部門別の純貸出に関する統計からも、こうした課題が見えてくる。

 昨年は、家計部門がGDPの1.1%に相当する資金余剰(支出を上回る所得の超過)を計上した。家計部門の過剰債務を考えると、資金余剰が縮小すると予想する(あるいは何より縮小を望む)理由はほとんどない。さらに、対外部門の資金余剰はGDPの2.3%となり、企業部門はGDPの6.6%という大幅な資金余剰となった。
純輸出と設備投資が急増する?

 新たな景気後退や長期の景気低迷、あるいはその両方を回避しながら財政赤字を解消するためには、英国は純輸出と民間設備投資の大幅な増加を実現しなければならない。筆者が驚いたことに、旧来の経済専門家たちは、こうした大きな変化が起こりそうだとまで考えている。

 確かに、急増は可能ではあるだろう。しかし、現在、危機以前のトレンドを13%近く下回っている経済において、どうして投資が急増すると思えるのだろうか?

 大きな障害は、財政引き締めを穴埋めする通常の要因――中でも大きいのが金利引き下げ――が、既に金利が非常に低いために利用できないことだ。政府の政策を擁護するにせよ、見識のある人なら、景気が力強く回復すると主張することはないだろう。

 実際、彼らは、景気停滞、あるいはもっと悪い状況を招く可能性の方が高いと認めるかもしれない。だがその一方で、財政引き締め以外の選択肢は、はるかに高い借り入れコストを抱えた、例えばスペインのような国になることだ、と主張できるだろう。

 しかし、ルーヴァン・カトリック大学のポール デ・グラウウェ氏が最近の優れた論文の中で述べているように、こうした見方は、自国通貨の変動を通じて、政府の資金を賄えるという大きな利点を無視している。
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英ポンド下落によって調整が進むはず〔AFPBB News〕

 英国はデフォルト(債務不履行)できないが、スペインはできる。英国の場合、調整の多くは、為替レートの下落という安定化をもたらす形で行われるだろう。これに対してスペインの場合は、調整は、国の債務の価格下落という不安定化をもたらす形で進むだろう。

 さらに踏み込んだ見方もできるかもしれない。巨額の財政赤字と超低金利という危機の後遺症に対する最善の対応は、金利を引き上げる前に赤字を減らすことだという一般的な見方は、あべこべである可能性さえあるのだ。

 低金利は、貯蓄者に不利益をもたらし、バランスシートの再編を遅らせ、一段と短期の借り入れを奨励する。財政赤字は、単に経済の中で最も信用力の高い主体が抱える債務残高を増やすにすぎない。

 悪い選択だらけの世界では、巨額の財政赤字の方が金融緩和よりダメージは小さいかもしれない。
財政引き締めは景気を刺激しない

 そこまで行かなくとも、我々は財政引き締めの影響を相殺する金融政策の力が限られていることを認めなければならない。

 サマーズ氏は正しい。財政引き締めが景気を刺激する結果になる可能性は小さいのだ。確かに、経済の停滞、あるいはそれより悪い状況が、英国が実現できる最善の結果かもしれない。我々には知る由もない。別の選択肢は、取らなかった道なのだから。だが、それよりはるかによい結果を予想するのは楽天的だ。
By Martin Wolf
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コメント
 
01. 2011年5月05日 11:12:11: sOM5kQDn1w
間接税の税率上げて、消費が戻らないのも、当然。

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