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安全な避難所と崇められた金の急落 怖いのは価格下落よりもボラティリティー
http://www.asyura2.com/11/hasan73/msg/398.html
投稿者 sci 日時 2011 年 9 月 28 日 00:51:07: 6WQSToHgoAVCQ
 

http://nikkei225jp.com/oil/
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/23846?page=3
Financial Times
安全な避難所と崇められた金の急落

2011.09.28(水)

(2011年9月27日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
IMF、金準備403.3トンを売却へ

1トロイオンス=2000ドルの大台突破を視野に入れていた金価格が急落した〔AFPBB News〕

コモディティー(商品)のヘッジファンドを運用しているクリストフ・アイブル氏は先週、カナダのモントリオールで開催された金の業界団体の年次大会で講演し、この貴金属は「壊滅させられる」と予言した。聴衆はこれを真剣に受け止めようとしなかった。

 「現在の状況を見ていると、1999年から2000年にかけての相場が思い出される」。ティベリウス・グループのアイブル氏は当時のハイテク株バブルに言及しながらこう語った。「金相場はさらに上昇するかもしれない。しかし、間違いなく、どこかの段階で壊滅するだろう」

 会場にいたトレーダーや投資家、銀行家たちは、金価格は3カ月足らずで30%近く上昇しただけに短期的に調整する可能性はあると認めながらも、自分たちの強気な予想――1年以内に1トロイオンス=2000ドルを突破して史上最高値を更新する――には自信を持っていた。

究極の逃避先のはずなのに、リスク資産とそっくりな値動き

 その自信がここに来て揺さぶられている。金は、投資資金の究極の避難先と喧伝されており、危機時には値上がりすると思われていた。ところが過去4日間に示した値動きは、リスクが最も高い資産のそれとそっくりなのだ。

 ユーロ圏の債務危機に対する懸念が強まる中、今月21日以降の金の下げ幅は270ドルに達し、26日には1トロイオンス=1534ドル49セントまで落ち込む場面もあった。つい3週間前につけた記録的な高値、1920ドルから20%も下げた計算になる。

 なぜこれほど急激に下落しているのか? これについては、米連邦準備理事会(FRB)が保有する債券を入れ替える「ツイスト・オペ」を行うと先週発表してからドル高になっているためだという見方がある。また、ほかの資産への投資で損失を被った投資家がその穴を埋めるために金の売却を強いられたとの見方もある。

 さらに23日夜には、金の先物取引の舞台であるニューヨーク商品取引所(COMEX)を運営するCMEグループが、金先物の取引証拠金(取引に当たって預託しなければならない資金のこと)を21.5%引き上げると発表していた。

 しかし、まさに今生じているような市場の混乱から身を守る保険として金を購入していた投資家にしてみれば、これらはいずれも今回の金急落の――この4日間の下落率は1983年以来の高い値だ――納得のいく説明になっていない。

 価格変動があまりに激しいことから、これに懲りた投資家たちはしばらく金投資から手を引くのではないかと見るアナリストもいる。UBSの貴金属ストラテジスト、エデル・タリー氏は「ほかの資産への投資で生じた損失を埋めるための、追い証売りとして始まったかもしれない現象だが、今や貴金属市場の本質を根底から変えてしまう可能性を秘めている」と語る。

強気な見方を崩さない投資家

 それにもかかわらず、大半の投資家はアイブル氏の悲観的な見通しを受け入れておらず、金相場への強気な見方も崩していない。この1週間で世界のマクロ経済情勢に何らかの変化があったとするなら、それは情勢が悪化したということでしかない、というのがその理由だ。

 「金の上昇相場の反転を裏付ける証拠になるような出来事は、この3日間発生していない。マクロ経済情勢でも地政学的な情勢でも、それ以外の分野でも全く生じていない」。HSBCの貴金属ストラテジスト、ジェームズ・スティール氏(ニューヨーク在勤)はそう言い切る。

 トレーダーたちは、危機がピークを迎えている時期に金価格が下落するのは今回が初めてではないと指摘する。例えば、2008年の金融危機の最も厳しい局面では、金価格は方向の定まらない動きを示していた。投資銀行ベアー・スターンズが破綻した翌日の3月17日から10月半ばの安値にかけて30%を超える下落を見せたが、その後の1年間で50%も上昇したのだ。

