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貿易高1兆ドルに達するも、国民の45.3%は「私は下流」減らない家計負債、生活費は消費者金融頼り
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投稿者 ts 日時 2012 年 2 月 01 日 03:02:27: kUFLMxTYoFY0M
 

http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20120130/226641/?ST=print アジア・国際>日本と韓国の交差点

貿易高1兆ドルに達するも、国民の45.3%は「私は下流」減らない家計負債、生活費は消費者金融頼り

2012年2月1日 水曜日
趙 章恩


 2011年12月5日、韓国の貿易高が1兆ドルに達した。関税庁の通関基準で輸出5153億ドル、輸入4855億ドルを記録したのだ。貿易高がこれまでに1兆ドルを超えた国は米、英、独、仏、蘭、伊、中国、日本で、韓国は世界で9番目にこの記録を達成した。

 韓国は1974年に貿易高100億ドルを達成した後、1988年に1000億ドル、2005年に5000億ドル、2011年には1兆ドルと拡大させてきた。韓国は世界でも稀なスピードで貿易を拡大させている。70年代の輸出品の主力は繊維とかつらだった。今は、自動車、船舶、半導体、LCD、携帯電話が輸出を支えている。

 2011年の貿易収支が31年ぶりに赤字となった日本とは対照的に、韓国経済は勢いよく成長しているように見える。実際、サムスン、LG、ロッテ、SKなど韓国を代表する財閥企業の利益は増えるばかりである。

所得が減った人、負債が増えた人が全体の4分の1に上る

 ところが一般国民の“体感経済”は厳しくなるばかりである。韓国統計庁が2011年12月に発表した「2011社会調査」を見ると、自分を「中流」と答えた人の割合は1988年の調査開始以来最も少なかった。

 「私は社会的・経済的に中流」と答えた人は、2年前より2.1ポイント減の52.8%。一方「私は下流」と答えた人は2年前より2.9ポイント増加して45.3%だった。「上流」と答えた人は1.9%で2年前より0.8ポイント減っている。社会調査は2年に1度行われるもの。今回は、13歳以上の3万8000人を対象に行った。

 65歳以上の回答者を見ると、自分を「中流」と答えた人は35%しかいなかった。60歳以上を対象に「最も大変なこと」を尋ねたところ、40.6%が「経済的問題」と答え、「健康」(37.8%)、「やることがない」(6.2%)、「さびしい」(3.7%)よりも断然多かった。超高齢化社会になりつつある韓国で、生活に困っている高齢者の増加は今後大きな社会問題になるだろう。

 韓国では1998年の経済危機以降、40代定年が定着している。このため老後の準備をする経済的余裕がない人が多い。社会調査でも、「老後の準備をしている」と答えた人は75.8%(19歳以上の回答者)。24.2%は「老後の準備をするほどの能力がない」(同)と答えている。

 その他の項目でも、2年前より生活に困っていると答えた人の割合が増えている。「自分の所得に満足している」人は11.7%で2年前より2.4ポイント減少し、不満に思う人は49.1%で2年前より2.5ポイント増えた。「現在の消費生活に満足している」人は12.7%で2年前より1.0ポイント減った。他方、不満に思う人は40.5%で0.3ポイント増えた。

 「1年前に比べて家計所得が減った」人は25.2%で、増えた人(18.1%)より多かった。「1年前に比べ家計負債が増えた」人は27.3%で、減った人(10.8%)より多かった。30代の35.4%、40代の34.8%が「負債が増えた」と答えている。

 また、「努力すれば自分の社会的・経済的地位が高くなる可能性がある」という質問に対しては、28.8%だけがYESと答えた。これは2年前より6.9ポイント減っている。NOと答えた人は58.7%で2年前より10.6ポイント増えた。「子供の世代は、努力しだいでより良い階層へ移動できる可能性がある」という問では、調査開始以降初めてNO(42.9%)がYES(41.7%)上回った。

 会社員を対象にした調査では、「雇用に不安を感じる」人が59.9%だった。30代会社員の場合65%が不安と答えた。「家庭より仕事を優先する」人は54.4%いた。男女別に見ると、女性が42.2%であるのに対して、男性は62.6%に上った。

 13〜29歳の青年を対象にした質問では、「就職したい職場」の1位が国家機関(28.7%)、2位が大企業(21.6%)、3位が公共企業(15.6%)だった。職業を選ぶ基準は「収入」が38.3%、「安定性」が29.2%、「適性や将来性」が25.6%。収入が何よりも大事ということだ。自分がやりたい職業よりも、生きるための職業を選択しているように見える。生活に対する不安が大きいから、と判断できる。

生活資金確保のため消費者金融の利用者が激増

 韓国メディアは2011年9月まで、日本や米国において貧富の格差が広がっていることを大きく報じていた。米国では中流層の所得が減って貧困率が高くなっている。日本では年収200万円未満の非正規職が増加し、家計所得が減少。「1億総中流社会」が崩れて下流化が進んでいる。特に若者の下流化が問題になっている。しかし韓国も状況は変わらない。韓国でも医療保険や雇用保険の対象にならない非正規職ばかりが増えている。

 韓国では家計負債が増加している。家計負債は1999年から2010年にかけて年平均13%増加し、2011年にはついに1000兆ウォン(約70兆円)を突破した模様だ。

