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ドル基軸通貨体制は終焉、通貨無極時代に〜米国債格下げが意味するもの 浜矩子(東洋経済)
http://www.asyura2.com/11/hasan72/msg/680.html
投稿者 五月晴郎 日時 2011 年 8 月 08 日 22:50:17: ulZUCBWYQe7Lk
 

http://www.toyokeizai.net/business/interview/detail/AC/2ff6b31e26555de2f8bca45bd2084ef4/

「東洋経済オンライン」の「Business」インタビュー:「ドル基軸通貨体制は終焉、通貨無極時代に〜米国債格下げが意味するもの――浜矩子・同志社大学大学院ビジネス研究科教授」を下記に転載投稿します。

=転載開始=

 8月5日、スタンダード&プアーズが米国債の格付けをAA−に引き下げた。初のAAAの座からの陥落である。かねて、ドル基軸通貨体制の終焉、1ドル=50円時代が来ると主張していた、同志社大学の浜矩子教授に、話を聞いた。

――格付け会社スタンダード・アンド・プアーズが8月5日に米国債の格下げを発表、初めて、AAAの座から陥落しました。

 ドル基軸通貨体制の終焉の物語の最終幕を見ている思いだ。ドルはもはやAAAというリスクゼロの通貨ではなくなり、基軸通貨としての命脈は名実ともに断たれた。歴史認識からいえば、ニクソンショックで金から切り離されたときから、その運命は決まっていた。
 
 ただ、それまで世界で幅広く使われ、多くの人々がドル建てで資産を持ち、ドルで決済を行っていた。一気に紙くずにするには影響が大きすぎるので、騙し騙し使ってきた。皆で、ドルが裸の王様であることに目をつぶってきた。
 
 その後、ほぼ10年毎あるいはそれよりも短いスパンで、たびたび、こうした米ドルの「基軸通貨のフリ」を試す展開が市場で起きてきた。リーマンショックはその最大のものとなった。
 
 財政という国家の機能の根幹がここまでボロボロの状態になったことで、40年かけた大河ドラマの最後に来ているという感じだ。イギリスのポンドが名実ともに、基軸通貨の地位を降りたのが、1947年、やはり40年の命運だった。

過剰供給、ゼロ金利、格下げで吸引力失うドル

――これまでどおりに、金融緩和の実施、米国もQE3(量的緩和第3弾)を発動するのではないかと言われています。しかし、通貨の信認が問われているときに、このような政策が妥当でしょうか。

 良くはないが、成長を下支えしなければならないと考えるだろう。結果として、通貨の供給量がますます増え、ドルの価値が落ちる。こうした矛盾に、いかにドルが基軸通貨として「ヤバイ」か、という状況が表れている。

 ニクソンショックも、強いアメリカ、成長するアメリカのイメージを保持するために行われた金との兌換停止自体が、ドルの地位低下、インフレを引き起こすことだった。

――QE3が米ドル暴落につながる可能性はないでしょうか。

 大いにある。大局観に立てば、デフレ圧力があるので、目に見えるインフレにつながるかどうかは別だが、格下げを受け、金利もゼロ、実態的にはマイナスという状況では、米ドルは「吸引力」を失う。そういうなかで、供給量を増やせばどうなるか。ハイリスク・ローリターン通貨となってしまった。
 
――日本や中国は巨額のドルを外貨準備として保有しています。

 債権国である日本や中国がこれをどう乗り切っていくのか、難関だ。中国は外貨準備に占めるドルの比率をそれなりに下げてきたが、日本は、このたびも円売りドル買い介入で増やしてしまっている。中国や日本にとって最大の「大きすぎて潰せない」不良債権だ。担保も取っていない。ホワイトハウスを差し押さえるわけにも行かないので、実態的には債権放棄、つまりドルの大幅減価とならざるをえないだろう。

 企業経営は、腹をくくって、なるべくドルを取引に使わないという措置をとるしかない。もっと早い時点から動くべきだったが、企業によっては、9割方を円建て取引に変えているという経営者もいる。まだ全体としては、円建ては3割程度だと思うが、民間は自然体で合理的な選択をするだろう。
 
