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支離滅裂なFRBとバーナンキ議長
http://www.asyura2.com/11/hasan73/msg/337.html
投稿者 sci 日時 2011 年 9 月 22 日 14:07:42: 6WQSToHgoAVCQ
 

潜在成長率(付加価値の高い生産能力)と需要(購買力)が高まらなければ、期待インフレ率(購買欲)は高まらず、金融政策や財政政策には限界がある
しかし既得権者の反対で、再分配政策も規制緩和政策も、どちらも進められない。
それでも何もしないわけにはいかない。
FRBも、かっての日銀と同じ立場に追い込まれたな


http://www.gci-klug.jp/ogasawara/2011/09/22/013842.php
支離滅裂なFRBとバーナンキ議長
2011/09/22 (木) 12:29

 FRBが新たな政策を発表しました。バーナンキ議長の帽子からは、次から次に新しい政策が跳び出してくるのです。まるでマジシャンみたい!

 しかし、政策は尽きることがないのですが、その効能はとなれば‥

 そももそのはず。もし、有効な手段があれば、当の昔に使っていたからです。

 ところで、今回の新しい政策は、なんと呼ばれるかご存知でしょうか? 答えは、オペレーションツイスト。実は、このテーマを取り上げるのは、私、余り気乗りがしないのです。何故かと言えば、オペレーションツイストなんていっても、一般の人々は関心を示さないからです。

 オペレーションツイストは‥ひょっとしたら、中高年の方々のなかには、「聞いたことはあるけど‥」なんて言う人もいるかもしれませんが、多くの人にとっては、まったくチンプンカンプン。

 でも、内容自体は、それほど難しいことではないのです。

 つまり、オペレーションの中身をツイストさせる‥市場にマネーを放出するために購入する国債を、償還期間の短いものから、より長期なものに変更するということなのです。

 何故、そんなことをするかといえば、購入の対象が償還期間の長い国債になれば、長期金利をさらに引き下げることができ、そうなれば、より一層設備投資や住宅投資を刺激できるからだというのです。

 どう思います、そう、そこの貴方!?

 「長期金利の低下をもたらす訳だ!」

 まあ、そういう風に主張する人々がいるということです。

 「他に手段がないのであれば‥何もやらないよりましじゃないの?」

 そんな風に考える人が多いのです。 ダメで元々! だったら、考えられることは何でもやるべし! これで、アメリカも10年前の日本と同じになったと言えるでしょう。日米友達作戦の完了! でめたし、でめたし!

 「しかし、そんなにいい手段があったのなら、何故もっと早くからやらなかったの?」

 そう、いいことを仰いました! 本当に有効な手段であれば、そして、それが正当な手段であれ
ば、とっくにやっていたはずです。

 つまり、これまでやらなかったということは、それなりの理由があるのです。皆さんは、中央銀行が国債を引き受けることが禁じ手だということをご存知でしょう。財政法では、日本銀行が直接国債を引き受けることを禁止している、と。そして、世界中の中央銀行が同じ考えでいるのです。

 では、何故、中央銀行は国債の引き受けを禁じられているのか? それは、安易にそんなことを
すれば、インフレを招いてしまうことを過去の経験から学び取っているからです。

 では、中央銀行は、国債を保有することは絶対にないのか? 絶対にないどころか、中央銀行が国債を市場で購入するのは日常茶飯事です。つまり、金融政策には、国債の売買が欠かせない手段であるのです。国債を購入することによって、市場にマネーを放出し、その反対に国債を売却することによって、市場からマネーを吸収する、と。

 しかし、そうした国債は、長期間保有することを前提にしてはいないのです。一方、今話題になっているオペレーションツイストというのは、例えば、10年物とか、或いは30年物の国債を購入すると言っているのです。つまり、幾ら、そうした長期の国債を市場で買い入れるとしても、そうした行為は、中央銀行による国債の直接引き受けと類似の行為になるので、中央銀行関係者としては、そのような行為に手を出すことに躊躇してしまうのです。

 それだけではありません。そもそも理屈としておかしいという学者も多いのです。

 「どういうこと?」

 つまり、幾ら中央銀行が、長期国債を中央銀行が買い入れたからといって、長期金利を引き下げる効果はないのだ、と。それに、仮に長期金利を引き下げようと思うのであれば、それは金融政策の範疇ではなく、政府の国債管理政策の範疇になり、長期金利を引き下げる仕事は、政府がやるべき仕事だというのです。

 で、ついでながら、では、どうしたら長期金利を引き下げることができるかといえば、それは財政赤字を減らすこと、つまり、国債の発行額を減らすことによってであって、決して中央銀行が購入する国債の額を増大することによって実現できるわけではないというのです。

 皆様には、この理屈がお分かりでしょうか?

