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予想以上に悪化する米国経済
http://www.asyura2.com/11/hasan72/msg/157.html
投稿者 sci 日時 2011 年 6 月 10 日 13:46:50: 6WQSToHgoAVCQ
 

【オピニオン】予想以上に悪化する米国経済
マーティン・フェルドシュタイン

2011年 6月 9日 7:00 JST

記事

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マーティン・フェルドシュタイン ハーバード大学教授

 オバマ政権が打ち出した数々の政策は米国経済の悪化をもたらしてきた。今後1年間の経済成長は良くて平均以下と予想され、失業と不完全雇用は高止まりするか、上昇するだろう。

 2011年1〜3月期のGDP(国内総生産)成長率は年率でわずか1.8%と、昨年10〜12月期の3.1%から減速した。だが、実はこの数字以 上に経済が悪化している。1.8%という成長率の3分の2は、個人消費あるいは最終的な買い手への販売ではなく、企業の在庫投資によるものである。最終的 な売り上げの成長率は年率で0.6%に過ぎない。つまり、昨年10〜12月期からの実質的な成長率はわずか0.15%と、ほぼゼロ成長と言っても過言では ない。在庫投資だけでは持続可能な経済成長を期待することはできない。企業の雇用や投資に結びつくのは最終的な売り上げなのである。

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Chad Crowe

 細かく分析すると、さらに憂鬱な実態が浮かび上ってくる。月ごとのGDP予想からは、2011年1〜3月期で前月比増になったのは3月のみであることが示されている。米国経済は3月に一時的に拡大した後、4月には再び縮小し始めている。同月は、実質賃金、耐久財受注と鉱工業生産、中古住宅販売、国民1人当たりの実質可処分所得はいずれも減少した。景気先行指数が4月に低下したのは予想通りではあった。だが、この指数は2009年春に上昇に転じて以来、低下は今回を含め2度目だ。

 5月のデータも出そろい始めているが、今のところ4月より悪化した数字となっている。中でも目立つのは、雇用成長の大幅縮小、失業率の上昇、製造業の受注および生産の鈍化、小売りチェーン店売り上げの軟調、消費者信頼感指数の大幅低下である。

 堅調かつ持続可能な景気回復に失敗したことについて、オバマ政権はどの程度の責任があるのだろうか?

 オバマ政権による最も明らかな失策は誤った財政政策である。例えば、自動車買い替え助成金制度、初めて家を買う人に対する優遇税制、8300億ドル規模の「景気刺激」策など。自動車買い替え助成金制度は自動車生産を一時的に押し上げたが、経済に対して持続的な効果をもたらさなかった。初めて家を買う人に対する税優遇による住宅需要も一時的なものだった。

 「景気刺激」策については、その規模も内容も不十分であり、総需要の大幅な減少を相殺できなかった。2008年末までに1世帯当たり資産が縮小し、年間の個人消費は5000億ドル以上減少した。また、住宅着工件数の減少の影響でGDPが2000億ドル低くなった。したがって、GDPの縮小規模は7000億ドルを超えた。オバマ政権の景気刺激策は2009年に3000億ドル弱の規模でスタートし、2010年には4000億ドルにまで達した。しかし、刺激策の1ドル当たりGDPが1ドル上昇すると仮定したとしても、7000億ドルというGDPの縮小額を穴埋めするには十分ではなかったのである。だが実際には、財政赤字を1ドル増やしてもGDPへの貢献は1ドルを大幅に下回った。

 過去の経験から言うと、一時的な財政刺激策でコスト的に最も効果的なのは直接的な政府支出である。2009年の場合、それを実行する上で最も明確な選択肢はイランおよびアフガニスタンで使用される兵器の修理や交換だった。これらの措置はいずれ必要になってくるものだからだ。しかし、オバマ政権の景気刺激策が国防省関連に向けられることはなかった。その代りに、地方自治体への資金のばらまきや、個人へのばらまき、低所得者層に対する一時的な減税が、議会の民主党首脳の主導で寄せ集め的に実施された。その結果、経済成長を達成することなく財政赤字が拡大した。

