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開門の課題 諫干・現場からの問い・1/漁業
http://www.asyura2.com/11/senkyo106/msg/430.html
投稿者 みちばたの蝶 日時 2011 年 2 月 03 日 22:23:18: JxOH7lIi5LSzQ
 

長崎新聞という地方新聞も、ヘタレとばかり思っていたが、
たまには、読み応えのある記事もあるみたいだ。

              転載責任 井ノ子俊一@長崎県島原半島

http://www.nagasaki-np.co.jp/news/k-isahaya/2011/02/03090832.shtml

開門の課題 諫干・現場からの問い・1/漁業

南部排水門近くの海底には有明海特有の潟土ではなく、ヘドロがたまっていた=諫早湾


北部排水門近くの海岸には、大量の貝殻が散乱している=諫早市


◎異臭ヘドロ、死んだ海 県は「回復の兆し」

 海底から引き揚げられたバケツには、有明海特有の潟土ではなく、異臭の漂うヘドロが入っていた。

 潮受け堤防南部排水門から約500メートル沖の諫早湾。閉め切り前は、高級二枚貝タイラギなどの好漁場として知られた海域だ。魚群探知機は、出港した雲仙市国見町の港からずっと反応を示さないまま、船の位置と時間だけを刻んでいた。

 同町の漁業者で開門訴訟の原告の一人、宮本幸盛さん(62)は嘆いた。

 「ヘドロは調整池からの排水と、堤防閉め切りで潮流が弱まったことで海域に広がっている。こんな死んだ海じゃ、魚も貝も昔みたいに取れるわけがない」

    ◇   ◇

 「諫早湾内の漁業には回復の兆しがある」

 中村法道知事らが菅直人首相に提出した公開質問状には、漁業歴40年以上の宮本さんの実感とは正反対のこんな記述がある。

 そして「開門されれば周辺漁場へ甚大な被害を及ぼす」。菅首相が受け入れた昨年12月の福岡高裁判決通りの常時開門では、排水門付近に鳴門海峡の流速を上回る激流が生じ、巻き上げられた泥で漁場が荒れる−との指摘だ。

 皮肉にもそれは"政治決断"まで国が再三言ってきたことだった。

 菅首相の回答は「(影響は)現在実施している環境アセスメントで検討している」。拍子抜けするほどあっさりと、しかし具体的な記述はどこにも見当たらなかった。

    ◇   ◇

 国営諫早湾干拓事業の排水門常時開門を「首相の決断」で受け入れた政府。だが、その後来県した農相も、公開質問状に対する首相名の回答書も、開門を拒む県や地元関係者を硬化させるばかりで、具体的な協議の糸口は依然、見えない。国が答えるべき課題は何なのか。現地からの問いを軸に検証する。(諫干取材班)

◎今の排水と何が違う 県「短期でも被害」

 諫早湾の潮受け堤防排水門を開門した場合、漁業被害は起きるのか。雲仙市国見町の漁師、宮本幸盛さんの回答は明快だった。

 「開門すればではなく、今この瞬間に被害が出ている。段階的に開門すれば被害はない。話し合いもせず全開、全開と誇張するから話がおかしくなるんだ」

 ■1ヵ月で6000万円

 一つの参考になるのは実際に調整池に海水が入った2002年の短期開門調査。開門賛成、反対双方で漁業不振をめぐる見解が分かれる中、この時の被害の受け止めもまた正反対だ。

 短期開門調査では潟土を巻き上げないよう排水門を全開にせず、底部を最大でも90センチしか開けない方法で海水を出し入れした。これだと速い流れは生じない。

 しかし国は、これでも養殖アサリなどが大量へい死したとして湾内漁協に計約6千万円の漁業補償をした。県の主張は、これを基にした「被害が出ないように開けても被害があった」という点だ。

 1日にあった反対派の会合で、浜本磨毅穂県農林部長は「わずか1カ月の開門で6千万円。管理もせず常時5年も開いたら、いかほどの被害になるかは誰でも分かる話だ」と強調した。

 加えて県は、開門すると毎年漁業者を悩ませる赤潮の危険性がかえって増大すると指摘する。

 短期開門調査では、海水の導入で濁りが希釈されるなどして調整池の透明度が上昇。光合成が促されて赤潮発生原因となるプランクトンが増大した−との国の報告書がある。県は「調整池が赤潮の発生源、供給源となり、諫早湾の水質に悪影響を及ぼす」とみる。

 ■「理屈合わない」

 一方の開門派。有明海漁民・市民ネットワーク事務局の調査研究担当、羽生洋三さん(60)は「漁業に影響はない」と断言する。

 羽生さんは「今、現実に調整池から大量排水していることを忘れてはいないか」と投げかける。開門調査の排水と、現在の排水では何が違うのかと。

 現在、調整池からの排水は1回につき数十万トンから数百万トン。大雨時には数千万トンになることもある。

 「調整池の汚い淡水を一方的に流す方がよっぽど海に悪影響。開門調査の時だけ被害が出るというのは理屈に合わない」

 漁業補償をしたことと裏腹に、調査翌年は養殖アサリの生存率が上がり漁獲量が増えたとの証言もある。小長井町漁協理事の松永秀則さん(57)は「私は水揚げが10倍ぐらいになった」。同漁協によると、02年のアサリの水揚げは約400トン。それが翌年には約540トンに増えている。

 羽生さんは言う。「漁業補償は、本当に被害に対するものなのか。開門調査に反対する湾内漁協を懐柔し、開門調査による悪影響を吹聴するための政治的なものではなかったのか」

【編注】「浜本磨毅穂県農林部長」の浜はサンズイにウカンムリにマユ毛のマユの目が貝

 

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