 私、想像がつくのですが、この話を理解するのはそう簡単ではないのです。だから、政治家のなかでも、この話を理解できるのは一部にしか過ぎない、と。多くの政治家は、「日銀は何をやっていいるのだ!やれることがあれば何でもやれ! 長期国債を買い入れて、長期金利を引き下げろ!」などと言うのです。

 もし、貴方が支持する政党が、そんな風なことを言うのであれば、一度よく考え直した方がいいでしょう。

 いずれにしても、あの聡明なバーナンキ議長が、こんな理屈を理解できないはずがないのです。しかし、何もしない訳にはいかない。何もしなければ政治的にも持たないと判断して、今回オペレーションツイストに踏み切っただけと思うのです。

 でも、正確に言えば、オペレーションツイストは、既に実行済みであるのです。というのもQE2というのは、長期国債を対象としたものであったからです。つまり、今回は、長期国債の長期の意味が、さらに長くなるだけなのです。

 では、今回、オペレーションツイストを採用することによって、どのような効果が期待できるのか? 長期金利は低下しそうなのか?

 実は、アメリカはQE2の実験をしたばかりです。6月まで長期国債の買い入れをやっていたではありませんか? 

 で、その結果どうなったかといえば、長期国債の買い入れという行為が、予想インフレ率を高めることによって、却って長期国債の利回りは上がり、さらにガソリン価格の上昇を含め、マイルドなインフレまで起こしてしまったのです。

 で、FRBは言ったのです。インフレになって、消費者の購買力が損なわれた結果、消費が落ち込
んだ、と。

 それから、まだ80日程度しか経っていないのです。アメリカはまた、同じことを繰り返すつもりなのでしょうか? あるいは、今度はインフレになっても、オペレーションツイストを継続させ、バブルを起こしても仕方ないと思っているということなのでしょうか?

 いずれにしても、私、nprを聴いていて、驚きました。次のように言っているのです。

 And yesterday, four top Republican leaders in the House and Senate released a very
unusual letter to Mr. Bernanke, asking him not to do anything more to help the economy
for fear that whatever he does could hurt it.

「昨日、共和党の上院と下院の4人のリーダーが、バーナンキ議長に異例の手紙を手渡した。中身は、景気を良くしようとしてこれ以上何もするな、と彼に頼むものであって、バーナンキ議長がやることは経済にとってよくないことばかりだというのです」

It's unusual because politicians almost always want the Central Bank to do more - lower interest rates, put more credit in.

「それは大変に異例なことです。何故ならば、政治家は、常に中央銀行に対し、もっとやってくれと
頼むものであるからです。もっと金利を下げろ、もっと資金を供給せよ、と」

 But the Republicans are saying no, don't do that.

