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南極で氷を売り続けた日本の銀行 7-9月期に運用計画修正を繰り返した15年 貸出し縮小計画は「非国民」
http://www.asyura2.com/11/hasan72/msg/600.html
投稿者 sci 日時 2011 年 8 月 03 日 01:38:32: 6WQSToHgoAVCQ
 

銀行の融資姿勢に問題があったのは明らかだが、内外の資金需給と、デフレ的な国内経済環境から考えれば局所最適であり、やむを得ない面も強い。

民間の資金需要が無ければ0金利状況での量的緩和は景気刺激効果をもたないが
潜在成長率の上昇(つまり借金して投資すれば長期的にみて儲かるという確信)が無ければ、なかなか資金需要(投資=設備更新、雇用増加)は生じず、流動性選好で0金利であっても通貨(+国債)を保有し続ける。

この流動性の罠から脱け出すには、単なる量的緩和だけでは無理(円への信認を破壊し、商品バブルと悪性インフレを引き起こす数百兆円規模なら別だが)で、公共投資や、積極的で持続的な再分配による需要創造が必要になるだろう。

ただし出口政策が遅れ過ぎ、適切な引き締めと課税を怠れば、悪性インフレやスタグが待っているし、
カンフル剤としての公的資金が消費された後で、構造改革や規制緩和が進まず、潜在成長率が結局上昇しない(企業が儲からない)ならば、再び国内産業への資金需要は低下しデフレへと逆戻りだ。

http://diamond.jp/articles/-/13436
島本幸治 [BNPパリバ証券東京支店投資調査本部長/チーフストラテジスト],高田 創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト],森田京平 [バークレイズ・キャピタル証券 ディレクター/チーフエコノミスト],熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]

南極で氷を売り続けた日本の銀行 7-9月期に運用計画修正を繰り返した15年――高田創・みずほ総合研究所チーフエコノミスト 

貸出し縮小計画は「非国民」

 2011年度の第一四半期が終わり、8月は下期を視野に含む段階になってきた。1990年代以降の銀行を中心とした金融機関は毎年のように、この時期に下期に向け年度当初の計画修正を行なって有価証券運用に比重をかけることを繰り返してきた。
 今回は、その背景を考えながら、現在、日本の金融機関が置かれた運用環境を考えてみよう。
 日本の金融機関は、年度当初の計画では常に、金融機関としての「本業」である貸出しの増加計画を設定してきた。これは日本の銀行に限ることではな いが、銀行にとって最大の資産項目であり、いわば、売り上げの柱である分野の計画を前年以下にすることは、「許されない」ことであり、それは企業として組 織の論理としては「非国民的」なものとして見られやすかった。
 しかし、現実には日本の金融機関の貸出しは1990年台後半以降、2000年代半ばの一時期を除き、常に前年比マイナスが続いた。日本の銀行の貸出し減少の背景には、90年代後半には銀行の資本不足に伴う貸し渋りの側面も存在した。
 しかし、多くの場合、銀行側、供給サイドの側面よりもむしろ、需要サイド、すなわち過剰債務が指摘されてきた企業のバランスシート調整に伴うものだった。また、日本の先行き期待低下に伴う、レバレッジ縮小による内需縮小によるものだった。

1990年台からのマネーフローの大転換

 マネーフローで見て、金融とは部門別で資金余剰セクターの資金を資金不足セクターにつなぐ機能を意味する。ここで、家計、企業、政府、海外の4部門に単純化して、部門別の資金過不足で資金フローを考えることにする。
次のページ>>銀行の「本業」が貸出しではなく、国債投資となった1990年代
 筆者が銀行に入った1980年代までのマネーフローの状況下、銀行の役割は以下のように家計の余剰資金を企業に仲介することだった。したがって、企業向け貸出しが銀行の「本業」であった。また、その余り「余資」の運用として、国債中心の有価証券運用が存在した。
http://diamond.jp/mwimgs/e/a/600/img_eaaec8c3ff791f5fb00dc8b25f69f0422482.gif