 景気の軟調が続く2番目の原因は、増税を重視するオバマ大統領の姿勢である。オバマ大統領はブッシュ減税の延長にしぶしぶ同意したが、今年度の予算では高所得者層および多国籍企業に対する増税が再び盛り込まれた。個人や企業が増税を懸念するあまり、堅実な景気回復の要因となる起業家的投資や事業拡大に二の足を踏んでいるのは当然だ。

 3番目の問題は、将来の財政赤字や増加する国家債務に対処するための明確な計画が欠けていることである。そのため、将来の増税や金利の見通しへの懸念が生じ、家計支出や企業の投資の妨げとなっている。米国の政府債務残高は今年、GDPの69%に達し、2008年の40%から大幅に増加していることが示された。米議会予算局(CBO)の試算によると、この比率は10年後には85%になり、その後も増加が続くとされている。

 さらに、オバマ大統領の医療保険制度改革では、最初の10年間で1兆ドル超のコストが掛かると見込まれていることから、現実はもっと厳しい状況だ。オバマ大統領は、この医療保険改革法で政府債務が「10セントたりとも増えること」はないと豪語しているが、それが可能になるには、提案されている増税の実施に加え、まず実現しないだろうと思われる「メディケア(高齢者向け医療保険制度)」負担の削減が条件となる。

 そして最後の問題は、ドルの世界的価値についてオバマ政権の見解がちぐはぐなことである。米財務省が「ドル高は米国にとって良いことだ」と繰り返し主張する一方、ドルの実質価値は過去1年間で7%低下している。さらには中国に対して、人民元に対して速やかにドル安を進行させるよう求めている。このような通貨政策の一貫性の欠如により、不透明感が強くなり、設備投資や雇用が抑制されている。

 一貫性があり効果的な経済政策が打ち出されない限り、景気悪化は今後も続くであろう。そのような政策とは、政府支出の削減と、直接的な政府支出と同等の税制優遇措置の抑制により、限界税率を引き上げることなく長期的に財政赤字を管理することである。また、法人税と所得税を引き下げて、起業家的活動や投資を促進することも実行されるべき政策だろう。さらに、社会保障制度とメディケアの改革を進めて、将来の退職者の生活水準を保護するとともに将来の納税者の負担も抑える施策も必要である。

 これらの政策は全て実行可能だ。しかし、オバマ政権はこれまで、そのいずれも実施しなかったばかりか、今後も実施する意向も示していない。

(レーガン大統領の下で経済諮問委員会委員長を務めたフェルドシュタイン氏は、ハーバード大学教授で、WSJ寄稿者委員会(The Wall Street Journal’s board of contributors)のメンバー)

記者: Martin Feldstein
 

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コメント
 
01. 2011年6月10日 13:58:02: pNBzGFnHZA
FRB・バーナンキは、インフレターゲットか、プライスターゲットか、名目成長率ターゲットを導入するべきだな。
政府紙幣を発行しても良い。

■アトランタ連銀総裁:明示的なインフレ目標設定で景気回復てこ入れを
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aOKjaXuiHZmU

■菅首相を批判する意欲はいまはなぜか低下中。
むしろ彼には政府でインタゲ導入の道筋をつけて後継者に引き継いでほしい。
なぜかいまの彼ならできる気がしてる
posted at 07:28:37
http://twitter.com/#!/hidetomitanaka/status/77864498689622016
経済学者の田中秀臣が、菅首相に「プラスの置き土産」を期待。


02. 2011年6月10日 13:59:30: Pj82T22SRI
バブルが崩壊し、そのツケを国に転嫁すれば、金融政策をフル活用しても
雇用が増やせないのは日本の経験から明らかだったが再確認されたということだな
結局、財政赤字が大きくなると金利(投資家利益)を高くできないから、投資が起こらない、だから構造改革が必要という当たり前のことが未だに理解できないのが不思議だ

