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ギリシャの苦悩:債務、不況、デモ・・ ユーロ圏の危機、応急手当は治療ではない  スロバキアEFSF承認
http://www.asyura2.com/11/hasan73/msg/578.html
投稿者 sci 日時 2011 年 10 月 13 日 00:13:37: 6WQSToHgoAVCQ
 

独仏の銀行はもちろん、ギリシャ国民より遙かに貧しいスロバキア国民が負担に同意してくれたおかげで、応急手当は続く

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/25373
The Economist
ギリシャの苦悩:債務、不況、デモ・・・

2011.10.13(木) 

ギリシャ国民はあとどれくらい痛みに耐えられるだろうか。

今夏、市場がスペイン経済とイタリア経済に銃を向けたことで、いつ終わるとも知れないユーロ圏のソブリン債務危機は一段と危険な局面を迎えた。どちらの国も困難を脱したわけではない。格付会社のムーディーズは先日、イタリアの国債を格下げした。だが、世間の関心は再び、昨年すべてが始まった国ギリシャに向けられている。

 来年の予算を巡る一時的な解決策が土壇場で欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)を含む「トロイカ」の同意を得たおかげで、ギリシャは10月初め、一息つける余裕を得た。だが、それも長続きしないかもしれない。
緊縮措置はまだ続く

 不動産所有者が年末までに少なくとも17億ユーロ(23億ドル)の追加の税収をもたらさなければ、ギリシャの財政赤字は国内総生産(GDP)の8.5%――既に昨年の救済合意で設定された目標より悪い(図参照)――という新たな上限を超え、来年の見通しを狂わせることになる。

 エバンゲロス・ベニゼロス財務相は、ギリシャ人が払った犠牲を称賛するが、もっと多くの犠牲が待ち受けていると警告する。

 ベニゼロス財務相の側近たちは、デフォルト(債務不履行)が迫っているとささやいている。

 ベニゼロス財務相は、同氏いわく「計画遅延を修正するため」に未達に終わった今年の予算目標と2012年の予算目標を統合したうえで、来年には71億ユーロの財政引き締めを達成し、プライマリーバランス(利払い前の基礎的財政収支)を32億ユーロの黒字にしたいと思っている。

 だが、それでも国債費によって、全体の財政赤字はGDP比6.8%に上る。債務残高はGDP比172%まで増加する。

 ヨルゴス・パパンドレウ首相は、ギリシャは義務を果たすと主張する。だが、ほかの人はもっと現実的だ。「これだけ膨大な債務をいつか全額返済できるというのは作り話であり、債務再編に取り組んだ方がいい」とアテネのあるバンカーは言う。これは、ギリシャの大手銀行を強制的に統合させ、EUとIMFからの資金で各行の資本を増強し、国の管理下に置くことを意味している。

 それでも、予算が承認されたことで、ギリシャが昨年の救済計画から80億ユーロ相当の次回実行分の融資を受け取り、あと数カ月間破綻せずにいられる可能性は高まっている。もっとも、その資金は予定より遅れ、11月まで支払いが実行されないことになった。

 その先は、見通しがはっきりしない。ユーロ圏の指導者たちが、7月に合意された第2次支援計画の再調整について議論しているためだ。

 ギリシャは公的部門の賃金と年金に今月15億ユーロを支払うだけの資金を持っているとベニゼロス財務相は主張する。ギリシャは12月まで多額の債務を返済する必要がないため、このことが構造改革の順守を迫る1度限りの機会をトロイカに与えている。無理にやらせるべきことは多々ある。
ギリシャに求められる改革

 トラック運転手、タクシー運転手、薬剤師、弁護士など、労働組合員だけを雇用する職業の門戸を開放する法律は、微調整を必要としている。労組は元閣僚たちに支えられ、団体賃金協定を会社レベルの協定に置き換えるという提案――労働者の解雇を容易にする改革――と戦っている。腐敗して手に負えないギリシャの税務管理の全面的な見直しは遅れている。
ギリシャ、追加緊縮策反対のデモ

