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審判 「竹原流」 南日本新聞
http://www.asyura2.com/11/senkyo104/msg/700.html
投稿者 ダイナモ 日時 2011 年 1 月 16 日 20:19:49: mY9T/8MdR98ug
 

http://373news.com/_kikaku/akune/index.php


以下の記事は2010年11月24日から27日にかけて南日本新聞に掲載されたものです。


閉塞感 「変革」市民揺さぶる

 南北に長い阿久根市のほぼ中央に位置する肥薩おれんじ鉄道の阿久根駅。朝夕は通学の高校生が行き交うが、日中は閑散としたありさまだ。ホームの端に残る「特急つばめ 9号車」のプレートが、連結車両が走っていた往事をしのばせる。
 2004年3月の九州新幹線開業に伴い、JRに代わって肥薩おれんじ鉄道による運行が始まった。特急に取って代わったのが主に1両編成の普通列車。駅の利用客は03年度の41万人から、09年度は32万人に落ち込んだ。
 駅前に広がる商店街はほとんどが店をたたみ、さながら「シャッター街」。駅前通り会長の若松光志さん(62)は漏らす。「この5年で菓子屋や八百屋など7、8軒がなくなった。阿久根の各地、長島から人が集まって来たにぎわいは今や見る影もない。駅としての値打ちはなくなった」
 客待ちのタクシー運転手は「街は寂れるばかり。回復の兆しなど見えない」とあきらめ顔だ。
     ◆
 基幹産業の漁業も不振が続く。イワシやアジといった近海物の漁でにぎわった阿久根港。水揚げ量は最盛期が75億円(1991年度)だったのに対し、09年度は7割減の18億円に激減した。十数年前に大手の水産会社が相次いで倒産したのも低迷に拍車を掛けた。
 「落ちるところまで落ちたのか、まだ途中なのか。それすらも分からない」。港で網の手入れをしていた漁業男性(57)は首を横に振った。
 魚の値段はピーク時の半値以下。逆に漁船の燃料代は跳ね上がった。漁に出れば出るほど赤字を生む悪循環の出口は見えない。
 男性は「不気味な現象」にも不安をかき立てられている。「地球温暖化のせいなのか、南方にしかいなかった魚が最近よく捕れる。生態系が壊れているとすれば、漁業の将来はどうなるのか」
     ◆
 竹原市長は家業の建設会社を切り盛りしていた05年12月、阿久根市議に初当選した。市長に転じたのは市議1期目途中の08年8月。街が加速度的に衰退した時期と重なる。
 市議の政務調査費を追及し、同僚議員との衝突を繰り返しながらも、竹原市長は「官民格差の是正」「市民のための政治」を訴えた。
 かつての支持者は閉塞(へいそく)感の受け皿が竹原市長だったと明かす。「歴代の市長を含め、行政はここ十数年、何も打開策を打ってこなかった。市民の不満は渦巻いていた」。かじ取りの大役が務まるのか否かより、「変革」の二文字が市民の心を揺さぶったといえる。
 税金相談で市役所を訪れた無職男性(71)は「竹原市長の強引な手法がいいとは思わない。だが、今の阿久根を変えるにはショック療法しかないのかもしれない」と話す。
 別の男性(62)は「政治手腕は未知数としても、市民はすがらざるを得ない状況まで追い込まれていたからではないか」と推測する。自身は「反対意見を封殺するような竹原市政は支持しない」ときっぱり。ただ、「誰であろうと改革の手綱は緩めてほしくない」。