03. 2011年6月10日 14:15:20: Pj82T22SRI
>>02 財政赤字が大きくなると金利(投資家利益)を高くできない

ちょっと変か
起業家にとって重要なのは実質金利が低いことだから
財政赤字のサイズと投資量は直接相関するわけではなく
将来の金利(インフレ率)に対する投資家と消費者の予想を変えていくことが重要だが
副作用を伴わずに予想をコントロールする適当な手段が中銀にも政府にもないというのが一番の問題か


04. 2011年6月10日 15:35:17: Pj82T22SRI
負債・所得比率から見れば、今後さらに信用収縮は進む
http://jp.wsj.com/Economy/node_248101/?nid=NLM20110610
米家計の債務圧縮進む
2011年 6月 10日 9:33 JST  

 米連邦準備理事会(FRB)が9日発表した今年第1四半期の同国の家計純資産(株式、債券、住宅などの資産から住宅ローンなど負債を差し引く) は、前期比1.2%増加して58兆1000億ドル(約4650兆円)となった。株式や貯金の増加と負債の減少が不動産価値の下落を上回った。

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チャート

米家計純資産の推移

  ゴールドマン・サックスのエコノミスト、アンドリュー・ティルトン氏は「総じて金融資産は増加しており、消費支出は増加しそうだ」と述べた。

 ただ、家計のバランスシート(貸借対照表)は住宅バブルの崩壊とそれに続く金融危機で被った打撃からはまだ完全には回復していない。純資産は2008年央以来の水準に戻したが、ピークだった07年6月の65兆8000億ドルを依然大きく下回っている。

 加えて、最近の資産の増加は株価の上昇によってもたらされており、資産増は所得階層によってばらつきがある。株価の上昇は、住宅が最も重要な資産である中所得層よりも、金融資産を豊富に持っている富裕層の方がより多くの恩恵を受ける。

 家計の金融資産(株式、金融商品、貯蓄預金)は2.4%増の48兆9000億ドル。一方、不動産は1.9%減の18兆1000億ドルだった。最近の調査によると、1990年代には株価の動向が消費支出の大きな変動要因だったが、近年住宅価格の方が重要性を増している。

 ウェルズリー大学のカール・ケース教授を中心とするチームの調査によると、住宅ブームの時に人々はローンの借り換えに伴い膨らんだ住宅評価額を基に簡単に借り入れを行うことができた。しかし、住宅バブルの崩壊で評価額が急減し、借り入れが評価額を上回るケースが多くなり、株価よりも住宅価格の変動の方が家計の支出に影響を及ぼすようになったという。

 家計の負債は0.9%減の13兆3000億ドルと、10四半期連続で減少した。税引き後年間所得に対する比率は114%で、ピークだった07年の130%から大幅に低下した。ただ、90年代には負債・所得比率は平均85%だったことから、エコノミストの間では、家計は負債を引き続き減少させる必要があるとみられている。

記者: Justin Lahart and Joe Light


05. 2011年6月10日 17:14:53: bS7IuZMI5Q
フエルドシュタイン教授のオバマ批判だが、アメリカ経済を疲弊させた原因はブッシュ政権の経済政策にあることを忘れているのだろうか。 色々並べられている諸政策や連邦政府支出だが、過大な軍事費支出のことについては、一言も触れられていない。(よく読めばちょっぴりは書いてあるのかもしれないが) グローバリズムと金融市場原理主義的な経済政策こそが、アメリカを衰退させた原因ではないのか。 特にウオール街の主導したグリーディー・キャピタリズムのインチキこそが経済破綻の原因であり、それを救済しようとして行った野放図な信用拡大こそが批判されるべきだろう。 ハーバート大学の経済学は、そのイカサマ経済の生みの親といっても差し支えないのではないのか。 アメリカ経済を再建しようと言うのであれば、先ず第一に捨ててしまったグラス・ステイーガル法の復活などの金融規制であり、過剰な流動性資金の吸収が必要なのではないのか。 勿論過大に過ぎる軍事費の大幅な削減も必要だし、富裕階級に対する減税などもyめるべきだろう。 国内の産業を復活させるためには、関税の復活も考えるべきである。 とは言っても、とてもじゃないが出来やしないというのなら、アメリカの復活など諦めると言うべきじゃないだろうか。 N.T

