普仏戦争
1870年〜1871年。フランスと、統一ドイツになる前のプロイセン王国など。
鉄鉱石を産するアルザス・ロレーヌ地方を奪われる。
これの名残で、フランスの鉄道はアルザス・ロレーヌ地方のみ右側通行になっている。

第一次世界大戦
1914年〜1918年。フランスはアルザス・ロレーヌ地方を奪還する。ドイツは共和政移行。ドイツの賠償金の支払いが悪いと、フランス軍がルール工業地帯を占領し、インフレが極度に進み、ドイツ国民の不満がナチス台頭につながる。

第二次世界大戦
1939年〜1945年。まやかし戦争と呼ばれたが、ドイツ軍は1940年5月、突如として西側に攻め込み、1940年6月フランス降伏。ドゴール将軍がロンドンに亡命し、自由フランスを樹立。ドイツ占領下、彼の上司ペタン元帥が首班を努める。1944年6月6日のノルマンディー上陸作戦で連合軍がフランス奪還。ドゴール将軍がフランス臨時政府首班になる。

100年間に3回も大戦争を起こした反省から、絶対に戦争を起こしてはならないと、欧州石炭鉄鋼共同体（ECSC)が、1951年に6か国(フランス、西ドイツ、イタリア、オランダ、ベルギー、ルクセンブルグ))によって設立された。これが後に欧州経済共同体(EEC)、欧州共同体(EC)、欧州連合(EU)となっていった。

欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)は1950年5月9日にフランス外相ロベール・シューマンが提唱したもので、フランスとドイツの間での戦争を繰り返さないという考え方に基づいている。その後1951年にパリ条約が調印されたことを受けて欧州石炭鉄鋼共同体が設立されることになる。仏独の争奪戦の舞台となったストラスブールに事務局が置かれたのも、戦争を繰り返さないという強い意志の現われである。

戦後東西に分断されたドイツで、西ドイツの首相を務めたアデナウアー氏は、旧連合国と和解を推進し、1955年5月5日のパリ条約で主権を回復した。またソビエト連邦や東欧諸国との外交も推進した。

フランス第五共和政初代大統領に就任したドゴール将軍との個人的な友人関係を基礎に、100年に3回も大戦争を起こした隣国フランスとの友好と和解に努め、1963年に仏独強力条約に調印した。
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/ab/Bundesarchiv_B_145_Bild-P106816%2C_Paris%2C_Unterzeichnung_Elys%C3%A9e-Vertrag.jpg

アデナウアー首相とドゴール大統領がレリーフで刻まれている、ベルリンの独仏関係修復記念碑です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Sculpture_of_Konrad_Adenauer_and_Charles_de_Gaulle_outside_the_Konrad_Adenauer_Stiftung.jpg

それ以降、両国は産業面で協力を推し進め、西ドイツ・ボッシュ社の燃料噴射装置をフランスの高級車シトロエンDS21に搭載したり、西ドイツのマン社のディーゼルエンジンをシトロエンのトラックに搭載したりしました。アメリカに対抗して旅客機を製造するエアバス社を仏独を中心に設立したのも、それの現われです。

興味深い動画をyoutubeから紹介します。第二次世界大戦のドイツの戦闘機Bf-109です。EADS社が所有していますが、同社はフランスのアエロスペシアル・マトラと、ドイツのダイムラーと、スペインのコンスラクシオネス・アエロノーティカが合併して出来た会社です。このように国境を越えて合併する会社が欧州には多く、欧州統合が今や欧州全体の理念になっていることが分かります。
http://www.youtube.com/watch?v=CnpC_BcK7xY&feature=related