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フランス公教育の生みの親、ジュール・フェリーに捧げるフランソワ・オランド仏大統領の演説訳 (村野瀬玲奈の秘書課広報室)
http://www.asyura2.com/11/kokusai6/msg/619.html
投稿者 こーるてん 日時 2012 年 5 月 20 日 13:40:27: hndh7vd2.ZV/2
 

(回答先: フランソワ・オランド仏大統領、2012年5月15日、大統領就任演説の全文訳(村野瀬玲奈の秘書課広報室) 投稿者 こーるてん 日時 2012 年 5 月 20 日 13:33:24)

村野瀬玲奈の秘書課広報室
http://muranoserena.blog91.fc2.com/
(転写開始)
フランス公教育の生みの親、ジュール・フェリーに捧げるフランソワ・オランド仏大統領の演説訳 (2012年5月15日)
 

「フランソワ・オランド仏大統領、2012年5月15日、大統領就任演説の全文訳」の記事で、フランソワ・オランド・フランス新大統領の就任演説を読んでいただきました。政治指導者が自国民と世界に向かって発する言葉の一例を示したいのです。

さて、オランド大統領の演説はあれで終わりではありません。同じ2012年5月15日、オランド氏は場所を移して別の演説を行っています。

選挙運動期間中に教育と若者政策を最優先にすると訴えてきたことをさらに強調するために、パリ市内のチュイルリー公園の中で、オランド新大統領は午後14時10分くらいから14時25分くらいまで、約10分ちょっと、フランスの教育制度の基礎をつくった政治家ジュール・フェリーに捧げる演説を行ないました。

ジュール・フェリーについては簡便にウィキペディアをご案内しておきましょう。

●Wikipédia
Jules Ferry
http://fr.wikipedia.org/wiki/Jules_Ferry
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%AA%E3%83%BC

植民地による領土拡張思想には問題があった政治家ですが、教育の分野でフランスの公教育の基礎をつくった業績は誰もが認める点です。


さて、大統領府のサイトや他の報道機関のサイトに演説の抜粋が、動画サイトに演説の動画があがっていますので、その日本語訳を作っておきます。政治家というのは高い責任を持つ職に就くときにはこういう演説ができなければならないということを繰り返して示したいと思います。


●Présidence de la République
Discours de M. le président de la République en hommage à Jules Ferry
ジュール・フェリーに捧げるフランス共和国大統領の演説
http://www.elysee.fr/president/les-actualites/discours/2012/discours-de-m-le-president-de-la-republique-en.13218.html
Paris - Mardi 15 Mai 2012
2012年5月15日

ご列席のみなさま。

共和国の歴史の中で、時の進行の中で、重要な日付、真のステップ、最も確実な標識というものがあります。それは法律です。

私たちの国のための新たな時が始まろうとしているこの瞬間、私は二つの法律を祝福するためにここに参りました。それは、ジュール・フェリーの執念と意思と勇気のおかげで成立した二つの法律です。初等教育の無償性について定めた1881年6月16日の法律と、学校の非宗教性と義務教育を定めた1882年3月28日の法律です。

あらゆる実例には限界があり、あらゆる偉大なものには弱点があります。そして、あらゆる人間は誤りうるものです。今日、ジュール・フェリーの記憶に敬意を表しながらも、私は彼の政治的逸脱のいくつかについて知らないわけではありません。彼が植民地政策を弁護していたことは道義的、政治的な誤りでありました。したがって、その誤りは批判されるべきです。そして、その時代、それに対して、普遍的良心の名において容赦ない糾弾をかかげたのが偉大な(政治家)クレマンソーでした。したがって、このことを必ず明晰に意識しながら、私は公立学校を構想したこの立法者、共和国の学校という共有の大きな家の建設者に敬意を表しに参りました。私たちは公教育に多くのことを負っています。そして、私たちの国が新たな挑戦に直面している今、私たちはまだ、学校から多くのことを期待しているのです。

私が共和国大統領の職についたこの時、私は国の教育についての信頼のこのメッセージを表明しに参りました。

学校といえば解放です。知識。学ぶことの楽しみ。発見の喜び。知的好奇心の感覚。これらは学校の持つ宝です。学校はこれらの宝をめざして、あらゆる若い意識と国のあらゆる子どもたちを教育する職務を負っております。

学校は、真の平等の場所です。機会の平等。それは、長所、努力、才能だけを区別の際の唯一の基準とする平等です。なぜなら、生まれや財産や偶然は階級を生じさせますが、学校はそれらをなくす、というのでなければ、少なくともそれらを修正する任務を負っているからです。

この平等は地域間の公正を必然的に必要とします。子どもがあちらではなくここで育ったら成功の機会が多くなるということは受け入れられません。学校とは、公正の武器です。そして、公正とは、いろいろな子どもたちの社会的共学ということです。あらゆる課題の中で、この高貴な課題に対して、学校は一世紀以上前から精力を傾けているのです。

