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ベーシックインカムに対する3つの反対論 働くことで、人は自分の存在を確認する  日経BP
http://www.asyura2.com/11/hasan74/msg/344.html
投稿者 ダイナモ 日時 2011 年 12 月 02 日 15:20:15: mY9T/8MdR98ug
 

 前回はベーシックインカム(BI)について、社会正義から見た正当性と、制度としての合理性について説明した。BIは、民主主義社会の正義とされる(1)「自由」、(2)「機会の平等」、及び(3)「格差の極少化」に適っている。また現行の社会保障制度と比べて、(1)シンプルで分かりやすい、(2)運用コストが小さい、(3)恣意性を排除できる、(4)働くインセンティヴを損なわない、(5)受給者の尊厳を保てる、という5つの具体的なメリットがある。

 一方で、BIには根強い批判、反対論が存在する。今回はBIに対する批判を紹介し、それらについて検討する。

 BI批判の論点は、主として次の3点である。
(1) 働かなくても生活できるようになれば、働かない人が増える。
(2) BIのコストは国民経済の固定費として負担になり、経済競争力を削いでしまう。
(3) BIを支給するための原資は巨額で、財政を圧迫する(そのため、他に必要な公的支出にお金を回せなくなってしまい、かえって国民の厚生レベルを低下させてしまう)。

 以下、1つずつ検討してみよう。


就労の動機と選択条件が変化する

 まず第1の批判である「働かない人が増える」という指摘について。そういう現象がある程度発生するであろうことは十分に考えられる。

 しかし、BIがあるからといって全く働かない人が大量に発生するかと言うと、私はそうは考えない。むしろBIの無い今はニートをやっている人でも、BIが導入されれば、逆に働くようになるのではないかとすら思っている。

 どういうことかと言うと、BIが導入されれば、食うために無理をしてやりたくもない仕事をする必要がなくなるからである。生活を成り立たせるために我慢して、好きでもない過酷な仕事をする必要がなくなる。生きるためではなく、「楽しむため」や「好きなことをやるため」という前向きな動機で仕事に就くことが容易になる。

 人々がこういう就労行為を取るようになると、雇用者が人を雇う場合に、低条件で過酷な仕事を押しつけることができなくなる。その一方で、好きな仕事なら賃金は低くてもやりたい、楽しめる仕事なら給料を気にせずに働きたい、という人も出てくるであろう。

 つまり、BIが導入されると、就労の動機と職業選択の条件が現在とは大きく変化することになると考えられる。

 ヘーゲルをはじめとする哲学者たちはこう考えた――人間は社会的存在であり、社会において自分の役割と存在理由を仕事(ワーク)によって自己確認する。これに照らしても、最低限の生活ができれば、仕事は全くしないという人はそう多くないと考えられる。楽しさや喜びを選択基準として仕事を選べる環境が整えば、現在ニートをしている人でも、仕事に就いてみようと考える人が出てくるだろうというのは十分に考えられることなのである。

 当然、より良い暮らしをしたいとか、より高みを目指して自己実現を図ろうとする人たちは今と何ら変わりなく働くであろう。働けば働くほど自ら得られるものは大きくなるのだから。


消費税を財源にすれば、競争力は低下しない

 次に、BIを実現するためのコストが国民経済の固定費として発生し、コストアップによる経済競争力の低下を招くという批判について考えてみよう。

 まず、単純な批判として言われるロジックは、次のような流れである。BIの原資として増税が必要となる → 税金はすべて国民経済の中で物価の上乗せとして吸収される → 従って国内生産物の価格アップが起こり、国際競争力が削がれる。

 この指摘は一面では正しいが、増税の財源を消費税にすることによって解決できる。もし財源を消費税ではなく法人税に求めるのであれば、企業はその増税分を製造原価に転嫁し価格上昇を招く。この場合は国際競争力にマイナスに働く。

 しかし、その増税分を消費税に求めるのであれば、支給されたBIの実質購買力は増税分だけ圧縮されるものの、企業の製造原価アップは生じない。また消費税は国内消費に対してかけられるわけであるから、企業が輸出を行う場合には課税フリーである。海外からの輸入品についても、国内に入る時に消費税が課せられるわけであるから、国内での競争力バランスに変化は生じない。従って、BIのための増税分がコストアップとなって国際競争力を削いてしまうという心配は、消費税を原資とする場合には無用なのである。


