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危機の原因解明は道半ば〜非線形DSGE・適正な規制  大震災後の経済政策〜介入と円安で儲けろ
http://www.asyura2.com/11/hasan72/msg/365.html
投稿者 sci 日時 2011 年 7 月 09 日 04:09:39: 6WQSToHgoAVCQ
 

(回答先: 黒字ため込む社会福祉法人 税制優遇 純資産13兆円 −復興事業への拠出 議論を 投稿者 sci 日時 2011 年 7 月 09 日 04:01:30)

http://www.canon-igs.org/column/pdf/110706_kobayashi.pdf
危機の原因解明は道半ば

日本経済新聞 「経済教室」2011年7月4日掲載

小林 慶一郎
研究主幹
小林 慶一郎
[研究分野]
マクロ経済

 東日本大震災が日本に時代の転換を迫っているように、2007年~09年の世界的金融危機は、市場経済についての考え方を根本から問い直す契機になった。現在のマクロ経済学が金融危機をどう扱っているか、危機後に高まった国家の役割をどのように整理すべきか、課題を展望したい。
 リーマン・ショックでは、金融市場で信用が突然収縮し、生産や雇用が急減した。危機前のマクロ経済学のモデルでは、こうした金融システムが引き起こす「市場の失敗」を的確に予想できなかった。
 そもそも現代のマクロ経済学では政策を分析する際、どんなモデルを標準的に使うのか。その点から概観しよう。
 1990年代から「動学的確率的一般均衡(DSGE)モデル」と称されるモデルがマクロ経済学を席巻してきた。これはミクロ経済学の理論体系との整合性をとりつつ、企業や家計といった経済主体が、経済を襲う様々な「確率的」なショック(生産性の変化や資源の再配分など)の下で、将来の行動を「動学的」(ダイナミック)に決定すると考えるモデルだ。
 その基本にあるのは、「企業や家計は、結局は合理的に行動する」という想定だ。みんなが合理的に行動すればショックは緩和され、経済全体がパニックに陥ることはない。このため、DSGEモデルでは、基本的に金融危機は分析しにくい欠点があった。
 そこで、金融的な「市場の失敗」をDSGEに導入する試みが進み、99年には、当時米プリンストン大学の教授だったベン・バーナンキ現米連邦準備理事会(FRB)議長らのグループによって標準的な枠組みが確立された。それでも、米国の巨大な住宅バブルの発生と崩壊(図参照)を十分に予知できなかった。
 ひとつの理由は、銀行のモラルハザードがモデルに組み込まれていなかったことだ。バーナンキ氏らのモデルでは、資金を借りる企業が銀行に経営実態を伝えないといったモラルハザードはモデルに組み込まれていたが、銀行が預金者(家計)や債権者(他の金融機関)に十分情報を開示せず不正融資を行うようなモラルハザードは考慮されていなかった。家計と銀行は企業への資金の貸し手として一体であるとされていたからだ。・・・

→全文を読む

日本経済新聞「経済教室」2011年7月4日掲載記事PDF:79.3 KB

http://www.canon-igs.org/en/column/macroeconomics/20110704_928.html
Canon-Ifri Paper Series n°1, June 2011 「大震災後の経済政策のあり方」

小林 慶一郎
研究主幹
小林 慶一郎
[研究分野]
マクロ経済

 フランスのシンクタンクInstitut français des relations internationales (Ifri) とキヤノングローバル戦略研究所(CIGS)は、東日本大震災に関するCIGS研究主幹の分析を、「Canon-Ifri Paper Series」として双方のホームページに掲載していきます。
 そして、その第一回目として、CIGS研究主幹 小林慶一郎の「大震災後の経済政策のあり方」と題する分析を掲載いたします。

 なお、Ifriのホームページに掲載された原文(英語)はこちらからもご覧いただけます。
Canon-Ifri Paper Series n°1, June 2011 "Economic Policies Following the Great East Japan Earthquake"