学校をフランス共和国のすべての子どもたちの社会編入の場とすることは私たちの国家的な志のうちもっとも美しいものであり続けています。

これが、私は庶民階級の住む地区の学校といくつかの農村地帯の学校に優先的に取り組むことを決めた理由なのです。

平等の場所である公立学校はまた、非宗教の場所でもあります。

学校とは、良心の自由を獲得する枠組みです。ジャン・ジョレスが定義したように、良心の自由とは、「精神の至上の自由、すなわち、内からか外からかを問わず、いかなる力、いかなる権力、いかなるドグマでさえも、人間の理性の恒久的な探究と努力の営みに制約を加えてはならないという思想」のことです。自ら自身の精神の可能性への信頼と、その能力を見い出し、活用し、発展させ、威厳をもって実行する手段。これらの学習こそ、学校はすべての子どもたちにもたらさなければなりません。これらの学校像こそ、国家は学校に与えなければならないのです。

立法者としての(法律という)作品によって、ジュール・フェリーは公教育を現在の姿、すなわち権利たらしめました。フランスの子どもたちはみな、学ぶ権利を持っております。彼らは学ぶ義務すら持っております。この権利を与えられない者はただの一人も存在してはなりません。また、なんびともこの義務を免除されないのです。しかし、学校はこれ以上の存在です。学校は、共和国の精神そのものなのです。

私は、学校がその使命に忠実であるためのあらゆる手段を再び持つことを願います。私は学校に、自己信頼感と自分自身の能力への信念と、自分自身の歴史と未来に適合しようとする意志を返したいのです。

学校は改革を必要としています。学校はまた、国の考慮と国家からの支援を待っています。しかし、学校はまた、自らの人的資源を確保しなければなりません。私たちの子どもたちにとっての十分な教員配置無しに適切な授業はできません。それが、私の大統領任期の間に6万人の教職員を雇用する公約をした理由です。

1879年8月1日、公教育・芸術大臣としてジュール・フェリーは教育を分かち与えるよう求められている立場の者たちに十分な研修を受けさせる必要性を強調した。「なぜなら、知っているということはそれはそれで一つの能力だが、知っていることを教えるということはまた別のことであり、もっと難しいからである。学ぶときには非常に傑出した生徒であっても、教える立場の学校の教員としては非常に能力不足となる者だっている。教員という職業の準備の必要性はこのデリケートな職務にとっては明らかなのだ。」

この良識の宣言を否定することができたでありましょうか。

これこそ、私が教員の職業教育を再び確立させたい理由です。

その使命を達成するために、私は全国教育機関の教職員の献身と勇気を当てにしてよいということを知っています。私はその教職員の方々に向き合います。私はその教職員の方々に共和国大統領として最初に語りかけるのです。

学校の教員のみなさん、中等教育の教員のみなさん、大学教員のみなさん、研究者のみなさん、責任の下から上まですべての職員のみなさん、知識に仕えて意識を目覚めさせるという選択をしたすべてのみなさんに向けて、私は申し上げたいのです。みなさんはフランスに奉仕しているのだと。

私にはみなさんの職務の困難さがわかります。私はその職務の偉大さを知っています。来たるべき年月はもろもろの価値の新たな階級の年月にならなければなりません。そして、その頂点では、科学、知性、学び伝える意思は最もよく承認されて最も尊敬される徳となるのです。

多くのことが変わりました。教員の労働条件。生徒たちの行動、つまり、私たちの生活と学級へのデジタル技術の出現。しかし、一つのことは不変でずっと続きます。それは、知識は教師の独占物ではないとしても、教師はその意味を生徒に与える責任を持ち続けるということです。

そして、学校はいつも高い機能を持ち続けなければなりません。その高い機能をジュール・フェリーは(1883年11月17日の)同じ書簡「教員たちへの手紙」の中で学校に託しています。「良き市民の一世代を私たちの国のために教育すること」と。

平等、共学、非宗教性、人間形成、市民となるための学習。これがいわゆるフェリー法に含まれる原則です。
その原則は生きています。その原則は、未来の世代が私たちよりもよりよく生きることができるように、また、共和国の約束が厳格に守られるように私が導く政治の中にその存在意義を確保するのです。

(転載ここまで)

大統領府のサイトの書き起こしに若干の省略はありますが、フランソワ・オランド大統領の意は伝わります。全文は動画で聞くことができます。動画は大統領府のサイトでも見られますが、こちらにも。

●Dailymotion

Discours de M. François Hollande en hommage à... 投稿者 elysee
http://www.dailymotion.com/video/xquoi4_discours-de-m-francois-hollande-en-hommage-a-jules-ferry_news

教育の意義について、もう一度深く考える必要があるということが伝わってくる演説でした。


ところで、現在大阪市長をしている人物に期待する世論や報道があります。また、その人物こそ次の首相だというような予測をする人々や報道機関があります。

だけど、片や教育についてのその人物の空疎で暴力的で分断目的の言動と、片や歴史の進歩と共和国の原則をふまえたこのオランド氏の演説の思慮ある言葉が語る人間の尊厳と子どもの権利をうたう内容とを比べたとき、日本はたいへんな後進国であると思ってしまいます。そして、日本が先進国の仲間入りをするまでの道のりは不可能ではないにせよまだまだ長いとも思います。その道のりは長くても歩き続けますけど。
(転写終了)
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