持 論 「情報公開」に新鮮味

 「阿久根市職員の過半数が年間600万円以上の給与をもらっている。これまで市は公開してこなかった」
 9月に入り各地の公民館で開いてきた市民懇談会。マイクを手にした竹原信一市長は語気を強めた。
 「議会が始まる前に、議員は賛成反対の結論を出している。その議員は1人当たり年間40日しか議会に出てこない。皆さんはこのこと知っていましたか」
 竹原市長が問いかけるたびに、新鮮味を帯びた驚きの声が会場から上がる。この3カ月、連夜のように繰り広げられてきた光景だ。
 10月初め、農村部であった懇談会に出席した農業男性(66)は納得顔で話した。「竹原市長のおかげで市の現状が初めて分かった」
 竹原市長は自著で、政治に足を踏み入れるきっかけを明かしている。「住民を無視した理不尽な行政を続ける市役所への怒り」
     ◆
 父から引き継いだ建設会社を経営していた当時、市発注工事の不備を指摘し、無責任な回答に業を煮やしたという竹原市長。市政の「不条理」を書いたチラシを7万部以上作り、2年半にわたってバイクで各戸に配った。「議会の腐敗ぶりを告発する」ため市議選に立ち、2005年12月に初当選した。
 竹原市政の原点は市役所と市議会への不信感だ。景気低迷で街の経済は冷え込む一方。事情はどこも似たり寄ったりだが、「役所は打開の糸口を示せず、議会は対案をもって議論を仕掛けられない」(かつての支持者)。竹原市長が市民の不満の受け皿になっても不思議ではなかった。
 母子家庭の女性(46)は福祉相談で何度も市役所を訪れた。職員の応対に冷たさを感じながらも、「自分の生活は税金のお世話で成り立っている。役所に強く言えない立場」と思い込んでいた。
 しかし、変わった。市民は税金を払い、職員を雇っているのだと考えるようになった。「竹原さんが教えてくれたのは、単に公務員の給与が高いということではない。市民と役所の当たり前の関係を示してくれた」
     ◆
 竹原市長が批判の矛先を向ける市議会。反市長派市議の一人は「過去の市議会は親分が派閥をつくり、排他的な雰囲気があったのは否定できない」と話し、閉鎖性を認めた。
 竹原市長は市長初当選後の09年1月、インターネットを通じて公開される自身のブログ(日記風サイト)で「辞めさせたい議員アンケート」を実施。市のホームページでは職員の給与明細を全面公開した。「市民は市役所で行われていることを知らなければならない」という持論を実践した格好だ。
 ところがブログの中身は、敵視する相手へのひぼう中傷や「人格否定」とも取れる記述が目立つようになる。特に09年11月、障害者差別との集中砲火を浴びた書き込みの後は、公の場を避けるようになった。
 ブログは瞬時にして世間にさらされる。批判されたり、差別の憂き目を見たりした人に、反論の機会はあったのか。「情報公開」という竹原市長の持論はあだ花と化していく。


独 善 異論排除、市民に嫌気

 「よその市の人から『あの市長がいる阿久根が鹿児島県にあるのは嫌だ』と言われた。阿久根市民と名乗るのが恥ずかしい」
 「阿久根の出身者は県外で就職するのに不利で、特産品も売れなくなったと聞く」
 若手自営業者らが結束した「阿久根の将来を考える会」が今年5月に開いた住民懇談会。市民から噴き出したのは、「竹原信一市長によって、ふるさとを侮辱されたことへの怒り」(同会メンバー)だった。同会は後に市長リコールを先導するが、当時は可能な限り中立の立場で市民の声を拾っていた。
 竹原市長が議会出席を拒否したり、「裁判所は神様でない」とうそぶいて判決を無視し続けた時期。懇談会では「市長がルールを守らないのに、子どもに約束を守りなさいとは言えない」と声を張り上げる母親もいた。
     ◆
 竹原市長の言動は昨年5月の再選後、つとに先鋭化し始めた。
 職員人件費の張り紙をはがした職員を懲戒免職(同年7月、後に市の敗訴確定)。障害者差別と受け取れるブログ記述(同11月)。法律順守を求めた職員の上申書をシュレッダーで裁断するよう命令(今年6月)。議会を招集せず専決処分を乱発し、知事が2度の是正勧告(今年7月)。
 特に専決処分の対象は人事や予算などの重要案件。それが、「気が付いたら決まっていた」(反市長派市議)の繰り返し。市政の透明性など、ないがしろにされた。
 竹原市長は今年9月以降頻繁に開く市民懇談会で、ことあるごとに「これまで専決処分は毎年行われてきた」と正当性を主張した。しかし、「議会招集を無視し、意識して法を犯す」(知事)と指摘された違法性への釈明はなく、ご都合主義が浮き彫りになった。
 そもそも専決処分に頼った理由は「議会とは不信任の関係にあるから」。見解を異にする者を排除するやり口は、市民に独善と映っても不思議ではない。
     ◆
 「官民格差の是正など、竹原市長が掲げる理想には賛同する」。市民に同調の声があるのは確かだ。同時に「実現させるための手法は間違っている。手法に問題があれば、その結果に正当性はない」という批判は根強い。
 自営業の男性(64)は改革は尊重するが、否定的だ。「劇薬は刺激的だが、体は壊れていく。処方を誤ってはいけない」。権力を携える市長が批判に耐え得る器量を持ち合わせなければ、独裁に陥ると懸念するからだ。
 かつて竹原市長を支持した会社役員(56)は独善的手法に嫌気が差した一人。「周りの意見を聞く耳があれば、ここまでこじれなかった。自分に都合の悪い話に耳を貸さない人間は、もはや公人とはいえない」
 今年3月29日、反市長派市議が主催した議会報告会。乗り込んできた竹原市長は公言した。「反市長派議員は市政に参加させない」
 その場にいた市民の一人が食い下がった。「議員の存在を否定することは、その議員を選んだ市民を否定することだ」
 竹原市長から、最後まで返答はなかった。


