「国家戦略室の「財政破綻リスク」に対する驚くべき認識（No.39）

平成２２年６月２２日に、平成２３〜２５ 年度の歳入・歳出の骨格を示す「中期財政フレーム」を含む中長期的な財政健全化の道筋を示す「財政運営戦略」が閣議決定された。そこに財政運営戦略概要が示されている。
http://www.npu.go.jp/policy/policy01/pdf/20100622/220621_zaiseiunei-gaiyou.pdf

そこに次のような一文がある。
「２．財政破綻リスクへの断固たる対応
現状を放置して、ギリシャ等のように財政破綻に陥るようなことがないようにしなければならない。仮に、そのような状態になれば、財政自主権が失われ、社会保障サービス等の水準が大きく低下し、経済や国民生活に多大な悪影響。」

この文章の意味を聞くために、内閣府の国家戦略室に電話した。詳しいことは、この文章を書いた石崎氏でないと分からないということで、石崎氏が現れるまで待って質問した。

小野：財政破綻ということは、国債が売れなくなることか。
石崎：そうだ。
小野：国債が売れなくなれば、日銀が買うのではないか。
石崎：それは日銀が判断することで、政府が判断することではない。
小野：国債が売れなくなるということは、国債が紙くずになるということか。
石崎：そうだ。
　　　《え！政府はそんなに無責任なのですか！》
小野：国債がそんなに危険な金融商品であれば、国債を売るとき、これは将来紙くずになる可能性がありますと言って売らなければ、詐欺ではないですか。
石崎：そうですか。
小野：今年の１月２１日に内閣府から出された経済財政の中長期試算では、将来財政が破綻するとはなっていません。戦略室の記述と矛盾するのではないですか。
石崎：その試算は分かりません。
　　　　《そのくらい勉強して下さい！》
小野：菅首相は１月８日に「このまま赤字国債を発行するような状態は。２年先は無理だ」と発言している。そのくせ、１月２１日に発表した試算では、２年どころか、２０２３年まで問題なく赤字国債を発行できることになっている。自己矛盾しているのではないか。
石崎：赤字国債の発行を抑える努力をするということだ。
　　　　　《そのような努力で、過去の内閣は逆に財政を悪化させているのに》
小野：財政運営戦略概要には、現状を放置すればギリシャのようになって、財政自主権が失われると書いてある。これはIMFの管理下に置かれるということか。
石崎：まあ、そういったものです。
小野：IMFの仕組みを知っているか。IMFは外国からの借金があって、それが返せなくなった国に対し、まず自国のお金を刷らせ、そのお金をドルや円などの国際通貨に交換することになっている。
石崎：知ってます。
小野：まず自国の通貨を刷るのが絶対条件だ。日本の場合、円を刷ればそれだけで借金は返せる。外貨はたくさん持っているし、円自身が国際通貨なので円と円を交換してもらっても仕方ない。日本は外貨もたくさん持っているし、IMFに世界第二位の額を出資しているのだから、援助を受ける方であって、IMFの支配下になるわけがない。
石崎：はい。そのことはよく知っています。
　　　　《知っていながら、増税を国民に認めさせるために、国民を騙そうとしている！》
石崎：でも、お金を刷ればインフレになります。
小野：インフレということはデフレ脱却ということでしょう。財政危機だの、ありもしないことを書けば、国民は大変だと思い、危機に備えなければならないと思い、節約するから消費が減り、景気が悪化し、財週が悪化する。政府としては、このような無責任なことは書くべきではありません。
石崎：すいませんでした。

日本の国家戦略がこんなお粗末なものでよいのだろうか。」
http://ajer.cocolog-nifty.com/blog/2011/01/no39-8c4b.html

この石崎氏が国家戦略室の中でどのような立場の人なのか、検索して見ましたがわかりませんでした。まさかこの石崎氏の認識が、玄馬国家戦略相も含めた内閣官房国家戦略室の共通認識であるとは思いたくないのですが。

コメント
01. 2011年1月28日 06:36:11: 2iUipajGN6 　 出来の悪いコントを見せられている様だ。この石崎氏は本当に財政・経済についてコメントできる能力を持っているのだろうか？それともギャグの心算か？
02. 2011年1月28日 08:16:06: NDqBZWrDM6 財政危機がありもしないと言いつつ 紙幣を刷れとは矛盾してるだろ。 財政危機だから 借金と国債の価値を減らすために 紙幣を刷らせる。 ついでにインフレとデフレの意味もごく単純な意味でしか理解していない。 この小野さんとやらは表面を見ただけで 世を理解したつもりになってるだけだ。
03. 2011年1月28日 08:23:26: f84aJbIRio 国債について問われた元財務大臣である菅首相が「そうゆうことは、疎いので・・」って、悪夢でしょう〜 これでいいのですか？国民のみなさま？
04. 2011年1月28日 08:28:42: f84aJbIRio 日本以外の先進国は、せっせと紙幣を刷ってますよね〜日本だけ刷りません 米国にするなっていわれたからですね〜偉そうに屁理屈いってないで「米国の命令ですから」って白状したらいかが・・刷ればすぐ１ドル９０円にもどります。
05. 2011年1月28日 08:53:52: eYzTIFCItU １ドル９０円どころか、リーマンショック以前の１０５円位が日本企業の競争力復活にはベストでは・・・・
06. 2011年1月28日 09:13:19: eYzTIFCItU >>05補足 リーマンショック当時２００８年９月１５日頃、円は対１ユーロ１４８円が、現在では１ユーロ１１０円で４８％も円高で、対ドルは１ドル１０４円だったが現在は１ドル８４円で２３％も円高だ。 日銀は何をしてるのかと言いたい。これでは日本経済はデフレから抜け出せないわけだな　 結果サラリーマンの給料は削られ、自殺者は３万人を超えたまま、日銀よ、いつまでデフレを続けるつもりなんだ
07. 2011年1月28日 12:16:30: tYHkjAw4fs ＞ギリシャ等のように財政破綻に陥るようなことがないようにしなければならない。 　まだ、世界の政治の動きをまったく読めないようだ。日本は、世界の後進国や中国（後進国？）に政府開発援助金（ＯＤＡ）を毎年５０００億円拠出している（中国には１５００億円）。世界には一銭の借りもない「無借金の国」だ。今のデフレを解決する方法は幾つかある。 「政府紙幣」を１００兆円ほど印刷して市中に出せば一気に解決する。 また、特別会計予算と一般会計予算を統合すれば、それまで備蓄（６０年間に渡り省庁が貯め込んだ！）１５００兆円が表に出てくる。目減りしているとしても１０００兆円は固い。
08. 2011年1月28日 19:42:06: HMvdYj4v7Q 「石崎」って誰だ？ 最悪だな。 リフレ政策をまったく理解していない。 菅政権は、ブレーンがダメダメ。 まあ、デフレ派で緊縮財政派の与謝野を経済財政担当大臣に任命した時点で、 菅がいかにマクロ経済政策を理解していないかがわかる。 はやく菅を降ろして、党内グループ・デフレ脱却議連の所属の人が首相になるべきだ。

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