06. 2011年6月11日 03:03:32: Pj82T22SRI
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米4月貿易赤字、大幅に縮小=東日本大震災で対日輸入急減し
2011/06/10 (金) 23:10

−Q2・GDP伸び率、押し上げに寄与か−

【2011年6月10日(金)】 − 米商務省が9日発表した4月の米貿易・サービス赤字は、前月比6.7%減の437億ドルと、昨年10月以来6カ月ぶりの大幅縮小となった。これは、輸出がドル安の追い風を受けて対前月比で増加した一方で、輸入は3月11日の東日本太平洋沖地震の影響で日本からの自動車・同部品の輸入が急減したことや原油高が響いて原油の輸入量が落ち込み減少に転じたためだ。

 市場では4月の貿易・サービス赤字は前月比1.0%増の487億ドルと予想していたが、それを大幅に下回ってサプライズとなったが、赤字幅の大幅縮小は、第2四半期(4-6月)GDP成長率の押し上げに寄与することを意味しており、明るい材料と受け止められている。

 実際、米証券大手バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチはこの統計発表後、第2四半期GDP伸び率を従来予想の前期比年率+2%から+2.3%に上方修正しているほどだ。特に、インフレ調整後の実質ベースの赤字幅は前月比10.9%減の442億ドルと、大幅に縮小している。

 さらに、3月の赤字幅も前回発表時の482億ドルから今回は468億ドルに下方改定されており、これは24日に発表される第1四半期(1-3月)GDP成長率の確定値を押し上げると見られている。

 商務省が5月26日に発表した2011年第1四半期実質GDP伸び率(季節調整済み、前期比年率換算)の改定値は+1.8%と、4月28日に発表された速報値と変わらずとなっている。

■輸出額、過去最高を更新

 輸出は、ドル安を背景に前月比1.3%増の1756億ドルと、17年ぶりの大幅増となった前月をさらに上回り、2カ月連続の増加となって、輸出金額でも過去最高を更新した。

 対照的に、輸入は原油価格が前月からさらに上昇したため、原油の輸入量が抑制されたほか、日本からの自動車・同部品の輸入にも急ブレーキがかかり、同0.4%減の2192億ドルと、2カ月ぶりに減少に転じた。

 しかし、エコノミストは今回の4月の貿易赤字の縮小は、日本からの自動車・同部品の輸入が大震災の影響で一時的に急減したためで、今後数カ月で対日輸入が正常化すれば、再び、貿易赤字は拡大すると見ている。

 また、このところの米国の輸出は好調を維持しているが、最近の世界経済の成長率は減速していることを考えると、これまでのような強い輸出の伸びは続かないと見ていることもある。

 ただ、4月までの米国の貿易赤字は年率換算5534億ドルで、これは2010年の5000億ドルを10.6%上回っているものの、エコノミストは最終的には今年の赤字幅は昨年をやや上回る程度となり、GDP成長率に与える悪影響はそれほど大きくはならないと楽観的に見ている

■対中赤字、前月比19.4%増

 また、国・地域別の貿易赤字(季節調整前)では、米国の貿易赤字の大半を占め、米国の赤字拡大の元凶とされている対中赤字は、前月比19.4%増の216億ドルと、大幅拡大に転じ、前年比も11.8%増と、依然、高水準となっており、人民元の切り上げ圧力が今後高まるのは必至だ。

