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米国企業:愚かな政治のツケ
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投稿者 sci 日時 2011 年 8 月 21 日 19:46:35: 6WQSToHgoAVCQ
 

経済1流、政治は3流というのは、どこかで聞いた話だな

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/19415
米国企業:愚かな政治のツケ

2011.08.19(金) (英エコノミスト誌 2011年8月13日号)

ワシントンで起きている内戦が米国企業にダメージを与えている。

偉大なるカルビン・クーリッジは「米国の仕事はビジネスである」と言ったとされる。最近は、米国の仕事は制御できない怒りだ。米国の政治家は、自国の競争力を高めることではなく、互いの目をくりぬくことに躍起になっている。
スリーエム、従業員1800人削減と発表

米国にはスリーエムをはじめ、革新的な企業が数多く存在する〔AFPBB News〕

 ビジネスマンは今も、米国にいることで大きな利益を得ている。「ドルチェヴィータ(甘い生活)」がイタリアのDNAの一部であるように、ビジネスは米国のDNAに組み込まれている。古参のスリーエム(3M)から、新興企業のセールスフォース・ドットコムに至るまで、米国には世界で最も革新的な企業が数多く存在する。

 企業経営にとっての米国人は、サッカーにとってのブラジル人と等しい。

 スタンフォード大学のニコラス・ブルーム教授と3人の学者は、20カ国で1万社を対象に調査を行った結果、米国企業の経営が世界で最も優れているとの結論に至った。ドイツ、日本、スウェーデンの企業がそのすぐ後を追いかけており、中国、インド企業は大きく後れを取っているという。
企業が積み上げた資本を浪費する政治家

 それなのに、米国の政治家は苦労して積み上げたこの資本を浪費することに余念がない。スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は8月5日に米国のトリプルA格付けを取り消した時、政党間の溝が修復不能になりつつあり、政策立案が予測不能になってきたと説明した。

 ほかの厳格な機関もそれに同調している。世界経済フォーラム(WEF)は毎年恒例の国際競争力ランキングで、米国の順位を2009年の第2位から2010年の第4位に引き下げた。WEFの試算では、米国の公共機関の質は世界で第40位と低く、政治家に対する信頼感は54位、政府の無駄遣いは68位、マクロ経済環境に至っては87位という惨憺たる成績となっている。

 世界銀行の見るところ、米国の統治を測る様々な指標が低下し続けている。ブルッキングス研究所のダニエル・カウフマン氏は、昨年行われた調査で米国企業の経営者の33%が「政策の枠組みの不安定さ」が大きな制約要因だと答えていると指摘する。その割合はフランスでは14%、チリでは5%だった。

 楽観主義者は今回のS&Pの格下げが警鐘となるかもしれないと主張する。だがワシントンでは、格下げも新たな突撃の合図として扱われており、共和党は「オバマの格下げ」をはやし立て、民主党は「ティーパーティーのテロリスト」を激しく非難している。

 米国の現在の二極化は、悲惨なまでに根深い。白人の保守派が民主党を見捨て、北部のリベラル派が共和党を見限るにつれ、両党はイデオロギーに沿って体制を再編してきた。イデオロギーの強い派閥はワシントンのシンクタンクからフォックスやMSNBCをはじめとするテレビ局に至るまで、強力な宣伝マシンを作り上げてきた。

 さらにイデオロギーの信奉者たちはデフォルト(債務不履行)を散らつかせるなど、これまで禁じ手とされてきた武器に訴えるようになった。

 イデオロギーを巡る内戦は、米国経済界の疎外を招いた。共和党では、カントリークラブに所属するタイプの支持者たちが、ラッシュ・リンボー*1のリスナーによって押しのけられている。民主党では、ビル・クリントン大統領時代に勢力を振るった企業寄りの中道派が、アイビーリーグのインテリや労働組合、マイノリティーを擁護する活動家などに脇に追いやられている。

 確かに、大統領選の共和党の指名候補争いで最有力とされるミット・ロムニー氏は、テレビ栄えする経済界の候補者に見える。何しろ同氏はハーバード大学ビジネススクールを卒業し、ホーム・デポなどの成功企業の創業に一役買ったベイン・アンド・カンパニーのコンサルタントだった。

 だがロムニー氏は選挙遊説で、米国のために能率的な解決策を打ち立てるより、リンボー軍団の支持の取り付けに力を注いでいた。
米国企業を苦しめる停滞と不確実性

 こうした内戦は米国企業にとって2つの明らかな問題を生んでいる。停滞と不確実性である。オバマ政権には今なお、空席のままのポストがいくつかある。議会が型通りの指名を拒否しているからだ。

 重要な貿易協定は何カ月も棚上げされている。共和党はオバマ大統領の医療保険制度改革ならびに新たな消費者金融保護局(BCFP)と、消耗戦を繰り広げている。

 こうした状況は企業に直接的な影響を及ぼす。連邦政府は連邦航空局(FAA)のような基本的な業務を行うだけではない(FAAでは、議会が同局の権限の更新を拒否したため、一時的に数千人がレイオフされた)。連邦政府は米国経済の4分の1を担ってもいる。

*1=米国のラジオ番組の司会者、保守派の論客

 世界最大の小口貨物輸送会社UPSのCEO(最高経営責任者)、スコット・デービス氏は最近、FAAの財源を巡る論争のせいで、UPSが所有する航空機のうち何機に航空交通管制装置を導入すべきか確信が持てなくなったほか、韓国との自由貿易協定を承認できない状況が航空機やトラックの保有台数を増やす根拠を弱めたと不満を漏らした。

 だが、こうした事態の直接的な影響は将来現れる。米国の医療保険制度は国内総生産(GDP)の6分の1を食いつぶしているが、月並みな結果しか生んでいない。米国の学校は、豊かな財源が充てられているにもかかわらず、平凡な成果しか生み出せない。

 また、米国の移民制度は1100万人もの移民を社会の陰に追いやっている。米国の大学を優秀な成績で卒業した外国人学生の多くは、米国にとどまろうとした場合、何年にもわたって官僚に頭を下げ続けなくてはならない。その多くは途中であきらめ、身につけたスキルをインドや中国に持ち帰ってしまう。
「寡黙なカル」を呼び戻せ

 米国企業は巨額の現金を眠らせている。アップル1社だけでも銀行に760億ドルの預金がある。米国経済界はなぜ米国に投資しないのか? 内需が弱いことや、世界経済が混乱状態にあることは何ら助けにならない。

 だが、米国の政治家にも責任の一端がある。政治家の動きが予測不能なことは、景況感を損なう。企業に優しい高官(経済顧問を務めたラリー・サマーズ氏など)がオバマ政権を離れるにつれ、米国経済界とホワイトハウスの溝はますます広がっている。

 それ以上に危ういことに、経済界と「それ以外の米国」の溝も深まっている。世論調査は、米国の一般市民が経済界に不信感を抱いている一方、経済界が米国への信頼を失いかけていることを浮き彫りにしている。

 冒頭のカルビン・クーリッジの発言はかつて、ブルジョワの自己満足の極みとして非難された。今それは、消滅の危機に瀕した米国を思い出させる言葉のように聞こえる。  

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