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景気下押し懸念に大揺れする市場
2011.08.03（Wed） 　Financial Times Financial Times Tweet
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upperline（2011年8月2日付 英フィナンシャル・タイムズ紙）

金融市場は債務上限引き上げでの合意成立を歓迎したが、1日ともたなかった〔AFPBB News〕
ほっとしたのもつかの間、安堵感は長続きしなかった。米国の債務上限引き上げ交渉が決着する公算が高まったことを受けて1日の金融市場は朝から上昇したが、弱い経済指標が再び発表されたことで瞬く間に失速してしまった。

　投資家たちは米国の景気回復の強さを再検証するようになっている。

　そしてその結果、債務上限を巡る議論は取るに足りないもので、経済面の不安材料から人々の注意をそらしただけでなく、米国の財政状況を十分改善するものにもなっていないとの指摘が多くなされている。

債務上限引き上げの安堵感を吹き飛ばした景気指標
　「画期的な内容の合意ではなく、米国が分不相応な暮らしをしているという根深い問題に取り組んだものになっていない」。ベアリングス・アセット・マネジメントの債券通貨部門責任者、アラン・ワイルド氏はこう語る。「問題は、米国経済が今後勢いをつけられるかどうかだ」

　その点について言えば、1日に流れたニュースは心強いものではなかった。米国製造業の7月の拡大ペースはエコノミストらの予想を大幅に下回る結果に終わり、切望されている第3四半期の経済成長の達成が難しくなる可能性が示唆されたのだ。

　米サプライマネジメント協会（ISM）がまとめた7月の製造業部門景気指数は50.9で、6月の55.3より低下した。アナリスト予想の54.5も下回った。

　このニュースを受けて市場は大きく変動し、それまでの上昇分を吹き飛ばして下落に転じた。S＆P500指数はわずか30分で2％も下げ、ドイツのDAX指数も午後の1時間だけで3％下落した。

　BTIGのチーフグローバルストラテジスト、ダン・グリーンハウス氏は「ISMのこの指数は、ついこの間の4月には60もあった。それに（日本の）地震に関係する混乱も収まってきたから、反転上昇するだろうと我々は見込んでいた」と話す。

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