血みどろのデモも、ギリシャの基準からすれば平和裏に終わった〔AFPBB News〕

 10月5日に行われたギリシャの2大労組のゼネストは、(ギリシャの基準からすれば)平和裏に終わった。恐らくその理由は、解雇に直面している3万人の公務員の多くがどのみち退職間近であることだ。

 だが、新たな混乱が生じる可能性は高い。政府は2014年までに公的部門の雇用をさらに12万人削減することに同意している。一方、公務員は新たな賃金カットに見舞われる。比較的給与水準の高い公務員は、昨年行われた一律20%のカットに加え、月額給与を15〜20%減らされる。

 文化省のある上級考古学者は「所得に関しては10年前の水準に戻ってしまったが、今は小さな子供や住宅ローンを抱えている」と話す。

 新たな税金の負担が状況をさらに悪化させる。ギリシャ国民は今後2カ月間、新たな固定資産税とともに、昨年の所得の2〜5%に相当する「連帯」税を納めなければならない。ほとんどの納税者は、以前の固定資産税をまだ納めていない。

 ギリシャ人の間に蔓延する所得を過少申告する傾向を考えると、不動産に税金をかけることは道理にかなっている。何しろギリシャ人の3分の2以上は自宅を所有しており、2000年代初めの好況期に灰色経済から得た所得の大部分を、豪華な別荘の建設で資金洗浄している。

 中産階級のギリシャ人は初めて、生活の収支を合わせることを心配するようになっている。失業率は16%を超える状態が続く見込みだ。景気後退も続くだろう。アナリストの中には、今年GDPが5.5%縮小するという政府見通しが過小評価であることが明らかになると警告する者もいる。

 2.5%の減少という来年の見通しが正しければ、ギリシャ経済は5年間で14%という恐ろしい経済縮小を経験したことになる。
意気消沈する国民、政権はひとまず安泰?

 ギリシャ人は意気消沈している。調査機関EPIPSYの調査によると、回答者の54%が定期的に憂鬱になるという。政治家に自分たちを混乱から抜け出させる能力があると思っている人はほとんどいない。
ギリシャ議会、パパンドレウ内閣を信任

ヨルゴス・パパンドレウ首相は厳しい緊縮措置を議会で可決させてきた〔AFPBB News〕

 パパンドレウ首相の支持率は、全ギリシャ社会主義運動(PASOK)の支持率とともに急落しているが、野党の新民主主義党もその代役を務めることはできていない。

 パパンドレウ首相の任期が半分経過した時点で、有権者のほぼ半分は、挙国一致政府の方が改革をうまく進められると話している。

 エネルギッシュなベニゼロス財務相が副首相も兼任しているため、パパンドレウ首相はドイツのアンゲラ・メルケル首相やフランスのニコラ・サルコジ大統領と頻繁に話をしているものの、ギリシャの窮状に日々対処する仕事からは距離を置いているようだ。

 それでも首相が率いるPASOKは忠誠を尽くし続けている。PASOKの議員たちの間では不満が繰り返されているが、最も厳しい緊縮措置でさえすんなりと議会を通過した。早期の解散総選挙という話は、世論調査が2大政党のどちらも過半数を獲得できないとの見通しを示す中で下火になっている。

 PASOKの議員たちはパパンドレウ首相を支持し続ける可能性が高い。少なくとも彼らは、あと2年間は仕事を失わずに済むのだから。


http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/25522
ユーロ圏の危機、応急手当は治療ではない

2011.10.13(木)

(2011年10月12日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
ユーロ一時104円90銭、ギリシャ債務危機で10年ぶり安値

