★阿修羅♪ > 経世済民73 > 459.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
ヨーロッパ合衆国(The United States of Europe)の議論が取り沙汰され始められた
http://www.asyura2.com/11/hasan73/msg/459.html
投稿者 尚林寺 日時 2011 年 10 月 02 日 11:27:36: JaTjL5JPya4go
 

http://markethack.net/archives/51773082.html

先日、ウォールストリート・ジャーナルの朝番組、「The News Hub」を聴いていたら、ホストのケリー・エヴァンスが「ヨーロッパ合衆国(The United States of Europe)」という表現をさりげなく使っていました。

それを見た僕の感想は(とうとう来るべきものが来たな)というものでした。

現在のギリシャ財政問題に端を発したユーロ危機を解決するには、基本的には2つのアプローチしかありません。それらは:
1.ギリシャをユーロから叩き出すなどの方法でEUを小さくする
2.若しくはEUの統合の度合いを今以上に緊密にする


のどちらかです。言い換えれば、今以上に大きくするか、それとも小さくするか?しかないのです。

なお僕はこのうちのどちらの方法がより優れているという議論をする気はありません。なぜならそれぞれのアプローチには経済理論上の明らかなメリットが認められ、それなりに理屈に適った解決法だからです。

だからユーロ圏の人々が1.を選ぶか、それとも2.を選ぶかは彼らが「自分達はどんな市民になりたいか?」という価値観の問題に帰着するわけです。

若し、地縁や歴史を重んじる人なら「我々はヨーロピアンである前に、ギリシャ人である」式の考え方を当然するでしょう。

一見するとギリシャ人という自覚をヨーロッパの一員だという認識よりも後回しにすることは「ありえない」と感じる読者も多いかと思います。

しかしそれはかならずしもそうではありません。

その好例が日本です。

むかし日本人が「おらが国では、、、」と言った場合、それは薩摩や長州などの故郷を指し、日本人だという帰属意識より地縁的、歴史的な帰属意識の方が強かった時代があります。

でもそれは「海の向こうにはもっと大きな世界がある」という事を理解したとたんにより大きな括りでの帰属意識、言いかえれば国家意識に取って代わられました。それが自分の文化や利害を護る上で背に腹は代えられなかったからです。

これを現代に置き換えれば、中国の出現はヨーロッパをして「我々は競争してゆくためには単にEUではダメでむしろヨーロッパ合衆国にならないといけないのではないか?」と考えさせ始めていると言えなくもないのです。

そうでなければ先日のドイツ連邦議会での圧倒的多数による欧州金融安定ファシリティ(EFSF)の承認は説明がつきません。

ただEFSFは既に「余りにもパワー不足だ」と指摘されています。

だからEFSFをレバレッジするさまざまな方法が議論されはじめているのです。

EFSFにレバレッジをかける方法として:
1.EFSFを銀行にする
2.EFSFをノンバンクにする
3.EFSFを保険会社にする


という3つの方法が検討されています。

今のところはこれらはいずれもブレイン・ストーミングの段階です。

ただそれらに共通して言えることはEFSFが特別目的会社であるという構造上、どうしてもスキームが複雑になり、その分、脆弱性を内包せざるを得ないという点です。

だからEFSFではなく、単純にユーロ圏共同債を出した方がスッキリするという考え方もあるのです。

現在の欧州憲法ではユーロ圏共同債を出してよいという規定は無いし、各国の財政事情の足並みはバラバラです。このような状況でユーロ圏共同債を果たして出せるのでしょうか?

その実例は、実は存在します。

それはアメリカの南北戦争の後、アメリカが共同債を出した例です。

これを考案したのは米国の初代財務長官、アレキサンダー・ハミルトンです。

アメリカの各州は南北戦争の戦費を調達するために皆、思い思いに州債を発行しました。しかし戦争による疲弊でどの州も財政が破綻し、投資家にお金が返せなくなったのです。

そこでハミルトンは各州の紙切れ同然になった債券を連邦政府、つまりアメリカ合衆国が肩代わりし、さらに償却積立金と呼ばれるファンドを設立し、若し政府証券が額面価格を割った場合はその積立金で政府証券を買い支え価格の安定を図るということを打ち出しました。

当時の状況を現在の欧州にあてはめるとこうなります。

州債に相当するのがギリシャ国債、イタリア国債などの各国の国債です。

米国政府証券、つまり今日のUSトレジャリーに相当するのがユーロ圏共同債です。

当時のアメリカは憲法に財務省の存在は規定されていませんでした。だからオーガニック・アクトという補足的な条例で財務省が後付け的に設置されたのです。

現在の欧州憲法にも欧州財務省に相当する機関の規定はありません。

またバージニア州、マサチューセッツ州などの州単位の利害ではなく、アメリカ合衆国全体としての利害を考えようという主義の人々を連邦主義者、別名フェデラリストと呼びました。現在の欧州にもパン・ヨーロッパ的な価値観を標榜する人々は存在します。