全文を見る

「大震災後の経済政策のあり方」PDF:164.0 KB
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フランスのシンクタンクInstitut français des relations internationales (Ifri)とキヤノング
ローバル戦略研究所(CIGS)は、東日本大震災に関するCIGS 研究主幹の分析を、「Canon-Ifri
Paper Series」として発信していきます。本編はその第一回目、CIGS 研究主幹 小林慶一郎
の「大震災後の経済政策のあり方」です。
2011 年6 月
大震災後の経済政策のあり方
CIGS 研究主幹
小林 慶一郎
我が国の歴史上、未曾有の大震災が発生した。大地震と大津波の被害に加え、福島第一原
子力発電所の過酷事故が発生し、その長期化は確実になった。今後とるべき経済政策の方向
性を考えたい。
1.大震災の影響
東日本大震災は日本経済に大きなダメージを与えた。3 月の鉱工業生産指数は前月比1
5%の下落となり、過去最大の下落幅を記録した。消費も8%の大幅下落となった。貿易収
支黒字は前月比で79%もの大幅減少になった。電力不足と計画停電による混乱、震災によ
るサプライチェーンの寸断によって供給能力が破壊されたことに加えて、福島第一原子力発
電所の事故の進行によって不確実性が高まり、消費などの需要が萎縮した。4 月の鉱工業生
産指数は前月比1%の上昇となり、震災による経済悪化はすでに底を打ったと考えられる。
年後半からは復興需要の増加が本格化し、さらに、原発事故の推移についての不確実性も小
さくなると見込まれる。そのため需要の萎縮は一段落し、日本の生産活動も活発になると考
えられる。
震災によって供給力の破壊と需要の減少が同時に起きているので、デフレギャップ(供給
能力から需要を差し引いたギャップ、需要の不足量)は震災前後であまり変化しないと見込
まれる。
過去の災害の経済への影響を分析した研究によると、地震と津波だけならば経済成長に対
して長期的にはネガティブな効果を持たない可能性が高い。しかし、原子力発電所の事故の
今後の影響は計り知れない。確実なことは日本の電力コストが高まることである。これは企
業の海外立地を助長して、長期的に国内産業の空洞化をもたらすおそれがある。その場合、
長期的な日本の経済成長率は低下することになる。また、逆にプラスの可能性としては、自
2
然エネルギーや省エネルギー関連の技術開発が促進され、日本の省エネ技術の競争力が向上
するかもしれない。その場合、成長率にはプラスの影響があるだろう。
2.円高是正の必要性
震災後、市場では円高が進んでいる。一時は1 ドル76 円25 銭程度をつけて史上最高値を
更新し、その後、G7 による協調介入の結果、ひとまず為替レートは1 ドル81 円台に戻った。
しかし、その後も市場ではじわじわと円高が進み、6 月上旬には1 ドル80 円から81 円で推
移している。
大地震や原発事故は、円安材料であるはずである。震災によってサプライチェーンが寸断
され、日本企業の供給能力が破壊されたために、貿易黒字も大幅に低下した。それでも円安
にならないのは、所得収支の黒字が堅調であることや日本が世界一の対外資産保有国である
ことなどが理由として考えられる。欧米諸国が金融緩和を続けて通貨発行量を増やしている
中で、新興国は外貨準備をわずかだが円にシフトする傾向がある。これも円高要因である。
市場の心理が落ち着いた後も円高傾向が続いているので、今後の為替動向には注意が必要で
ある。1995 年1 月の阪神淡路大震災の直後も円高が半年以上にわたって進み、その年の4
月に最高値(1 ドル79 円75 銭)をつけていた。当時と同じように円高が数カ月も続けば、
震災で被害を受けた日本の輸出企業にとって、復興に向けての大きな足かせになる。
一方、震災と原発事故は大きな円安要因であること、また、日本の公的債務が、阪神淡路
大震災の当時に比べて大きく悪化していること、を考え合わせると、今後、日本国債への不
安が顕在化し、国債が投げ売りされるような事態が起きることも十分に考えられる。その場
合、円に対する信認が揺らぐことになるので、為替が円安に大きく振れるはずである。
足下の円高が日本企業の再建を阻害する可能性があることや、逆に為替が過剰に円安に振
れるリスクが高まっていることを考えると、日本政府は為替安定への強い意思を行動で示す
ことが求められているのではないだろうか。そして時として、日本政府・日本銀行が断固た
る姿勢で大規模な介入をすることが必要となるかもしれない。
また、かりに日本政府による為替介入(円売り・外貨買い介入)に円高是正の効果が小さ
かったとしても、震災後の日本国債への信認を維持し、震災復興資金のファイナンスを安定
化する効果はある。その理由は、概要、次のとおりである。日本はもともと巨額の公的債務
をかかえ、さらに大震災と原発事故による深刻なダメージを受けたため、日本国債に対する
市場の信認が動揺するリスクが一段と高まっている。このリスクが現実化すると、日本円に
対する信認も連動して悪化するため、為替は円安に進む。日本円への信認が失われる前の段
階で、日本政府が円売り・外貨買い介入によって外貨建て資産を蓄積しておけば、円安が進
行するとともに外貨建て資産が為替差益を生み出すため自動的に政府の財政は(円建てで)改
善する。このように外貨建て資産の蓄積を事前にすることで、円安(=国債価格の下落)局
面で、国債と円に対する信認の低下を緩和できるはずである。つまり、円売り・外貨買い介
3
入は、日本の財政当局自身が急激な円安へのリスクヘッジをすることと同等であるといえる。
日本政府がこのような政策を実施すると、国債暴落(すなわち急激な円安の進行)が発生す
ること自体を防止することになり、国債市場を安定化させる効果があると考えられる。
