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国債に依存する生保、リスクは増大する一方 生保も貯金も蒸発、生活設計がすべて破綻
http://www.asyura2.com/11/hasan72/msg/453.html
投稿者 sci 日時 2011 年 7 月 19 日 11:50:24: 6WQSToHgoAVCQ
 


遠くない将来、
国内生産力が技術革新の停滞、空洞化と高齢化で低迷し、社会保障などのコスト(必要サービス)や輸入コストを賄いきれなくなれば、悪性インフレと金利上昇によるGDP比の歳出急増(負債の爆発)は避けられない。

日銀が買い続ければ名目上はデフォルトはしないだろうが、さらに円安インフレが加速して円関連の金融資産は紙屑になるから、保有リスクがあるという意味では同じだな。

政治家と国民が愚かでなければ、その前に、社会保障の歳出削減と成長戦略、課税強化を行うだろうが、一応、破綻リスクも頭に置いておいた方がいいだろう。

だからと言って、今、海外の国債や株式を買うのが正しいという保証もないし、リスクに対するアリアンツの戦略が長期的に妥当という保証もない。
未来は不確定だ。

http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20110718/277952/?ST=business
大前研一の「産業突然死」
国債に依存する生保、リスクは増大する一方
生保も貯金も蒸発、生活設計がすべて破綻
2011年07月19日

生命保険会社が資産運用での日本国債依存度を高めている。生命保険協会のまとめによると、2011年3月末における生保各社の運用資産に占める国債 の比率は41.3%となり、5年連続で過去最高を更新した。その一方で、1980年代までは50%を超えていた融資比率は13.7%となり、過去最低水準 となった。
 このところ原発問題やエネルギー問題ばかり取り上げてきたので、今回は視点を変えて、生命保険会社が傾斜する国債依存の問題を考えてみよう。
日本国債への投資が飛び抜けて高い
 言うまでもないが、生命保険会社は被保険者の病気やケガ、死亡などに応じて、あらかじめ決められた保険金を支払う義務を負っている。この保険金は 被保険者が生保会社に支払った保険料(掛け金)を元手にしており、将来の保険金支払いを確実に果たすため、また配当金の原資をかせぐなどの目的で資産運用 を行っている。
 下のグラフは資産運用先の推移を示したものだ。

http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20110718/277952/chart1.jpg
 2007年から生保各社は資産運用先を急激に国債へシフトした。ここ数年、伸び率は鈍化しているものの、依然として漸増傾向にあることがわかる。 これに対して株式や外国証券は大きく減少した後、漸減傾向にある。かつては銀行と見間違うほどあった貸付金は15%程度にまで落ちたままだ。
 その結果、国債だけが飛び抜けており、その他の資産運用先に2倍以上もの差をつけている。2006年以前は投資配分のバランスが取れていたことを 見れば、最近の国債への依存度の高さは「異常」とも思える。そして、なお生保各社は日本国債を有力な投資先と見なしているわけである。
Next:試算運用先のうち株式はわずか5%前後
 資産運用先のうち、最も低いのが株式である。割合としては5%前後といったところだ。生保各社が国内企業の株に投資していないのは、低迷する株価 を考えてみればやむを得ない面もある。ならば他の投資先を検討すればいいようなものだが、外国証券に投資しているわけでもなければ、アグレッシブな貸し付 けを行っているわけでもない。
 ノルウェーのノルゲス銀行(中央銀行)、米大手金融機関のステート・ストリートなどが積極的に日本株をポートフォリオに組み込んでいるのと対照的 に外国の年金ファンドに比べても、日本の機関投資家は株式組み込みを極端に減らしてきている。乱発される国債をひたすら買っているだけだ。
 この状況に危機感を感じるのは、私だけではないはずだ。今年3月末の国債発行残高は約760兆円に達し、借入金などを加えれば「国の借金」は 920兆円を突破した。日本の財政は言ってみれば「メルトダウン寸前」の状態が続いているわけで、こうした事態を収拾する気配も感じられない。
 対国内総生産(GDP)比率で見た公的債務は、格付けが(破綻=Dを除くと)最下位まで下がってしまったギリシャや急速に落下中のポルトガル、アイルランド、そして先週になって下図の位置から引き下げられたスペイン、イタリアなどに比べても日本はダントツである。