論点は、仕事ごとの賃金増減の行方

 むしろ慎重に考慮すべきは、過酷な種類の労働の賃金が急上昇することによる国内経済のコストアップがもたらす影響である。

 第1の批判に対する考察の中でも述べたが、劣悪な条件で過酷な労働を求めることができなくなることは想像できる。その一方で、BIによって生活が保障されているため、人々が面白いと感じたり、楽しいと思えたりする仕事は、現在よりも低い給与で働く人が出てくるはずである。この時、仕事ごとに発生する賃金の増減の総和が、現在と比べてコストアップになるのかどうか、が論点になる。

 私はこの点についてもそれほど悲観的になる必要はないと考えている。過酷な労働の賃金が上昇していけば、ロボットなどの代替策が登場するだろう。面白い/楽しいタイプの仕事はクリエイティヴで知的集約度が高い仕事が多いので、付加価値が大きいはずである。そうした付加価値が大きい仕事をより多くの人が目指すようになれば、高付加価値業務の生産性が高まる。その結果、競争力がむしろ高まることすら期待できる。


BI実現のための負担増は約60兆円

 3つ目の批判は、BIの実現に必要な原資は莫大であり、財政的に非現実的であるというものだ。

 では、実際にどれくらいの原資が必要になるのかの試算を示してみよう。

 まず全国民に毎月一律8万円――BIを最初に提唱した一人である小沢修司氏のモデルケースにあるように――を支給すると仮定すると、必要な総原資は 122.6兆円である。ただし、この122.6兆円がすべて追加的に必要になるわけではない。基礎的年金や生活保護手当てといった社会保障給付は、BIが代替するので不要になる。そうした費用を差し引いて計算すると、BI導入のための追加コストは58.4兆円となる(計算式は立岩 真也・齊藤 拓『ベーシックインカム』p323〜p324青土社)。約60兆円の追加的歳入があれば、つまり国民負担率を現行の39%から57%に上げれば、国民全員に毎月8万円のBIを給付することができるのである。


生活の保障に加えて、社会正義の体現

 本コラムの6回目「国民全員に医・食・住を保障する」ための追加コストは総額で51兆円であることを示した。その金額は消費税10%アップ、1%の金融資産課税の導入、相続税の実効税率を50%に引き上げることで徴収可能であり、その時の国民負担率は54%であった。

 BIの導入は、「国民全員に医・食・住を保障する」というビジョンと比べて10兆円の追加コストが必要となるが、全国民の生活を保障する目的をより徹底したものであり、それに加えて社会正義の理念を強く体現した制度なので、私としても十分に支持できる。

 このように、BIに対する3つの批判はそれぞれもっともな部分もあるものの、BI導入の合理性に対して致命的な問題となるわけではないと考えらえる。

 BIに対する賛否に関して、興味深い議論がある。手厚い社会保障を重視する社会民主主義論者と、政府の役割は最低限にするのが良いと考えるリバタリアンとの双方が、共にBIを支持しているのである。社会民主主義論者とリバタリアンは経済政策の選択において真っ向から意見が対立することが多い。にもかかわらずBIに関しては、双方共に支持しているというのは非常に興味深い。次回は、なぜ、両極の経済理論が共にBIを支持するのかを解説し、BIの多面的な理解に供したいと思う。


http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20111129/224649/?top_updt
 

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コメント
 
01. 2011年12月02日 15:32:49: FUviF2HWlS
BIは新自由主義者の発想。

人材派遣会社を国営化し、待機中も雇用する制度の方が良い。


02. 2011年12月02日 18:48:56: 6nzVqH68nU
BIは「負の人頭税」ですから、経済格差は現在よりも拡大します。

年金が廃止され、高齢単身生活者はBIが導入されたら暮らしていけなくなるでしょう。一方、大家族世帯は大幅な収入増加になります。

端的に言って、単身者は月8万円、年収96万円では多くの人が暮らしていけません。しかし、夫婦と子ども3人世帯では月40万円、年収480万円です。BIだけでも十分暮らして行けます。