 いまや、かつての基軸通貨であるポンドが下がっても大打撃を受ける人はいない。同様に、ドル離れが進行中だ。

円は「隠れ基軸通貨」、大人の対応求められる日本

――著書で、ファイナンス通貨として世界中で使われている円を「隠れ基軸通貨」と呼んでいますね。

 「隠れ基軸通貨」という実態から政府も日本銀行も目を背けてきた。自ら、グローバルな世界とつながり、グローバルな世界をファイナンスしている通貨の番人であると言う認識を持って、政策を切り盛りするべきではあったが、そういうことは物凄く厄介なことだ。

 こうした役割を認識したら、ゼロ金利をこんなに長期間にわたって続けることは到底容認できることではない。日本銀行は、円の役割について自覚しているが、認めたくはないと言うことだろう。自国だけの均衡を考えていたいものだ。
 
 かつての西ドイツでもマルクが次の基軸通貨だと見なされることを恐れ、政府は腰が引けていた。政府・政治と言うものは基本的に一国主義の行動をとらざるをえないものだ。

 だが、自分の国さえよければよいという政策で、グローバル時代を乗り切っていけるのかどうかは疑問だ。

――日本が進むべき道は。

 日本は戦後、1ドル=360円の相場の有利さを上手に使って、短期で奇跡の復興と発展を成し遂げた。実は、世界最大の成熟債権大国という輝かしい地位にいる。日本の前には誰もいない。
 
 ところが、もうナンバーワンではないとか、ハングリー精神がなくなったとか、中国に負けるとか言っていることが情けない。ウサギ小屋時代を懐かしんでさえいる。もっと大人にならなければならない。
 
 これからは栄えある地位を占めるために、一刻も早く一ドル=50円時代にして、ドルのくびきから開放されるべきだ。目指すべきは「老楽(おいらく)国家」だ。
 
 国内外で富を効率的効果的に使って、潰しあいではなく、分かち合いをすべきだ。貿易収支ではなく、投資により所得収支を稼ぐ。
 
 こうした時代には、分散と多様化が価値を持ち、地域経済が小宇宙となる。成熟大国の新たな生き方のモデルを示すべき立場だ。中央政府、地方政府はそのためにやるべきことを考えれば、これまでとは違う日本の姿が見えて来る。
 
 「21世紀のプラザ合意」でグローバル時代にふさわしい新たな枠組みづくりを

――そうすると、いまの危機に世界はどのように対処するべきなのでしょうか。

 21世紀のプラザ合意とも呼ぶべき枠組みで合意することだ。基軸通貨ドルの安楽死、分相応な立場にソフトランディングさせるということだ。皆で役割を分担して、「自分さえ良ければ」ではなく、協調して秩序あるドル安、管理できるドル安を実現する。
 
 プラザ合意で決まったことは非常にまともだった。ところが蓋を開けてみると、各国が「自分さえよければ」という姿勢で、動いた。今度はそうならないように「プラザ合意を超えるプラザ合意」を実現しなければならない。

――著書で「基軸通貨なき時代」に入ったとしていますね。

 これだけグローバル化が進んで、ヒト・モノ・カネが世界中に動いていく。とくに、カネは「すっ飛んで行ってしまう」時代だ。こうした時代には、もはやいままでのように、通貨を集約し、一つの通貨が覇権を握るやり方は機能しない。
 
 20世紀は通貨集約の時代であったが、21世紀は通貨多極でもなくて、通貨無極時代だ。分散と多様化の力学が働き、地域通貨が求められてくるのではないか。国の数よりも通貨の数が少なくなった時代から、国の数よりも通貨の数が増える時代だ。

――ユーロはどのような方向に向かうのでしょうか。

 グローバル化時代に入る前に、ユーロの設計図は作られている。集約の論理でできており、グローバル化時代と相性が悪い。分散化、多様化を図るべきだ。
 
 具体的には、統合欧州の中をいくつかのディビジョンに分けて、財政に苦しいところはマイナーリーグに落ちて、調整するような仕組みが必要だ。
 
 実際に、既にひとつの金利は成り立たなくなっている。ギリシャの金利水準はドイツの金利水準から遠ざかっている。こういうことを認識して、新たな進化を考えるべきだ。ユーロ安によって調整されるというのは一時的なことだ。