http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20110718/277952/chart2.jpg
Next:日本の財政が破綻すれば、生命保険は蒸発する
日本の財政が破綻すれば、生命保険は蒸発する
 その日本国債は生保(そして年金、貯蓄、信託)に極端に傾斜して組み込まれている。しかし、日本国債が依然として比較的安定していると判断されて いる唯一の理由は、外国から見れば「まだ日本人自体が積極的に買っているから安心に違いない」という「美しい誤解」をしているからだ。
 しかし、当の日本人に「買っている」という意識はない。なぜなら国民が直接買っている部分はわずかで、大半は生保のような金融機関が運用先として 買っているに過ぎないからだ。日本株を大量に買っている上述のような外国の機関投資家は日本国債をほとんど買っていない。利回りも小さく魅力が乏しいうえ に将来の不安要因もあるので長期運用の年金や生保に組み込むわけにはいかないからだ。
 ということは、いよいよ日本が財政破綻すれば、国債に大きく依存してきた生保各社も自動的に破綻することになる。私たちがずっと支払い続けてきた生命保険も蒸発してしまうのだ。
 生保会社は「国家財政が破綻したから生命保険はお支払いできません。もちろん納めていただいた保険料もお返しできません」と宣言せざるを得なくな る。頼みの綱の日本政府が財政破綻してしまえば、もはや生保各社を救済することはできない。生保各社が国債にしがみついている限り、これはかなり高い確率 で起こり得るシナリオと言えるだろう。
 しかし、その時は国民にとっての問題は生保だけではない。貯金(特に郵貯)は蒸発し、生活設計がすべて破綻するのと同時動作ということになる。
Next:日本生命は独アリアンツの経営ノウハウを学び取れ
 そんな中、国内生保最大手の日本生命に興味深い動きがあった。ヨーロッパ最大の保険会社でドイツに本拠を置くアリアンツに資本参加すると7月5日 に発表したのだ。出資額は約585億円で、同社発行済み株式の1〜2%を取得する。高成長が続くアジアなどの新興国で保険商品の開発、資産運用などに共同 で取り組む考えだ。
 これは素直にいいことだと思う。アリアンツはきわめて堅調な経営をしていることで世界に知られる保険会社だ。これを機に日本生命はアリアンツの経営ノウハウを積極的に学び取り、国債依存という脆弱な経営体質からぜひとも脱してもらいたい。
 出資額約585億円というのは日本生命の企業規模からすれば微々たるものだろうが、その原資の大部分は被保険者の払い込んだ保険料なのだから、断じて死に金にしてほしくはない。
 アリアンツは、被保険者のライフサイクルをにらんだ金融提案に定評がある。たとえば顧客の学歴・職歴、家族構成などから生涯賃金などを推定し、そ れに応じて保険を売ったり、融資したりしている。そして、それにより高い収益を上げている。それに比べれば、日本の生保各社は魅力的な商品を開発できてい ない。学ぶべき点は多いはずだ。
 繰り返すが、生保各社が国債への依存度を高めていくのは大きなリスクである。顧客には「万が一のリスクに備えて」といって保険を売っておきながら、保険会社が自らのリスクを放置しておくのは矛盾以外の何ものでもない。
 アリアンツへの資本参加という、いわば一種の「外圧」によって、生保各社が経営の健全性を取り戻す戦略を初心に返って練り直してもらいたい。
 4月28日に『日本復興計画』(文藝春秋)が緊急出版されました。復興の財源、エネルギー問題、外交政策などについて提言しています。大前氏は同書の印税をいっさい受け取らず、売り上げの12%が被災地救援に寄付されます。
■コラム中の図表は作成元であるBBT総合研究所(BBT総研)の許諾を得て掲載しております■図表、文章等の無断転載を禁じます■コラム中の図表及び記載されている各種データは、BBT総研が信頼できると判断した各種情報源から入手したものですが、BBT総研がそれらのデータの正確性、完全性を保証するものではありません■コラム中に掲載された見解、予測等は資料作成時点の判断であり、今後予告なしに変更されることがあります■【図表・データに関する問合せ】 BBT総合研究所, http://www.bbt757.com/bbtri/
大前研一の「「産業突然死」時代の人生論」は、09年4月7日まで「SAFETY JAPAN」サイトにて公開して参りましたが、09年4月15日より、掲載媒体が「nikkeiBPnet」に変更になりました。今後ともよろしくお願いいたします。また、大前氏の過去の記事は、今後ともSAFETY JAPANにて購読できますので、よろしくご愛読ください。

