◎裁判長期化と選挙で小沢支持勢力消滅の危機　2011-02-01 永田町幹竹割り
http://thenagatachou.blog.so-net.ne.jp/2011-02-01

　強制起訴で浮かび上がった構図は「辞職も離党もない」とほくそ笑んでいる小沢一郎と、対照的に首相・菅直人の苦悩の姿が浮かぶ。小沢の巧妙なる布石で攻守が逆転したかのようにも見える。しかし、これは短視眼的な見方であり戦略眼的に見れば、小沢の笑顔はそのまま凍り付くことがやがて分かるだろう。強制起訴は「政治とカネ」に象徴される小沢的な政治の否定そのものであり、有罪か無罪かにかかわらずその目的は達成されようとしているからである。こんご“脱小沢”どころか“嫌小沢”が政界に高まり、小沢は悲しい老人として晩節を汚しつつ生きなければなるまい。

　小沢が高々と唱える理論武装を煎じ詰めれば「検察の起訴なら権威があるが、有象無象の検察審議会の起訴など起訴とは言えない」と言うところだろう。これを錦の御旗に、党内一定勢力の支持を取り付けている。確かに９９％有罪の確率がなければ有力政治家の起訴は控えるのが検察の従来からの方針であり、小沢は「嫌疑不十分」で２度にわたり不起訴とされている。しかし嫌疑不十分とは文字通り嫌疑はあるが十分ではなかったのであり、小沢の主張するように「無実」などとは断定できない。検察審は８０％の可能性でも起訴して疑惑を晴らそうとしているのである。「疑わしきは罰せず」から「疑わしきは裁判へ」の流れが政界疑惑に適用され、今後定着するのだ。

　確かに起訴の焦点である小沢が土地購入代金４億円を陸山会に貸し付け、２００４年の政治資金収支報告書に記載しなかった経緯を「秘書独断」とは考えにくい。常識的には「共謀」と見る方が自然だ。背景では水谷建設からのヤミ献金が含まれていると検察審がみているとしても無理はない。小沢の関与をいったん認めた秘書の証言もある。有罪か無罪かは５分５分と見るべきだろう。

　それでは、小沢が強制起訴されたことが政治的にどう波及するかだ。小沢は起訴により刑事被告人となったのであり、まず無罪となるまで首相に担ぐ破廉恥な党内勢力はなくなるだろう。党の主要なポストにも就けない。従来通り「政治とカネ」にものを言わせて一定の勢力は養うだろうが勢力は減衰傾向をたどるだろう。とりわけ重要なポイントは小沢の裁判戦術そのものに致命的な欠陥があることだ。秘書のそれから見ても裁判は引き延ばし長期化を狙ったものになる。秘書は起訴以来１年たっても初公判が開かれていない。小沢は初公判までに１年以上、判決までにさらに１年以上、１審で合計３年くらいの長期化を狙っているものとみられる。

　これが意味するものは、その間に確実に行われる解散・総選挙によって、小沢チルドレンや小沢で生きている側近らを喪失することである。裁判が長引くことは民主党が常に「政治とカネ」を引きずることになり、選挙結果に小沢の居座りを８０％がネガティブとする国民世論が反映されることは確実だ。チルドレンに至ってはバブルが弾けて９０％の確率で落選すると見る。１４０人の小沢勢力はせいぜい２０人か３０人になるだろう。小沢は裸の王様になるのだ。そうかといって、かっての小沢のように党を飛び出して政界の再編に走れるかというと、野党の総スカンの中ではとても無理。そんな求心力は政界のどこを探してもない。

　この小沢の姿を遠望することができない菅以下政権幹部は、無責任きわまりない対応しかとれていない。正月４日の記者会見で菅は「小沢氏は出処進退を」と議員辞職を迫ったが、その迫力はなぜか消えた。そればかりか菅が「岡田君中心に協議」と逃げれば、幹事長・岡田克也は「本人が決めること」と小沢に転嫁する始末だ。いくら予算成立のために小沢勢力が必要とはいえ、みっともなさが極まった。加えて執行部は小沢の処分については、除名でも離党勧告でもなく、なんと最も軽い「党員資格の停止」を考えているのだという。これでは小沢には効果がない。党からの資金が停止されても「政治とカネ」の本家にはジャブジャブ集まる。総選挙での公認などは、岩手の選挙区が「小沢党」であり必要もない。代表選への立候補資格の喪失など、元々狙わないから意味がない。要するに執行部は「小沢切り」ができないということになる。この腰が引けた姿が、国民にどう映るか、支持率にどう反映するかは言うまでもない。馬鹿な評論家が「小沢の力が落ちて、菅が俄然有利になる」などと論評しているが、とてもとてもその流れにはならない。むしろ“抱き合い心中”的な流れだ。

　こうみてくると、検察審による小沢の起訴が、投げかけたものは小沢の紛れもない凋落であり、その小沢に「負んぶお化け」のように取り憑かれた民主党の長期低落であろう。逆に野党はまたまた政権追求の“珠玉”を得たことになる。証人喚問は全会一致が原則で実現しにくいが、お経のように繰り返すだけで霊験あらたかな効果がある。

