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ユーロ導入は、金本位制で味わったのと同じ苦痛を参加国に課している・・ユーロ本位制の蹉跌
http://www.asyura2.com/11/hasan73/msg/521.html
投稿者 尚林寺 日時 2011 年 10 月 07 日 11:20:20: JaTjL5JPya4go
 

http://blog.livedoor.jp/okane_koneta/archives/51668386.html

金本位制を望む人が多いように思う。
ペーパー・マネーに対する不信だと思うが、それを金本位制に結びつけるのは間違いだと思う。

*****金本位制の時代は・・
金本位制の時代は、すべての通貨が「金と交換が可能」であり、為替レートは「金を通じて」固定されていた。
どこの国でも、金を20g使って、金貨1枚を鋳造すれば、どこの国の金貨でも同じ価値を持つ。その金貨を円で呼ぼうが、ドルで呼ぼうが、交換価値は不変だ。

金本位制は、金と交換できる紙幣(=兌換紙幣)の発行量は、原則として「保有する金」の量と等しいのだが、「多くの人が同時に紙幣を金に交換要求しない」という前提で、
(1)金本位制の開始時には、必要以下の金しか保有していない
(2)その後も「金が国際的に流出入」するので、金が不足する状態の国が多かった、
というのが実態だった。
金本位制の時代においては、「金の保有量」は経済の健全性のバロメータと言われてきた。

*****経済調整が困難な金本位制
金本位制の下では、貿易赤字傾向の国(明治初め〜1931年の金本位制廃止までの日本)では、経済運営が困難だった。

経済が不調(=通常は貿易赤字の拡大)になれば、常に「金の流出」に悩まされた。輸入代金の支払いで、対外的に通用する通貨である「金貨や金塊」の所有権が海外に移転するからだ。

金の残高が減少したからといって、紙幣を減らすという事など事実上不可能だったので、流出防止のために「金利を引き上げて、紙幣の魅力を高める」しかなかった。しかしそれは、かえって経済を悪化させた。

この「かえって経済を悪化させた」に関しては、1998年のアジア危機に際して、金利を下げて経済を立て直すべき時に、IMFが、タイや韓国に対して金利を引き上げて通貨価値を維持するように命じたが、まさにIMFは金本位制の遺物を引きずっていたと言える。
金本位制では為替が固定なので、経済の好不調が引き起こす対外的な信用リスクの変動(=現在で言えば、ソブリン・リスク)は、金利の大幅な変動が一方的に受け止めるしかなかった。
今日的に言えば、景気安定のための金融政策が、貿易収支に縛られる、という困った状況を意味する。
貿易赤字であるかぎり、金利を高めにする必要があり、景気が悪くても、国内産業の金利コストは高止まりした。

*****不換紙幣&変動相場制で、経済政策の自由度を得た 
1971年の「金とUSドルの交換停止=ニクソン・ショック」を経て、世界の通貨は「不換紙幣&為替レート変動相場制」に移行した。
経済運営という点では、金融経済政策の自由度が増した。
経済の好不調が引き起こす対外的な信用リスクの変動は、為替レートと、金利との2段構えで引き受けることができるようになった。

貿易赤字が増大して、対外債務の返済懸念などの対外的な信用リスクが悪化すると、人為的な抵抗を行わなければ、まずは為替レートが悪化する。
兌換紙幣・金本位制の時代のように、金利を引き上げて紙幣の魅力を高めて為替レートを維持しようという人為的な抵抗も1990年代までは見られたが、通用しないことが理解されたので、現在では素直に為替を下落させるケースがほとんどになった。 )

為替安が貿易の競争力を改善させるので、経済は徐々に回復する。この結果、対外的な信用が回復することを受けて、下落した為替レートは元のレベルに上昇する。
経済が不調の時は通常は金利を引き下げているので低金利が景気を刺激する。