『大前研一 洞察力の原点 プロフェッショナルに贈る言葉』 (大前研一著、日経BP社)◎目次序――私の思考回路に焼きつけた言葉/答えのない時代に必要なこと/基本的態度/禁句/考える/対話する/結論を出す/戦略を立てる/統率する/構想を描く/突破する/時代を読む/新大陸を歩く/日本人へ◎書籍の購入は下記から日経BP書店|Amazon|楽天ブックス|セブンネットショッピング
◆「大前研一の著書に学ぶ『洞察力の磨き方』」はこちらをご覧ください。
大前 研一(おおまえ・けんいち)
1943年、福岡県に生まれる。早稲田大学理工学部卒業後、東京工業大学大学院原子核工学科で修士号を、マサチューセッツ工科大学大学院原子力工学科で博 士号を取得。日立製作所原子力開発部技師を経て、1972年、マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク入社。以来ディレクター、日本支社長、アジア太平 洋地区会長を務める。 2005年4月に本邦初の遠隔教育法によるMBAプログラム(ビジネスブレークスルー大学院大学)が開講、学長に就任。経営コンサルタントとしても各国 で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権の国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。 著作に『さらばアメリカ』(小学館)、『新版「知の衰退」からいかに脱出するか?』(光文社知恵の森文庫)、『ロシア・ショック』(講談社)など多数がある。大前研一のホームページ:http://www.kohmae.comビジネスブレークスルー:http://www.bbt757.com


 

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コメント
 
01. 2011年7月19日 12:15:24: Pj82T22SRI
>リスクに対するアリアンツの戦略が長期的に妥当という保証もない

日本国債ばかり貯めこむよりは長期的にはリスクは低いし
円高を利用して海外資産を買い進めてリスク分散すれば、円安要因にもなる
勿論、さらなる円高が定着したら運が悪かったということだw



