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「世界で最も優しい」日本的雇用システム 10万人の死者生む[07/23]
 日本的な終身雇用システムにおいては、会社が潰れない限り安定した収入が 
得られる一方で、一度、職を失うと転職すら難しくなるのが現状だ。 
この日本の雇用システムが生み出した悲劇について、資産運用や人生設計に 
ついての多数の著書で知られる作家・橘玲氏が解説する。 
 * * * 
 日本的な雇用慣行は、今回の大震災に匹敵する悲劇をも引き起こしている。 
 1997年の山一証券、北海道拓殖銀行の破綻を機に、翌1998年には日本長期 
信用銀行(長銀)、日本債券信用銀行(日債銀)という“潰れるはずがない”大手 
金融機関が次々と倒れていった。これによって日本の「会社神話」は崩壊し、 
それ以降、日本の自殺者数が急増している。 
 この、いわば「見えない大災害」によって、それまで年間2万2000〜2万4000人で 
推移していた日本の自殺者は3万人を超え、ロシアなど旧社会主義圏と並ぶ世界 
有数の「自殺大国」になってしまった。 
今回の震災による死者と行方不明者を合わせると3万人近くに上るといわれるが、 
1998年以降、日本ではそれまでより毎年8000人も多い人たちが自ら命を絶ち、 
それが12年も続いている。この「見えない大災害」の死者は10万人を超える計算に 
なるが、これはとてつもない数字だ。 
 統計を見れば、1998年以降に増えた自殺者の大半が40代、50代の男性なのは 
明らかだ。日本の雇用問題はこれまで若者の非正規雇用やニートを中心に語られて 
きたが、もっとも大きなしわ寄せは、住宅ローンや教育費などの負担がかさみ経済的 
リスクの高い中高年男性に集中している。 
 日本では一定の年齢を超えると転職は事実上不可能になるが、会社をクビに 
なっても生活コストは減らせないから、消費者金融に頼らなければ生きていけなくなる。 
それが行き詰まれば闇金に手を出し、最後は自らの生命保険で借金を清算する 
しかない――そんな構図が容易に目に浮かぶ。 
 こうした悲劇の原因は「市場原理主義」ではなく、年功序列と終身雇用の日本的 
雇用制度にある。流動性のある労働市場のない日本では、いったん会社から放り出 
されると、すべての経済的な基盤を失ってしまう。 
「世界で最も優しい」といわれた日本的雇用システムは、実は10万人もの死者を生み 
出す“元凶”だったのだ。 
※マネーポスト2011年7月号 
http://www.news-postseven.com/archives/20110723_26289.html 
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