それにも拘わらず、低金利&為替安でも経済が回復せず、貿易赤字が減らない状態が長期継続すると、対外債務返済懸念がかなりのレベルまで上昇する。
この段階に至れば、同国の債権やローンが投げ売られるので、債券価格の暴落=金利の大幅上昇が起こる。景気が悪くても金利が上昇するので、その国は再起不能に陥る。

このような事態になる国は、外人が所有する外貨建てのローンや債券が多いのが通例だから、外人が大量の債権売りを浴びせる。
外人には外債発行国に対する愛国心などといった邪念がないから、素直に脱出的売却を行う。

*****共通通貨ユーロに参加したギリシアは、経済政策が不自由に・・
ギリシアは、欧州17か国の共通通貨ユーロに参加してしまった。

★貿易相手国のほとんどがユーロ採用国なので、景気が悪化したり、貿易赤字が増大したりしても、為替レートを変動させることができない。
対外的な信用リスクを、為替と金利との2段構えで引き受けることが制度的に不可能だ。
★経済の不調⇒ 信用リスクの悪化⇒ 債権の投げ売り⇒ 金利の大幅上昇⇒ 経済悪化が加速⇒ 再起不能、という悪循環への一本道になってしまったのが、ギリシアの姿と言えよう。

 

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コメント
 
01. 佐助 2011年10月07日 14:31:50: YZ1JBFFO77mpI : FHT6T6dWVU
できれば金本位(通貨発行枠の基準)制を避けたいものです。新しいシステムを誰か開発か発見して下さい。出来ればカリスマ的政治家が一番だろう。しかし大マスコミに徹底的にやられるからダメでしょう。従って古今未曾有のパニックを迎えるのは確実です。

1929年から1931年にかけて第一次世界恐慌が起こりました,これと基軸通貨のキン離れ/キン帰りの80年周期仮説は正しいと仮定します。

世界の基軸通貨は通貨にキンを採用した複数基軸通貨の時代からポンド(英国がキンの預かり書から紙幣を発明したのです,キンの保有を増加させるとポンドが、世界の基軸通貨となりました)それからキンの75%を集めたドルが通貨になりました。

つまり1933年にルーズベルト大統領はたまたまキンを買上げ買い集めたキンはドルを最強の通貨にしたのです。何でもやって見ようが当たったのでしょう。ところが1933年から世界経済は関税と通貨切下げ競争で、10年間も悪夢にうなされ世界貿易は三分の一以下に縮小したのです。

1933年には失業率25%(この雇用3分の1は首切りをしないで協力して大幅に給与カットした結果いです,だから放置するとパニックが発生します),消費市場も3分の1に縮小しました。当然株価は10分の1にまで落ち込みました。

ニクソンが1972年キンドル交換を停止させ為替は固定制からフロート制に移行しました。しかし世界のキンの30%を保持はしていたのです。(これはキンメッキなど嘘が多いことが現在,分かってきました)だからドルの覇権は続いたのです。

フロート制によって,そうすると世界の信用を膨張させ、バブル景気を発生させたのです。キンの束縛から解放されたドルは、世界の信用を膨張させたのです。未曾有の繁栄を現出させることに成功したのです。それでもキンの威力は凄い。しかし大ウソも凄い。

1972年以前のキンは1オンス35ドル前後で,ニクソンのドルキン交換停止によって約十倍の350ドル前後で安定しました。ピーク値では1オンス700ドルではないでしょうか。

2006年、包括関税引下げ交渉は行き詰まり、二国間の交渉に中心が移った。これは第一次世界信用大恐慌前後と同じ状況に突入したことになる。またその後に発生した不動産大暴落や低所得者ローンの破綻は世界恐慌の前兆期と判断出来る。

そして2009年(2008年12月のリーマンショック)に第二次世界信用収縮恐慌が発生しました。これは80年周期(±3年周期)仮説は正しいことになるのかも知れない。