 同様に、ドバイワールドのデフォルト(債務不履行)をきっかけに世界の金融市場に売り注文の波が押し寄せた2009年11月には、金価格もその後の10週間で12%下落したが、そこから先は史上最高値に向かって上昇している。

 「このような状況下では、心配になった投資家からの注文は『金を除いて全部売ってくれ。そうだ、あれも売らずに残しておいてよ』とはならないことが多い」。バークレイズ・キャピタルの貴金属販売部門ヘッド、ジョナサン・スポール氏(ロンドン在勤)はこう言う。「『売ってくれ』の一言なんだ」

 実際、26日には一部のトレーダーが底値を拾おうとしている兆候が見受けられた。ロンドン市場では午後までに、金価格は当日の安値から5%超上昇して1トロイオンス=1612ドルに達していた。

 上場投資信託(ETF)を通じて金を買っている投資家も、この貴金属を手放すには至っていない。金ETFの地金保有量は、今では大半の中央銀行を上回るほどに増えており、最大規模を誇るSPDR(スパイダー)ゴールドシェアの地金保有量は先週、1252トンでずっと横ばいだった。

 テクニカル分析に着目するトレーダーにとっては重要なことだが、金価格は26日、200日移動平均の1525ドルを上回る水準で踏みとどまった。200日移動平均は2009年1月以降突破されておらず、もしこれを下回れば下落の継続が示唆される恐れがあるとトレーダーたちは話している。

怖いのは価格下落よりもボラティリティーの高さ

 しかし、トレーダーや投資家を最も慌てさせているのは金価格の下落ではなく、そのボラティリティー(変動)の大きさである。1日の価格変動が大きいこと、そしてオプション料(市場が将来の価格変動をどう予想しているかを示す指標になる)の急上昇は、年金基金や中央銀行のように投資の安定性を重視する投資家にとっては厄介な現象なのだ。

 「安全な避難先だという金の魅力を損ないかねない要因の1つに、過大なボラティリティーが挙げられる」と前出のスポール氏は指摘する。

 ボラティリティーが低下するか、あるいはマクロ経済情勢に新たな展開(例えば新たな量的緩和が始まるなど)が見られるまでは、多くの投資家が金の売買を手控えることになるだろう。
By Jack Farchy  

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コメント
 
01. 2011年9月28日 05:13:22: Pijo5v1olc
不景気でも増税、財政健全化の話を米大統領がするほど財政危機が深刻になってきた。不景気はますます進み、金利は低下する。金利低下は金価格上昇に追い風だが、それ以上に長期の米国債の上昇のうまみのほうが大きい。市場関係者は鋭く先をよんでいるのだろう。

02. 2011年9月28日 12:23:07: Pj82T22SRI

>>2 金急落、リーマン時と酷似 流動性確保へ学習効果
商品部 佐藤洋輔 

 金は年末には1トロイオンス2000ドル前後への上昇もありうるのではないか――。相場の急落で一時は相場の深い谷間をのぞき込んだ市場関係者から、わずか1日で強気論がもれ始めた。「欧州の債務危機など金の上昇を支えてきた環境は変わっていない」(日本ユニコムの菊川弘之調査部長)のがその理由だ。

 1トロイオンス1800ドル台で推移していたニューヨークの金先物は26日までの3日間で300ドル近く急落し、一時1535ドルを付けた。しかし、27日の時間外取引では一時、安値に比べ100ドル以上反発するなど買い戻しの動きも出始めている。

 市場では今回の下落は2008年秋のリーマン・ショックを経験した投資ファンドが、ろうばい売りを出し、コンピューター売買が下げ幅を拡大したとの見方が目立つ。

 下落局面を振り返ると、値下がりの主因はギリシャ債務問題などを背景とした市場の緊張と危機回避に備える換金売りだった。ここ数カ月の金相場上昇では、株価が下がると金が買われる傾向があったが、9月中旬以降は徐々に換金売りが出るようになり、株価との相関も弱まって相場の方向感が定まらなくなった。米連邦準備理事会(FRB)による量的緩和第3弾(QE3)が見送られたことなどで市場の緊張が臨界点に達した先週末からの数日間、金の換金売りが加速した。

