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2012年02月08日・09日  国債についての「常識」のウソ. その1 ・その2 (闇株新聞)
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投稿者 新世紀人 日時 2012 年 2 月 10 日 11:00:16: uj2zhYZWUUp16
 

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2012年02月08日 国債についての「常識」のウソ. その1

カテゴリ 日本経済

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国債についての「常識」のウソ

 最近、新聞やテレビでやたら「国債」が取り上げられ、数々の「常識」が語られています。大半が消費税引き上げのために国民に解説される「常識」なのですが、明らかに間違っている「常識」がかなりあります。

 本日は、これらの「常識」のウソを解説します。

(その1)国債利回りが上昇すると財政負担が増えるというウソ

 消費税を上げなければ財政が破たんし、ギリシャ並みに国債利回りが上昇して一層の財政危機に陥り、年金や医療サービスなども破綻するということのようですが(まず、消費税を上げなかったら国債利回りが上昇するというのもウソなのですが、これは後回しにします)、仮に国債利回りが何らかの理由で上昇しても既に発行されている国債の利率は償還まで変わりません。だからこの分の財政負担(利払い)は一切増えません。
  
 もちろん新たに発行される国債は、その時の実勢に合わせた利率にしなければならないので、利回りが上昇していればその分の財政負担は確かに増えます。

 ここで何故か国債利回りが3.5%になったらという前提が使われるのですが、これは現在の利回りが約1%の10年国債のことだと思われるので2.5%の利回り上昇となり、国債発行残高が約1000兆円なので国債の利払いだけで20数兆円増えると堂々と言っているエコノミストがいます(実名をあげてもいいのですが、ご本人の名誉のためにやめておきます)。

 確かに変動利付国債というのも発行されているのですが発行額が少ないうえに、利率が短期金利に連動するため日銀が政策金利まで一緒に上げてくれない限り利率は上昇しません。

 従って、国債利回りが上昇すると発行されている国債全額の利払いが増えるかのような「常識」はとんでもないウソなのです。

(その2)国債利回りが上昇すると国内銀行が巨額の損失を被るというウソ

 消費税を上げないと国債利回りが上昇し(これもウソなのですが後回しにします)、多額の国債を保有している銀行が巨額の損失を被り、預金に金利が払えないとか(いまでもほとんど払っていないのですが)預金の払い戻しが出来なくなるということのようですが、これもとんでもないウソです。

確かに何らかの理由で国債利回りが上昇すれば国債価格は下落します。しかし、その計算の前提があまりにも大げさなのです。

 ここでも何故か国債利回りが3.5%になったらという前提が使われているのですが、これも現在の利回りが約1%の10年国債のことだと思われるので2.5%の利回り上昇となります。これは大雑把に言って価格が18%下落することになり、直近の国内銀行の国債保有額が163兆円なので、その18%に当たる30兆円の評価損が出て国内銀行全体の自己資本が大半毀損するということのようです。

 そもそも国債利回りが3.5%ということ自体がナンセンスなのですが、仮にそうだとしても銀行が全額を10年債で保有しているはずがなく、現在の保有国債の平均残存年数が3年強しかありません。そうすると仮に10年国債利回りが2.5%上昇して3.5%になったとしても、現在の利回りが約0.25%の残存3年強の国債の利回りがどれくらい上昇するか考えればよいのです。

 幾らなんでも日銀が政策金利まで2.5%も上げるとは考えられないので、短期金利がゼロのままだとすると3年強の国債利回りは単純に期間按分して1.15%(0.9%の利回り上昇)、短期金利が0.5%になっていたとしても1.5%(1.25%上昇)にしかなりません。

 これでもあり得ない前提なのですが、仮に銀行保有の平均残存3年強の国債利回りが現在の0.25%から1.5%へ上昇したとしても価格は4%ほどの下落に過ぎず、163兆円の評価損は6.5兆円なのです。

 もっと現実的な計算では、多少国債利回りが上昇しても銀行の評価損はもっともっと少なく、びくともしません。

(その3)海外投資家の日本国債保有が増えると、「売りたたき」されて価格が暴落するというウソ

 現在の外人の日本国債保有は76兆円で、しかも大半が短期国債です。しかも保有している投資家は海外の中央銀行が中心です。

 本来は、財政問題とはまったく別に考えて海外における国債保有額の拡大と、保有先の多様化を図っておく必要があるのですが、この際に必ず出てくる「常識」がこれです。

 海外における国債の保有先は、世界の債券発行残高の約70兆ドル(5300兆円)を保有している中央銀行、民間銀行、年金、債券ファンドなどで保有した国債を売却することはあっても、わざわざ「売りたたく」ことは全く利益につながらず、あり得ません。

 確かにヘッジファンドの中には、日本国債の価格下落に賭けるポジションを取っているところは多いかもしれませんが、彼らは日本国債などはじめから1円も保有していません。

 従って、外国人投資家の日本国債保有が増えると「売りたたかれる」というのはとんでもないウソで、国策的にはもっと積極的に海外投資家の日本国債保有を増やす努力をしなければならないのです。

