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大波が来なくては出番がない、ブラック・スワン・ファンドは波乱が命
http://www.asyura2.com/11/hasan73/msg/516.html
投稿者 sci 日時 2011 年 10 月 06 日 22:00:58: 6WQSToHgoAVCQ
 

「事業では、他者に世界を誤解させる必要がある」か
NevadaやEagle.hitの巨大版だな

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920021&sid=aj9vhP4QNOP0
大波が来なくては出番がない、ブラック・スワン・ファンドは波乱が命

  10月6日(ブルームバーグ):7月下旬のある暑い日。マーク・スピッツネーゲル氏(40)は米ミシガン州北部のグランドトラバース湾を双発のクリスクラフト・コルセア28で横切っていた。スピードボートが時速50マイル(約80.5キロメートル)以上に達すると、同氏は金髪をなびかせながら大波を後に残していく。

  ヘッジファンド、ユニバーサ・インベストメンツの創業者であるスピッツネーゲル氏にとって、大波こそは好機だ。まだ避暑の最中だった8月4日。経済指標が弱く景気の二番底連想で米S&P500種株価指数が下落し始めると、いわゆる「ブラック・スワン」投資家の同氏は、他の投資家が損をする局面で利益を上げようと、カリフォルニア州サンタモニカの会社と正午までに15回は電話で連絡を取り合った。「ブルームバーグ・マーケッツ」誌11月号が報じた。

  ユニバーサのオフィスでは2人のトレーダーが同氏との電話の合間に必死でS&P500種オプションなどのデリバティブ(金融派生商品)を売買している。同日のS&P500種の4.8%下落がユニバーサにたっぷり利益をもたらすのだと、同社で投資家向け広報を担当するブランドン・ヤーキン氏は言う。同氏が指差す先には、スピッツネーゲル氏お気に入りの物が壁に掛かっている。数人の漁師に大波が襲いかかるところを描いた中国の印刷物だ。「こういう日こそ、われわれの存在価値が生きる」のだという。

          恐ろしいシナリオ

  恐ろしいシナリオを想定する「ブラック・スワン」ファンドに、投資家は資金を注ぎ込んでいる。欧州債務危機の深刻化や格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)による米国の格下げが、この資金流入を促している。危機的シナリオが現実のものになれば、投資家は巨額の利益を得られる。事情に詳しい関係者によると、ユニバーサの2008年のリターン(投資収益率)は約115%だった。今年は相場下落の中で8月末までに20−25%のリターンを、政府系ファンド(SWF)や機関投資家の顧客にもたらしている。

  スピッツネーゲル氏は「今のところ、株式市場に関してこれ以上ないくらい弱気だ」と言う。「株式相場はまたしても、ばかげたほど高くなった。幸い、当社のポジションならば次の一斉売りがいつ来るかと心配することはない」と同氏は述べた。

  ブラック・スワン型ファンドの辛いところは、市場の大暴落が起こらないと何年も損失が続くことだ。09、10年は両年とも、ユニバーサの顧客に4%程度の損失をもたらしたと、関係者が述べた。ブルームバーグのヘッジファンド総合指数によると、ヘッジファンド業界全体はそれぞれ9.2%と8.2%のプラスリターンだった。

住宅保険との例えも

  運用者の中にはブラック・スワン・ファンドはコストの高い投資だと言う者もある。ファンド・オブ・ヘッジファンドのパシフィック・オルタナティブ・アセット・マネジメントのリスク管理グループでマネジングディレクターを務めるフィリップ・ジョリオン氏は、リスクに対するこのようなヘッジを住宅保険に例える。住宅保有者が支払う保険料は通常、長期的には契約によって得られる恩恵を上回るからだ。ブラック・スワン・ファンドへの投資では、損失が続く恐れがあるほか、通常1.5%の運用手数料と20%の成功報酬を徴収される。

  ジョリオン氏は「問題は、こういうヘッジ戦略はボラティリティ(変動性)が高い時にしか好成績につながらないことだ」とし、「長期的には、このような戦略はコスト高で損失がかさむことがあり得る」と語った。

             名付け親

  1998年のヘッジファンド、ロングターム・キャピタル・マネジメントの事実上の破綻や2001年9月11日の米同時多発テロのように予測不可能な大事件を「ブラック・スワン」と名付けたのはナシーム・ニコラス・タレブ氏(51)だ。著述家でニューヨーク大学教授の同氏の「The Black Swan:The Impact of theHighly Improbable(邦題:ブラック・スワン−不確実性とリスクの本質)」(Random House,2007)は300万部以上を売り、最悪のシナリオに賭けるファンドの業界を活気付かせた。