これだけ大きな格差を生み出すBIという「負の人頭税」制度は、やはり本質的に大きな欠陥のある制度だと言えます。


03. 2011年12月02日 20:09:14: 50qlQJpGZg
>02氏
単身者がいつまでも単身者でいる事を定められている訳ではなく、家族もいつまでも同居している訳ではないでしょう。

家族で「生活」が出来たとしても、子供を進学、就職、結婚させたりする場合にはそれなりにお金がかかる。

単身者には結婚や働く事への動機付けになるし、家族でもいずれその構成人数が減る事に対する防衛策の一環として働くという選択も出て来る。

高齢単身者の方へは、ベーシックインカムに加えて、別のセーフティネットを設ければ良いだけの事では。

結論として、人生の選択肢を増やすという意味で、私はベーシックインカムに賛成します。


04. 2011年12月02日 21:11:41: 6nzVqH68nU
年収500万円程度の5人世帯は、BI制度の導入で年収1000万円クラスの富裕世帯になる訳です。これが20数年続くことになります。

一方、年収200万円程度の高齢単身者世帯は、BIの導入で年収100万円以下の超貧困世帯へ転落することになります。もちろん生活保護制度などありません。

これが「負の人頭税」の現実です。

>高齢単身者の方へは、ベーシックインカムに加えて、別のセーフティネットを設ければ良いだけの事では。

そうすると、障害者や病気療養者に対しても財源を割り振る必要がありますね。今現在、生活保護を受けている単身者に対しても、BI導入によって収入が減少した部分を補償する必要があります。また、単身失業者に対しても同様に減収分を補償する必要があります。

その他にもBI制度では生活が成り立たない人は大勢出ると思います。結局、BI制度ではカバーされない人達が大量に発生する訳です。で、その人達にはBIとは別の補償制度を創設する必要がでてきます。

BIを導入しようとするなら、BIが「負の人頭税」だということからくる欠陥を、他の社会保障政策で補完する他無いのです。その財源はどこから確保するのでしょうか? 

そもそも、今現在年収500万円クラスの30〜40歳代の世帯のみが、BI制度の導入によって年収1000万円クラスの富裕層になるということ自体が、BI制度が抱える歪み(経済格差の拡大)を象徴的に表しています。


05. フシギ空間 2011年12月02日 22:17:55: OmtZW.QhVGmO2 : GrTH6rInhw
>私はこの点についてもそれほど悲観的になる必要はないと考えている。
>過酷な労働の賃金が上昇していけば、ロボットなどの代替策が登場するだろう。
それは一体何十年後なんでしょうか?

>面白い/楽しいタイプの仕事はクリエイティヴで知的集約度が
>高い仕事が多いので、付加価値が大きいはずである。
>そうした付加価値が大きい仕事をより多くの人が目指すようになれば、
>高付加価値業務の生産性が高まる。その結果、競争力がむしろ高まることすら期待できる。
具体的にどういう職業が当てはまるのでしょうか?
そしてその職業が多数を占めて社会が回るのでしょうか?
一切考察はされていません。

楽観すぎですね。

>約60兆円の追加的歳入があれば、つまり国民負担率を現行の39%から57%に上げれば、
>国民全員に毎月8万円のBIを給付することができるのである。
>本コラムの6回目「国民全員に医・食・住を保障する」ための追加コストは
>総額で51兆円であることを示した。その金額は消費税10%アップ、
>1%の金融資産課税の導入、相続税の実効税率を50%に引き上げることで徴収可能であり、
>その時の国民負担率は54%であった。
>BIの導入は、「国民全員に医・食・住を保障する」というビジョンと比べて
>10兆円の追加コストが必要となるが
つまり、現在8万円で76,190円分使えていたところ、69,565円分しか
使えなくなる場合よりも、実際に使える金額はさらに低くなるわけです。

そして、相続税の実行税率。50%を実現したとしましょう。
現金や証券等で支払える能力がない人達から確実に徴収するならば
土地や建物の物納が主体になってきます。
物納されたものを、どうやってスムーズに財源化するつもりなのでしょうか?
速やかに売却できない場合は、国有地として管理する経費も必要になってきます。
売却できない状況が続けば相続税が財源に占める割合は、年々減っていきます。
相続税となるべき物がどんどん国有地になっていくのですから。
国有地から税金はとれませんからね。

極端な例を挙げれば、一軒家の土地建物半分で物納されました。どうやって管理するのでしょう。
相続した人から、BIの代償として家賃と土地代と固定資産税を徴収するのでしょうか?

