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なぜイタリア国債は急激に売られているのか?変わったのはイタリアではなく投資家・・:/markethack
http://www.asyura2.com/11/hasan72/msg/384.html
投稿者 稲垣勘尚 日時 2011 年 7 月 12 日 10:08:28: Je/tdYZdw47GA
 

http://markethack.net/archives/51749408.html

このところイタリア国債の人気が急に無くなっています。
イタリアの10年債の利回りはついに5.4%に乗せました。ギリシャ問題などの経験から、利回りが6%を超えると「赤信号」です。
なぜ急にイタリア国債が売られているのでしょうか?

欧州周辺国は「PIIGS(ブタ)」と揶揄されることが多いです。
PIIGSはポルトガル、アイルランド、イタリア、ギリシャ、スペインの頭文字を取ったアクロニムです。
これらの国は「欧州の劣等生」ということでひと括りにされているわけですけど、実体経済の動向に関してはさらに2つのグループに分けることが出来ると僕は考えています。
それはFast-moving situation 、つまり状況が刻々変化している国々とSlow-moving situation、つまりゆっくりとしか変化していない国、ないしは経済にぜんぜん変化が無い国という2つのグループです。
この場合、変化(movement)とは「悪い方」への変化を指します。

いま状況が刻々悪化している(ないしは悪化していた)国はギリシャ、スペイン、アイルランドなどです。
一方、状況にほとんど変化が無い国はポルトガルです。イタリアもこちらのグループに入ると思います。
(=イタリアのファンダメンタルズがゆっくりと動いていることに関しては以前の記事に書きました。)
それでは何が刻々とした状況変化を作り出しているのか?といえば、それは資産価格、もっと平たく言えば住宅市場の暗転です。
アイルランド、スペインではサブプライム・バブルが弾けた時に不動産市場が影響を受け、それ以来、住宅市場が冷え込んでいます。
ギリシャの場合は政権交代の時に新政権が旧政権の「ごまかし」を暴いたことが急激な状況変化の直接のきっかけになりました。

さて、前置きが長くなりましたけど上に述べてきたような経緯でイタリアの場合はそれほど「病状」に変化はなく、これまでは持病のようにぐずぐずした展開でした。
ところが最近、急に投資家の態度が冷たくなったのはイタリアの側ではなく、投資家の側に「心変わり」が起きたからです。

その心変わりの第一番目の理由はギリシャ問題の処理の一環として「民間の投資家にも痛み分けというカタチでコスト負担を強いるべきではないか?」という議論です。
つまり額面の100で満額償還するのではなく、30%引きとか50%引きという事にして投資家にも負担をさせないとモラルハザードになるという議論です。
これに対しては反論もあります。
なぜなら本来、100のお金が返って来るところを70しか貰えなければ、残りは「損金」というカタチで決算の際、報告しなければいけません。その際、赤字が出た分は銀行の自己資本が吹っ飛ぶわけです。
従って余り損が大きいようだと銀行の自己資本が十分か?という議論になり、銀行の安定経営を脅かしかねません。

これらの事から「やばい国の債券は早目に処分しよう」という心が働くわけです。
さらに問題を複雑にしているのは「そうなると大変だから、何とかデフォルトは無かったことにして、皆で仲良くギリシャのロールオーバー(借金の借り換え)を助けよう」というシナリオの場合、これはこれで頭の痛い問題が生じるからです。
つまり、折角、デフォルト・スワップ(=デフォルトに対する保険)を購入していた投資家は「一体、どうしてくれるのだ?」という話になるわけです。
ギリシャが支払い不能に陥ることを正確に予想し、それにたいする保険を購入したにもかかわらず、それがデフォルトなしのロールオーバーという事で話をウヤムヤにされたら、「ちゃんと予習をした投資家がバカを見る」ということになるのです。
(デフォルト・スワップなんて、徒労だな)
そう投資家が感じてしまうと次からはデフォルト保険つきでも危ない国の国債は買いたくなくなってしまいます。
これは喩えれば生命保険の未払いが大々的に公認されたら、もう次からは誰もアホらしくて生面保険などに入らなくなるのと同じ理屈です。
いまギリシャ問題の処理を巡って「デフォルト無しのロールオーバー」が議論されているのは、だから生命保険の保険証書が紙クズ化するかどうかに似た大事な議論なのです。

