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米国財政危機の根っこにある「道徳」の対立 /jbpress
http://www.asyura2.com/11/hasan72/msg/332.html
投稿者 稲垣勘尚 日時 2011 年 7 月 05 日 16:48:28: Je/tdYZdw47GA
 

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/14009

主党と共和党の融和を目指すワシントンのシンクタンク、超党派政策センター(BPC)が、連邦債務の上限引き上げに関する両党の話し合いが失敗に終わったらどうなるかという報告書を先日公表した。
そこには実に恐ろしいシナリオが描かれている。言うなれば、米国は経済政策史上最大の凡ミスを犯すことを熟考しているのだ。

〇経済政策史上最大の凡ミス
瀬戸際政策を瀬戸際まで、そしてそれ以上のところまで推し進めることに躍起になっている一部の共和党議員は、財務省はまだ余裕を残しているに違いない、というのだ。
債務が本当に上限に達すれば、ワシントンが以前経験したような表面的な「シャットダウン(政府閉鎖)」ではなく、過去に例を見ない規模で政府の業務が中断され、大変な結果をもたらすだろう。
筆者はまだ、上限引き上げに関する両党の話し合いは結局まとまると考えている。警告する声が強まっていること(このBPCの報告書も、有益な警告の1つだ)は人々の意識を集中させるはずだ。

〇深刻なガバナンスの危機
しかし、筆者のこの見方がたとえ正しいとしても、米国は今、ガバナンス(統治)の危機を迎えているのである。
米国が自発的なデフォルトの条件を議論するなど、信じ難いことだ。政権に歳出削減を飲ませる方法は他にはないじゃないかなどという共和党の主張もまさに驚きだろう。
こうなると、この国の政治家が妥協すること、あるいは相手方の議論にほんのわずかな利点を見いだすことにも病的な抵抗感を示すのは一体なぜなのかと、疑問に思わざるを得ない。
この抵抗感はもはや、事実関係や経済理論を巡る見解の不一致を大幅に超えている。いわゆる米国の「文化戦争」も超えている。つまり、国の将来に関する異なるビジョンの衝突以上のものだ。実はこの抵抗感、個人的な側面が強いのだ。

〇リベラル派と保守派の道徳的な対立
今の状況は、米国の財政政策を理解するために心理学者の手助けが必要なところまで来ているのである。
ハイト教授の研究によれば、リベラル派は主に、公正さや被害者が受けている害についての直観に突き動かされている。保守派もそのような直観によって行動しているが、こちらは忠誠や権威、純粋さに関する直観にも導かれている。
そうした直観は、見解と言うよりは身体に深く埋め込まれた道徳的な衝動であり、宗教の体裁(あるいは特定の宗教を信じないという姿)を取ることが多い。この直観に背くことは一種の涜神行為となる。
米国では、このような道徳的・心理学的な基盤の違いが非常に顕著だ。
進歩的な人ほど、忠実さや権威、純粋さが大事だという主張を理解し難いと思っているし、保守的な人ほど、そうしたものが必要不可欠だと思っている。
これは重要なポイントだ。なぜなら米国の政治は、特にその最も保守的な層では、極端な政治思想に存在するエネルギーからパワーを得ているからだ。
上記のような保守的な衝動は、世界中の宗教や文化にほぼ普遍的に見受けられる。世俗的なリベラルの方が変則的なのだ。
そのうえ、こうした保守的な衝動は社会で重要な役割を果たしている。さもなくば保守派が支配的であるはずがない。
社会的な公正に対するリベラル派の強い関心が、米国という国家の発展というプロジェクトの成功にとって欠かせない要素だったことは疑う余地がない。
しかし、保守派の見解、例えば忠誠心に対する関心についても同じことが言えるはずだ。例えば、照れくささも何も覚えない愛国心、国旗に対する敬意、外国で活動する米軍への本能的な支援などがそれにあたる。そう、いずれもリベラル派が笑い飛ばすものばかりだ。