相続税の実効税率50%とか言うのは簡単ですが、その後をどうするか考えないと
とんでもない不良財源になりかねないことはきちんと考察したほうが良いでしょうね。


06. 2011年12月02日 22:26:43: mALWfVhj1I
おじさんの議論でいちいち反論するのもめんどうだけど


>(1) 働かなくても生活できるようになれば、働かない人が増える。

これひとつとったって、おじさんの世間知らずにはあきれてしまう。
いちばん、おじさんたちがやりたくない仕事は、おばさんがアンペイドワークまたは、有償ボランティアまたは低賃金で担っているのですよ。
おじさんたちが、のうのうと高給もらえるのも、低賃金、またはただ働きの
おばさんがいるからなのにね。
いつになったら、わかってもらえるやら。

私たちは、働いていても生きていけるほどの賃金がもらえていないのですよ。
ワーキングプアは若者だけではないですよ。
ノー天気な議論はいい加減にしてほしい。


07. 2011年12月02日 23:08:37: cqRnZH2CUM
BIに社会保障を一本化し、年金や健康保険を廃止すれば
日本経済の効率化と、底辺の生存権を保障するという目的を
両立することができるが

現実には高齢者の既得権を破壊することになるから実現は無理だろう


08. 2011年12月02日 23:27:32: zOlT358tlI
全員一律にお金を配る必要は無い。
早く国民番号制にして累進課税しろ。
消費税は反対多数で上げさせるな。

09. 2011年12月02日 23:31:44: 4mYXxJ5Cbg
>04さま
03です。詳細なご回答ありがとうございます。
BIの、バラ色のイメージしか見ていなかった事に気付かされました。
>年収1000万円クラスの富裕世帯 と、
>年収100万円以下の超貧困世帯  の出現。
画一的な対応は、弊害も大きくなる。
「特効薬」は副作用も大きい、という事だと理解しました。
その本来の効き目についても、「誰のためのものであるのか」という疑念も。

誰しもが、飢えず、凍えず、健康に過ごせる事を願いますが、
現時点においてBIは、それに相応しいものではなさそう。

より包容力のある方法を探したいと思います。


10. 2011年12月02日 23:54:12: u3E6Ef3e1Q
働く場所があって、食えるだけの金がもらえるなら、たいていの人は働くよ。BIやるのがダメなら、大企業にまともに人を雇わせろ。下請け泣かせをさせるな。
それで解決だ。

11. 2011年12月03日 05:58:02: SIOcU7m6Zs
機能はしているらしいが、認めない、口先だけの評価などで誰が納得するのですかね。陽気というより饒舌な専制主義者でないことを願う,いまやっていますが。

12. 2011年12月03日 06:53:14: HdwUorYrrk
BIをやる前にまだやることがあります。
マスコミに新規参入を促せるように規制を取っ払うこと。電波オークション。
パチンコに対して議論し、賭博の権利が与えられていることに対する制限。経営者の財産と報酬と特別な税金。また、独占企業に対する国民の議論も必要でしょうし、
正社員の解雇規制や公務員の明らかに異常な高待遇など。最後は宗教法人でしょう。それらについて国民が議論して決断したならば、BIのドジョウが整うことを意味します。なぜなら、同じ人間が公正に挑んだ場合そんなに著しい差なんて付かないからです。

13. 2011年12月03日 10:34:11: 7VkHUexWw2
BIを富の公平分配的な観点から見ると破綻するでしょうけど、お金の力を削ぎ落
とすという観点からみれば悪くはないと思う。例えば給料をまともに払わない
企業等は自然淘汰されていくでしょうし、お金の為に犯罪を犯すような人も
減るのではないでしょうか。お金は単に物々交換券であってほしいものです。

また、そもそも経済が悪くなるのは先行きの不安等で庶民がお金を使わなくなるから
だと思いますが、BIだと少なくても生活できるという安心があるからお金の
流れはよくなるような気はします。