EU首脳は「包括戦略」をまとめる予定だが、危機が近く終わると思ってはいけない・・・〔AFPBB News〕

英国のデビッド・キャメロン首相はユーロ圏の指導者たちに、危機に対して「大型バズーカ砲」式のアプローチを取るよう求めた。フランスのニコラ・サルコジ大統領が週末にドイツのアンゲラ・メルケル首相と会談した後、米国のバラク・オバマ大統領はサルコジ大統領と話し、行動を迫った。

 欧州理事会のヘルマン・ファンロンパイ議長は、欧州連合(EU)の首脳が10月23日に会議を開き、「包括戦略をまとめる」と約束した。そうすれば、欧州諸国は11月の主要20カ国・地域(G20)首脳会議で、信頼感を取り戻すための計画を打ち出せる。

 では、我々は危機が近く終わると確信すべきなのだろうか? 答えはノーだ。

 少なくとも今は、ユーロ圏の危機を一地域の小さな問題と見なす人はいない。ユーロ圏は世界金融危機の余震の震源地となっており、この余震は最初の地震よりも破壊的である可能性がある。
金融危機、ソブリン危機、欧州統合プロジェクトの危機

 潜在的には、これは三重のショックとなる。金融危機、世界第3位の債務国イタリアを含むソブリン危機、そして予見できない政治的影響を伴う欧州統合プロジェクトの危機だ。人々が怯えているのも無理はない。怯えてしかるべきなのだ。

 懸念の高まりを示す兆候は、ユーロ圏で最も信用力の高い大国であるフランスとドイツのクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)保証料率が上昇し始めたことだ。

 驚くことに、ドイツのCDS保証料率はわずかながら英国のそれを上回っている。これは間違いなく、弱いユーロ圏加盟国の救済が過度な負担になりかねないという懸念を反映している。

 筆者が常々抱いている見解は、自国の支払い能力が脅かされない限り、ドイツはユーロ圏の正常な機能を維持するためにできることは何でもやるだろう、というものだ。ミュンヘンのIfo経済研究所のハンス・ウェルナー・ジン氏が指摘するように、ドイツの支払い能力に対する脅威は近くに迫っているようだ*1。

*1=“How to Rescue the Euro”, October 3 2011, www.voxeu.org

ユーロ圏がすべきこと

 こうした恐ろしい状況に対して、ユーロ圏は何をすべきなのだろうか(そして何ができるのか)? その答えの最も重要な要素は、筆者が先週論じた通り、ユーロ圏は長期的な課題の解決を助けるようなやり方で差し迫った危機に対処しなければならないということだ。

 世界の政策立案者と評論家の幅広いコンセンサスに従えば、ユーロ圏は以下のことをやらねばならない。

 難局にある国々を支払い不能状態に陥った国と流動性不足に苦しむ国に分ける。前者の債務を再編し、後者には一時的に無制限の支援を与える。そしてソブリン債務の損失を考慮した資産査定(ストレステスト)を実施した後で、各国財務省が資金を出すか、2011年7月の決定で与えられた柔軟性に従って欧州金融安定機関(EFSF)が資金を出すかして、銀行の資本を増強する――。
欧州4か国で株の空売り禁止へ

欧州中央銀行(ECB)は国債市場への流動性供給に積極的ではない〔AFPBB News〕

 こうした対策の実現は、ユーロ圏の政府間の意思決定を限界まで試すことになるだろう(限界を超えてしまう可能性も十分ある)。例えばフランス政府は依然として、自国銀行に資本増強が必要だということを認めようとしない。

 何よりユーロ圏には、常に自国通貨建てのソブリン債市場の流動性を担保する用意がある中央銀行が存在しない。

 その一因は、こうした措置がドイツ連銀の理念と相容れないためだ。だが、流動性供給が無責任な加盟国に白紙小切手を与え、1990年代にルーブル圏が崩壊したように、最終的にユーロを破滅させることになるからでもある。
根本的には財政危機ではなく国際収支危機