とうとうキンの30%を保持もバレ,世界で膨張してしまった巨大なドルは行き場がなくなってしまったのである。ドルの崩壊は当然なんです。いずれ通貨とリンクして為替を固定させ、世界信用恐慌は収束させるはずです。現在巷ではドルのキン保持は25%・ユーロのキン保持は25%と言われている。しかし日本の隠しているキンだけでも75%はあるはずです。国民から集めてもよい。75%は確実視されていますので円が最強の通貨になれます。しかし日本は戦争に負けました,アメリカの奴隷国家です。三権分立も官僚も大マスコミも政治家もアメリカの顔色伺うことになります。ドルもユーロも日本も25%に必然的になるのでしょう。


最後に金本位(通貨発行枠の基準)制を避けることはできます,最新鋭の自然エネルギーから最新鋭の産業革命を起こすことです。我々は素晴らしい世の中を満喫できるはずですが,第一次世界恐慌で農業犠牲にした関税引き下げの悪夢で10年間うなされたのですまた悪夢がやってきます。農業は潰すと最新鋭の産業革命はできません。自給自足と共存共栄も無理です。

日本はさらに関税引き下げの悪夢によって古今未曾有の苦しみから逃れることはできないでしょう。関税と通貨切下げ競争で我々国民は地獄を見ることになろう。国民は一時的にでも必ずカネを持たずに生活する時期が来る。

辛いことは日本は官僚ドロボー国家であることです。霞が関がしでかしたドロボー詐欺。食いつぶしてしまった年金,税金を食べつくした天下りや官僚,既得権益で恩恵を受けた電通やマスコミは毒まんじゅうを食べ過ぎてしまった。公共投資で道路から何でもかんでも食べつくしました。霞が関と永田町は国民から遊離してしまってます,大マスコミも司法も狂っています。消費税増税で埋め合わそうと企むも残念乍ら日本は古今未曾有のパニックを迎えることになるでしょう。我々は覚悟した方がよい


02. 2011年10月07日 22:43:51: Pj82T22SRI

金本位制を採用する国は、自分から信用創造機能を捨てて、デフレ不況と貧困に飛び込むようなものだ

政府と中央銀行が、大衆迎合でバラマキと緩和を続け、中銀を含んだ金融システムが完全に信用創造機能を喪失し、国家が崩壊するような状況でなければ、有り得ない愚かな選択肢。


03. 五月晴郎 2011年10月09日 15:25:13: ulZUCBWYQe7Lk : bxtHsuzmZA
金本位制と自由貿易のセットは大英帝国のイデオロギーでした。
朝鮮産金を基に日本は仕組みにうまく乗ったわけですが。

アメリカのドル覇権は石油本位制です。
この仕組み(システム)にも日本はうまく乗ってきたけど、仕組みが変わる過渡期です。

金本位制当時から資金需要は比較に成らないほど増えているのに、それに応じGoldは増えていない、なのに金本位制になるとは考え難いです。

次の仕組みを設計しているところがあるとしたら、金を、金でも石油でもない次の何かに変わる飛び石として使い、その流れに於いて金は商品として価値を上げていくような気がしますけど。


04. 五月晴郎 2011年10月09日 18:28:59: ulZUCBWYQe7Lk : bxtHsuzmZA
トリウムではないかという話がありますよね。

05. 五月晴郎 2011年10月10日 13:48:03: ulZUCBWYQe7Lk : bxtHsuzmZA
通貨供給量は、金本位制だった1949年から69年まで20年間に約1.5倍にしかならなかったが、1971年のニクソン・ショック以降のドル本位制による変動相場制の1969年から現在までの30年あまりの間に20倍になった。これにたいして、資本の調達手段である株式に至っては,1975年には GDPの2%だった株の売買高が、2002年にはGDPの106%にも達したにも関わらず、新規公開株のために売られた株は、株式取引額のわずか1%しかない。(2004/03/19 )

http://link-21.com/masahiro/page52.htm


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