この時期が日本にとって北方領土交渉に漬け込む隙が一番あった時代だった。
プーチンが登場するとKGB出身のコワモテぶりから交渉は停滞するどころか後退するのではないかと危惧されたが、鈴木宗男が中心となりプーチンと胸襟を開いて話し合う関係を築き上げ、ロシアとの交渉は停滞せずに推移していったが、メドベージェフになると選挙戦(大統領選)の関係もありメドベージェフは北方領土島民に対してけして棄民などではない、ロシアの一員であるとのメッセージも込めて北方領土維持にも力を入れ領土保全にぬかりのない現職の強みをアピールするためにたびたび北方領土に言及することが行動と供に多くなりつつある。

けれどもそこは本音と建前を使い分けるのが国というものである。日本側もいちいち駄々っ子のような幼稚な反応をせず、メドベージェフやロシア政府が話し合いの回路を閉じていないことをよく確認するべきだろう。
いきなり四島の返還というのは夢物語であり絵空事、まずは二島返還を主張し居住ロシア人の問題をどうするのか筋道を立ててロシア側と具体的な話し合いを持つべきだ。

しょぼしょぼした目つきで時々下を向いてメモを見ながら発言していた。あれでは交渉相手に馬鹿にされるだけだろう。胡錦濤との会談のときと同じ。

これが日本の指導者とは、もはや処置なし。

居住ロシア人は、どうぞそのままで、日本国籍がほしければどうぞ、という方法もあった。国境を越えた人情が、何より大事だろう。

ロシア共和国のシベリアに住む人々、ロシア人と少数諸民族と、そのすべてにためになる、頼りになる、北方日本という”夢想”も楽しい。

四島と千島のもともとの住民と先住民族千島アイヌたちを呼び返して、新しい”政体”というのも楽しい。シベリアやアラスカの諸民族との、直近のものどうしの直接交流は、どうか？

樺太に住む少数民族トナカイ放牧のウィルタ族は、数を数えるとき、
「７」を【　nada 】と言うそうだ。同時に、「北方」・「北斗」を言うときも　nada　と言うそうな。

かたや、シベリアの諸民族やウラル・アルタイの諸族の場合には、
「７」や「北方」・「北斗」を言うときは【 nadan 】と言うそうだ。「北斗」が
七つ星だから「７」とおなじ呼び名をするらしい。かつて北斗を目印に移動したひとびとの『言葉の記憶』であるのだろう。

日本のアイヌの北隣のウィルタの【 nada 】は、だから、　日本語の　７【ナナ】とそっくりである。シベリアやウラル・アルタイの諸族の場合も、紙一重だ。

こうしてみると、かれらは、決して”アカの他人”ではないと言えないか。（日本人の免疫HLAの構成タイプが、もっとも似てるのは、いまバイカル湖周辺に住む人たちだという研究もあったし）

だから、”おれさまの「領土」だ！”と、敵対仕合うよりも、”何か困ってることはないかい？”と、助け合うほうが、お互いに繁栄できるはずだ。徳力と人情だ。

そのはずだし、＜　間を裂かれる工作されて毟られる　＞、という被害を無力化できる利点があろう。

掻き回して、そこから利益を収奪しようという”オヤビン”の欲深い魔手から、如何に逃れるか、これだ。