3.企業金融面での対策 − 二重債務問題の解決が課題
大震災後は、物的な供給連鎖や、金融上の信用連鎖が途絶し、連鎖倒産が発生することに
よって経済的被害が被災地外まで広範囲に広がることが懸念される。物的な供給連鎖の修復
を政策的に行うことは難しいが、金融面の問題に対処する方策は、日本銀行や銀行業界が中
心になって迅速に打ち出された。たとえば被災企業の手形決済の延期や不渡りの猶予などが
認められている。
こうした信用対策と同時に解決することが必要なのは、被災した企業や個人の二重債務問
題である。担保資産が地震で破壊されたり、津波で流されたりした場合、震災前のローンは
不良債権として債務削減が行われなければならない。新たに融資を得て企業が再出発すると
きに、既存債務が残っていると、返済負担が重過ぎ、事業再生ができないからである。この
問題については、銀行や借り手間の「公平性」の観点からは一概に債務削減を行うべきだと
はいえないが、グローバルなサプライチェーンを早期に再構築するという経済全体の「効率
性」の観点を重視すれば、一定の正当化ができるだろう。
しかし、貸し手側の銀行は、株主や規制当局への説明責任、担保資産の査定、連帯保証人
への請求など、債務免除を決定するまでに越えなければならないハードルが多い。個々の銀
行の意思決定で債務削減を行うには非常に時間がかかる。そこで、被災企業や被災者の債務
免除を迅速に進めるためには、債務免除を専業とする公的機関(「復興債務整理機構」)を時
限的に設立するのが望ましいだろう。債務整理機構は、現地の銀行から被災者の債務を一括
買い上げするなどして、債務免除(または債務の株式化)を行う。担保資産(土地など)は長
期的に保有し、時間をかけて市場で売却するか、自治体に寄付して復興計画の公的な用途に
使ってもらうようにする。こうした公的機関が債務処理の手本や前例を示すことによって、
現地の銀行も株主への説明がしやすくなるため、銀行による不良債権処理も迅速に進むと見
込まれる。
4.国債市場安定化による復興資金の安定的ファイナンス
− 長期的な財政再建と社会保障改革
東日本大震災は3月12 日に激甚災害に指定され、被災地復興に対して大きな財政支援が
行われることになった。震災の被害がきわめて広範囲の地域に及ぶこと、原発事故の被害の
復旧や電力供給体制の再構築などを考慮すると、今回の震災復興には、総額で数十兆円規模
の財政支出が必要となる。当然、国債(あるいは新規の「震災復興国債」)の発行によって復
4
興事業をファイナンスすることになるため、日本国債には大きな価格下落リスクがかかると
思われる。日本は巨額の公的債務を抱えているため、震災がなくても、財政への信認はいつ
失われてもおかしくはない状態だった。市場の信認が失われて、国債暴落という事態が発生
すれば、大震災からの復興は資金不足によって大きく遅れることになり、被災者の方々の苦
しみを何倍にも倍加してしまう。
こうした事態を避けるためには、日本国債に対する市場の信認を維持しつつ、復興国債を
発行するという難しい政策の実施が必要になる。課税平準化の理論から考えれば、震災復興
のような一時的な財政支出の増加は増税ではなく国債の発行によってファイナンスすること
が望ましい。そのうえで、復興国債は、恒久的な小幅な増税によって償還することが望まし
い。短期の歳出をファイナンスするために増税と減税を繰り返すよりも、税制は長期的に安
定している方が経済に与えるダメージが小さいので、このような結論が導き出される。
したがって、復興国債の発行と小幅な恒久増税の組み合わせが震災復興の財源調達の手段
としては適切であるが、問題は震災前から続いている財政再建の議論である。震災を理由に
して財政再建の議論が先送りになってしまうと、国債への信認が揺らぐことになる。したが
って、我々がなすべきことは、強い政治的な決断をもって、財政の持続性を回復する改革を
実行するということにほかならない。さらに、既得権にとらわれずに経済の構造改革を実行
し、生産性を上げて経済成長を回復する。そのことで財政を安定化させる。財政の持続性が
回復すればこそ、巨額の震災復興資金も国債発行によって円滑にファイナンスでき、早期の
復興を達成することができるからである。
震災前から議論されていた「税と社会保障の一体改革」については、政府はスケジュール
通り6 月に政府案を提示し、その後、与野党は迅速に合意をして成案を取りまとめ、早急に
改革を実行すべきである。富裕層の高齢者への年金給付の削減など社会保障の大幅な改革が
必要となる。また、消費税や所得税など諸々の税の増税も必要となる。資産保有に応じて年
金や医療費の負担割合を変更するためには、納税者番号制度の導入も不可避だろう。
これらの改革の痛みは、広く国民全体で担う必要がある。また公務員制度改革などの歳出
削減策についても同様である。具体的な歳出削減と歳入増加のスケジュールを明示し、国債
に対する市場の信頼をつなぎとめることが至上命題といえる。また、長期的な観点から財政
の改革を行う際には、子ども手当や高速道路料金の無料化などの足元の諸政策についても同
じ観点から再評価し、長期的に整合性のとれた政策体系を提示することが必要ではないだろ
うか。
財政を健全化して震災復興を支援するためには、財政を緊縮化するだけでなく、高い経済
成長を実現して税収を増加させることが不可欠である。農業や医療・福祉などの分野でも既
得権にとらわれない規制改革を行い、TPP(環太平洋経済連携協定)への参加などで日本
経済の開放性を高め、生産性を上げることが重要である。
長年、先送りされてきた課題を現実に実行すること。それによって震災の復興需要が円滑
にファイナンスできる強い財政を構築することこそ、震災被害者に対するわれわれの責任で
ある。
 

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