02. 2011年7月20日 00:12:40: Pj82T22SRI
確かに為替は「投資」ではなく「投機」だ
http://diamond.jp/articles/-/13205
第190回】 2011年7月20日 山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員] 
「為替投資入門」の勘所 
向こう1年の保存を勧めたい特集号
 個人の資産運用にあって、外貨建て資産への投資知識は「普通のこと」から「避けられない常識」になりつつある。こうした中、現在発売中の『週刊ダ イヤモンド』(7月23日号)は、「為替投資入門」の特集を組んだ。全体で70ページ近い大特集であり、外貨資産運用に興味のある投資家は全体を通読して 知識をアップ・デートしておきたいところだし、金融商品の販売に関わる金融機関の職員やFP(ファイナンシャルプランナー)にとっては何はともあれ理解し て常に参照できるようにしておくべき定番資料だ。
 たとえば、現在流行中の通貨選択型の投資信託の「ブラジルレアル・コース」のような商品がどのようにして高利回り(に見える)分配を可能にしてい るのか、「理解できない」或いは「説明できない」(どちらも同じようなものだが)という投資家やFPは少なくないのではないか。
 また、数多ある外国為替取引の選択肢の中で、実質的な手数料が本当に安いのはどの選択肢なのか、調べるのは骨が折れるけれども、実際にコストの差 はかなり大きなものがある。これを知らずに外貨の両替を行ったり、ましてFXなどの為替取引に参加したりするのは、損が大きいかも知れない。
 もちろん、ここは『ダイヤモンド・オンライン』の連載コラムなので、いかに筆者がへそ曲がりでも週刊ダイヤモンドを「買うな!」と言うはずはないのだが、本特集号は是非手元に置いておく価値がある、と申し上げておこう。
 幸か不幸か筆者は本特集号に参加していないので、為替レートの相場に関する想定や解説が、たとえば1年後にどう見えるかが面白いし、そのこと自体 に、大きな教育的価値があることも含めて、この特集号は1年間保存しておくことをお勧めしたい。外貨投資に対するニーズは大きいので、来年もまた、同様の 特集があるだろう。比較も一興だ。
次のページ>>外貨取引は「手数料」が大切! 
 外国為替取引はもともと銀行が独占的に支配していた市場で、ユーザーにとっては、取引に自由に参加すること自体が難しかった時代もそう昔のことではないし、あちらこちらに張り巡らされた「手数料の罠」がある。
 単なる外貨と邦貨の両替から、大方が為替レートの上昇を期待する中国の人民元への投資に関わる実質的な手数料まで、「手数料は確実なマイナス・リ ターンだ」というリアルな現実認識に基づいたコスト比較が重要だ。しかし、この点について包括的に調べるのはかなり手間が掛かる。ここは、「特集」のデー タを活用する価値がある。たとえば、海外留学中のご子息に学費や生活費を送金する場合にどんな手段が最も効率的か、一度厳密に検討してみることは悪くある まい。
 また、詳しくは特集号を読んで欲しいが、「預金」と名が付き親しみやすい外貨預金の割りが悪く、外貨を持つなら外貨建てMMFの方が遙かにましで あることなども、詳しいコスト比較と共に解説されている。「メガバンクの外貨預金はあまりに不利」(p36)というタイトルがついた金利と手数料の比較表 などは、漫然と外貨預金を組む前に是非読んでおきたい。
 ところで、FX(外国為替証拠金取引)は、規制緩和に乗じて外国為替取引を大衆化するにあたって大きな役割を果たしたと思うが、レバレッジの規制 (50倍→25倍)やアフィリエイトの規制などの動向を見ると、金融監督当局は、FX業者を、かつての消費者金融業者のように、「実力以上の存在感を持ち すぎた業者」として、「力を削いでいこう」と考えているらしいことを読み取ることができる。
 FX業者の集約は傾向として今後続くだろう。筆者は、個人が手軽に為替取引に参加することが出来るチャネルが将来も残って欲しいと考えているが、 現在は、過当競争であり、客数に対してカジノが多すぎる観光地のような状況になっている。この業界がどう変化するかは予断を許さない。