14. 2011年12月04日 09:24:33: F9RJCNLGTc
>BIを富の公平分配的な観点から見ると破綻するでしょうけど、お金の力を削ぎ落
とすという観点からみれば悪くはないと思う。

政治家や役人の力も弱まります。
今まで公平に見える制度もそれらの介入でゆがめられてきました。
お金をもうけている人がりぱな人であるという価値観もかわるでしょう。

今の仕組みを今それらを作っている人で議論して(当然それらの人の利益誘導の仕組みはかわらない)チマチマと変えたって、何にも変わらないと思う。


15. 2011年12月04日 10:23:28: uKFoqoJusE
労働力不況カルテル(求人倍率を1以上に保つ)労働力にもカルテルがあって良いと思うのです
求人倍率1以上ならBIは必要ないかも
失業者全員に失業保険料を支払い、保険料の額は求人倍率1以上になるように調整する。
※就職を希望しない失業者にのみに支給する、現状の正反対、これのがはっきりしますね

増税も必要なく、資本主義にはむしろ向いていると思う
BIでも求人倍率によって支給金額を調整しても良いですね。
「労働力不況カルテル」より


16. 2011年12月04日 13:23:00: iaQqJZ9szY
まったく認識されていないのが家の内外でアンペイドワーク、低賃金、有償ボランティアで働いている人たちです。
役所も地域社会も、便利に使って、自分たちの不作為でできた、赤字をそういう人を利用しておぎなっている。

とんでもないことが、いかにも合法的に行われているひどい国だと改めて
思う。
BIしかこのひどい状況は変えることができない。


17. 2011年12月04日 16:14:38: zeuF4jHQoY
ベーシック・インカムは、経済活動の自由にまったく干渉しません。 ベーシック・インカムは個人の自由にも干渉しません。
ベーシック・インカムの場合は、労働に対して払うのではありません。 人の生存そのものに対して払います。
企業に試行錯誤はつきもの。そもそも企業の使命は消費者に良質の商品を効率よく提供することであって、雇用を維持することではありません。
効率重視でけっこう、儲けてもけっこう、潰れてもしかたがない・・・・。
しかし、人は助ける。 何があろうと人が路頭に迷うようなことにはぜったいにさせないぞ、というのがベーシック・インカムです。

ベーシック・インカムのもとになる考え方は、すべての人の生きる権利です。すべての人は先人が編み出した生産方法を相続する権利があると
いう考え方であります。
貧富差をなくすことではありません。 ベーシック・インカムは金持ちとか貧しいとかとは別な考え方であります。
ベーシック・インカムは、「金持ちかそうでないか」という見方を捨て、社会の絶対的なセーフティ・ネットを作ることに意義があります。

現在はテクノロジーが世界を変貌させた産業化の時代であります。蒸気動力から電気の利用、内燃機関、電子通信、
そして情報技術等の力は戦争に於いてさえもロボットが兵隊に替わり始めているのです。

工業生産がより効率的になればなるほど労働者の賃金が低下し、工場で生産される全てのものを買うことができなくなります、
売れ残りが発生してしまいます。その為、自国の製品を購入する顧客を外国に求め他の国々との競合者となって
戦争を引き起こす要因にもなりかねません。

現在の先進国においてはオートメーション化等により基本的な商品は売れ残りを出す程になって問題はすでに解決しているのです。
現在問題としなけねばならないのはそれらの生産物の他国への押し付け合戦ではなく、自国民への分配方法であります。
その方法は、いまのところベーシック・インカムが最良かと思っております。


18. 2011年12月05日 09:32:51: yqo9b5I2o6
ベーシックインカムに賛成。
「働かなくなる」云々といった批判も、
給付水準など具体的な制度設計如何であるから、
何も具体的になっていない以上、批判はナンセンス。

ベーシックインカムのメリットは、
なによりも、ベーシックインカムのような基本所得保障制度が導入されれば、
ワープア層など多くの貧困層が安心して暮らせるようになることである。