 オバマ政権は1月19日の胡錦濤国家主席との首脳会談で中国側が人民元の一層の切り上げを約束したことから、先月も中国が人民元の為替レートを操縦しているかどうかの判定を再び見送っている。しかし、今回の4月の対中貿易赤字が拡大に転じたことから、米国の議会や産業界からの人民元の一段の切り上げ圧力が再び高まりそうだ。

 中国政府は昨年6月のカナダ・トロントのG20サミット (主要20カ国・地域首脳会議)開催直前の6月19日に、人民元の一段の上昇を容認すると発表したが、それ以降、人民元の対ドルレートはわずか5%しか上昇していない。

 これに対し、アメリカ製造業同盟(AAM)は依然、人民元は対ドルで40%も低すぎるとして、人民元の為替レートを操縦していると認定を遅らせる戦略は効果を発揮していないと批判。また、数百万人もの米国の労働者や企業は、国の支援を受けている中国の輸出企業との競争にさらされており、現在のオバマ政権の対中政策は生ぬるいとし、議会に対しても、人民元の一段の切り上げを促すために対中経済制裁法案を早期に成立させるよう求めているのが実情だ。

 一方、中国側は米国の対中赤字が高水準になっているのは、米国の貿易政策に問題があるとし、ハイテク技術の対中輸出規制や中国企業の対米投資を阻んでいる障壁を取り除くよう主張して、両者は真っ向から対立している。

 ただ、最近は中国のインフレ率が依然、高水準(4月消費者物価指数は前年比5.3%上昇)であることや、中国政府が10日発表した5月の貿易統計によると、中国の輸入額が1441億ドルと、3カ月連続で1400億ドルを超える高水準となっているため、今後、生産コストの上昇によるインフレ懸念が高まる見通しから、中国政府も輸入物価を抑制するために人民元を高目に誘導せざるを得ない状況だが、それでもこの1年間で5%しか人民元は上昇していないのが実情。

 こうした中、中国を訪問中のIMF(国際通貨基金)のジョン・リプスキー専務理事代理は10日、北京で、強い人民元は中国の消費を高め、ひいては世界経済を強くすることに寄与する要因の一つだと、改めて、人民元の切り上げの必要性を強調している。

■日本からの輸入、急減=東日本大地震・津波の影響で

 今回の4月の貿易統計は、東日本太平洋沖地震とその後の巨大津波の影響が顕著に現れた。対日赤字は前月比40.8%減の35億9000万ドルと、大幅に縮小している。これは日本からの自動車・同部品の輸入が同54.4%減の21億6000万ドルに急減したからだ。日本からの全体の輸入額も同25.5%減の88億ドルに急減している。

 前月は、東北地方の製造業向け部品工場に地震の被害が及んだことで、日本からの対米輸出の減少が懸念されたが、日本からの輸入は前月比12.5%増の118億ドルと、対日赤字はむしろ、前月比15.6%増の60億6000万ドルに拡大していた。

 これは、日本の製造業はかなりの在庫を抱えているため、対米輸出はスムーズに進んだと見られている。このため、在庫が減少する4月か5月には米国の貿易統計に対日赤字の縮小が現れると見られていた。

■輸入、0.4%減=自動車と原油の減少で

 4月の全体の輸入は前月比0.4%減の2192億ドルと、前月の同4.2%増の2202億ドルから2カ月ぶりに減少に転じた。

 また、サービスを除いた財だけの輸入も同0.5%減の1845億ドルと、減少に転じた。これは、原油を中心に工業用サプライ(石油含む原材料)が同2.3%減)となったことや、資本財のうち、自動車・同部品の輸入も同12.9%減の191億ドルとなったことが大きい。インフレ調整後の実質ベースの財輸入額は同3.1%減と、大幅な減少となっている。

 原油輸入(季節調整前)は、同5.9%減の260億ドルだった。これは1バレル当たりの原油価格が前月の93.76ドルから4月は103.18ドルに急伸したが、価格急騰で買い控えが起こり、輸入量が同14.5%減の2億5225万バレル(日量840万バレル)と、大幅減少に転じたためだ。