  同氏の新著は格言集だ。「The Bed of Procrustes:Philosophicaland Practical Aphorisms (邦題:ブラック・スワンの箴言)」(RandomHouse, 2010)では「科学では、世界を理解する必要がある。事業では、他者に世界を誤解させる必要がある」と書いている。

  タレブ氏は2005年、著作に専念するため自身のブラック・スワン・ファンドであるエンピリカを閉鎖した。喉頭がんの再発を心配していたことも閉鎖の理由だったという。タレブ氏は著作のほかに、財界や学界、政策担当者のグループを対象に講演もする。「金銭や金融には興味がない」と同氏は言う。「今の状態に満足している。お金がいるわけではないし、金融は私のキャリアの付け足しであって中心にしようとは思わない。知識人としての影響力が十分に高いのに、金融に無駄な時間を割く必要はない」と同氏は話している。

            テールリスク

  ブラック・スワン・ファンドは、統計的な分布のテールにあり発生確率が低い事象に賭けるところからテールリスク・ファンドとも呼ばれる。このようなファンドの資産は急増している。JPモルガン・チェースのリポートによれば、08年の米リーマン・ブラザーズ・ホールディングス破綻の前には5億ドルだった資産は、今年4月には380億ドルに達していた。

  このようなファンドへの参入組で今のところの最大手が米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)だ。同社のモハメド・エラリアン最高経営責任者(CEO)は米国の成長率が長期にわたってトレンドを下回ると予想し、運用資産1兆3000億ドルのPIMCOはさまざまなファンドで約300億ドルをテールリスク戦略で運用している。

  そのほか、パイン・リバー・キャピタル・マネジメント(米ミネソタ州ミネトンカ)は1億6000万ドル規模のニッスワ・テール・ヘッジ・マスター・ファンドを運用。36サウス・キャピタル・アドバイザーズ(ロンドン、運用資産3億3000万ドル)にもブラック・スワン・ファンドがある。同社共同創業者のジェリー・ヘイワース氏によると、同氏のブラック・スワン・ファンドの08年リターンは234%だった。

          アウト・オブ・ザ・マネー

  07年にユニバーサを開始する前、スピッツネーゲル氏はタレブ氏のエンピリカでパートナー兼トップトレーダーだった。両氏は協力してオプショントレーディング戦略を開発した。ユニバーサの顧客にはカナダの公的年金運用機関CPPIBなどが含まれる。ユニバーサは通常、S&P500種や商品、株式に連動するアウト・オブ・ザ・マネー(今すぐ権利行使しても利益の出ない状態)のコールオプション(買う権利)やプットオプション(売る権利)を購入する。

  例えば期間1年のS&P500種のプットオプションを購入する。指数が行使価格を下回れば、オプションの価値が上昇する。ユニバーサの社長兼最高投資責任者(CIO)のスピッツネーゲル氏は「私は本質的にバリュー投資家だ」と話す。他の人は価値がないと考えるが実は価値があるものに投資しているからだという。

  ユニバーサは10年4月に、行使価格が1100で5月が期限のS&P500種のプットオプションを単位当たり2ドルで購入した。当時1200前後で推移していたS&P500は、5月6日の暴落で一時1066に落ち込み、ユニバーサは60ドル以上に値上がりしたオプションを売却した。同日の米国株市場では20分の間に時価総額にして8620億ドルが失われた。ブルックス・ブラザーズのしまのポロシャツにデッキシューズといういでたちの同氏は自身の夏の別荘から湾を挟んだ対岸のレストランで昼食を取りながら、「ほとんどいつも、愚か者のように見えるだろう。誰も欲しがらないものを持っているのだから」と語った。

記事に関する記者への問い合わせ先:Seth Lubove in Los Angeles at slubove@bloomberg.net;Miles Weiss in Washington at mweiss@bloomberg.net

記事に関するエディターへの問い合わせ先:Laura Colby in New York at lcolby@bloomberg.net;Christian Baumgaertel at cbaumgaertel@bloomberg.net
更新日時: 2011/10/06 13:00 JST  

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コメント
 
01. 2011年10月07日 15:19:57: YLoYRDFctQ
大波が無ければ、大波を作り、ギリシャを血祭りにEUを食い荒らす、この連中を「ブラックスワン」なんて、こぎれいな名でよぶのがおかしい。ただのビジネスとよぶ方がおめでたい.奴等は弱いものを追い詰め、攻撃し,食い裂き、死肉をあさる、ブラックハイエナの手先だ。                                                                                                                                                                                                                                                                        

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