人が生活の中で最も深刻な不安を感じるのは、食べることの不安、住むことの不安、病気になった場合の不安、
そして老いて介護が必要になった場合の不安である。
この20年間の間に、安心を保障する「終身雇用制度」「企業内福祉」「既存の年金制度」等の破綻が明らかになった。
既存の制度に代わる新しい制度も未整備。
それゆえに、不安が増しているのではないか(自殺率がこの十数年間高水準)。
今さら「終身雇用制度」「企業内福祉」といった昭和時代のシステムを復活するのは無理。
自殺や貧困を減らすには、新しい制度の導入、
すなわち、国民がこの国で安心して人生を送っていくための基本所得を保障する制度を導入するべきだろう。
(お金がなければ、厳寒をしのぐ温かい部屋で寝ることもできない、飯を食べることもできない、病院にも行けない。
これでは、就労も困難)
もし失業しても、基本所得が、
国民全員に保障されていたならば、どれほど安心して人生を送ることができるだろうか。
すくなくとも、失業したら、路上に放り出されるリスクがある現在よりは、安心して暮らせる。

■「ドイツの派遣労働者は解雇されても、路上に放り出されることはない」〜ドイツ労働総同盟(DGB)法務担当幹部に聞く
http://diamond.jp/series/worldvoice/10043/
ドイツでは、失業給付が切れても再就職できなかった人や
最初から失業給付のない人などを対象に「失業給付2」が設けられています。
食費や家賃など最低生活を維持するための扶助で、仕事が見つかるまで支給されます。
単身者で月350ユーロ(約4万6000円)ですが、
これがあれば非正規社員が仕事を失っても路上生活を強いられることはなさそうです。
【参考文献】矢部武著「世界で一番冷たい格差の国日本」

ただ、実現可能性を真剣に検討するなら、
ベーシックインカムより負の所得税のような基本所得保障制度のほうが現実的だろう。
なぜなら、財源が2兆円〜5兆円程度で済むからだ。

負の所得税とは、いかなる制度か。
例えば基準額が300万円で助成率が20%だとすると、
年収が0円なら(300万円−0)×20%で年間60万円もらえる。
つまり年収60万円のベーシックインカムと同じ事を意味する。
年収が50万円なら、(300万円−50万円)×20%で年間50万円もらえることになる。
こうすることによって、役人の裁量権を極力減らし、
一定のルールに沿って所得税を徴収(または、負の所得税を給付)することを提案しているのだ。
「負の所得税」とは、所得ゼロの人よりも、100万円の所得のある人のほうが、
結果的に受け取り総額が増えるようにして、働くことのインセンティブをつけようとしたものである。
生活保護制度を負の所得税に置き換えれば、不公正もこれで解消される。
(障害者や難病・重病人には、別途、手当てを加算すればよい)

基準額が150万円で助成率が40%だとすると、
年収が0円なら(150万円−0)×40%で年間60万円もらえる。
つまり年収60万円のベーシックインカムと同じ事を意味する。
年収が50万円なら、(150万円−50万円)×40%で年間40万円もらえることになる。

【負の所得税】
所得が一定額に達しない者に対し、政府が給付金を支払う制度。
課税最低限との差額の一定割合の金を給付する。
http://kotobank.jp/word/%E8%B2%A0%E3%81%AE%E6%89%80%E5%BE%97%E7%A8%8E