 また、資本財は、急減した自動車・同部品を除いたコアベースで、同1.4%増の418億ドルと、増加を維持している。通信機器やコンピューター、電子機器、半導体、産業用機械などが増加したが、民間航空機は同14.3%減の8億1200万ドルと、減少に転じた。

 消費財も医薬品や繊維・衣料品、家具、家電などが増加に転じ、前月比5.0%増の440億ドルと、個人消費は底堅さを示している。 

 商務省が5月27日に発表した4月の個人所得・支出統計(季節調整済み、年率換算)は、個人消費が名目で前月比0.4%増となった。ただ、2カ月連続の減速で3カ月ぶりの低い伸びとなっており、物価調整後の実質ではわずか同0.1%増だった。

■輸出、1.3%増=消費財や工業用サプライが寄与

 4月の輸出はドル安が追い風となり、前月比1.3%増の1756億ドルと、2カ月連続の増加となっている。FRB(米連邦準備制度理事会)の主要通貨バスケットに対するドルの価値を測るドル・インデックス(名目値)は、1月の73.1832から2月は72.2161、3月も71.0182、4月も69.7484と、一段とドル安となった。ただ、5月は69.8523と、やや戻したがドル安水準が続いている。

 輸出の内訳は、サービスを除いた財が前月比1.6%増の1264億ドルと、前月の同6.0%増に続いて2カ月連続の増加となっている。また、インフレ調整後の財輸出額は同0.8%増となっている。

 これは、主力の工業用サプライ(石油含む原材料)と資本財、消費財がそれぞれ増加したためだ。工業用サプライは同4.9%増の434億ドル、消費財も同1.8%増の147億ドルと、堅調となった。その一方で、月によって変動が激しい民間航空機は前月比0.3%減の24億ドル、また、農産物も同1.8%減の110億ドルだった。

 また、自動車・自動車部品の輸出は同6.8%減の106億ドルと、減少に転じたが、自動車・同部品を除いたコアの資本財は同3.1%増の410億ドルとなっている。

 サービス輸出は前月比0.4%増の491億ドルだった。 (了)


07. 2011年6月11日 07:39:42: DlhJRWQS5I
予想外とか言うバカ。

08. 2011年6月12日 08:15:32: fj0UJmDOEM

米国の負の経済指標として注視されている、低所得者向けの食料補助対策 「フードスタンプ」。

この受給者数が、今でも毎日約1万人〜1万2千人程増加している。

米国農務省によれば、6月3日現在の受給者数は4495万人。
1週間以内には4500万人に達するのは確実だ。

米国の人口は約3億1千万人。
単純計算では7人に1人の割り合いでフードスタンプを所有していることになる。
しかし赤ちゃんはもちろん、小学生や中学生は申請できないことを考えると、成人としての受給者の割合はもっと高くなる。
よって社会人の5人に1人が持っていると考えていい。
米国の食料品店は出入口付近に、“ フードスタンプ、使えます ” という看板や張り紙が増えているという。

フードスタンプの受給者数は、ひと頃と比べれば増加数が鈍化しているといわれるが、これは実態経済が上向いてきたからではない。
米国ではここ2年間ほど民間の雇用が全く伸びない分、公的部門の雇用が急激に増加している。
まさに財政赤字の拡大と比例するかのように、公的機関の雇用者数が右方上がりに増えているのだ。
(ある意味、当然であるが...)