次のページ>>投信の商品開発は飽和している! 
 今回の「為替投資」特集号から読み取ることができる最も示唆に富むメッセージは、現在の「通貨選択」と「多分配」(毎月分配型など)を組み合わせ た投資信託の商品開発は、記事「行き詰まる投信商品開発の現場」(p46以下)にあるように、限界に近づいているということだろう。
 目次を見て記事のタイトルを拾うだけでも、「行き詰まる投信商品開発の現場」に「分配金をひねり出せるカラクリ」、「通貨選択型投信が危うい理 由」と続くように、現在売れ筋ではあっても、ブラジルレアルや豪ドルなどの高金利通貨を使って高い分配金をひねり出している投資信託に対して、編集部が相 当に懐疑的であることが窺える。
 この点については、筆者もこの特集と同様の危機感と(潜在的)批判を共有する。
 たとえば、投資対象として、米国のハイ・イールド債を対象として、通貨リスクはブラジルレアル・コースというような、「二階建て」の仕掛けを作っ ているファンドは、分配原資を作るために過大なリスクと余計なコスト(たとえば新興国通貨のNDFの条件に含まれる)を負っているように思われる。
 これらは、今までのところ金利も含めた新興国通貨の好調で結果的に難が隠されてきたが、今後、たとえば米国の金利が上昇する時に、大きく裏目に出る可能性があるし、「普通の相場」でもコストの重荷が表面化するはずだ。
 投資信託の分配原資を作るための仕掛けは、いっそのこと円建てのステップダウン債(元本をクーポンに変えて前払いしていく債券)でも作る方が余計 なリスクやコストを掛けずに「相対的に健全なタコ配」が出来てマシであるように思うが、そもそもが、分配金に顧客の注意を集中する金融機関の営業姿勢全体 が金融業界の「病」であるように思う。
次のページ>>悪徳支店長の大量購入を呼ぶ「評価リスト」 
基本的に、顧客の資産運用のリスクとリターンにとって有利でない投資対象を、心理的な効果で有利であるかのように見せかけて売る商売をしているの で、営業方法か商品設計か何らかの段階で規制が必要なのかも知れないが、監督当局にも業界にもその意志はないだろう。目下、消費者側が自衛するしかない。
 反動が出た時に投資信託関連業界が被る残高の後退と信頼の喪失の影響は大きいだろうが、現状では、そうなっても、顧客も含めて自業自得だと言わざるを得ない。投資家は、本特集号を読んで、「通貨選択型」や「毎月分配型」といった不良商品から静かに遠ざかるのが賢明だ。
悪徳支店長の大量購入を呼ぶ「評価リスト」
 週刊ダイヤモンドといえば、伝統的にデータを駆使した大がかりな比較表・評価表が有名だ。特集号は、909本の投資信託についてデータを表にしている。
 今回の特集号は「コスト」に徹底的に注目することを方針としており、信託報酬と販売手数料をしっかり掲げている点で、この比較表は役に立つ。コス トは投資家の選択にあってコントロールが利く要素なので、これを重視することは、金融業者には不都合だが、顧客側から見て理に適っている。
 それにしても、年率で1%台後半から2%前後の信託報酬がずらりと並ぶ外貨投資の投資信託の手数料の高さには呆れる。この手数料の高さには、日本の投信投資家のリテラシーの低さがよく表れている。年率換算した投資家の「バカの値段」である。
 また、豪ドルやブラジルレアルなどのリスクがいかに大きいかについても、イボットソン・アソシエイツ・ジャパンのデータに基づいて説明しており、 比較表にも「推計リスク(%)」が載っている。このデータは、本来、金融機関の販売員やFP(ファイナンシャルプランナー)がしっかり頭に入れておくべき ものだ。
 但し、この評価表には大きな問題が一つある。
 それは、期待リターンだ。「日本債券 0〜1%」、「米国債券 1〜2%」、「豪州債券 3〜7%」などとあるように(p55参照)、この比較表 では、各通貨建ての名目金利をそのまま円建ての利回りに読み替えて期待リターンを求めているが、これは誤りだ(株式については各通貨の金利にリスクプレミ アムを足しているようだが、これも誤り)。