 金価格の上昇が長く続いたため、株や債券で運用してきた投資ファンドが次々と金の先物市場に参入した。スタンダードバンクの池水雄一東京支店長は「投資家の裾野が広がった分、従来は予想できなかったような急激な下げとなった」と指摘する。

 株式や原油など他の国際商品含めて「総売り」となった今回の金の急落について、市場ではリーマン・ショック時の急落との類似を指摘する声が多い。当時も手元流動性を確保しようと換金売りが広がった。今回の急落はいわばリーマン・ショックからの学習効果で、危機が起きる前に先回りして流動性を確保するための金売りだったといえる。

 換金目的の売りが、値動きの大きさに着目して売買するプログラム取引の売りを誘ったもようだ。前週末の急落過程では「誰が売っているのがが見えない」との声が市場のあちこちからあがった。

 リーマン・ショックで急落した金相場は2カ月後に反転。その後上昇を続け、今年8月にピークを迎えた。怒とうのような売りの余韻を残しながらも、「有事の金」は再び上昇のタイミングをうかがっている可能性がある。

 
 
豊島逸夫
金急落でも買い取り店頭に駆け込み現象

2011/9/28 10:32
 

 金価格が激しく下がり、ブーム的様相を見せていた金製品買い取りも、さすがに一服かと思われたが、さにあらず。

 「しまった! 出遅れた!」とばかりに、多くの人たちがリサイクルショップに駆け込み。個人的に多忙で、そのうちにと思っていたとか、もっと上がり続けると思って売り控えていたとか、理由はさまざま。

 実は、この現象は珍しいことではない。

 金を売り戻す人の気持ちとしては、価格が下がり始めた時に、切迫感が一番強くなるものなのだ。

 昨日も大手貴金属店では長い行列ができていた。

 一方、安値圏で買いも急増。

9月26日 9月27日
SPDR金 690キロ相当 210キロ相当
金の果実 453キロ相当 209キロ相当
 特に金ETF(上場投資信託)の出来高が過去最高水準を記録。日経本紙の株式欄「上場投資信託」の出来高を見ても、その多くが「買い」である。

 27日の急落局面ではしっかり買って、反騰した28日には減っているが、これまでの水準から見ると非常に活発な取引高である。

 かたや10年前にグラム1000円くらいで金地金を買った人たち(シニア層中心)が4倍以上の価格で売り戻す。 かと思えば、金ETF市場には機関投資家や若手のネット投資家が新規参入。

 年金貰えて逃げ切り世代は余裕の売り戻し。年金貰えない世代は将来への不安感から購買力を維持できる金に興味を持つ。そして年金を運用する人たちも金をポートフォリオに加える動き。

 筆者も金投資家の世代交代を投資最前線で感じている。

金銀急落の真相、「表層雪崩」と「買いシグナル」

2011/9/27 10:38
日本経済新聞 電子版

 金は一時1トロイオンス1600ドル割れ、銀は一時30ドルを割り込んだが、結局1620ドル台、30ドル台で東京時間に帰ってきた。まれにみるボラティリティー(価格変動性)の荒さである。

 この真相をひとことで言えば「大規模表層雪崩」だ。

 今の金市場は投機買いのドカ雪が自重に耐えかね「ギリシャ、デフォルトだ」という大きな叫びの音に反応し、表層雪崩が引き起こされた状態。しかしドカ雪が一掃されると根雪が肌を現す。この部分が流されることは無い。金市場の根雪とは外貨準備や中国インドなど新興国の個人により買われてきた部分。中国とインドだけで世界の年間金生産量の3分の2を買い占め希少資源として長期退蔵している。BRICsや韓国、タイ、メキシコなどの諸国は外貨準備の通貨アロケーションを変更し、オーバーウエイトのドルを減らし、アンダーウエイトの金を増やしている。

 これらの長期保有者は今回の暴落に際してもパニック売りに走らず、逆に買い増している。新興国では金現物不足が顕著だ。昨日も上海の市場関係者から「中国ではこんなに現物が足りないのに、なぜ価格が急落しているのか」と素朴な質問が寄せられた。さすがに昨日の強烈な価格変動には怯(ひる)み、模様眺めのようであったが、下値模索の過程で買いのタイミングも模索中だ。