 筆者の懸念はもっと深刻だ。こうしたアイデアは現在必要だとはいえ、失敗の兆候に対処する策であり、根本的な原因に対処するものではない、ということだ。

 筆者が長らく主張してきたように、この危機は基本的に財政危機というよりも、金融業界の不正行為と積み重なった競争力乖離に根差す国際収支危機という要素の方がはるかに大きい。

 ユーロ圏の設計者たちは、通貨同盟内では国際収支危機は起こり得ないと考えていた。彼らは間違っていた。国境を越えた自動的な資金供給がない時は、資金手当ができない対外赤字は国内の信用危機という形で姿を現す。そして、主に主権国家が通貨同盟を構成している場合は、為替リスクさえ復活する。

 困難に陥っている国が皆、危機の前に無責任な財政政策を取っていたわけではない。ギリシャは確かにそうだった。膨大な過剰債務を抱えていることを考えると、イタリアも無責任な財政政策を取っていたと言えるだろう。

 だが、アイルランドとスペインは財政収支が黒字で、公的債務(純額ベース)はごくわずかだった。2006年のアイルランドの公的債務は国内総生産(GDP)比12%、スペインは31%で、フランスの60%やドイツの53%よりはるかに少なかった。ポルトガルの公的債務でさえGDP比59%程度だった。

 脆弱な国々に共通していたのは、民間企業や政府の赤字を穴埋めするために外国の融資に依存していたことだ。外部からの資金供給が干上がると、各国経済は収縮した。民間部門が借り入れを行った国(アイルランドやスペイン)では、資産バブルの崩壊が財政赤字の激増を招いた。一方、公的部門が借り入れを行った国(ギリシャ)では、財政赤字がさらに膨れ上がった。

 起きてもおかしくなかったこと、そしてユーロ圏の当初の設計では起きるべきだったことは、資金供給が途絶え、大規模な恐慌が起き、名目賃金が低下し、多数のデフォルト(債務不履行)が生じ、何年も惨状が続いた末に回復が訪れるという展開だ。そうなっていれば、資金供給なしの調整になっていた。
危機管理と調整の両立

 これに対して実際には、支払い能力が疑わしい銀行への欧州中央銀行(ECB)の資金供給や、ギリシャ、アイルランド、ポルトガルに対する各国政府と国際通貨基金(IMF)の融資が行われ、資金供給とごく限定的な真の調整がもたらされた。

 危機に見舞われた国の中では、アイルランドは調整において比類ない成功を収め、単位労働コストが大幅に下がり、対外収支の大幅な調整が進んだ。だが、Ifoのジン氏が指摘しているように、一般的に見られるのは、資金供給と景気後退の組み合わせだ。極めて大きな難題は、危機管理と調整を両立させることだ。

 ジン氏のような批判派は、過剰な資金供給が調整のインセンティブを台無しにしないまでも損ねてしまうリスクを重視している。しかし、その反対のリスクも存在する。弱い国に調整を強いても、これを相殺する調整が強国で行われないために、失敗に終わる恐れだ。

 調整を強いられる国が小さい場合は、これはあまり大きな問題にはならない。大国である場合は巨大な問題となる。ここに潜むリスクは、緊縮措置が輸出され、さらに再輸出されていく悪循環だ。
応急手当を繰り返しても治療にはならない

 恐らく、新たなパニックが起きないよう、差し迫った危機に対処する方法が見つかるはずだ。だが、もしそれが単に、根本的に競争力のない経済国への無限の資金供給につながるだけであれば、解決策にはならない。同時に、偏りがあって過度に性急な調整は、ユーロ圏および世界の経済国の景気減速を悪化させるだろう。

 必要なのは、資金供給と調整の両方だ。それが達成されるまでは、我々は応急手当を施しているのであって、治療を施しているわけではないのだ。
By Martin Wolf


http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-23595720111012
[ブラチスラバ 12日 ロイター] スロバキア野党スメル党のフィツォ党首は12日、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)拡充案を14日までに承認することで連立与党と合意したことを明らかにした。
 来年3月に総選挙を実施することでも一致した。  

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