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「資本主義崩壊論」が花盛り!?:08年金融危機を予測したルービニNY大教授もマルクスに同調
http://www.asyura2.com/11/hasan74/msg/230.html
投稿者 あっしら 日時 2011 年 11 月 20 日 03:36:21: Mo7ApAlflbQ6s
 


日経新聞が2008年の金融危機を的確に予測したとされるルービニNY大教授のインタビュー記事を掲載している。ユーロ問題、中国経済の見通し、日本の話など多岐にわたった内容である。
 そのなかで、ルービニ氏は「私は社会主義者ではないが、資本主義は自己破壊的だとしたカール・マルクスの指摘は正しかった」と語っている。

(英語表現がないのでわからないが、「自己崩壊的」という表現のほうがふさわしい)

 ↓の「日刊ゲンダイ」記事で榊原青山学院教授が語っている“国家資本主義”は、今後の話ではなく、現象形態は別だが、英国、米国、フランス、ドイツ、日本、ソ連などすべての近代資本制国家に言えることである。
 国家の後ろ楯がないまま繁栄した近代国民経済なぞない。

【引用:「日刊現代」記事投稿より】
「近い将来、国際社会のリーダー的存在になっているのは中国かもしれない。近代資本主義は終わり、国家資本主義の時代になるのではないか。市場経済はそのままだろうが、バックには国家がつく。そうした国が繁栄し、日本も含めて、先進国は衰退していく」

榊原発言を受けて、「日刊ゲンダイ」は、

【引用:「日刊現代」記事投稿より】
「国家資本主義もおぞましい社会

問題はそれがいいことなのかどうか、ということだ。野放しの弱肉強食社会であった新自由主義の勝者は1%だったが、そこに国家の規制とコントロールが加われば、そこまで格差は広がるまい。統制された競争であれば、勝者は10%くらいに増えるかもしれない。とはいえ、それだって格差社会であることには変わらない。資本主義は格差を生む。格差は民主主義の危機を招く。世界経済が混沌とし、民主主義が危機に瀕し、民族主義やナショナリズムが台頭する。そんな時代になるのである。 」

と書いている。

 しかし、国家資本主義は、なにも、中国やインドなど新興国に限った話ではなく、これまで先進国として君臨してきた日本や米国そして西欧も、このままの政治状況が続けば、違った意味の国家資本主義体制になると考えている。

 成長を遂げる新興国は勝者が増える可能性が高いが、国家資本主義的先進国は、“それこそ、99.9%が中低所得者となることにより、表面的には格差が見えにくくなり、沈鬱な平等と奇妙に安定した民主主義になる可能性が高い”と思っている。

 0.1%は、成長しなくなった経済状況で国民生活を維持するために借金を重ねる政府部門にカネを貸す人、国家中枢で統治を担う官僚や政治家、国家の補助を受ける企業の経営を仕切る人などである。残りの99.1%は、ほどほどの生活が維持できる手取り給与の他は、公的債務を返済し、国家や企業の運営に腕を振るう人たちを養う役目を担う。

 「日刊ゲンダイ」が考えている世界よりもずっと“穏やかな”世界であると思う。

本題に戻る。

 ルービニ氏は、「ギリシャのユーロ離脱は時間の問題だろう」と語っている。
 しかし、これまで書いてきたように、長期的視点から言えば離脱のほうがギリシャの益になると考えているが、離脱の脅かしや離脱への希求はあっても、離脱は認められないだろう。EUから通貨同盟へと統合内容を深化してきたユーロ圏が、“デフォルトだから切り離す”では、それこそ、不安定極まりない同盟になってしまうからである。

 ギリシャ債務危機を発端としたユーロ問題は、氏が願う、「経済、財政、政治的にユーロ圏統合を前進させることが解決への本筋」に向かっていくと予測している。

 「ユーロも1ユーロ=1ドル以下に通貨価値を落とすことだ」と教示しているが、中核を占めるドイツの経済力を考えれば、金利を低い米国よりさらに下げなければならずムリであろう。米国が生産性を上げ貿易収支の赤字を減らすほうが、1ユーロ=1ドル以下に至る妥当な道である。


 日本については、「首相が毎年のように変わり、長期停滞を脱する構造改革に踏みきれていない。日銀が緩和を続け国債は大半を国内で消化できてはいるが、永遠には持続できない」と見ている。
 国債が国内で消化できている要因を、“貯蓄残高”ではなく、日銀の緩和策としているのは的確である。それが「“永遠には”持続できない」と言われると、反論しづらいが、百年もてば十分であろう(笑)


 中国につては、「成長モデルは持続不能」とし、「中国経済は13年以降にハードランディングするシナリオだ。国内総生産(GDP)の5割を投資でけん引する経済モデルは持たない。不動産バブルの崩壊や過剰設備で不良債権問題が噴き出す」と指摘している。
 しかし、これは悲観的すぎる見方だと思う。

 GDPの5割を投資でけん引する経済モデルは持たないというが、高度成長期の日本は民間設備投資が35%ほどを占め、政府部門資本形成と合わせると50%近いウェイトがあった。

 (米国のように個人消費が70%というほうが異様なモデルだ)