 金融の、というよりもマーケットの常識として、通貨の異なる利回りを直接比較することは出来ないし、通貨を統一して(たとえば日本円建てとして)リターンを比較する場合に「高金利通貨&金利=高リターン」ではない。
次のページ>>。ヨ高金利・通貨は高リターンだ」と単純にいえるものではない
 特集号でも「投信のカラクリ」(p51以下)で詳しく説明されているように、為替取引は、為替レートと金利(資金操作に伴う調達・運用金利)が セットで行われており、どの通貨・金利の組合せが有利なのかを市場参加者は必死に比較している。「高金利・通貨は高リターンだ」と単純にいえるものではな い。
 この点に関しては、『日本経済新聞』(7月4日朝刊)の記事「長期の外貨投資『購買力平価』軸に」という記事に載っている、過去30年の日本債券 と海外債券(シティグループ世界国債インデックスによる。この間一貫して外国債券は高金利だった)の総合リターン(累積)がほぼ同じであった事実などを見 て、どの通貨・金利の組合せのリターンが高いのかは事前にはよく分からないが、金利差は長期的に為替レートで相殺される傾向があることなどを学んでおくと いい。
 海外資産の期待リターンをこのような形ででも嵩上げしないと、評価表として格好が付かないということなのかも知れないが、この評価表は各商品の 「実質期待リターン(%)」の多くを明らかに過大評価しており、これに基づいて計算された「シャープレシオ」の評価と共に投資家に対して不正確で有害な情 報提供を行っている。
 名目金利をそのまま円建ての期待リターンに読み替える方法はイボットソン社本社の見解で、東京サイドでは修正できないのかも知れないが、これでは、屑のような商品のマーケティングに協力していると言われても仕方がないのではないか。
 読者は、「実質期待リターン」と「実質シャープレシオ評点」の二つの欄を無視して(縦線でも引いて消しておくといい)この評価表を読むべきだ。
 この評価表を持ち歩いて、「これが、この商品の期待リターンです。シャープレシオによる評価も高い」と言って投信を売り歩くセールスマンがいるの ではないかと心配だ。権威のある雑誌の記事に基づいて「期待リターン」の数字を具体的に示してセールスできるなら、セールスマンにとっては楽だ。悪知恵の 働く支店長(証券、銀行両方で)はこの特集号を大量購入してセールスマンに持たせるのではなかろうか。
次のページ>>為替は「投資」ではなく「投機」である
 特集号は為替レートの予想についても記事を載せている。
 為替ストラテジストの対談を読むと、為替予想についてはプロでも見解が大きく異なることや、為替レートの予測にあたって決定的な方法がないことな どが、よく分かると思う。為替レートの決定に関しては、理論が無いわけではないが、株式や債券よりも遙かに複雑であり、予測に応用するには不確かな要素が 多い。
 率直にいって、為替レートの予測は、面白いけれども、難しい。
 特集号は、野村證券為替調査チームによる「主要14通貨全予測」を10ページにわたって掲載しているが、証券会社が為替レートに関して多人数の調査体制を敷くようになったことに時代の変化を感じる。良くも悪くも、外貨が証券会社の大きなメシの種になったのだ。
 もっとも、いかに専門家の予想だといっても、読者はこれを信頼し頼ってはならない。「よそう」は反対から読むと「うそよ」(嘘よ!)というくらいのもので当てにならない。専門家のものであっても、話半分以下で読むべきだ。
 最後に特集にもう一つだけ苦言を呈しておこう。
 特集のタイトルは「為替投資入門」であるが、為替自体はゼロサム・ゲーム的な「投機」なのであって、株式や債券のようにリスクを取って資本を提供 する「投資」の対象ではない。外国資産への投資に際して、為替の取引・リスクが付随するのだが、為替自体が投資であるような呼び方は、「為替もリスクに見 合ったリターンがある投資ではないか」という誤解を生みやすいのではないか。
「為替投機の入門」では、読者が寄りつかないかも知れないので、仕方がないが、為替市場こそ世界最大最高のカジノであることを、魅力とリスクの両面から特集のどこかで伝えて欲しかった。


