★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK107 > 190.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
監視者としてのマスコミ記者 (高橋清隆/JanJanBlog)
http://www.asyura2.com/11/senkyo107/msg/190.html
投稿者 pochi 日時 2011 年 2 月 11 日 09:12:51: gS5.4Dk4S0rxA
 


JanJanBlog

監視者としてのマスコミ記者
2011年 2月 11日 05:13

高橋清隆


 有力政治家の行く先々には、大勢のマスコミ記者が付いてくる。一見自然な光景に思えるが、記事にもニュースにもならないことが多い。マスコミ記者やカメラマンは、無自覚に外国勢力の情報収集を手伝っていることが疑われる。

国民新党の定例会見。30〜40人も報道陣が集まるが、記事にする記者は滅多にない(1月26日、高橋清隆撮影)

国民新党の定例会見。30〜40人も報道陣が集まるが、記事にする記者は滅多にない(1月26日、高橋清隆撮影)



亀井氏の行動を昼夜記録する記者

 わたしがこのことに気付いたのは、亀井静香氏の取材を通じてのこと。国民新党の記者会見が原則毎週水曜日開かれるので、1年半ほど通っている。永田町にある雑居ビルの3階にある同党の狭い会議室には、毎回30〜40人の報道陣が集まる。亀井代表が中心となり、30分〜1時間程かけて記者の質問に答える。記者とのやり取りを各社が録音、撮影しているが、帰って新聞記事やテレビニュースを確認すると、翌日になっても1つも見当たらないことが多い。

 参加する記者やカメラマンのほとんどは、日本新聞協会に加盟するテレビ局や新聞社だ。それ以外の雑誌やフリーの記者は顔を知っているから、すぐ分かる。永田町や霞ヶ関界隈で独自に活動しているジャーナリストは少ない。

 政治家のマスメディアでの露出は、もちろんそのときの地位に左右される。亀井氏も大臣をしていたときは、よく報道された。皆さんもご記憶があると思うが、その大半は失言や問題発言である。それはマスメディアが情報による支配装置であることを示している。このあたりの事情は拙著『亀井静香が吠える-- 痛快言行録--』に書いた。

 国民の金融資産300兆円を守るため郵政民営化見直しに奔走(ほんそう)し、中小零細企業を貸しはがし・貸し渋りから守るため「モラトリアム法」をつくる亀井氏が、国際金融資本の牛耳るマスメディアからたたかれるのは自然なこと。新聞やテレビが無視し始めたのは、閣外に去ってから。郵政改革法案を通さない菅民主党執行部に抗議しての辞任で、今も亀井氏の方針は変わらない。

 閣僚でない政治家がテレビや新聞に出ないのを、当然だと思うだろうか。わたしはそう思わない。岡田克也幹事長や藤井裕久官房副長官は毎日のようにテレビに映る。野党の石原伸晃氏や小泉進次郎氏ですら、お茶の間になじみのはず。竹中平蔵氏はもはや政治家でもないのに、バラエティー番組や新聞のコラムに登場する。小沢一郎民主党元代表もよく出るが、これは悪役として。閣僚時代の亀井氏と同じ理由とみる。小沢氏の「政治とかねの問題」は亀井氏の失言と同様に、攻撃のための口実にすぎない。

 国民新党の会見で、記者たちの怠慢はない。記者は皆、熱心に質問し、メモを取る。亀井氏の発言は、ほぼ全文パソコンに入力している社が多い。さらにI.Cレコーダーで記録する。テレビカメラも回る。NHKと在京キー局は全社だ。熱心な仕事ぶりは会見だけでない。夜間にも亀井氏に電話を入れ、何をしているか、誰と会っているか尋ねる記者もいる。彼女は世界最大のテレビ局に所属する。

 当然、亀井氏の出席する講演会や集会も密着マークする。10年9月30日、日本経済復活の会で亀井氏が講師を務めたときも、NHKや通信社が来ていた。「日本が日本でなくなっている」現状を嘆き、積極財政を訴える内容だったが、報じた社はなかった。同年12月15日、『月刊日本』の講演会が開かれたときは在京キー局と通信社、大手紙全社が来たが、同様だった。