〇両者が互いを憎み会う米国政治の悲劇
米国の政治の悲劇は――そう、これは悲劇そのものだ――、道徳的に異なる2つのコミュニティーが、米国の成功に対する互いの貢献を認識できないばかりか、互いを嫌悪するようになってしまったことにある。
民主党の支持基盤を形成する進歩派と、共和党の主導権を握ろうと戦っているティーパーティーの活動家たちを活気づけているのは、この根深い敵意にほかならない。ガバナンスの危機の根底にあるのは道徳の対立なのである。
このことを理解することは、何か役に立つのだろうか? 間違いなく役立つはずだ。なぜなら、道徳的に異なるコミュニティーが気持ちよく共存していくためには何が必要か分かっているからだ。すなわち、寛容と相手を尊重する気持ちである。
リベラル派は外国の文化や宗教に敬意を表している。そうした文化や宗教では忠誠や権威、純粋さが重視されているにもかかわらず、だ。リベラル派はイスラム教徒を軽蔑したりしないし、仏教徒を笑ったりしない。
であれば、難しいかもしれないがもう少し頑張って、その礼儀正しさを隣人にも発揮してもらいたい。たとえその隣人が、宗教右派として知られる福音主義のキリスト教徒だとしても、だ。(抜粋)
 

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コメント
 
01. 2011年7月05日 18:57:08: Pj82T22SRI
保守の本質は、自主独立、施しはいらない、弱い仲間は自主的に守る
 支持層の母体は、独立農民など零細自営業者やフリーランサー
リベラルの本質は原理主義、普遍性、弱い者を守るのは万人に強制されるべき義務
 支持層の母体は、ワーカーだな

社会保障支出が、守るべき弱者のためなのか、怠惰なフリーライダーの甘やかしなのか
そのための対策が、増税か、将来世代への借金のつけ回しかで
対応が完全に変わってしまうわけだ

これが単純な利害得失、損得の問題なら妥協点があるが、イデオロギー、
さらに宗教的な理念の対立でもあるなら簡単には解決はしない
ましてや、相互に搾取されているという不信感が生まれれば、絶望的だな


02. 2011年7月05日 19:00:25: sOM5kQDn1w
労働者は存在しないのか、

03. 2011年7月06日 14:44:05: Pj82T22SRI
オバマ大統領、債務上限問題で会合を議会指導者に提案
2011年 7月 6日 11:05 JST 

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 オバマ米大統領は5日、財政赤字削減問題で議会指導者とのサミット(首脳協議)を7日にホワイトハウスで開催するよう呼び掛けた。同大統領は先週末の議会指導者との話し合いは進展したとし、政府のデフォルト(債務不履行)回避のため、債務上限引き上げで表決する道筋が得られるとの楽観的な見方を示した。

画像を拡大する

Getty Images
オバマ米大統領
 ただし同大統領は「わたしはごまかすつもりはない。一部の真の意見相違を克服するため、なお作業が必要だ」と語った。

 同大統領は財政赤字削減の一環として、社用ジェット機所有者、石油・天然ガス企業、年間所得25万ドル(約2000万円)を超える高額所得者を対象とした増税を改めて提案した。しかし下院のベイナー議長(共和、オハイオ州)は、反対を表明し、「大統領が要請した案は、小企業に増税し、米国人の雇用を一段と削減するもので、下院を通過しないだろう」と改めて警告した。

 オバマ大統領は向こう2週間以内に合意に達するという期限を設定した。議会の法案審議完了までに十分な時間をもたせ、8月2日までに法案を通過させるためだ。8月2日は、それまでに議会が債務上限を引き上げなければ政府が借入不能、つまりデフォルトに陥り始めると財務省が指摘している期日だ。共和党は債務上限引き上げ表決の見返りとして、政府に巨額の支出削減を要求している。

 オバマ大統領は、マコネル上院院内総務など一部の共和党議員が提案した一時的な債務上限引き上げ案を拒否した。

 議会では、共和党がリビアでの米軍参加容認決議案の審議を拒否する中で、超党派の駆け引きが続いた。この結果、上院のリード民主党院内総務(民主、ネバダ州)はいかなる財政赤字削減交渉にも富裕層に対する増税を盛り込んだ非拘束の決議案を提出した。民主党の中核的な主張を強化するもので、年間100万ドルを超える高額所得者には財政赤字削減合意で「有意義な貢献をする」との表現が織り込まれている。