■負の所得税の予算と財源 −財源はある(かも)!
現実性皆無のベーシック・インカムについてあれこれ考えるのは知的遊戯としては楽しいが、
そればかりというのもなんなので、今回は現実性がありそうな負の所得税について検討してみよう。
負の所得税のモデルはいくつかあるが、ここではミルトン・フリードマンが提唱したモデルを考えてみよう。
すなわち控除額と助成率を設定するモデルである。…
ただし、フリードマンが提唱した既存福祉を置き換えるモデルではなく、
既存福祉に追加する形でのモデルを考えてみよう。
これは既存福祉のレベルを置換した場合、福祉水準を切り下げることなく負の所得税を導入することが難しいためである。
もし置換するとしたらその対象は失業保険と生活保護、ということになるだろうが、
実務上失業保険との置換は不可能(月収単位ではなく、年収単位の話だから)だし、
現在の生活保護水準と同レベルの給付(月13万〜34万円程度、2割削減したとしても月11〜27万円程度)を行うのは難しい。
もちろんフリードマンは福祉削減の急先鋒なのでそのようなモデルを推奨するのだろうが、
当ブログ主はフリードマンのそのような側面が嫌いなため、あえて福祉や援助の「ごった煮」を目指そう。
さて、そのようなモデルとベーシックインカムとを比較した場合、負の所得税のいいところは財政に優しいところにある。
救貧制度と位置づけられるので全員に配る必要がなく、給付対象となる人であっても、
給付額が所得に反比例しているので一人当りの給付額も軽くてすむ。
また、そもそもの給付額自体もBIのような「最低限の生活費」という縛りがなく自由に設定できる。…
以下負の所得税に必要な予算について本当に大雑把な計算をしてみよう。
まず支給は世帯単位で、年金との二重給付を避けるため、現役世代限定としよう。
その代わり年金制度は残すものとする。
▼控除額の設定
救貧制度であるから、対象は年収300万円以下とする。
すなわち控除額は300万円。
実際は世帯人数に応じて控除額が増減することになるだろう(独身者は低く、4人家族は高くなるはずである)が、
ここではデータの不備と計算の簡略化のため世帯人数による補正は行わない。
一律300万円としよう。
可処分所得の目安はこれの80%程度と言われているので、約240万円である。…
▼助成率の設定
300万円以下の所得に対して、2万円の所得減に対し、1万円の給付をするとしよう。
すなわち助成率は50%に設定する。
具体的には、この給付額においては、年収300万円だと0円、年収200万円で50万円、
年収ゼロだと150万円の給付が為される。…
だが年金制度を残すことを条件に、支給は現役世代に限定しよう。
したがって、ここから高齢者世帯を除かなくてはならない。
高齢者で年金制度に加入していない人はここでは考えず、別の制度でカバーするものとする。…
これを先に試算した総世帯数から差し引きすると、年収300万円以下の世帯は、
世帯年収          世帯数
200〜300万円  434万世帯
100〜200万円  357万世帯
0〜100万円    139万世帯
存在することになる。
この世帯数を給付額と掛算すると総額は、
434万×25万円+357万×75万円+139万×125万円=
5兆5000億円
となる。
▼子ども手当が実現可能ならば負の所得税も実現可能
すなわち負の所得税に必要な予算額は5.5兆円である。
奇しくもこれは、子ども手当(全額で5.3兆円)と同程度の予算ということになる。
すなわち子ども手当が実現可能であれば、負の所得税もまた実現可能である!
http://d.hatena.ne.jp/ColdFire/20100206/1265421463
課税最低限300万円、助成率50%の負の所得税に必要な予算額は5.5兆円だから、
課税最低限や助成率を引き下げれば、さらに予算が少なくて済む。
控除額150万円、助成率40〜50%ならば、予算額は2兆円台くらいか。
これなら、ベーシックインカムよりかなり現実味がある。

天下り官僚の受け皿である独立行政法人など公益法人に毎年12兆円以上の税金が流れているので、
これを根絶すれば、この12兆円以上のカネを財源とすることができる。
もちろん、景気対策の一環として、国債の日銀直受けや政府通貨の発行といった財政拡大を伴う強力なリフレ政策を断行して、
財源を一時的にまかなってもよい。
所得税最高税率の引き上げや相続税・資産課税強化など富裕層に対する増税で財源をまかなってもよい。

飯田泰之(経済学者):「負の所得税の財源。
現在日本では年間80兆円の相続財産があり、これに対する相続税収は1.5兆円。
2億円まではうまくやれば無税。日本は実質相続税が無い。
配偶者を除く次の世代への相続に20%課税すれば8兆円の財源ができる。」
http://twitter.com/#!/montagekijyo/status/13613237545
負の所得税+累進率を強くすることには賛成。すぐにでもやって欲しい。
http://twitter.com/#!/kuroseventeen/status/11698284587

以上のとおり、
波頭さんのおっしゃっていることは、ほとんど賛成ですが、
実現可能性の観点からは、ベーシックインカムよりは負の所得のほうがよいと思います。>波頭さん、ダイナモさん