これは難しい議論なのでなかなか結論は出ないと思います。
でもいろいろな「安全メカニズム」の信頼性が保証できなくなった現況では、ヤバい投資対象を手仕舞って、キャッシュにした方が良いわけです。
またクレジット・デフォルト・スワップのような洗練されたヘッジ・ツールが「政治的な理由で使えない」ということになると、もっとシンプルな方法でリスクをヘッジする途を模索しなければいけません。
最近、イタリアの株式市場がつるべ落としに下がっているひとつの理由は「有事にはシンプルなソリューションの方が信頼度が高い」という金融の世界の大原則に沿ってイタリア株をショートすることでリスク・ヘッジする、セオリー通りの投資行動が起こっているからです

 

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コメント
 
01. 2011年7月12日 10:12:53: Pj82T22SRI
ユーロ対円で約4カ月ぶり安値更新、債務危機の域内波及懸念強まる 

  7月12日(ブルームバーグ):午前の東京外国為替市場では、再びユーロ売りが活発化しており、対円では一時1ユーロ=112円32銭と、3月18日以来の安値を更新している。欧州の重債務国から端を発した危機が域内に広がるとの懸念が強まる中、ユーロ売り圧力が根強く残っている。

  前日の海外市場で112円35銭まで下落していたユーロの対円相場はこの日の日本時間朝方に112円95銭まで値を戻す場面が見られていた。しかし、ユーロの上値は限定的で再び売り圧力が戻る格好となっており、午前9時50分現在は112円47銭付近で取引されている。

  ユーロ・ドル相場は前日の海外市場で一時1ユーロ=1.3987ドルと、5月23日以来の水準までユーロ安が進行。日本時間早朝の取引では1.4062ドルまで水準を切り上げたが、1.4010ドルに押し戻されており、午前9時50分現在は1.4025ドル付近での取引となっている。

  クレディ・スイス証券外国為替調査部の深谷幸司チーフ通貨ストラテジストは、ユーロの下落が一服したのかどうかは微妙だが、とりあえずレベル的にはこれまでの取引レンジの下限付近で、下げ止まる形になっていると指摘。ただ、イタリアへの危機波及で悲観に傾いたセンチメントをひっくり返すのはかなり難しく、欧米の10年債利回り格差がこれまで以上に「ドル優位」となるなか、リスクは引き続きユーロ安・ドル高方向にあるとみている。

  一方、ドル・円相場は前日の海外市場で欧州債務懸念を背景にリスク回避の動きが広がった影響で、一時は1ドル=80円11銭と、6月22日以来の水準まで円買いが進んだ。日本時間午前9時50分現在は80円19銭付近で推移している。

           欧州債務懸念根強い

  前日の欧州債市場では、イタリアとスペインの国債が急落した。イタリア国債の利回りは5.71%と、2000年以来の水準に上昇。ドイツ10年債とのスプレッドは303ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)に拡大し、ユーロ導入以後の最高となった。スペイン10年債利回りの対独スプレッドも拡大している。

  格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、ギリシャ救済に民間銀行の参加を求める欧州各国政府の姿勢は市場での資金調達が困難な国の格付けにマイナスの影響を与えるとの見解を示した。

  ムーディーズの欧州クレジット責任者ウィルソン氏は週間リポートで、当局の「発表や提案は、弱い回復見通しと市場での資金調達難という問題を抱えるギリシャおよびその他の欧州高債務国の債権者にとってリスクが増していることを示唆している」と指摘。「民間市場が財政難に陥っている国による市場からの資金調達を数カ月あるいは数年にわたって拒否し、欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)の支援が長期間にわたり必要となることが、ますます明白になりつつある」と解説している。

  ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のユンケル議長(ルクセンブルク首相兼国庫相)は11日、ブリュッセルでの記者会見で、ユーロ圏財務相がギリシャの支援策の1つの選択肢として、流通市場でのギリシャ債購入でのファイナンスの可能性について検討していることを明らかにした。

  また、ユーロ圏財務相は11日、ブリュッセルで声明を発表し、「欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の柔軟性と範囲の強化や、融資の償還期間の長期化や金利引き下げを含めて、感染リスクに抵抗するユーロ圏の金融システムの能力改善のために、新たな措置を取る準備がある」ことを表明した。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 三浦和美 Kazumi Miura kmiura1@bloomberg.net