 共和党のマコネル院内総務は5日、「大統領が共和党の意見を聞き、経済が弱いときの増税がいかにまずい考え方であるかに直接耳を傾けるよう希望する」と語った。

 交渉関係筋によれば、民主党、共和党双方は、バイデン副大統領を座長とする議会指導者とのそれまでの協議の場で、約1兆ドル規模の支出削減で合意していた。しかし、民主党がその後、約4000億ドルの増税案を提出してきたため、共和党側は交渉テーブルから引き揚げ、話し合いをボイコットした。

 今回オバマ大統領から7日のサミットに招待されたのは、民主党のリード上院院内総務、ペロシ下院院内総務、共和党のベイナー下院議長、マコネル上院院内総務、カンター下院院内総務、カイル上院院内副総務など。ペロシ院内総務は、先週末に大統領と会談した議会指導者グループに参加していたという。

 オバマ大統領は「民主党も共和党も、居心地の良い領域から出てきて、真の妥協で合意する必要がある。わたしにはその用意がある。いずれの政党にも妥協しようとする人々が十分にいると確信している」と述べた。
 

記者: Carol E. Lee and Janet Hook


04. 健奘 2011年7月06日 14:52:42: xbDm84QDmOFmc : G0mHLBURW6
01 さん
> 保守の本質は、自主独立、施しはいらない、弱い仲間は自主的に守る

合衆国を歪めているのは、金融だわね。いわゆる良きアメリカ人には、金融は補助的な役割のはずだった。

今、金融が、主役に躍り出て、彼ら自身、答えが見つかっていないんだよ。自主独立が難しくなっちまったんだ。


05. 2011年7月06日 19:14:22: yxstEvnWG6
>歪めているのは、金融だわね。

手換貨幣の非対称性を解消すべく、貨幣が流通する範囲を拡めていく。

拡がった「貨幣が流通する範囲」の間の非対称性は、より広い「貨幣が流通する範囲」のなかで解消すべく「範囲」は拡大していく。

市場の持つ非対称性は、マネー・チェンジャーの手に収斂されていく。
マネー・チェンジャー(金融業者)は、拡がった範囲を非対称性を行使出来る手でコントロール出来るようになる。

マネー・チェンジャー(金融業者)は、より広い「範囲」を求める。

米国内に於いて顕著ですが、ざっとこういうように理解しています。


06. 健奘 2011年7月06日 20:38:56: xbDm84QDmOFmc : G0mHLBURW6
> 手換貨幣の非対称性を解消すべく、貨幣が流通する範囲を拡めていく。

難しい言葉で言わなくても、と思いますよ。

金融業は、従来型の仕組みで、細々とやっていけたのだが、もっと短時間に収益をあげざるを得なくなってしまった。そこで、新しい仕組みを考えた。最近は、たとえば、契約関係を商品化するということだった。

契約関係をまとめて商品化したとき、売り出した方ですら、それぞれの契約がどうなっているか分からないのだから、買う方は、もっと分からない。それでも、勢いで取引が増え・・・。

自主独立というのは、責任を自分が負えることが前提なんだ。私が言うまでもなく。ということは、売っている商品に責任を持つと、売っている商品が何であるか、分かっていると。

売買の当事者が、分からないような取引なんかやっても、責任は取れるわけないし、自主独立も、だから、難しい。

さらに、一言。金融工学を駆使するプログラムを、私も作って納品したことがあるよ。使ってる方は、どういうロジックで動いているか、たいていは知らないね。


07. 2011年7月06日 21:16:26: yxstEvnWG6
>金融業は、従来型の仕組みで、細々とやっていけたのだが、もっと短時間に収益をあげざるを得なくなってしまった。そこで、新しい仕組みを考えた。最近は、たとえば、契約関係を商品化するということだった。
>それでも、勢いで取引が増え・・・。

貨幣に、水平方向の可動性を過剰に持たせようとすると、それを制御しようとする垂直方向の力が貨幣には現れる。

貨幣は流れるべきものであるがゆえに、逆に流れすぎないようにも(ある通貨の流通範囲を拡張したり縮小させたりするシステム設計者によって)設計された存在でもある。
ということらしいです。


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