同調査によると、大方の投資家は弱気というよりは中立の態度で、多くの投資家は3カ月間の強気相場を終わらせようとはしていないことがうかがえる。
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　一部の米国債はこの2年間で最悪の週となった先週まで、11週間連続で上伸していた。過去最低近辺での利回り、連邦準備理事会（ＦＲＢ）の国債買い入れ計画の終了、それに米政府の債務上限をめぐる不透明さにもかかわらず、国債需要は旺盛だった。欧州と米国の経済成長に関する懸念が強まる中で、安全な投資先と見られてきたのだ。

　週間のセンチメント調査を行っているＪＰモルガン（ニューヨーク）の米国流動性市場ストラテジーのトップ、スリニ・ラマスワミ氏は「顧客はおそらくショートを望んでいるのだろうが、ユーロ圏であまりにも多くのことが起きているため、実際のところはショートになっていない」と語った。

　5日に行われたＪＰモルガンのセンチメント調査では、アウトライト・ロングのポジションを持つ顧客はゼロで、1週間前にアウトライト・ロングを持っていたと答えたのは全体の4％だった。アウトライト・ショートは25％で、ここ数週間と変わらなかった。これは、今の国債市場では75％の人が中立であることを示している。前週は71％が中立だった。調査対象となったのは、米国、欧州、日本の一部ヘッジファンドを含む資金運用担当者で、資金総額は1兆ドル（81兆円）を超える。

　資産95億ドルのサガ・アドバイザリー・サービシズ（テキサス州オースティン）のポートフォリオマネジャー、マーク・マックイーン氏は「欧州情勢はどうなるか分からず、国債利回りは比較的低い水準にとどまる公算が大きい」と話した。同氏の国債投資はアンダーウエートとなっている。同氏によると、現在3.097％の10年物利回りは今年末には3.5％になるが、2月につけた年初来の高水準3.77％を依然下回ると見られる。

　ボストンのパイオニア・インベストメンツで約200億ドルを債券に投資するリチャード・シュランガー氏は、米国債をアンダーウエートとし、一部の高利回り社債と住宅ローン証券を選好しているが、10年物国債の利回りが3.5％に達したら、国債を買い増すとしている。同氏は、現在も信じられないほどの国債への質への逃避が見られると語った。

　しかし、カルバート・アセット・マネジメント（メリーランド州ベセスダ）で78億ドルの債券資産を担当するグレゴリー・ハビーブ氏は、ＦＲＢの国債購入が国債相場を人為的に押し上げたとして、最近の国債上昇局面を一蹴し、「大手の買い手は市場からいなくなった。人為的な相場の市場には入りたくない。利回りは高くなるだろう」とし、「社債の方がいい価値を提供してくれる」と指摘した。

　6日の米国債相場は、ムーディーズ・インベスターズ・サービスが前日、ポルトガルの長期格付けを「投資不適格」に引き下げたのを受けて次はどこの国が格下げとなるのだろうかという不安が再び強まって買われ、2日連続で上伸した。

記者: Min Zeng