デスク通じ、官邸に集められる取材メモ

 2つの勉強会はわたしもかかわっていた関係があり、よく覚えている。参加者たちは講演内容が記事になることを期待していたのに裏切られ、不思議がっていた。いつも党会見の結果を見ているわたしには、予感通りだった。彼らは監視者の役割を担っているというのがわたしの解釈だ。記録したビデオやメモは、外国に流れていると確信する。

 根拠の1つは、官房機密費の関係から言える。10年4月、野中広務氏が官房長官時代にマスコミ各社や評論家にも渡していたことを暴露した。それを基にジャーナリストの上杉隆さんがインタビューし、現場の取材メモをメディア幹部たちが官邸に「上納」している話をつかんだ。このことを、野中氏の下で官房副長官を担当した鈴木宗男衆院議員に尋ねた返事が、『週刊ポスト』同年8月13日号に載っている。

鈴木:「メモっていうものはぐるぐる回りますから、誰でも入ってくるんですよ、それなりの地位にいれば。番記者を通じて全部入ってきますよ。お金も何も要りません。1回、全部、キャップ、デスクに上がるわけですから」

 上杉さんによれば、官房機密費を通じたマスコミ対策は、(1)編集委員への機密費授与による「世論操作」、(2)評論家・コメンテーターへの機密費授与による「世論誘導」、(3)記者メモを官房長官に流す見返りに社幹部に機密費を渡す「官房長情報管理」がある。

 (3)の場合、記者は社の幹部からおこぼれに預かる。官邸に集められた各記者の記録は、野党対策に使われるとされる。しかし、それだけだろうか。わたしは先ほど、海外への流出に言及した。これはまず、社内で実行されているとにらむ。根拠の2つ目は、編集者の属性だ。

 『秘密のファイル』春名幹男(共同通信社)によれば、1980年初め時点で日本には100人以上のCIAキャリア要員(Case Officier)がいる。各要員は5人程度の情報協力者(Agent)を抱え、官庁のほか新聞社やテレビ局に送り込まれているという。中央学院大学の西内雅教授(故人)が1972年に入手した中国共産党の対日工作マニュアルには、「10人の記者より、1人の編集責任者を獲得せよ」と記されている。

 社に集められた情報の扱いを決めるのは、編集者責任者だ。新聞社の場合、デスクに各記者からの原稿が上がってくる。記者たちは無邪気に記事を書き続けても、載るか載らないかはデスクの判断だ。マスコミ工作と言うと出力の方ばかり連想されがちだが、諜報(ちょうほう)も重要な任務である。公共放送に就職した先輩で、1年間同じテーマで記事を書き続け1度も報じられなかった人がいる。何のために命じたかを考える必要がある。

 官邸に集められた取材メモも、野党対策だけに使われているか疑問だ。今の連立政権で言えば、「友党」である国民新党の監視はもとより、海外への情報提供を疑う。従米ロボットと化した菅首相の言動を見れば、わが国に主権などないと思うのが自然だろう。歴代首相は、どんなにかっこいいことを言っていても、その座に就くと同じになった。社会主義者の村山富市氏は、代理署名に拒否した大田沖縄県知事を提訴した。「美しい国」を目指した安倍晋三氏は「テロ特措法の延長」に足踏みする中、殴られたような顔で辞任した。鳩山前首相は公約違反の辺野古移設を盛り込んだ「日米共同宣言」に署名した。村山氏も鳩山氏も、辞任は不本意なことをやってからだ。官邸が外国に支配されている証ではないか。


集めた情報で攻撃も無視も自由自在

 亀井氏は最近、新聞やテレビへの登場がいくらか盛り返した。与謝野馨氏の経財・社会保障と税の一体改革担当相起用への批判や、社民との連立が「難しい」とする発言が取り上げられている。亀井氏は2月6日の党会見で、番記者たちに説教をした。

 「あなたたち現場の人が各社を動かさないと駄目なんだ。自分の意見と違うなら、キャップやデスクのネクタイをつかんでも、自分の意見を書かせないと。夜、どこで誰と食べたかばかり上にあげるのが番記者の仕事じゃない。今みないな論調でメシを食うなら、意味がない。辞めた方がいい」

