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年金革命3、年金基金枯渇の可能性・hatena(廃止的削減、高齢者全員の移民、適度な貿易労働で老若共に救済されます)
http://www.asyura2.com/11/lunchbreak47/msg/632.html
投稿者 小沢内閣待望論 日時 2011 年 6 月 05 日 20:01:27: 4sIKljvd9SgGs
 

http://d.hatena.ne.jp/Syouka/20110130/1296417314
2011-01-30年金革命3 年金基金枯渇の可能性
雑記 | 04:55 |

ドラッカーが、年金基金革命と人口の高齢化問題について書いた『見えざる革命』からの3回目、今日は高齢化社会においては、年金の積立金は徐々に取り崩されていき、マイナスの資本形成になることについて書きたい。

1.ドラッカーの指摘
労働人口が増えている間、年金は、資本の供給元として機能してきた。

設立して20年ほどの間は、加入者が増加する一方、退職者への支払いは少ないので、掛け金の積立金が増え、それが株式や債券などに投資されることで、資本形成に寄与していったのだ。

しかし、年金基金は設立されてから30−40年経過すると、若年だった加入者も退職し、給付金が増え、年金基金は収入と支出が均衡し、やがて退職者の比率が増えるようになると基金は取り崩されてゆく。年金への拠出は、社会全体では貯蓄とみなされる。従って、年金を拠出する側から受給する側にまわる人が増えることで、貯蓄率は低下する。

「その結果、年金給付の総額が増加し、いわば逆貯蓄というべき現象が始まる。だが今日、この逆貯蓄を埋めるための資本形成の方法について、真剣に検討されることはほとんどない」(『見えざる革命』より)

また、加入者が歳をとり、年金を受給するようになると、年金基金は将来のキャピタルゲインよりも、今日の現金収入を必要とするようになる。かくして年金基金は、企業に対して将来へ向けての投資よりも配当を要求するようになっていく。これは今のアメリカの年金が「物言う株主」となっていることで裏づけられる。

2.日本の年金の運用事情
日本では、若干事情が異なる。我が国の年金は、国債への投資が圧倒的に多いからだ。

まず、年金を巡る状況について簡単に見ていきたい。

(1)年金受給者の拡大

次のグラフでわかるように、日本の公的年金受給者は増加の一途を辿り、約10年で1千万人増えている。


また、総務省統計局が作成している人口ピラミッドは、2010年から2030年には次のように推移する。従って、今後も年金受給者は、団塊の世代が加わっていくことで、ますます増加することは間違いない。

参考:http://www.stat.go.jp/data/kokusei/2010/kouhou/useful/u01_z24.htm

なお、65歳以上人口の全人口に占める割合は、総務省の「平成20年人口推計年報」によると2000年の17.3%から2030年には31.8%に増加する。

(2)年金基金の取り崩し

ところで、日本の公的年金の収支は、基本的には次のようになっている。

 収入:加入者から徴収した保険料負担+国庫負担

 支払:年金受給者への給付

そして、年金給付に対し保険料収入や国庫負担で賄うことができない場合に、年金積立金とその運用収入は、その不足を補う調整機能として位置付けられている。不足分があると、その分はそこから給付されるということだ。

2009年度については、公的年金受給者は公的年金加入者の53%にのぼっており、支払いが超過している。

 保険料収入 + 国庫負担 < 支払い 

  32.0兆円 + 10.8兆円 < 49.7兆円

この年金積立金の資産額は、ここ数年をみると減少傾向にある。ピーク時の2005年度末150兆円から、2009年度末には128兆円に減少した。

減少の要因は、折れ線グラフで示された運用収益が、2007年度と2008年度に大幅にマイナスになったことが大きいのだが、それ以外に不足分をまかなうために取り崩している分もある。厚生年金も国民年金も、実質的な収支は、2005年度からずっとマイナスになっている。