 韓国銀行の発表によると、韓国の家計負債は2011年9月時点で史上最高額の892兆5000億ウォン(約63兆円)に達した。自営業者の負債100兆ウォンを合わせると1000兆ウォン(約70兆円)近い。以前は、家計負債と言えば住宅ローンだったが、2011年は、生活のために借金する人が49%を占めている。

 家計負債のGDPに対する比率は、OECD加盟国の平均が77%なのに対して、韓国は85.9%に達する。家計負債の可処分所得に対する割合もOECD加盟国平均が134.1%なのに対して韓国は152.7%と高くなっている。

 担保がなく銀行に融資をしてもらえない低所得層は、消費者金融や第2金融と呼ばれる貯蓄銀行からお金を借りている。

 金融監督院が2011年12月に発表した統計によると、2010年末に7兆5655億ウォン(約5300億円)だった消費者金融の融資総額は、2011年6月には8兆6361億ウォン(約6049億円)に増加している。消費者金融利用者は2010年末の22万7000人から2011年6月の247万4000人へと増えた。消費者金融の融資金利は銀行より2.5倍ほど高い。無担保(信用)融資は24.4%〜38.6%、担保融資は18.2%である。それでも利用する人は増えるばかりだ。

財閥だけが儲かる社会に、一般国民は不満

 家計負債を解決するためには家計所得を増やす必要がある。そのためには雇用の拡大が欠かせない。

 李明博大統領は2012年1月25日、財閥企業に対して「企業の倫理」を守るよう要請した。李大統領は以下のように指摘した。「経済状況が厳しくなっている中、財閥企業は、小商工人が生業とする業種(スーパー、パン屋、屋台、コーヒーショップなどのチェーン店経営)まで事業領域を広げないよう自制するのが望ましい」「これは企業の倫理に関する問題」「大企業は勤労時間を短縮して仕事を分け合うこと(雇用人数を増やす)を積極的に推進するべき」。

 韓国メディアは連日、財閥に関する報道をしている。オーナーファミリーが次々に子会社をつくって財閥本社に商品を納品するようにし、下請企業を倒産に追い込んでいる、といった内容だ。「親企業政策」を公約にして当選し、各種規制をなくしてきた李大統領に対して、市民団体が非難の声を上げている。「財閥大手企業だけが儲かる構造をつくってしまった」。

 今後、韓国の貿易黒字は増加しても、2年後の社会調査では「私は下流」と答える人が50%を超えるかもしれない。国の経済成長と国民の生活水準が逆行することなく、働いた分だけ所得が上がり、衣食住に困ることなく生活できる国に住みたい――これは、高すぎる望みだろうか。
このコラムについて
日本と韓国の交差点

 韓国人ジャーナリスト、研究者の趙章恩氏が、日本と韓国の文化・習慣の違い、日本人と韓国人の考え方・モノの見方の違い、を紹介する。同氏は東京大学に留学中。博士課程で「ITがビジネスや社会にどのような影響を及ぼすか」を研究している。
 趙氏は中学・高校時代を日本で過ごした後、韓国で大学を卒業。再び日本に留学して研究を続けている。2つの国の共通性と差異を熟知する。このコラムでは、2つの国に住む人々がより良い関係を築いていくためのヒントを提供する。
 中国に留学する韓国人学生の数が、日本に留学する学生の数を超えた。韓国の厳しい教育競争が背景にあることを、あなたはご存知だろうか?

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著者プロフィール

趙 章恩(チョウ・チャンウン)

 研究者、ジャーナリスト。ソウルで生まれ小学校から高校卒業まで東京で育つ。韓国ソウルの梨花女子大学卒業。現在は東京大学社会情報学修士。ソウル在住。日本経済新聞「ネット時評」、西日本新聞、BCN、夕刊フジなどにコラムを連載。著書に「韓国インターネットの技を盗め」(アスキー)、「日本インターネットの収益モデルを脱がせ」(韓国ドナン出版)がある。
 「講演などで日韓を行き交う楽しい日々を送っています。日韓両国で生活した経験を生かし、日韓の社会事情を比較解説する講師として、また韓国のさまざまな情報を分りやすく伝えるジャーナリストとしてもっともっと活躍したいです」。
 「韓国はいつも活気に溢れ、競争が激しい社会。なので変化も速く、2〜3カ月もすると街の表情ががらっと変わってしまいます。こんな話をすると『なんだかきつそうな国〜』と思われがちですが、世話好きな人が多い。電車やバスでは席を譲り合い、かばんを持ってくれる人も多いのです。マンションに住んでいても、おいしいものが手に入れば『おすそ分けするのが当たり前』の人情の国です。みなさん、遊びに来てください!」。
 

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コメント
 
01. 2012年2月01日 12:53:32 : Pj82T22SRI

韓国は、厳しい競争社会で、しかも国民負担率が日本以下、米国並みに低いが、
赤字国債で大衆を支えることも経常赤字が多く家計資産がないからできない
自由化のマイナスが直接、底辺層にいく

そして日本以上に内需産業が未発達だから、生活コストが収入に比べて高い
それに借金して消費する体質が強いから、金利負担率も高い

今は、気の毒な国だが、その分、投資効率が高く、じきに一人あたりGDPで日本を上回り、内政がもう少ししっかりすれば、生活水準も追い抜いて行くだろう

http://yoiotoko.way-nifty.com/blog/2010/06/post-2295.html
http://www.wowkorea.jp/news/korea/2006/1109/10016521.html


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