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醜聞で開くかIMFの重い扉/問題はストロスカーンだけか・・
http://www.asyura2.com/11/hasan71/msg/813.html
投稿者 稲垣勘尚 日時 2011 年 5 月 20 日 10:46:11: Je/tdYZdw47GA
 

■ストロスカーン醜聞で開くかIMFの重い扉−(bloomberg)
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920021&sid=a0ZuOZZfM.CM

ニューヨークでストロスカーン専務理事が性的暴行などの容疑で逮捕された事件は、司法の場に舞台を移した。フランスの有権者が次期大統領になるかもしれなかった候補者に別れを告げる公算が大きいこと、そして欧州市民は今回のスキャンダルが債務危機の救済にどういった影響を与え得るか自問することを、われわれは承知している。

その一方で、アジア諸国では別の問い掛けの最中かもしれない。つまり、IMF専務理事をアジア地域から選出する時期ではないかというものだ。従来、IMF専務理事は欧州から、世界銀行総裁は米国からそれぞれ選出することが不文律となっている。これは、金融システムにおいてアジアに重心が傾きつつあるなかで、欧米諸国が依然、中核を担っているという時代錯誤的な考え方だ。欧州はギリシャとアイルランド、ポルトガルの債務問題を支援するために、域内から次期専務理事を選出したい意向だ。
しかし、自らの危機を驚くべき方法で克服した地域からの選出の方がより理屈に合っている。IMFを率いる上で適任者と思われる多くのアジア人から4人の候補を挙げる。

[4人の候補 ]
〆まず1人目は2004年からアジア開発銀行(ADB)の総裁を務める黒田東彦氏。黒田総裁は、マニラに拠点を置き世界中で2800人余りのスタッフを抱える大所帯のADBに、目的意識と説明責任の意識をもたらした。同総裁の下でADBはインフラと教育の改善に注力してきており、将来的に高い成長と競争向上という大きな成果をもたらすとみられる。黒田総裁は、大幅なIMFの軌道修正を図り、世界経済の行き先をより遠くまで見据えた対策をとることができるかもしれない。同総裁はまた、3月11日の東日本大震災を受け、膨らむ復興費用に日本政府が尻込みしないよう、大きな影響力を行使する可能性もある。
〆2人目の候補は、インドネシアのスリ・ムルヤニ前財務相。スリ・ムルヤニ氏は在任中の05−10年に、成長を阻害する規制の緩和と金融システムの近代化、説明責任の改善という素晴らしい仕事を成し遂げた。同氏の汚職撲滅運動は投資家と、汚職・腐敗防止のために活動する国際組織トランスペアレンシー・インターナショナルの喝采を浴びた。スリ・ムルヤニ氏があまりに有能であったため、インドネシアの野党勢力は世銀の専務理事として同氏を国外に送り出した。同じワシントンで近所にある姉妹機関を率いてもらったらどうか。IMFは、途上国とイスラム世界からある種の共感を勝ち取ることができよう。
〆3人目はマレーシア中央銀行のゼティ総裁。マレーシア中銀総裁として、クアラルンプールを1兆ドル(約81兆5000億円)規模のイスラム金融業界のハブに育てる上で重要な役割を果たしてきた。
ゼティ総裁はまた、IMFに反旗を翻し、結果的に勝利した側の1人だ。1990年代後半、タイとインドネシア、韓国に続き、マレーシアもIMFからの融資と利上げなどの厳しい条件の受け入れが不可避と思われた。しかし、マレーシアはIMFに対し「ノー」を突き付け、ゼティ総裁は金融危機の克服に尽力した。その後、同総裁は米国の動向を注視し、その偽善を見極め、米国がアジアの当局者にすべきでないといったことを全て実行。同総裁が専務理事に就任すれば、IMFはこれまでとは違う大局観を持つことになろう。
〆4人目は、インド国家計画委員会のアルワリア副委員長。同副委員長はかつてIMFの独立評価機関(IEO)局長を務めていた。アルワリア副委員長は、民衆の視点からIMF専務理事の職務を捉えられる候補だろう。同副委員長は、インドが経済開放政策に転換した1991年に財務次官を務めていた。開放政策の下で現在の8%成長の基盤形成に大いに尽力した。

[豊富なアジアの人材]
米リーマン・ブラザーズ・ホールディングの破綻につながった08年の金融危機に遭遇した際、インドは金融システムが欧米諸国よりうまく機能した1つの例だ。インドの非効率性と汚職・腐敗を指摘する声もあるだろうが、同国では規制に向けた環境が近年、よく機能している。唯一難点があるとすれば、アルワリア副委員長は67歳でやや高齢だという点か。
他にも、アジア地域には候補と目される人物は多い。IMF特別顧問の朱民氏やシンガポールのシャンムガラトナム財務相、香港金融管理局(HKMA、中銀に相当)の任志剛前総裁などだ。

[新たな一章]
一方、欧州にも手堅い候補者は何人かいる。フランスのラガルド財務相はまさにそれだ。ブラウン前英首相は在任中に安定したリーダーシップを発揮できなかったことからふさわしくない。キャメロン英首相は、ブラウン前首相からIMF専務理事候補として支持するよう要請があっても反対するのが正解だろう。
キャメロン首相は、専務理事は欧州以外から選出するべき時だという別の選択肢を支持するのがより適切だ。6兆ドルの外貨準備を抱え、多くの投資家が期待するダイナミズムと人口動態を有する地域、それはアジアだ。世界はワシントンでの人事で新たな一章を開く準備を整えている。(ペセック)