 対照的なのが銀。こちらは圧倒的に投機のドカ雪が多く、根雪が浅い。40ドルが20ドルになっても不思議はない。我々プロでも手がつけられぬ。

 さて今、金価格反転の二つの兆候が市場内部では既に生じている。

 ひとつはニューヨーク金先物買越残高の急減。先週末のCFTC(米国商品先物取引委員会)発表統計によれば、前週比57トン減で468.2トンまで減少している。しかもこの数字は先週火曜引け時点なので、その後の暴落により更に激減したと思われる。この統計数字の読み方だが、500トンを割り込み400トン台になると買い残高の売り手じまいがかなり進行したことを意味するので、新規買いが出やすく、いわゆる「軽い地合い」になる。逆に700トンを超し800トン台を突破すれば、これは明らかに買い超過(overbought)だ。地合いは重く、手じまい売りが出やすい。昨年来、金価格が史上最高値を突破したときに頻繁に見られた現象でもある。

 従って現在、この数字が400トン台まで落ち込んだことはプロにとっては「買い」のシグナルになるのだ。筆者自身もこの数字を有力な指標として毎週フォローしている。

 次に、ドバイ、香港、ムンバイ、シンガポールなどの新興国・地域市場で現地渡しの金価格が軒並み国際標準のロンドン渡しに比しプレミアム(価格が高くなっている状態)に転じていること。要は安値圏で売れ過ぎてモノが足りず、極端な供給逼迫状態に陥っているのだ。これが史上最高値の時にはディスカウント(価格が安くなっている状態)であった。高値では投資家の売り戻しやリサイクルが急増し、実需の買いは高値警戒感で買い控え。需給ジャブジャブとなったのだ。これは「売り」のシグナル。現在のプレミアム状態は「買い」のシグナルとなる。

 マーケットの短期トレンドは先物が決めるが中長期トレンドは現物が決める。

 なおニューヨーク先物市場では取り組み全体がリスク回避で縮小傾向にある。価格のボラティリティーが極度に高まると、レバレッジのかからない上場投資信託(ETF)などに売買が移行しがち。更に米金融規制改革法(ドッド・フランク法)の影響で外部、内部ともリスク管理が厳格になると、先物から相対で取引するOTCへと主体が移る傾向も生じる。

 ちなみに顧客サイドでも特定保管口座という金地金を刻印番号まで指定してカストディアン銀行に保管するシステムが急増中だ。要は預けた金地金と全く同じモノを返却せよ、ということで預け先が金地金貸し出し(レンディング)で運用することができないシステムを選択しているわけだ。これなどは個人投資家の(カウンターパーティー)リスク回避を象徴する出来事。

 先物取引に話を戻すと、前回本欄でも指摘したが、表層雪崩に乗って投機家によるカラ売りも増加中だ。カラ売りはゼロサムゲームゆえ、いずれ買い戻される宿命にあり、市場内部に買いのエネルギーが蓄積していることを意味するので注目材料である。

 ドッド・フランク法の影響で、大手投資銀行が自己勘定部門を縮小あるいは撤廃したことで、市場内の潤滑油が不足していることも価格変動性を高めている重要な要因。

 顧客の売り注文を自己リスクで買い受けることができないと、市場内に買い手を求めて走り回ることになる。大手が「買い手がいない!」と走り回ると、それだけで市場内部のパニック売りは増幅される。トランプのババ抜きゲームでジョーカーの引き抜きに一喜一憂する様に似ている。

 商品価格安定化のための法案が、逆に価格変動に拍車を掛けることになってしまった。市場内部にいると、オバマ政権も人気取りのために余計なことをしたなと感じる。

 最後に金価格レンジであるが、本日の日本経済新聞朝刊商品面、恒例の専門家による価格予想で、筆者は1500〜2000ドルとした。足元で売りのモメンタム(勢い)は強くもう一段くらいは売りのウエーブがあり得るが、潮流としては当面の下値圏という認識だ。

 上昇局面で金買い材料とされた欧州債務危機が一転、現在は金売り材料と化している。売りのウエーブが一巡すれば、更に一転、買いの材料に戻るであろう。マーケットは勝手なもの。都合良いように材料を解釈する。

 金市場を取り巻くマクロ経済環境に関しては、ブログ「豊島逸夫の手帖」に書いたので参照されたい。


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