 この説教が効いたのだろうか。そう思っている記者もいるはずだ。わたしはそう見ない。この説教は年に3回くらいする。番記者たちが定期的に異動し、メンバーが替わることをにらんでかもしれない。亀井氏に対するマスコミ報道の変化は、1月14日の内閣改造に伴うものだと解釈する。

 世界の支配権力の広報部隊の末端に属するわが国のマスメディアは、衆参「ねじれ国会」の状態を生かし、わが国を再起不能なまで没落させるのに活用されているとみる。彼らがつくり出した菅政権を、自ら批判するのはそのためだ。マックス・ウェーバーが言う「否定的な政治」を地でいく世界である。

 すなわち、郵政改革法案はもとより、国民の暮らしを支える年度予算も手当も何も通らない政治状況を指す。現に、11年度予算関連法の成立するめどが立っていない。特例公債法案は赤字国債38兆円の発行根拠であり、地方交付税法改正案が通らなければ、1.5兆円も自治体の資金繰りが悪化する。関税関連法案や税制改正法案の不成立は、輸入食材や燃料費の高騰をもたらすのは必至。

 与謝野氏起用をめぐる与野党からの批判は大っぴらに取り上げられている。国会を空転させるのが狙いだろう。社民党の連立復帰が「難しい」とする報道は、3党結束を阻むためだ。NHKは「亀井代表、社民協力は困難」と伝えたが、亀井氏は民主党に苦言を呈した後で「連立を組む以上、予算関連法は通す責任がある。社民党にも働き掛ける。あんたたちマスコミがあおるから」と言っている。

 現場の記者たちは悪意なく書いているはずである。時には正義感すら抱いて。マスメディアという巨大な機構は、集められた素材を自由に使う。支配者の都合のいいように。攻撃材料にすることもあれば、無視することもある。すべては合法的に諜報され、取材対象は監視されている。

 今日も記者たちは政治家を追い、記録する。支配権力の下で、無自覚なまま国と国民を売っている。

【参考情報】

ジャーナリズムの本当の目的

ワールド・フォーラム講演「世論を誘導するマスメディアの本質」


http://www.janjanblog.com/archives/30829
 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 2011年2月11日 09:45:49: 3UbsnckrEQ
この記事はたぶん核心を突いてますね。多くの人に読んでもらうべき。

02. 2011年2月11日 10:05:34: pt0Butc0sk
記者連中は知らない間に、外国のスパイ役をさせられていると言うことだ。アメリカCIAのエージェントであった読売・正力松太郎、朝日・緒方武虎(後の自民党副総裁)以来、日本のマスコミはCIAとは切っても切れない仲なのだろう。
亀井さんのように、アメリカに行ってCIAに「俺を殺してからやれ」と啖呵を切れる政治家が日本に何人いるのだろう。

03. 2011年2月11日 10:10:01: bYMsDabYgk
これは 素晴らしいプロの目だ!
言われて見ればまさに図星だ。
こういう深い見抜き方が出来ている者は、昨今の犯罪政権や犯罪法務検察を追求しているフリーランスや雑誌の中でもほとんど居ないだろう。

04. 2011年2月11日 10:17:22: bYMsDabYgk
03追加

私はこれまでのコメントでフリーランスを列挙したさい高橋清文などと間違って書いてしまっていた。高橋清隆氏のことであるので訂正します。大変失礼しました。


05. 2011年2月11日 11:02:26: FMdMRKf5Fw
以前から注目していましたが、いよいよ核心部分に到達した感じです。
今回、マスコミ記者の虚構の仕組みに切り込んだことは立派。
この論法はかなり説得力を持って、記者連中に自己認識をせまるに違いない。
ミイラ取りがミイラになることもある。スパイの役を自覚しないままのスパイを自覚させるために奮闘して下さい。wo

  拍手はせず、拍手一覧を見る

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
 重複コメントは全部削除と投稿禁止設定  ずるいアクセスアップ手法は全削除と投稿禁止設定 削除対象コメントを見つけたら「管理人に報告」をお願いします。 最新投稿・コメント全文リスト
フォローアップ:

 

 次へ  前へ

▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK107掲示板

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。

     ▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK107掲示板

 
▲上へ       
★阿修羅♪  
この板投稿一覧