政策力 試される市民の眼力

 阿久根市長解職(リコール)の賛否を問う住民投票の12月5日実施が告示された今月15日。竹原信一市長は記者会見で、理想とする阿久根像を語った。
 「住民投票は市民が市政を学ぶいい機会。市民が育ち、誰が市長になっても市政を任せられるような自治体になってほしい。私は市長職にしがみつく考えはない」
 市政は主権者である市民が主役で、市長は「お手伝い」をしているにすぎないという主張に聞こえる。現に竹原市長はことあるごとに「市民が支え合う社会ができれば、市長も市役所も議会もいらない」と述べてきた。
 竹原市長はこれまで、ごみ袋の値下げや保育料減額などの政策を実施した。いずれも日常生活に直結するテーマ。市民が市政に関心を寄せるきっかけとなったのは確かだ。
 ただ、竹原市長の施政方針ともいえる考えに対して、市民の評価は割れている。「真理を突いているようで、新しい阿久根に変わる好機」「抽象的で現実味に欠ける」
     ◆
 「行政の公平性」や「受益者負担」の観点から、疑問視される政策もある。
 例えば、議会の反対で実現しなかった給食費の半額補助。市民の間には「税金を使う補助は、学校に通う子どもがいない市民の理解を得られるのか」「お金があっても給食費を払わない保護者がいる。補助よりも、未納者からの徴収が先」といった見方がある。
 市職員の給与や議員報酬を減らし、一方で減税した固定資産税収を補う手法にも、「いつまでも給与や報酬を下げ続けることはできない。恒久的な政策とはいえない」(40代主婦)と冷ややかだ。
 50代の自営業者は、竹原市長の政策力を「何かを壊すことはできても、生み出したり、創造したりすることはできないのではないか」と指摘する。
 いわゆる「野党」の立場から市政に切り込むことはできても、「政権サイド」となると、市民の批判や注文を一身に引き受けざるを得ない。おのずと調整能力が問われる。
 竹原市長が議会を招集せずに繰り返してきた専決処分は、調整力と実行力に疑問を投げ掛けている。
     ◆
 「改革」か「独善」かは、竹原市政を評価するとき、必ずといっていいほどつきまとう言葉だ。竹原市長の過激な言動は、同じことをしても見る角度によって180度変わることを物語っている。
 「改革は道半ば。少なくとも1期4年は続けさせていい」「竹原市長は公務員給与を下げた時点で役目を終えた。もはや限界」。市長支持、不支持の代表的な意見だ。
 竹原市長への賛否が渦巻く中、市民は最初の市長選、失職後の出直し市長選に続き、リコールを問う住民投票によって3度目の審判を下すことになる。
 引き続き竹原市長に市政を託すのか、あるいは市民自身が引導を渡すのか。試されているのは、竹原市長の「政策力」と「実行力」を見極める市民の眼力といえそうだ。