確かにドル安によって一部輸出企業が潤ったため、こちらの雇用が若干増加している。
しかし今年5月の失業率は9.1%で、4月と比べて悪化した。
ドル安にもかかわらず指標が悪化している理由は、ガソリン価格の急騰と、震災によるサプライチェーン問題が大きい。

しかしエネルギー価格が下落しても、その後米国内の製造業が回復していくかといえば、甚だ疑問である。
米国を代表するパソコンメーカーといえば、ヒューレットパッカーとか、デルなどがあるが、これらの製造はほぼ全部中国に任せている。
今や世界中のパソコンの87%が、中国で組み立てられているのだ。
携帯電話のiPhoneに至っても、各国から部品を調達し、最終的な組み立て作業は中国で行っている。
こういった構造は今後も変わることがない。

今は震災の影響から、一部部品は調達できない状態が続いているので、製造ラインはストップしていると思われる。
中国では現在、外資の工場が大きな痛手を喰らっているだろう。
報道規制がかかっているから、全く伝わってこないだけ。
少なくとも外国へ輸出する製品は、中国国内で流通する製品と同じ品質ではダメなのだ。
だから日本の技術導入が絶対に不可欠なのである。

いずれにしても経費の安い国から、製造工場を自国へ回帰させることは容易ではない。
米国がデフォルト宣言をすれば、資源価格は一気に下落するだろうが、公的機関の雇用も一気に縮小する。
よって急激な人員削減が進んでいくものと思われる。
それに伴ってフードスタンプの申請件数は、再び急激に増加していくことは間違いない。


09. 2011年6月13日 04:07:16: mHY843J0vA
先進国、特に日本や米国のように、新興国に比べて賃金が高い上に、増税が不十分で、低所得層への再分配が適正に行われない場合、
労働者の質の低下や、失業率の高止まりが今後も暫くは続き、最終的には新興国などの実質賃金と均衡するまで下がることになりますね
そして日本のように女性の労働参加率が低く、非労働人口、特に年金や医療費コストの高い高齢者比率が高い場合、さらにその下振れは大きくなり
今後、高付加価値産業の成長(十分な投資)がなされない場合、エネルギーや食糧など資源コストの増大もあり、大衆の実質生活水準は、良くて今の半分以下に落ち込むことになるでしょう


10. 2011年6月14日 01:37:40: Pj82T22SRI

Jobless Recoveryになるのはわかっていたが、市場の想定以上に悪かったということだな
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920000&sid=aVHO30BorhB0
リッチモンド連銀総裁:米回復は「長期間」平均的な水準以下か (1) 

  6月13日(ブルームバーグ):米リッチモンド連銀のラッカー総裁は、今回の景気回復は異例なほど鈍いペースにとどまる可能性があると指摘。税金や規制政策に関する懸念で、経営者が雇用を最小限に抑えているとの見方を示した。

  ラッカー総裁はバージニア州ロアノークで開かれた製造業に関する会議で講演。事前原稿によると、「今回の回復は質的に過去の例と異なることが判明するかもしれない」と発言。「成長は長期にわたり平均を下回る可能性がある」として、「これとの関連で特筆すべき動きでは、需要増加にもかかわらず多くの雇用主はが採用に明らかに消極的であることが挙げられる」と指摘した。

  総裁は、「リッチモンド連銀管轄地区全体の製造業者と話をすると、生産性の向上、あるいは労働時間の延長またはさらなるハードワークを通じて雇用を最小限にとどめる意向であることを何度となく聞かされる」と続けた。

  さらに「2009年下期に始まった回復はまだら模様で、平均を上回る持続的な成長をまだ生み出していない」と指摘。「2010年は家計支出に再び強さが見られて終了した一方、その強さも今年の始めには弱まった」と話した。

  ラッカー総裁は、「エネルギー価格の上昇や悪天候、世界で起きた自然災害を含め、1−3月(第1四半期)の減速に影響を与えている要因は一過性のものと考えられるとはいえ、これまで拡大に一段の弾みがついていないことはいら立たしい」と続けた。

記事に関する記者への問い合わせ先:Steve Matthews at smatthews@bloomberg.net

記事に関するエディターへの問い合わせ先:Christopher Wellisz at cwellisz@bloomberg.net
更新日時: 2011/06/14 00:42 JST


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