 日本には国際経常収支の制約があったが、中国の場合は、貿易収支で大きな黒字が続き経常収支でも2000年以降は3000億ドル前後の大きな黒字である。
 さらに、不動産や設備投資の相当部分は外資によるものであり、国内リスクは見かけのブームほど高くない。

 もっとも重要なのは、中国政府のコントロール力が強いことである。不動産バブルについては、投機目的の住宅取得に対する強化をはじめ、10月は調査しているなかで半分の都市が価格下落を見せている。

 欧米の景気低迷が過剰設備問題を引き起こすとしても、経常収支の黒字を基礎に内需拡大のための公共投資で乗り切っていくはずだ。
 様々な理由で不良債権問題が起きたとしても、金融機関の連鎖的な破綻や実物経済への過度な影響がないかたちで対処することができるのが中国の構造である。


=============================================================================
ルービニNY大教授に聞く ギリシャ離脱、時間の問題 ユーロ危機、財政統合必要

[ルービニNY大教授略歴]
 米クリントン政権で経済諮問委員会エコノミストや財務省顧問を務めた。世界経済への悲観論から「破滅博士」とも呼ばれる。52歳。


 2008年の金融危機を的確に予測したことで知られる米ニューヨーク大のヌリエル・ルービニ教授が、06年時点で欧州債務危機の5年以内の到来を警告していたとして改めて注目されている。同教授は日本経済新聞に対し、世界経済は今後、失速しかねないとの見方を示した。発言の要旨は次の通り。

 世界の主要国はすべて問題を先送りしている。過剰債務が危機的水準の欧州。財政問題に有効策を打てない米国。中国の成長モデルは持続不能だ。日本は構造改革に手つかず。リスクは至る所にあり、数カ月後か1〜2年後か、いずれ世界経済は壁に衝突する可能性がある。

 欧州では日々事態が悪化している。ギリシャから周辺国に伝染し、イタリアは信頼に足る新政権が誕生しても国債利回りが7%に再上昇した。フランスなどユーロ中核国の国債や銀行にも問題は及び始めた。スローモーションだった危機が、速度を増しつつある。

 これまでの対策は金融面からの小手先の対応にすぎない。経済、財政、政治的にユーロ圏統合を前進させることが解決への本筋だ。財政緊縮と構造改革は景気の一段の悪化とデフレを招く。成長がないまま労働と資本を再配置するのは困難だ。
 市場の不安を鎮めるには「最後の貸し手」が要る。欧州中央銀行(ECB)は2兆〜3兆ユーロを用意すべきだ。ユーロも1ユーロ=1ドル以下に通貨価値を落とすことだ。ユーロ中核国は景気刺激策に動かねばならない。しかし、ドイツが金融緩和に反対で、ユーロ安にも後ろ向き。ECBは最後の貸し手を拒んでいる。

 ギリシャのユーロ離脱は時間の問題だろう。もしユーロが無秩序に崩壊へ向かえば、08年のリーマン破綻より大きな衝撃となる。イタリア単独でも政府債務は1.9兆ユーロ。世界的な金融危機と景気後退が再び訪れる可能性は排除できない。

 米国には手品のような政策はもうない。財政支出の膨張は許されない。米連邦準備理事会(FRB)は一段の量的緩和に動くだろうが、銀行の超過準備が増えるだけで貸し出しに向かわない。ドル安政策も世界の国が通貨安を望めば、結局はゼロサムゲームだ。
 来年の米成長率は1〜1.5%程度と見る。大統領選をにらむ共和党がオバマ政権の景気対策をのまない。超党派委員会の財政再建協議は合意できないかもしれず、合意しても中身は曖昧なままだろう。税制改革と社会保障費削減に踏み込むとは思えない。財政再建へ真剣さに欠けると市場が落胆する懸念は残る。

 日本は首相が毎年のように変わり、長期停滞を脱する構造改革に踏みきれていない。日銀が緩和を続け国債は大半を国内で消化できてはいるが、永遠には持続できない。

 中国経済は13年以降にハードランディングするシナリオだ。国内総生産(GDP)の5割を投資でけん引する経済モデルは持たない。不動産バブルの崩壊や過剰設備で不良債権問題が噴き出す。

 私は社会主義者ではないが、資本主義は自己破壊的だとしたカール・マルクスの指摘は正しかった。市場経済は金融危機が繰り返し訪れるリスクをはらんでいる。それに備える金融システムと適切な規制を、我々は持たねばならない。

(聞き手は米州総局編集委員 藤田和明)

[日経新聞11月18日P.7]

 

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コメント
 
01. 2011年11月20日 12:27:12: HoWfrAdI5I
まるでニューワールドオーダーじゃないか。
本当に歴史の転換に入ったようだ。

02. 2011年11月20日 23:20:36: mHY843J0vA
>「首相が毎年のように変わり、長期停滞を脱する構造改革に踏みきれていない。日銀が緩和を続け国債は大半を国内で消化できてはいるが、永遠には持続できない」

歳出構造の改革と、内需産業と税制等の効率化・高度化が進まなければ
実質賃金の低下は止まらず、早ければ5年以内、金融危機等で不景気が続いても、
十年以内には実質デフォルト(または中低所得者の生活崩壊=強インフレ)
確実でしょうね


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