【朝刊トップ１０秒勝負】
★朝日
小沢元代表強制起訴
★毎日
小沢元代表強制起訴
★読売
小沢元代表強制起訴
★産経
「無実」強調離党は否定
★日経
小沢元代表を強制起訴　
　

コメント
01. 2011年2月01日 09:56:58: AITbMd0C0M ＞小沢勢力はせいぜい２０〜３０人になるだろう その前に自民党勢力も仙菅勢力もなくなるんじゃないのか。 自分はこの小沢一郎政治生命抹殺事件は日本の革命の第一歩ではないかと思っている。 政治に疎かった日本国民も国民の本当の敵は誰か？　マスゴミは国民の味方ではない ・・と言う事も初めて知った。 ユダヤ金融に苦しめられてきた世界中の国民が目覚めて来た。 革命は日本だけではなく世界中に起き始めている。
02. 2011年2月01日 10:08:15: lBe9ioXxUA 反小沢勢力の狙いは小沢つぶしである。 小沢が有罪、無罪には関係なしに被告席に数年間おいておくだけで目的は達せられる。まして、最高裁まで持ち込めば長期裁判になる。この間は小沢被告と呼べる。 さすれば、現在の官僚、OB、一部の経営者達の既得権益者達は、利益を守れる。 その後のことは引退後のことであり、消費税増税に裏付けられた年金にて悠々自適の生活が保障されている。日本とは良い所ですな。
03. 2011年2月01日 10:08:30: epn07zbrFM ＞０１氏に賛同！！！
04. 2011年2月01日 11:04:23: l4uTgh5xOQ 目覚めた思考が停止することはない。お天道様が、お許しにならない。日本人は、こうして丁寧に日々を生きてきた。世界中に武器を売り捌き、戦争を起こさねば成り立たない国とは、訳が違う。詐欺証券を世界中に売り捌き、あぶく金を手にする国と、国の質が違う。もう眼隠しはできない。もう口は、塞げない。本当に怒った庶民の底力を、胡坐をかいて美食に耽った者に、分かろうはずがない。
05. 2011年2月01日 11:44:09: GVtk7YGZVM 「赤かぶ」ってさ。 俺、むかし、新聞社の整理部にいたけれど、職場には共同／ロイター／時事etcの配信情報がスピーカーでは常時流されていたものだ・・ うるさいのでよく音量を絞ってデスクに睨まれたものである。 「赤かぶ」ってさ。 それの二番煎じをやってない？瓦版屋的な狂乱的頻度である。 もしかして、朝日読売かどこかのの整理部デスクが複数でやってないか？ それとも退職ＯＢの手慰みか・・静かに余生を送れよ。
06. 2011年2月01日 11:46:16: q5iHkXrQMg >>01. > 自分はこの小沢一郎政治生命抹殺事件は日本の革命の第一歩ではないかと思っている。 同感！ > 政治に疎かった日本国民も国民の本当の敵は誰か？　マスゴミは国民の味方ではない・・と言う事も初めて知った。 日本国民も国民の本当の敵は誰か？　 それは、外国人参政権付与や「韓国・北朝鮮に住む韓国・朝鮮人の子供へ月に二万六千円もの子供手当を支給する」「韓国・朝鮮人の生活が第一」 を実現しようとする売国政治家小沢一郎！ ・・と言う事も初めて知った。
07. 2011年2月01日 12:09:19: FQuprmjf0A 元旦に集まった議員の数を知らないのか。
08. 2011年2月01日 12:28:38: tYHkjAw4fs 　赤っ恥よ、まだ、何も分かっていない野郎だな。 アメリカの命令通りに動けば、金は貰えるし、誰からも攻撃されないか！ そんな意気地無しで売国奴が、阿修羅に出てくるな。
09. 2011年2月01日 16:11:20: FHVyh15Kso 確かに、裁判が長期化すれば、小沢氏の求心力に陰りが出るのは事実だろう。 あの、鉄の団結を誇った田中派でさえ、ロッキード裁判の渦中で、竹下元総理ら派閥の大量離脱があった。 政党助成金と小選挙区における党の公認権を持つ党執行部の力は、当時と比べ天と地程の差あり、 もはや派閥の力を遥かに凌駕する権力を持つようになっている。 安住のようにヘタを打たずに、カネと公認権をちらつかせれば、どうなるだろう。 小沢グループの人間は選挙では党の公認を与えません、党の小選挙区の支部長にしません、 政治家としてはもう、アウトだ。 現在の小沢グループは若手の議員が多いが、彼らは支持基盤も資金力も弱い。草刈り場になる恐れはある。 危機感は持っていたほうがいい。
10. 2011年2月01日 22:53:44: mOBhm84jvQ 記事の通り、狙いは判決よりも裁判を引き延ばし、小沢陣営を弱体化させる事でしょう。 しかし、その程度は小沢氏側も想定済みでしょう。 このところの行動のように、今後は敵の逆を突いて、どんどん表に露出し、活発に活動して行くのではないでしょうか。 記事にあるように浅はかに単純に物事が運ぶなら、現時点でも小沢氏は政界の中心に存在していない。 今回の危機をバネにすれば官僚社会・既得権力をひっくり返す事を期待し、行動を共にします。

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