 ――中国はどのような役割を果たすのでしょうか。

 中国はこれから難しい。いわば体の大きい天才子役だ。世界は中国を世界の工場に仕立てようとしている。大人が思春期の子どもに重い役割を押し付けているというのが実態だ。
 
 天才子役は大人になったら名優にならないことが多い。一党独裁の一方で経済は資本主義・市場主義という絵に描いた餅をどうするか。大革命・大動乱にしないでソフトランディングできるか。日本はそれを手助けする役割をになうべきだ。

――TPPは現代の鎖国、FTAは望ましくない、と主張していますね。

 自由貿易協定(Free Trade Agreement)というネーミングがまやかしの元だ。いずれも地域限定の排他的な取り組みだ。相性の良いものだけで自由化を進めれば、他の国や地域が排除される事態が起きる。実態は、貿易不自由化協定だ。

――WTO(世界貿易機関)の基本原則の実現が難しいというところからそうした動きが始まりました。

 グローバルな経済運営をするためには、いまこそ、WTOの理念である「自由、無差別、互恵」は、論理的なバックボーンとして有用だ。GATT(関税および貿易に関する一般協定)からの本来の、分かち合い、協調という意味合いが、パックス・アメリカーナのなかで、米国の意向によって、振り回され、ゆがんでいた。
 
 米国の力がなくなったことで、IMF(国際通貨基金)体制は存在意義がなくなってくるが、WTOは価値が上がっていると思う。FTAなどやっている場合ではない。

 グローバル時代は1990年から始まってようやく20年を迎える。日本を含めG20諸国はグローバル時代の大人として、これからの時代の新たな枠組み、賢い付き合い方を考えなければならない。
 
 「自分さえよければ」という形で、国民国家の閉鎖的な世界に戻るということはもう出来ないし、危険なことだからだ。
(聞き手:大崎 明子 =東洋経済オンライン)

=転載終了=
 

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コメント
 
01. 2011年8月09日 02:21:11: Pj82T22SRI
>貿易収支ではなく、投資により所得収支を稼ぐ
>TPPは現代の鎖国、FTAは望ましくない
>グローバルな経済運営をするためには、いまこそ、WTOの理念である「自由、無差別、互恵」は、論理的なバックボーンとして有用

ドルが暴落し、日本人の金融資産なんて、日本国債や地方債ばかりとい状態だ
さらに、TPPすらできないほど政治能力の欠如した国だというのに
あまりにも現実離れしていて笑えるな

>自分さえよければ」という形で、国民国家の閉鎖的な世界に戻るということはもう出来ない

既に、今が、そうなんだがw


02. 2011年8月09日 03:55:47: rZFD7jqM6Y
>>1
記事のインタビューは政治家へのものでなく学者へのもの。
そういうイチャモンは嗤っちゃうな。

03. 2011年8月09日 05:08:17: rWmc8odQao
小幡績氏
「本質的な問題は、リーマン反動後のミニバブルが崩壊している過程にあるということ。それが終わるのは、このバブルの過程で資産を買い込んだ投資家たちがすべて吐き出すことによるということ。」
http://blog.livedoor.jp/sobata2005/archives/51751836.html

もう、いよいよ小手先はききませんな。


04. 2011年8月09日 05:47:08: dEqdQrxnL2
http://t.co/hn7LFgL菅直人首相は、米国債100兆円分放棄のサインができず、オバマ大統領が日米首脳会談を拒否!!

05. 2011年8月09日 07:52:03: rZFD7jqM6Y
>>3

流石、rWmc8odQaoさん。ありがとうございます。


>>4

ありがとうございます。折角ではございますが、板垣英憲は御勘弁ください。


06. 2011年8月09日 10:22:05: dqE9RaYI0U
もう20年も以前から日本の米国債購入分は踏み倒される、戻ってはこないと言われていた。
いよいよそれが現実となってきたわけで、そこらの日米間の政治的駆け引きにはわくわくしている。

原発放射能汚染に続いて、今回も敗戦となるのかな。


07. 2011年8月09日 10:53:08: YLoYRDFctQ
台所が火の車で、多重債務者のオヤジが子供の貯金を使い、返済してくれそうもない、他人に莫大な、金を貸したしょう、世間ではそういゆオヤジを「カス」「気狂い」とよぶ。日米間では「大人の態度」と言う。「デフォルトで国債が紙くずになるかもしれないので、「徐云に売却すれば」というと、蚊かハエみたいに、反対意見が飛んでくる、それも日本側から。「出きるなら、もつと前にしてるは」とか「素人が」とか「大人の対応せよ」とか「バランスが変わらず、意味ない」とか「条約がある」とか、「為替リスクがありすぎる」とか「リスク対応」の検討もなくただ、脳死状態の返事がでる。貯金を使われている、子供=国民はなすすべもなく、黙っていよということか?それって家畜根性になれということか?