記事に関するエディターへの問い合わせ先:東京 大久保 義人 Yoshito Okubo yokubo1@bloomberg.netRocky Swift rswift5@bloomberg.net
更新日時: 2011/07/12 09:52 JST


02. 2011年7月12日 10:14:04: Pj82T22SRI
ユーロ圏安定に向け新たな措置へ、財務相会合で合意
2011年 07月 12日 08:49 JST 

 7月11日、ユーロ圏財務相会合で、ユーロ圏の安定確保に向け、新たな措置を間もなく講じることで合意した。写真は会合に出席したトリシェECB総裁(中央)ら(2011年 ロイター/Thierry Roge)
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米株大幅続落、米予算協議やユーロ圏危機めぐる懸念が圧迫

 [ブリュッセル 11日 ロイター] 11日に開催されたユーロ圏財務相会合では、ギリシャなどのユーロ参加国を救済するため、債務の期間延長や金利引き下げ、救済ファンドの柔軟性向上など、新たな措置を講じることで合意した。

 各国財務相は、ユーロ圏の安定確保に向け、新たな措置を間もなく講じることで合意したものの、具体的な日程は決定されなかった。

 声明は「務相は(危機)波及リスクを食い止めるユーロ圏のシステミックな能力を改善するため、さらなる措置を講じる用意がある。それには、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の柔軟性および範囲の拡大、ローンの満期延長や金利引き下げが含まれ、必要に応じて担保に関する調整も活用される」としている。

 11日の欧州市場では、イタリアとスペインの株式市場は下落、ユーロも大幅に下落した。

 イタリアのベルルスコーニ首相が、緊縮財政を推進するトレモンティ財務相の基盤を揺るがせようとしている、との見方から、イタリアの金融市場は先週から不安定となっていた。 

 イタリア債務の経済に対する比率はギリシャに次いで大きく、仮にイタリアでも債務危機が発生すれば、欧州金融安定ファシリティーは現在の規模では不十分になる。

 財務相はユーログループの作業部会に対し、ギリシャ危機に対する現在の政策対応を強化する対策を提案するよう要請した。ユーログループの作業部会は、新たな複数年にわたる調整プログラムをファイナンスする手法や、利払いコストを削減し、公的債務の持続可能性を改善する手段を探ることになる。

 ユーログループのユンケル議長は記者会見で、新たなギリシャ支援民間部門の関与があると明言し、どのように行うかを早急にまとめる考えを示した。

 議長は「ギリシャの債務負担が下方に修正された場合や金利が引き下げられた場合、また、償還期間が延長された場合、これがギリシャにとり大きな支援になるとの印象を受けるだろう」と述べた。

 この日はイタリア国債の保証コストが過去最高に上昇した。また、同国国債のドイツ連邦債に対する利回りスプレッドはユーロ導入以来の高水準を記録した。

 イタリアの債務の経済に対する比率はギリシャに次いで大きく、仮にイタリアでも債務危機が発生すれば、欧州金融安定ファシリティーは現在の規模では不十分になる。

 ドイツのメルケル首相は11日、イタリアについて、ユーロ圏の信頼回復に向け求められる財政改革への取り組みを示さねばならないとし、同国はそれを遂行すると確信しているとの考えを明らかにした

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03. 2011年7月12日 16:24:42: y2UYF1WZ2I
さらに問題を複雑にしているのは「そうなると大変だから、何とかデフォルトは無かったことにして、皆で仲良くギリシャのロールオーバー(借金の借り換え)を助けよう」というシナリオの場合、これはこれで頭の痛い問題が生じるからです。
つまり、折角、デフォルト・スワップ(=デフォルトに対する保険)を購入していた投資家は「一体、どうしてくれるのだ?」という話になるわけです。
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デフォルトスワップを保険というのは間違いだ。デフォルトするかどうかは事故ではなくて、まさにここでいわれているように政治的・人為的な操作だからだ。CDSを買った側とそうでない側がどれだけ当局の判断に影響力を与えられるかで十兆円単位のカネがすっとぶ。あほらしい



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