 まだまだ続きます。

平成24年2月8日

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2012年02月09日 国債についての「常識」のウソ  その2

カテゴリ 日本経済

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国債についての「常識」のウソ  その2

 昨日の続きですが早速いくつかコメントを頂いています。多いのは「国債の安全性が崩れるまでに」「銀行や預金者がパニックを引き起こすまでに」どれだけ時間的余裕があると思っているのか?というご質問だと思います。

 非常に大切なポイントなのですが、明日以降の記事でお答えしていきます。

 「常識」のウソを続けます。

(その4)消費税を上げなかったら国債が暴落(利回りが急上昇)するというウソ

 昨日「後回し」にした、消費税を上げなかったら財政赤字が膨らみ国債への信認が低下して国債の暴落(利回りの急上昇)が起きるという一番基本の「常識」ですが、ウソです。

 まず前半の、消費税を上げなければ財政赤字が膨らむというのは「本当」なのですが、膨らむ財政赤字への対処としては「今すぐの増税」だけでなく「無駄の切り詰め」とか「経済回復を優先して将来の税の増収を図る」などがあるはずで、何が何でも増税というのは「間違い」なのです。

そして後半の、財政赤字が膨らむと(必然的に国債発行が増え)国債が暴落するというのはウソです。なぜなら(償還期限が1.5年ないし2年以下の)短期国債の利回りは「金融政策の見通し」によって動き、(償還期限が1.5年ないし2年以上の)中長期国債の利回りは「需給関係」よりも「経済の見通し」によって動くものだからです。

従って、短期国債については政策金利が引き上げられる状況ではないため暴落することはありません。一方、中長期国債については、もし消費税上げを強行すれば経済が完全に失速するため利回りは逆に低下し、消費税上げが見送られた場合は(代替で行われる政策にもよるのですが)「経済の見通し」が好転する可能性が初めて出てきて、その時は「緩やかな良い金利上昇」となります。

あくまでも「緩やかな良い金利上昇」で、急上昇することはありません。いずれにしても、消費財を上げなかったら国債が暴落するというのは、ウソです。

(その5)国債の海外保有が増えたら、ギリシャのようにデフォルトするというウソ

 大体、海外に国債保有を推進する努力を一切怠っておきながら、このウソはないだろうと思うのですが一応解説しておきます。

 ギリシャだけでなく国債のデフォルトは珍しくなく、大きいものだけでも1988年のブラジル(対象国債621億ドル)、2000年のロシア(319億ドル)、2005年のアルゼンチン(437億ドル)、2006年のイラク(177億ドル)などがあります。

 どのケースもそうなのですが、外貨建て(おもにドル建て)の国債発行残高が膨らんだところへ自国通貨の急落が起こり、自国通貨で見た対外債務が急激に膨らんだ結果のデフォルトなのです。

 日本が円建て国債を海外にいくら保有してもらっても何の問題もないのです。それどころか円の国際化が進みます。円の国際化が進むということは、円(実際は国債)がドルやユーロや金(きん)と並んで世界通貨体制での「価値の裏付け」になることで、円(国債)は「お願いして買ってもらう」ものではなく「向こうから進んで買いに来る」ものになることなのですが、これについてはまた別の機会に書きます。

 明日はこれらをもとにして、日本政府および日本銀行に対する「真摯な提言」をまとめることにします。

 少し紙面を余したのは、別の話題で書きたかったことがあるからです。

 今週発売の「サンデー毎日」に、読売新聞の渡辺恒雄主筆がテレビドラマ「運命の人」にご自分が事実と違って描かれていると「噛みついた」記事が出ています。

1月17日付け「沖縄密約」とドラマ「運命の人」でも危惧した通り、事実の取り上げ方が全く不十分でメロドラマかパロディーの域を出ていません。

特に2月5日放送分では、佐藤首相(当時)がすっぱ抜かれた「沖縄密約」を「不倫スキャンダル」にすり替えてしまう「国策捜査」を指示する場面が出てくるのですが、全く不十分で大半の人は何のことだか分からなかったと思います。またそれを裏付けた佐藤道夫・特捜部検事(後の参議院議員)による「極めて巧みに作られた起訴状」についても全く不十分にしかとらえていませんでした。

この事件は、実は今でも文書公開について裁判で争われている「現在進行形」の事件なのです。そして今となれば「沖縄密約」があったかどうかではなく、現在まで続く政府・官僚の隠蔽工作を取り上げる絶好の事件なのです。

 それをこういう「中途半端な」描写しかできないのであれば、現在まで続くそれなりに重要な事件なので、ドラマの題材として取り上げるべきではありません。

 渡辺主筆の記事は引用しませんが、これで少しでも世間が「事件を正しく理解する」きっかけになることを期待するのですが、マスコミは巨人軍騒動の連続でしかとらえないのでしょうね。


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