「しかし、共和党員は、ノーと言っているのです。そんなことはするな、と」


 中央銀行の尻を叩くことばかりが仕事ではない、と知っているだけアメリカの政治家の方がマシということなのでしょうか。


以上  

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コメント
 
01. 2011年9月22日 15:48:43: mkaYVKlNb2
■クルーグマン「死ぬ自由」(NYT,2011/09/15)
ちょうどアメリカが政治的右傾化に舵を切っていた1980年のこと,
ミルトン・フリードマンは有名なTVシリーズ「選択の自由」でこの変化を代弁した.
エピソードを重ねるたびに,この穏和な経済学者は,
自由放任主義[レッセフェール]経済学を個人の選択と権限に同一視していった.
この楽観的な思想は,ロナルド・レーガンによって増幅されて繰り返されることとなる.
でも,それもむかしのことだ.今日,「選択の自由」は「死ぬ自由」になってしまった.
みんなも見当がついているだろうけど,ぼくが言っているのは,
月曜の共和党大統領候補討論会での出来事のことだ.
CNNのウォルフ・ブリッツァーは下院議員ロン・ポールにこう質問した.
健康保険に入らないことを選んだ30歳男性がいきなり6ヶ月の集中治療が必要になってしまったとして,
私たちはどうすべきでしょう?
ポール氏の返答は,「それこそ選択の自由の要点ですよ――じぶんのリスクはじぶんが負うんです」
ブリッツァー氏は,念押しした,「社会は彼が死ぬに任せるべきということでしょうか?」
すると,番組の観覧者たちはわっと声援をあげた,「そうだ!」…
さて,ブリッツァーとポールのやりとりについて,知っておくべきことが2点ある.
第一に,観覧者たちが声をあげたあと,ポール氏は基本的にこの質問を避けて通ろうとしていた.
必ずや心温かい医師たちと慈善家たちが,人々の必要とする医療を受けられるようにすることでしょう,
少なくとも福祉国家によって腐敗していなければそうするはずです,と彼は請け合った.
わるいけど,そんなの幻想だよ.
基礎的な医療の費用を出せない人たちは治療を受けられずじまいになることが多いし,
これまでもずっとそうだった――そして,その結果として,死んでしまうこともある.
第二に,ブリッツァー氏が挙げた架空の個人みたいに保険に入れたし入るべきだったけれどそうしなかったために
医療を受けられずに死亡するような人なんて,実際にはめったにいない.
現実には,保険未加入のアメリカ人の大半は,低所得で保険費を払えないか,
慢性的な疾患のために保険会社に断られてしまったかのどちらかだ.
右派の人たちは,こういう保険未加入の人たちが,
じぶんに非があるわけでもなく医療を受けられずに死ぬのをそのままにしておいていいと思っているんだろうか?
最近の行状からみて,答えはきっぱりと「そうだ!」だね.
とくに,子供たちのことを考えてみるといい.
あの討論のあと,統計局は最新の所得・貧困・健康保険に関する推計を公表した.
その概要はひどいもんだよ:低調な経済によって,アメリカ人の生活は相変わらずめちゃくちゃにされつづけている.
ただ,比較的に明るい面もある.子供の健康管理だ:健康保険のない子供の割合は景気後退以前と比べて2010年には少なくなっている.
これは,主に2009年に「州の子供健康保険プログラム」(別名 S-chip)が拡大されたおかげだ.
そして,S-chip が2009年になってようやく拡大された理由は,
もちろんジョージ・ブッシュ前大統領がそれまで子供をカバーしようという試みを阻んでいたからだ――右派の支持に応えてね.
おっと,テキサスでは子供の6人に1人が保険がないっていう全米で2番目に高い状態なのは言っておいたっけ?
というわけで,死ぬ自由は将来のことを考えない人間だけでなく実際には子供や不運な人たちにも拡張されている.
右派は死ぬ自由を歓迎しているけれど,これはアメリカの政治状況の本質が大きく変化していることを示している.
かつて,保守派は人道的な見地から政府によるセーフティネットの提供が必要なことを認めていた.
ぼくなんかじゃなく,保守派の知的ヒーローであるフリードリッヒ・ハイエクから引用しよう.
『隷従への道』で,彼は「包括的な社会保険制度」によって「誰もに起こりうる人生の不運」から市民を守ることをはっきりと支持し,
とくに健康問題をとりあげている.
市民を最悪の事態から守るのが望ましいという合意があれば,あとは費用と便益の問題になる――
そして,保守派ですら思いやりの名の下で政府介入を認めていた分野の一つが,健康管理だった.…
ところが,思いやりは流行遅れになっている――それどころか,思いやりをもたないことは原則の問題にすらなっている.
少なくとも,共和党支持者のあいだではそうだ.
これはつまり,現代の保守主義はすごく過激な運動だってことを意味する.
この運動は,過去3世代にわたって続いてきた社会のあり方に敵対している――
つまり,「誰もに起こりうる人生の不運」をいくらかでも軽減すべく社会保障制度や失業保険,
メディケアとメディケイドによって政府の手で取り組もうとする社会に敵対している.
ぼくらが生まれ育ってきたこういう社会を拒絶する過激派を,有権者は歓迎するんだろうか?
答えは来年明らかになるだろうね.
http://econdays.net/?p=4907

アメリカにおける社会保障問題は非常に有効なマンデヴィルの「蜂の寓話」の否定になっていると思う
/9月16日の#NHKの生活保護の番組にも通じる話/
貧乏人は死ねという言説が喝采される恐怖は決して他人事ではない
/クルーグマン「死ぬ自由」(NYT,2011/09/15)
http://twitter.com/#!/kogarasu1982/status/115106902635053056


02. 2011年9月22日 19:31:20: Pijo5v1olc
バーナンキをはじめとする今日のマクロ経済学者は期待インフレ率の亡霊に取りつかれた。そんなものは初めから当てにできない。彼らは市場参加者にインフレを予見させるような政策をとれる金融政策が存在するから景気変動の苦しみはなくなったとつい最近まで思っていた。金利を操る操縦桿がぶっ壊れた現在、彼らの主張は無意味になってしまった。彼らは期待なんて言うトリックに頼りすぎて、現実の経済のメカニズムを検証することを怠ってきた。日本の当事者と同様、彼らに経済の運命を任しても高級な給料を支払うほどの価値はない。

03. 2011年9月24日 16:57:11: TA1rBhMeqI
>>02
では、どうすればいいのか?
建設的な対案を示さなければ、単なる愚痴の域を出ない。

この点、スコット・サムナーは、「ヘリマネ」ではなく、ヘリマネせよと提言している。

■ヘリマネは効くが、「ヘリマネ」は効かない by Scott Sumner ベントレー大学のスコット・サムナー教授
http://econdays.net/?p=4940


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