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政局を動かず「憎悪」のエネルギーに火をつけた与謝野という「権力ピエロ」 応援しているのは中曽根元首相とナベツネだけ 
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投稿者 赤かぶ 日時 2011 年 1 月 21 日 10:07:25: igsppGRN/E9PQ
 

政局を動かず「憎悪」のエネルギーに火をつけた与謝野という「権力ピエロ」 応援しているのは中曽根元首相とナベツネだけ/長谷川 幸洋 :現代ビジネス

 菅直人政権の内側と外側で、与謝野馨経済財政相に対する反発が広がっている。いまや菅政権は「小沢問題」に加えて「与謝野問題」とも呼ぶべき、新たな難題を抱えてしまった格好だ。

 これはやっかいである。

 与謝野問題の根底にあるのは、消費税引き上げの是非をめぐる政策論議ではない。「あいつが手がける政策には協力したくない」という与謝野個人に対する「不信と憎しみの感情」である。永田町の政治が政策を離れて、憎悪の感情に支配され始めた。

 憎悪の政治は醜悪である。国民が期待する政策論議はどこかにすっ飛んで、政治家たちが「お前は嫌いだ」という感情で動く。そんな政治を国民はまったく望んでいない。

 行き着く先はなにか。答えはあきらかと思う。

 ずばり衆院の解散・総選挙である。その結果、なにが起きるかといえば政界再編だ。もはや時計の針は、菅の思惑を離れて急速に回り始めた。

 事態を整理しよう。

 与謝野が経済財政相に就任すると、谷垣禎一自民党総裁は「(与謝野は)わが党の比例で当選した人だ。議員辞職して一民間人として入閣すべきだ」と述べた。これは当然である。続けて、こう語っている。

「(与野党間の)信頼関係が大きなポイントになる。今回の人事はそれを一顧だにしないものだ。人間への無理解をさらけ出した人事だ」

 この「人間への無理解」という部分は菅を批判しているようで、実は与謝野に対する侮蔑が込められている。菅への批判よりも、党を裏切った与謝野に対する反発が先に立っているのである。

 民主党内では、与謝野に経財相の座を奪われ、経済産業相に横滑りさせられた海江田万里が「人生というのは不条理」と不満を口にした。海江田はその後「消費税を引き上げるのであれば、成案を国民に示したうえで衆議院を解散し、その後に引き上げるのが筋」と真っ先に解散論を掲げて、増税路線をけん制している。


 前原誠司外相は「引き上げる判断を政府がしたときは国民の信を問うというのが、昨年7月の参院選のわれわれの公約だった」と解散論に加勢した。

 与謝野は解散抜きで増税法案を国会で可決するところまで、もっていきたい。そもそも解散してしまえば、自分の当選が危ない。同じ東京1区には海江田がいる。落選すれば、自分の政治生命が終わってしまう。

 だから、いずれ増税法案の成立が先か、解散・総選挙が先かの議論は大きな焦点になる。だが、そんな手順の問題よりも先に「与謝野憎し」の声が与野党双方から上がった事実が重要である。

 言い換えれば、与謝野に対する憎悪の感情を消し去らないと、政策論議も手順の議論も前に進まない。では、どうやって憎悪を消し去るのか。

 これは政治問題というより、ほとんど心理学の問題である。

 自民党で重要閣僚を何度も経験してスポットライトを浴び続けてきたのに、政権から滑り落ちたとたんに離党して、だれよりも悪しざまに批判してきた民主党政権に加わる。そんな与謝野は絶対に許せない。裏切り者は消せ。これが自民党の本音だ。

 一方、民主党も「あれだけ自民党でおいしい思いをして、我が党をののしってきた人物が、我が政権の政策を主導するとは冗談じゃない」というのが本心である。菅が選んだ人事だから当面は黙っていても、いずれ足を引っ張る動きは必ず表面化する。渡部恒三党最高顧問のような大物は与謝野の行動を「卑しい、恥ずかしい」と公然と批判している。

 つまり、与野党ともに本心では、与謝野の言う話は聞きたくないのだ。

 純粋に政策だけで考えれば、自民党だって消費税10%引き上げを唱えているのだから、与謝野を応援してもおかしくないはずだ。民主党も増税路線は菅政権の政策なのだから、同じである。