リスク本当にそうなのか?貯金を使われた子供=国民は文句いわなのか?もし納得しているなら、それは、家畜根性ではないか?



08. 2011年8月09日 14:33:16: YLoYRDFctQ
07-続ー修正−最後2列抹消                         
何か解決方法はないのだろうか?

09. 2011年8月09日 17:26:52: rZFD7jqM6Y
>>7 >>8

>子供=国民

陛下、首領様の赤子ってやつですか。今だと、親=国家って。
今でもこういう発想を持つ国民が一定数いる国は、東北アジアでも北朝鮮と日本だけと思います。

7さんを責めたり悪く言う気は全くありませんが、ここらへんの意識も「解決方法はない」かと問題視する現象の要因になってるかと存知ます。


10. 2011年8月09日 20:01:21: YLoYRDFctQ
07ー続

筆者の「日本の進むべき道」として、早く50円まで円高にし、くびきを打ち、企業間は出きるだけ、円建て決済するとの説だが、出きる出来ないは別として、そこまで「腹」をくくれば、この閉塞感の日本から、抜け出すヒントになるかもしれない。日本がめざすのは「老いらくの国」と筆者はいうが、その国が「スイス」「ノルウエイー」「デンマーク」「カナダ」「オーストラリア」等であってほしい。すくなくともこれらの国は、若い人が夢を持ち、国民が大事にされている国云だから



11. 2011年8月10日 00:04:25: pdtKxhOQLo
>10 『日本がめざすのは「老いらくの国」と筆者はいうが、その国が「スイス」「ノルウエイー」「デンマーク」「カナダ」「オーストラリア」等であってほしい。』浜矩子はネオリベ。国民国家というものに否定的でグローバルが大好き。社民党のホームページに連載持ってたくせに貧困問題に無頓着で若者叩きを平然とやる奴。
日本切り売りの道州制に賛成してたくらいだから、それはありえません。(北欧を認めるような発言もしたが本質は竹中平蔵と変わらない)
それにしても円はすごいね。日本が財政破綻危機(?)、少子高齢化、東日本大震災、原発事故、菅政権はグダグダでも円高になる。リスクありすぎだと思うんだけど。何の魅力があるんだよ。

12. 2011年8月10日 11:30:51: RkRLttXVPs
 円高にまかせ日本は輸入大国になればいい。強い円と価格低下で消費を促進する。輸出で食ってる大企業は円高に勝てる競争力のある製品で勝負すればいい。助ける必要などない。無駄飯食いのたかり官僚・公務員・寄生マスゴミは大掃除・整理して累進所得課税をすればいい。潤沢な災害復興資金が得られ、かつ恒常的な大幅減税ができる。

13. 2011年8月10日 13:46:55: 45G86nuJWc
>12 簡単に言ってくれるね。円高で国内の工場が海外移転したり中小の町工場が潰れたりして失業者が大幅に増えているのに。下手すれば総務部門や経理部門でさえ中国へアウトソーシングだ。「円高に勝てる競争力のある製品」なんかほとんどない。ただでさえガラパゴス製品と言われているのに。

「強い円と価格低下で消費を促進」まるでリーマンショック前までのアメリカだな。いつディフォルトするんだろうね。

「無駄飯食いのたかり官僚・公務員・寄生マスゴミは大掃除・整理して累進所得課税をすればいい。」天下り官僚は引き摺り下ろさないといけない。不要な特殊法人も廃止しなければならない。うそばかり伝えるマスゴミも締め上げなければいけない。ただそれに伴う失業者をどう吸収するかが問題だ。官から民へとアウトソーシングをしても労働環境が悪化し賃金が下がり利潤を求めるためにサービスが低下する。外資による国有資産の叩き売り計画も阻止する必要もある。小さな政府で社会保障が満たされるとは思わない。 


14. 2011年8月11日 00:01:42: fv69CXYKfU
プラザ合意の真の意味を理解しているのか?

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