識者に聞く

 竹原信一阿久根市長の解職(リコール)をめぐる最大の争点は、市議会を招集せず専決処分を乱発した市政運営の是非だ。首長と議会の関係はどうあるべきか、市長の政策に議会はどう向き合うべきなのか。連載のおわりは、大阪府の橋下徹知事の施策を検証する澤井勝・奈良女子大学名誉教授(地方財政論)と、地方自治に詳しい山本敬生・鹿児島県立短大講師(行政法)に「竹原流」の評価を聞いた。


危うい大衆迎合主義 奈良女子大名誉教授 澤井  勝氏

 −「改革」を掲げる首長が全国的に注目を集めている。竹原市長をどう見るか。

 「議会を招集できるのに開かず、専決処分を繰り返したのは明白な違法行為。改革ではなく独裁だ。市民は専決取り消しを求める訴訟を起こしてもいい」
 「大阪府の橋下徹知事は支持する市長や議員を増やすことで『大阪都』構想の実現を目指している。名古屋市の河村たかし市長も議会勢力を逆転させようと議会リコールを先導した。議会との二元代表制を崩し、首長の一元代表をもくろむ動きだが、合法ではある」

 −竹原市長には批判の一方、支持も根強い。

 「市職員や議員をたたくポピュリズム(大衆迎合主義)が受けている。橋下知事や河村市長の支持の構図も同様だ。背景には住民の公務員への反発、行政への不信感がある」
 「しかし、ポピュリズムには方向性や哲学がない。予算と人事を握る権力に結びつくと非常に危険だ。排他的なナショナリズムになびく可能性もあり、止めなくてはならない」

 −竹原市長の批判の矛先は議会と職員だ。

 「議会は権力の分立がいかに大切か、市民に説明しなくてはならない。権力の多元制は民主主義の原則。歴史から学んだ知恵だ。チェック機関の責任を果たしてほしい」
 「14年前、悪化していた阿久根市の財政分析に携わった。その後、市の財政効率性は着実に改善し、竹原市長の就任以前に県内全市でトップになっている。市民がポピュリズムの虚像に惑わされないよう、行政の実態を伝えることが必要だ」


議会は政策で対抗を 鹿児島県立短大講師 山本 敬生氏

 −竹原市長と市議会の対立は先鋭化している。

 「政策論争のない感情的な対立と言わざるを得ない。市政停滞の被害者は市民だ。市長の議会軽視の専決処分は容認できないが、地方自治法の不備や議会の問題点を浮き彫りにした面はある」
 「阿久根に限らず、地方議会への不信感があるのは、市民との距離があまりに遠いからだ。大半の議会は審議日数が年間60日ほどしかなく、議員の働きが報酬に見合っていないという批判も根強い」

 −議会にも自助努力が問われている。

 「議員は政策立案能力を高める必要がある。竹原市長の主張は基本的に人件費の削減にすぎない。ごみ袋や保育料の値下げなど弱者に配慮した政策は評価するが、肝心の経済活性化策や雇用創出策は見えない。議会側から積極的に提案していけば、より対等に市長と渡り合えるのではないか。また、市民が傍聴しやすいよう日曜議会や夜間議会を導入すべきだ」

 −今回の住民投票が問うものは。

 「法治国家で法を無視する手法がどの程度許容されるのか、という点だ。竹原市長が確信犯的に法律違反を始めたのは前回市長選の後。強権的な手法に対する初めての審判であると同時に、竹原市政に対する評価が下される」
 「リコールの成否にかかわらず、結果は民主主義に基づいた政治的決定として受け入れなくてはならない。阿久根の未来はもちろん、地方主権改革の行方も左右する投票になる」
 

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コメント
 
01. doradora1968 2011年1月16日 20:53:09: edFTVy/8IiUNU : aIUDalwfZ6
日本国内だけに限定して地方議会を考えれば竹原さんに批判的なのも頷けるが、「そもそも民主主義ってものすら分ってないのよ」と海外の実情を鑑みれば一転「竹原さんに大賛成」となる。

なぜか。
世界一高い議員報酬・公務員給与を是正するのが当然だから。
それをとことん目指している首長は竹原市長だけだから。

反竹原派は枝葉末節に拘りたければ死ぬまで拘ってたらいい。

何が重要なのか分らなくなったら、民主主義の原点に戻ればいい。
つまり、住民にとって生活し易くしてくれるのが一番なんですから。


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