■IMFの問題はストロスカーンだけか(ws journal)
http://jp.wsj.com/Finance-Markets/node_238682

国際通貨基金のドミニク・ストロスカーン専務理事が性的暴行の疑いで逮捕されたことは、IMFが最も避けたいこと――「注目」を招いてしまった。
IMFは、例えるなら、中世におけるローマカトリック教会のようなものだ。王の背後にいる真の実力者で、あらゆる場所で影から手を回し、決して説明のつかない存在。ストロスカーンの逮捕が、ギリシャの債務借り換えに支障をきたすかもしれない、との市場のうわさがある。こんなうわさが立つということは、よっぽどのことだ。
性的スキャンダルだけが大衆の注目を集める。しかし、人々の生活に影響を及ぼし、かつ見過ごされている真のIMFの問題に目を向けてもらうために、今、流行りのIMF話を臆面もなくさせて頂くことにする。

話としてはこうだ。IMFの「傲慢」「自己満足」「処世術」が、いかに3世代に一度の金融危機を助長したかということだ。
断っておくが、これは私ひとりの見方ではない。IMFの独立監査役=IEOの意見なのだ。IEOは、IMFの問題点について調査を実施した。
IEOによると、2004年から07年半ばまで、IMFは、「最終的に危機につながるぜい弱性とリスク」に対して、かなり無頓着だった。
IMFは、明白な警告を出していない。IEOによれば、「07年4月時点でもなお、IMFのメッセージは、好ましい世界経済の環境が続くなかでの楽観主義を示していた」
おっと冗談ではない。その時期はすでに「サブプライム」が金融市場の不安を呼び起こし始めてから数カ月が経っていた。 
これはたいしたことではないのか。昔の話だと片づけられるのか。米国は今、先の金融危機がもたらした大量の失業、記録的な倒産と差し押さえ、数えきれないほどの家庭崩壊を味わっている。政府は新たな金融危機に備えて動いている。欧州も危機に苦しんでいる。
IMFは、金融システムをめぐる中心的存在だ。信用バブルの間、IMFは一体どこで何をしていたのか。
IEOの報告書は、IMFが無能だった理由として、「傲慢」「自己満足」「処世術」の3つを挙げ、痛烈に批判している。

@「傲慢」について:報告書は、IMFのスタッフが、外部の調査や分析にほとんど注意を払わなかったことを指摘している。2004年から06年まで、信用危機が迫っていることを警告した賢明なエコノミストは多かった。ウォーレン・バフェット氏は、03年という早い時期に、デリバティブを「金融の大量破壊兵器」と呼んだ。しかし、IMFは気にもとめなかった。
それどころか、IMFの責任者らは、どっかり腰を下ろして「集団思考」にふけっていた。「市場の規律と自主規制は、金融機関の深刻な問題回避に十分」と納得し合い、「“先進的な”金融市場が最小の規制で安全に機能するため、先進国の危機は起こり得ない」と思い上がりも甚だしく信じていた。
A「自己満足」について:IEOによると、IMFのスタッフは、バランスシート分析が「不十分で、使い方を誤ることもあった」という。報告書は、「あるIMFの上級スタッフの発言にもあるように、IMFにとって、バランスシート分析はマクロ分析の“失われた環”だった」と指摘している。
それは聞き捨てならないことだ。見習いアナリスト、いや、自分の資産運用に1カ月以上時間を割いた経験を持つ個人投資家でさえ、バランスシートが基本中の基本だということは知っている。損益計算書でさえ、バランスシートの次に重要なのだ。IMFはそのバランスシートを見ようともしなかった。
IEO報告書は、金融情勢を振り返り、IMFは、多くの有用なデータを「無視または誤解した」と指摘。そのうえで、「そのデータ不足ゆえに、一部の金融システムの状態や証券化というリスク分散の特質に賛辞を送ることができた」とした。
B「処世術」について:IMFでは、出過ぎた発言は最も嫌われた。組織に漂う「賢明さ」に刃向おうとする者はいなかった。波風をたてないために、迎合する――これが、IMFの幹部に昇進するための方法だった。「余計なもめ事を起こすな」「たとえ間違っていてもボスの言うことに反対するな」、である。

IEOによると、「スタッフは、たとえ間違っていたとしても、組織内の評価に合えば失敗はない、と感じていた」「上級スタッフ数人が、強い異論を唱えることについて、キャリアを台無しにする可能性があると感じていた」という。上級スタッフがそうならば、ジュニアアナリストの目には、この組織はいったいどう映っていたのか。
驚くべきことに、これらのIMFの欠陥は新しいものではない。ひとつとして知られていないものはない。「10年間」警鐘を鳴らしていた批評家も複数あったという。しかし、誰一人として行動を起こさなかった。
つまり、これがIMFなのである。こういう役人たちを誰が問いただすのか。
ストロスカーン容疑者がライカーズ島の収監施設に送られる光景を目にしたことで、IMFに漂うオーラは一部剥げ落ちたことだろう。もしそうならば、今が変革の時、である。(アレンズ)
 

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