19. 2011年12月05日 09:41:07: yqo9b5I2o6
■そろそろ「負の所得税」をまじめに考えてもいいのではないか(山口浩/駒澤大学教授)
http://www.h-yamaguchi.net/2005/07/post_01a6.html
■「失業者支援 新たな安全網『一本化早く』 制度つぎはぎ&窓口バラバラ」について
(石川和男/東京財団研究員、内閣府・規制改革会議専門委員)
詰まる所、『社会保障番号』と『負の所得税』を早急に構築すべきだという話。
http://blog.canpan.info/ishikawa/archive/685
■生活保護〜ワーキングプアの関連の政策はフリードマンの「負の所得税」が人類史上最強の方法だと思う。
自ら稼ぐインセンティブを削がずに一定の生活保障をするにはどう考えてもこれ以外ありえない。
http://twitter.com/masaaaaaaaayuki/status/15139819995
■飯田泰之(経済学者):「負の所得税の財源。
現在日本では年間80兆円の相続財産があり、これに対する相続税収は1.5兆円。
2億円まではうまくやれば無税。日本は実質相続税が無い。
配偶者を除く次の世代への相続に20%課税すれば8兆円の財源ができる。」
http://twitter.com/#!/montagekijyo/status/13613237545
負の所得税+累進率を強くすることには賛成。すぐにでもやって欲しい。
http://twitter.com/#!/kuroseventeen/status/11698284587
■ワーキングプアを救済する方法 −負の所得税
現在の非効率な「官僚支配国家」では、移転支出のかなりの部分が官僚の賃金に食われている。
それを一掃して負の所得税に一本化すれば、すべての国民に最低所得保障が可能になろう。

20. 2011年12月05日 21:53:50: 6kuobrWeYc
>ワープア層など多くの貧困層が安心して暮らせるようになることである。

月「8万」→ 都会だったら家賃で吹き飛ぶぞ。

BI支持って家持ち、家族たくさんの連中なんだろうな。


21. 2011年12月06日 05:55:26: L1QJ14fMIE
>>20
まず第一に、「8万円」と決まったわけではない。

第二に、仮に8万円だとしても、
今はゼロ円だから、ゼロ円よりは8万円のほうが
はるかにいいだろ。
すくなくとも、ホームレスは免れる。餓死することもない。
自殺に追い込まれるリスクも減る。

「8万円じゃ不満だから、ゼロ円でいい」というワープア層なんているか?


22. 2011年12月07日 10:47:48: mALWfVhj1I
>月「8万」→ 都会だったら家賃で吹き飛ぶぞ。

私のところは、県庁所在地ですが、2万円前後の家賃のところも
ざらにあります。
友人などは、JR駅まで車で12〜3分のところですが、1軒家で駐車場
2台分、広い庭に、畑、物置つきで、3万円です。

8万円あれば、基本的なものは、まかなえます。
近所から、野菜や果物がもらえることもありますし、米も、直接、農家から
もらえば、安くなる場合もあります。

BIは、田舎への人口の移動をもたらすかもしれませんね。


23. 2011年12月10日 22:49:10: lxwUgjrcoc
私のところは、県庁所在地ですが、2万円前後の家賃のところもざらにありますが
どこかは書けません。
架空の県庁所在地だからです。

友人などはJR駅まで車で12〜13分のところですが、一軒家で駐車場2台分
広い庭に、畑、物置つきで3万円ですが、中心部へはJRで50分以上かかり
築50年を超えています。

近所から、野菜や果物をもらえることもありますが、
それはこちらの畑からもあげたり集落の活動に熱心に入り込んでいる賜物です。
ベーシックインカムだけで過ごそうというは、突き放されること請け合いです。

ま、現実はこんなとこでしょう。


24. 2011年12月12日 11:14:46: 400LDJXrDE
私のところは、架空の県庁所在地ではありませんが、JR駅から50分も車で走れば、熊や鹿が出るような中山間地もありますので、家賃はただでもいいから住んでください、というところもあると聞いています。
市がそういうところの掘り起こしと仲介もしているということもあるようです。
なにしろ、人がいないので農業以外の仕事がありません。
農業は天候などの影響を受けやすいので、収入も不安定です。

BIで家族で移動する人が増え、地方にも人が集まれば、仕事も生まれるのではないでしょうか。

フクシマでは放射能汚染で住んでいる家を捨てなければならなくなっていますが、
こちらでは、仕事がないので、生活のために家を捨て都会に出なければならないのです。


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