参考:平成21年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況

今後この積立金の減少は、続く可能性が高い。

(3)2031年度に厚生年金の積立金が枯渇

現行の年金改正が行われたときのキャッチフレーズは、「100年安心」だったのだが、これは非常に楽観的な数字、もっといえば、安心するように作られた数字であるといえる。

事実、2009年5月2日の毎日新聞の報道によれば、2009年5月1に厚生労働省は、賃金上昇率や運用利回りが過去10年の平均で推移した場合には、2031年度に厚生年金の積立金が枯渇し、年金制度が破綻するという試算を、衆院予算委員会に提出している。

現在、年金制度は見直しの真最中であるが、二度とこんな詐欺的な試算を行わないでほしいという願いを込めて、どのくらい無理な試算になっているかを書きたい。

 

厚生労働省が出している「平成21年度年金制度のポイント」という資料がある。

この資料の44ページに「厚生年金の財政見通し」が掲載されている。

基本ケースでは、2009年度144.4兆円の年金積立金が、2030年181兆円に積みあがり、100年後まで大丈夫なことになっている。なぜそんなことになるかというと、試算の前提の数字をいじっているからだ。

a)名目賃金上昇率が、厚生労働省の基本試算のケースでは、2.5%。これからはずっと、毎年2.5%賃金が上昇する。すごい! バンザイ!!

しかも、物価上昇率1.0%のなかで、賃金が2.5%上昇するのだ。

・・・これが信じられる人は、どのくらいいるのだろうか。少なくとも2010年と2011年については、この見通しははずれた。

b)今後の運用利回りは4.1%になる。こちらは、もっと問題だ。2009年の時点で過去10年の平均をとると、運用利回りは1.5%にしかならない。運用能力が飛躍的に上昇するのは、なぜなのか?

公的年金は、

 国内債67%、国内株式11%、外国債券8%、外国株式9%

という資産配分になっている。

国債の利回りは、10年債でだいたい1.4%程度。国債に7割近く投資した場合、残りの資産で、9.7%のリターンをあげなければならない。これは、長期的にみるとマーケットを大きくアウトパフォームする、素晴らしい成績だ。単年度で見れば、達成できる年もあるだろうが、これほどの運用成績を何十年も続けるのは、不可能だ(そんな天才的な才能を持っていたなら、なぜ今まで発揮してくれなかったのか)。

それでは、国債への投資比率を下げて、もっと利回りの良い資産に乗り換えるのだろうか? 

筆者は、そうしたほうがいいと思っている。国債のポジションを半分程度に減らせば、可能性は出てくる。しかし、その場合、現在保有している国債を売却しなければならないという問題が出てくる。何十兆円もの国債を売却する場合、受け皿の問題が出てくるだろう。そもそも、そんなに大幅な変更の意思決定ができるかどうか、疑問だ。

ひょっとしたら、今後国債の利率が上昇するのだろうか? 国債の利回りが4%程度に上昇すれば、このポートフォーリオのままでも、4.1%の運用利回りを達成するのは容易だ。しかしその場合、現在保有している国債が暴落して、大きな評価損が出る。時価で計算すると、しばらくは利回りがマイナスになる可能性がある。

こうして考えると、運用利回り4.1%を見込むのは、あまりに現実離れした数字だと思わざるをえない。そして、2009年に厚生労働省が自ら試算したように、100年持たずに年金基金が枯渇する可能性は高い。

そうなった場合にも、現在年金基金が保有している国債を徐々に売っていかざるを得ず、国債の受け皿という問題は出てくる。そして、税方式に変更したとしても、この問題は存在すると考えられる。

年金基金に限らず、ドラッカーのいう「逆貯蓄」の状態は、家計の貯蓄についてもいえる。高齢化に伴ってわが国の家計貯蓄率は、1990年代初めの10%を超える水準から、近年は2〜3%台まで低下しており、高齢者は貯蓄を取り崩しているからだ。この点については、次回書きたい。

 

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