03. 2011年7月20日 00:16:10: Pj82T22SRI

http://diamond.jp/articles/-/13177

欧州首脳会談と米国債務上限引き上げ問題が今週のカギ。瞬間暴落のリスクも!?
広瀬隆雄 [投資顧問会社コンテクスチュアル・インベストメンツLLC代表]
【今回のまとめ】

1.欧州首脳会談と米国債務上限引き上げ問題は重要
2.欧州首脳会談ではギリシャ支援第2枠が議論される
3.ECBの貧弱な自己資本が問題化している
4.米国の債務上限引き上げ問題は政治ショー
欧州首脳会談ではギリシャ問題が議題になる

 現在、世界の市場参加者が注目しているのは、次の2つです。

1.今週木曜日、7月21日に予定されている欧州首脳会談
2.8月2日(火)に期限切れとなる米国債務上限引き上げ問題

 言うまでもなく、7月21日(木)に予定されている欧州首脳会談での議題はギリシャ問題となります。

 ギリシャは9月頃に昨年5月に発表された1100億ユーロの支援金を全部使い果たしてしまいます。そこで、ギリシャ支援第2枠と呼ばれる追加支援が必要になります。

 現時点では、この追加支援額が1000億ユーロ程度になるのではないかと言われています。

 しかし、追加支援を決めるにあたって、実質的に一番多くの支援金を負担するドイツが「ギリシャの債務問題の抜本的な立て直しのメドが立たなければ、追加支援はしたくない」という意思表示をしています。

 この場合、抜本的な解決策の決め手になるのは、ギリシャの債務のヘアカット(減免)です。

 現在のギリシャは、国の税収の大半が右から左へと借金の利払いとして消えてしまっている状況です。

 しかも「ギリシャはリスクが大きいのでお金は貸したくない」と考える投資家が後を絶たないため、高利貸しから借りるようなべらぼうな高金利でしか借金ができないような状況に陥っています。
ECBが自己資本不足の問題に直面するリスクも

 これに対して、ECB(欧州中央銀行)はドイツの主張するヘアカットに反対の立場を貫いています。

 その理由は、ECBがギリシャ国債をかなり保有しているために、それが「満額償還」にならない「ヘアカット」となった場合、大きな実現損を受けるからです。

 ECBのバランスシートを見ると、自己資本は3%強と極めて小さく、ヘアカットで実現損が出たら、いきなり自己資本不足の問題に直面します。

 もちろん、緊急の場合はFRB(米連邦準備制度)からスワップ・ラインを設定してもらうこともできるでしょうが、「ECBがリーマンみたいなことになる」という不安が市場で高まれば、マーケットが相当混乱することは容易に想像がつきます。

 そのため、ECBのトリシェ総裁は凍りついてしまって身動きがとれなくなっているのです。

 そこで、2010年の5月にギリシャ問題の解決のための基金として設立された欧州金融安定化基金(EFSF)の残金で、ECBが在庫にしているギリシャ国債を買い取るという、いささか急進的な意見も聞かれ始めています。

 これは、「スーパー・ヒーロー失格」のECBをお役御免にして、EU(欧州連合)と民間金融機関中心で問題解決の議論を前進させてはどうかというものです。
米債務上限引き上げ問題は政治ショーに過ぎない

 さて、一方の米国の債務上限引き上げ問題は、ギリシャのそれとは異なり、純粋に「政治ショー」であると言えます。

 このように断言できる理由は、マーケットがこれらの問題をどう受け止めているかを見ればわかります。

記事の続きを読む

 ギリシャ国債は誰も買い手がないので、べらぼうな金利がついています。

 一方の米国財務省証券はずっと堅調に推移しており、入札の消化にはぜんぜん困っていません。

 「投資家は黙っていても米国債を買う。それならば、この機会にちょっと自己主張して有権者の歓心を買おうか?」

 議員さんもオバマ大統領も、それぞれの人気取りを優先して自己主張を曲げていないのです。

 共和党議員の場合、「増税はまっぴら御免だ」とかたくなに主張することで、有権者から拍手喝采を受けることができます。

 一方、オバマ大統領は「裕福層にもっと負担させよう」ということを主張することで、来年の選挙に向けて支持基盤を固めることができます。

 このように、真っ向から対立する主張をお互いにギリギリまで譲らず、8月2日(火)の期限切れに向けて「崖っぷちへダッシュ!」しているのが米国の状況です。

 映画、『理由なき反抗』でブレーキを踏むのが一瞬遅れたクルマが谷底へ墜落したのと同じで、土壇場で議会が「債務上限引き上げ案を否決!」なんてニュースが飛び出したらデフォルト(債務不履行)ということになります。