 しかし、1990年台以降、日本のバブル崩壊に伴って生じた企業中心のバランスシート調整の結果生じた状況は、以下のようなマネーフローへの大転換だった。その結果、金融仲介を行なう銀行の機能も大きな転換を余儀なくされた。
http://diamond.jp/mwimgs/2/e/600/img_2e1ab19c1904459e15412d497b60cfdb2540.gif

 1990年台半ば以降、部門別の資金過不足で、不足セクターが政府と海外になり、余剰セクターが個人と企業になっている。資金需要が存在するのは不足セクターでしかないなか、今日、金融機関から見て資金需要が存在するのは、中央政府と海外である。
 1990年台後半以降、銀行の「本業」はもはや企業向け貸出しではなく、中央政府に資金を供給する、国債投資だった。同時に、多くの企業が一斉に海外に進出したのは、国内の内需が急速に低下したなかで、マネーフロー上から見ても必然の状況でもあった。
次のページ>>今年も貸出し計画は期待外れ、海外環境も想定外だった2011年度
 一方、銀行が余剰セクターである企業への貸出しに注力することは、いわば、「南極で氷を売る」かのごとき状況であった。「南極で氷を売り」に行けば、価格が下がるのは当然であり、それは貸出金利低下となって生じることになる。
 今日、金融機関の営業現場で体感するのは、マネーフロー上、当然の結果としての貸出金利低下であり、それは従来まで最大の注力分野であった住宅ローン金利低下にも波及している。
今年も貸出し計画は大きく期待外れ
 以上のマネーフロー転換の結果、毎年、結果的に有価証券分野に期待が寄せられる状況が、1990年台後半以降続くことになった。年度計画当初は貸 出増加計画を策定するものの、下期が視野に入る7-9月期のなかで、現実的な収支計画の変更が行なわれ、有価証券運用への期待が高まることになった。今年 も同様のことが生じやすい。
 今年、2011年は年度当初、世界的な景気回復期待や東日本大震災に伴う復興需要期待で貸出増加も期待された。しかし、年度前半を振り返って貸出減少が大きな経営問題になっている。
 同時に、貸出金利低下も深刻な問題になっている。特に、震災地域では預金が未曾有の急増を見せるなか、貸出減少が目立っているだけに、より一層、有価証券への期待が高まりやすいだろう。
海外環境も想定外だった2011年度
 加えて、海外環境も年度計画上、想定外の状況にある。すなわち、2011年度当初は欧米の中央銀行の引き締めへの転換、「出口戦略」が前提にあり、その結果、世界的に金利上昇に警戒スタンスを持つことが運用計画の中心課題であった。
次のページ>>2012年を展望して期待水準は低下、金利上昇が限られる
 実際にFRBはQE2を終了し、ECBは今年2回の利上げを行なったが、欧米の長期金利は低下に向かった。
 FRBがQE3まで行なうとの見方は少ない。ただし、一定の金融緩和状況の維持をコミットする「時間軸」を意識した対応で、経済・株式市場に「カ ンフル剤」的な効果を及ぼす可能性高いと筆者は考えている。下期に向け、夏場以降の債券市場のサマーラリーの期待は海外要因からも存在する。
 先月も当コラムで話題としたように、2007年以降の債券市場のバイオリスムは、米国の金融緩和を期待しては金利が低下し、実際に金融緩和の「カンフル剤」の対応が行なわれると金利・株価が反動で上昇する動きが繰り返された。
 したがって、金利低下をあまり深追いしすぎると、実際に金融緩和がアナウンスされたときの金利反動上昇で「オフサイドトラップ」にかかってしまうことには、留意が必要になる。
2012年を展望して市場の期待水準は低下
 ただし、前半で議論したように、貸出減少で運用難が一層強まり、債券分野への期待が増しやすい環境下、反動での金利上昇にも自ずと限度がある。9 月末までを視野に入れて、1%割れ水準まで深追いするのには慎重さも必要だが、たとえ反動が生じても、1.3%までは上昇しにくいと見るべきだろう。
 結局、今年も金利上昇は限られたということになるのではないか。また、より重要なのは、来年、2012年を視野に入れても、世界的な金利環境も思ったほどの金利上昇になりにくいとの見方に、市場参加者の期待水準が下がってきていることではないか。


 

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