これらを対比表にすると次のようにまとめることが出来るでしょう。

なお、僕はヨーロッパが一足飛びにユーロ圏共同債を出し、EU財務省を設置し、ヨーロッパ合衆国への途を歩み始めると議論しているのではありません。

これはとても時間がかかるプロセスだし、だいいちEUが現在の処にたどり着くまでに既に50年を要しているわけです。

また現在のヨーロッパにはアレキサンダー・ハミルトンに相当するような強力なリーダーシップが欠如しています。


********************* comment
世界政府=グローバリズムの雛形が、多民族国家=アメリカ建国のなかにあった。
財政危機のアメリカ各州を・・EU危機の渦中にあるヨーロッパ各国に重ね合わせると
物分りがいい。
アメリカ開拓民が求めた統一紙幣が・・ユダヤ商人銀行券=ドルであった。
汎欧州、EUグローバリズムの市民が求めた統一通貨が・・フランス系ユダヤ銀行券=統一通貨ユーロである。
世界政府主義者(政治経済地域共同体)=アングロサクソン・ユダヤ勢力は・・ポスト「世界政府紙幣」をめぐって・・米欧間で通貨覇権の経済内ゲバを演じている。
それが・・リーマン危機に端を発したEUでの財務危機である。
グローバリズムの暗渠には、経済合理性だけでは糊塗できない、国家・民族・個人の歴史的文化の偏差が存在する。
近代主義は、非定理に、存在が抱え込んでいる「内なる非近代」があるからこそ成り立つ・・自己矛盾性に依っている。
世界政府=グローバリズム化が拙速であればあるほど、内部矛盾が暴発するものだろう。世界中を震撼させている「ソブリン債務危機」は、短絡した物言いだが、ポスト冷戦が生んだ新自由主義・国際金融資本の「自業自得」ともいえる。

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 2011年10月02日 20:15:31: CK6MRRNZNA
あなたも不当勢力のイエスマン含みでうるさいね。

02. 2011年10月03日 00:58:22: a7KV7rPlyc
国際(国債)マジックショー 始まり!始まり!
大衆を 上手く 騙せるかな?

[日本のユーロ介入で資金が消える] 2011年10月02日 19:00 / CLUB G-1
 http://eagle-hit.com/

【日本通貨当局、次の介入は対ユーロか―欧州安定化に貢献との指摘も】-------------------

日本の通貨当局が 次に為替市場に円売り介入する場合は、
従来の対ドルではなく、対ユーロになるとの見方が出ている。
さらに、その過程で欧州金融安定基金(EFSF)の債券を購入し、
欧州の債務問題の拡大防止に協力していることを対外的にアピールできるとの指摘もある。
 
一部のアナリストらは、対円で過去10年来の低水準にあるユーロを買うことは、
債務危機への投資家の不安をやわらげ、
安全な投資先と考えられている円への資金流入を抑える結果にもなるとみている。

パークレイズ・キャピタル(東京)のチーフ日本ストラテジスト、山本雅文氏は、
多額の外貨準備を保有する日本がユーロ買いという大胆な手段をとれば、
市場のリスク許容度が改善し、ユーロが持続的な回復傾向に入る公算が大きい、と指摘する。
日本の外貨準備高は現在約1.2兆ドル。
野田首相は先月20日に行われた
ウォール・ストリート・ジャーナル/ダウ・ジョーンズ経済通信とのインタビューで、
日本がEFSF債を購入したことを明らかにし、
「これからもEFSF債含め一定程度の貢献は必要」と述べた。
対ユーロで為替介入を行う可能性について、財務省幹部はコメントを控えるとした。

【WSJ 10:17】------------------------------------------------------------------------

すでにEFSF債を購入している政府だが、この欧州の“深刻劇”に乗せられた格好となっている。
EFSFは拡充される方向になっているが、どこの国も財源が厳しくなっており、出したくないのが本音だ。
またIMFの財源も危機を救えるほどものではなく、ラガルド専務理事もそれを警告している。
今後、加盟国、とりわけ中国、日本に拠出を求めてくることになろう。
ECBも国債買取などでバランスシートは膨れあがっている。
無論、米国もしかり。

となれば、もはや外貨準備を多額にもつ中国、日本が“金ヅル”となってくる。
言い換えれば、日本の資本が海外の債券に替わり、資金が流出するということである。
やがて、EFSF債も紙くずとなろう。
米欧の危機をつくり、さらに日本の財政破綻をもくろむ連中は、
容赦なくあの手この手で日本から資金を巻き上げようとしているのである。

(なお、中国は次代の世界体制で覇権を握るため、外貨をしこたま貯めているが、
 核心は金準備を積み上げることにある)

--------------------------------------------------------------------------------------------
【関連】

[欧州危機と錬金術] 2011.09.28 /“超プロ”K氏の金融講座
 http://www.funaiyukio.com/money2/index_1109.asp


  拍手はせず、拍手一覧を見る

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
 重複コメントは全部削除と投稿禁止設定  ずるいアクセスアップ手法は全削除と投稿禁止設定 削除対象コメントを見つけたら「管理人に報告」をお願いします。 最新投稿・コメント全文リスト
フォローアップ:

 

 次へ  前へ

▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > 経世済民73掲示板

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。

     ▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > 経世済民73掲示板

 
▲上へ       
★阿修羅♪  
この板投稿一覧