 その場合、金融市場がどのくらい混乱するかはちょっと想像がつきません。「すべてはショーなのだ」ということを投資家が見透かして、全然混乱しないというシナリオも考えられなくはありませんが…

 このように目先の世界市場は、イベント・リスクとスリルにあふれているわけです。
■今週の決算発表の予定は?

 その一方で、足元では米国企業の決算発表が続いています。今週の主な決算発表は下の表のようになっています。

 太字は過去の実績で80%以上の確率で市場予想を実際の決算が上回ってきた企業です。


04. 2011年7月20日 11:01:57: Pj82T22SRI
>>04 金融市場異論百出 【第187回】 2011年7月20日 
資金余剰が市場で顕著でもなお続く日銀の緩和策 

 先日、東北地方のある金融機関の資金運用担当者からこんな話を聞いた。「日銀は“被災地金融機関支援のための資金供給”を4月から行っているが、実際のわれわれはカネが余って困った状況になっている。日銀が逆に、少し高い金利で、“被災地金融機関支援のための資金吸収オペ”をやってくれるとうれしいんだけどなあ(笑)」。

 日銀は前述のオペ以外にもさまざまな手段を使って、市場にじゃぶじゃぶに資金を供給している。日銀当座預金は3月下旬より減少して30兆円前後となっているが、これは日銀の資金供給姿勢が後退したためではない。震災後に見られた流動性不安が消え、金融機関の側が日銀からの借り入れを減らしているためである。そうはいっても、日銀当座預金は7.6兆円あれば本来足りるので、市場では強烈な資金余剰が続いている。

 一方で、被災者には保険金が入ってきており、多くの地方金融機関で預金が増加している。被災地での復興用の資金需要はまだ顕著には出てきていない。余った資金は国債市場に流れやすいが、長期国債の利回りはすでに低水準にあり、運用難に直面している地方金融機関は多い。冒頭のコメントにあった、“被災地金融機関支援のための資金吸収オペ”待望論というジョークの背景にはそのような実情が存在している。
次のページ>> 震災対応の大規模資金供給は見直されていい時期だが、流れは逆

 震災後の流動性不安は和らいだのだから、日銀の震災対応モードの大規模資金供給は、見直されていい時期に来ている。しかし、流れは逆である。円高抑制のための追加緩和策を日銀に望む声が財界から強まってきている。

 とはいえ、金利を下げても金融緩和効果が高まらない局面もある。ロナルド・マッキノン・スタンフォード大学教授の指摘のように、金利水準の低下によって銀行の収益が圧迫されると、彼らのリスクテーク能力は低下し、中小企業などへの貸し出しを十分に行うことができなくなる。海外の主要な中央銀行が超過準備に利息を払い、短期金利がゼロ%に下がらないようにしてきた理由の一つは、そういった弊害を避けるためである。

 しかしながら、一段と円高が進むと、日銀は資産買取基金を現行の10兆円から15兆円に増額して、金融緩和イメージを演出しようとするだろう。その際、増額分で何を買うのか判断は非常に難しいと思われる。電力会社を除けば、社債やCPの金利は落ち着いている。J‐REITは市場規模が小さく、ETFは価格変動リスクが大きい。となると国債の買い入れが中心となるが、“国債バブル”を日銀があおるリスクがある。日銀にとっては悩ましい夏になりそうだ。

(東短リサーチ取締役 加藤 出)


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