*** 消費税増税もTPPもストップ ***

 ところが自民党側で与謝野を公然と応援しているのは、中曽根康弘元首相くらいだ。与謝野は中曽根の秘書だったので、二人の絆はことのほか強いのだろう。マスコミでも、かねて増税論を展開してきた読売新聞は「与謝野氏軸に政府案を急げ」という社説を掲げた(1月20日付け)。

 言い換えれば、中曽根とその盟友である渡辺恒雄が主筆を務める読売新聞は、政策を軸に議論を展開しているという点で首尾一貫している。憎悪や嫉妬の感情に支配されているのは、情けないことに谷垣が率いる自民党や民主党のほうなのだ。

 いわば「感情と政策のねじれ政局」と言ってもいい。

 それでなくても、政策より権力を目指す政局優先の体質が強い日本の政治に、今度は「感情」という要素が加わってしまった。感情は理路整然とした道理ではない。だから、やっかいな事態なのだ。

 私は心理学に詳しくないので、話し合いによって憎悪を消し去る方法を思いつかない。考えられるのは、登場人物が一斉に舞台から消える方法、つまりガラポンの解散・総選挙である。

 幸いと言ってはへんだが、増税問題を別にしても、ねじれ状況にある国会は野党の賛成なくして税制改正や特例公債発行の予算関連法案を参院で可決成立させることができない。野党とすれば、参院で連携して与党を攻め立てれば、ガラポンに持ち込める。

 そうなれば、もともと選挙に弱い与謝野は今回の騒動がマイナスに働き、落選する可能性がある。解散・総選挙によって与謝野問題にケリをつけることができるのである。


 与野党の深層心理にある与謝野への憎悪(=与謝野問題)を取り除かないかぎり、消費税引き上げも環太平洋連携協定(TPP)の議論も進まない。与謝野問題を片付けることによって、初めて政策論議が軌道に乗る可能性が出てくるのだ。

 解散・総選挙となれば与野党双方の中で、それぞれ異論が残る増税先行路線やTPPへの対応をめぐって、意見対立・分裂の可能性も高まるだろう。国民にとっては、つまらぬ「好きだ嫌いだ」の与謝野問題を片付けると同時に、肝心の政策論議を前に進めるためにも解散・総選挙が最善の策になる。

 こうしてみると、与謝野は自分が捨て石になって、与野党にやっかいな憎悪の感情を引き起こし、結果的に解散・総選挙を早める狙いがあったのではないか、とさえ思えてくる。与謝野は舞台の道化役を自ら引き受け、日本政治の枠組みを壊そうとしている。あえて、そう評価したい。

*** 議員辞職して民間人として入閣すればよかった ***

 閉塞感に包まれた政治をダイナミックに動かしていくには、たとえ憎まれ役であっても、与謝野のようなピエロ(=トリックスター)が不可欠である(山口昌男『道化の民俗学』参照)。その点で与謝野は自民党を飛び出し、みんなの党をつくった渡辺喜美の対極にいながら、結果的に同じ役割を果たしつつある。

 もしも与謝野が議員辞職したうえで、民主党政権に加わっていたとしたら、おそらく事態は違っていただろう。「私は自ら捨て石となり議員バッジを返上し、増税を実現するために、民主党政権で最善の努力をする」とでも言えば、拍手喝采する向きがあったかもしれない。日本人は切腹して大義に生きる話が大好きなのだから。

 そのチャンスは二度あった。最初は自民党を離党し、たちあがれ日本を結成したとき。そして今回だ。だが、いまとなっては遅すぎる。

 与謝野は「大義の人」になるチャンスを自ら失って「大臣目当ての私利私欲の人」という評価が定まってしまった。

 国民にとっては、与謝野が自らの役割をどう自覚していたかどうかは、どうでもいい話である。重要なのは、政治が新たな局面に突入している。そして、それによって物事が大きく動く可能性が強まってきたという点である。

 (文中敬称略)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20110121-00000001-gendaibiz-pol
 

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