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16議員の行動を非難する朝日社説に「理」はあるのか (永田町異聞)
http://www.asyura2.com/11/senkyo107/msg/916.html
投稿者 pochi 日時 2011 年 2 月 19 日 21:39:31: gS5.4Dk4S0rxA
 


永田町異聞
2011年02月19日(土)

16議員の行動を非難する朝日社説に「理」はあるのか


誰が言ったか、社説は「新聞の床の間」だという。なくても困らないが、なければなんとなく体裁が悪いというていどのものだ。

実のところ、筆者は「社説」に異議を唱えるのをあまり好まない。経営陣の意向が色濃い「社論」に沿って、論説委員が意見を出し合い、その総意を汲み取って書くようなものに、さしたる意味はない。いわば、「毒にも薬にもならない」からである。

それでも、この論を信じきっている人も、中にはいるだろうから、時々はお愛想ていどに苦言も呈しておかねばなるまい。

たとえば、今朝の朝日新聞「小沢氏系造反 異様な行動に理はない」と題する社説に、どれほどの「理」があるか。それを今日の料理の材料としてみよう。

いうまでもなく、16人の民主党衆院議員が、国会内の民主党会派からの離脱を表明した一件がテーマなのだが、「政党人として到底許されない行為だ」と書き出しからいきなりバッサリ斬って、怒り心頭といった風情なのである。

なぜ、そんなにお怒りなのか。「社論」の背景は色々あるだろう。それは後述するとして、まずはこの「社説」における怒りの理由を下記に抜粋したので、とくと拝見しよう。

◇16人は「造反」の大義名分として、菅政権が国民との約束であるマニフェストを「捨てた」と断じるが、見当違いもはなはだしい。ばらまき型のマニフェストが財源不足で破綻していることは誰の目にも明らかだ。必要なら見直すのは、政権与党のむしろ責務だろう。確たる恒久財源の当てもなく、「マニフェスト実現」のスローガンばかりを繰り返す方がよほど無責任である。◇

これだけ読んだら、「そりゃそうだ」と納得する読者も多いことだろう。しかし、その納得の思いは、財源不足で破綻しているマニフェストを菅政権が捨てたのを造反の理由とするのは見当違いだ、とするこの社説の意見に同意するからに他ならない。

ならば、本当にこの16人が見当違いなことを言っているのかどうかを検証しなくてはなるまい。

こういうときにこそ、ぜひ、インターネットを活用したいものだ。ネットで検索すれば、彼らが報道陣に配った文書の全文が手に入る。朝日社説が書く「マニフェスト実現のスローガンばかりを繰り返す方がよほど無責任である」に対応する文章はこうなっている。

◇総選挙では、予算のムダを徹底的に削り、新たな政策の財源に充てるとしたマニフェストを掲げ、政権交代を実現した。しかし、「予算の総組み替えなどを行う」と主張していたのに、ほぼ手つかずの一方で、先週、菅総理大臣は、「衆議院の任期中上げない」としていた消費税については、「来年度末までに法的な対応をしなければいけない」と発言し、増税への意欲をあらわにした。菅政権は国民との約束、マニフェストを捨てたのである。

 また、政治家主導で日本を立て直すはずが、目玉とされた国家戦略局の設置法案は実現せず、公務員制度改革も反古(ほご)にされている。官僚に頼り放しだが、尖閣問題や北方領土問題など、もっとも政治主導であるべき案件で失敗すると官僚のせいにする。菅政権は政治主導の御(み)旗も捨てたのである。◇


議員16人が強調しているのは、政治主導で総予算組み替えや公務員制度改革などを実行することによって、国民との約束であるマニフェスト実現に努力するべきであるのに、菅政権は約束を破って消費増税に血道をあげ、官僚依存の自民党政治に逆戻りしたということである。上記の文章で彼らの行動の真の意味は十分、理解できるはずだ。

その真意を無視し、「マニフェスト実現のスローガンばかりを繰り返す方がよほど無責任である」という問題にすり替えて論説を展開する背景に何があるのだろうか。それは、この社説の後半、つぎのくだりにヒントが隠されている。

「小沢氏の処分を早く決め、マニフェストの見直しや社会保障と税の一体改革も決然として進めなければならない。もはや『党分裂』を恐れて迷い、ためらっている段階ではない」

つまり、なにがなんでも「消費増税」をやり抜け、と菅首相の尻を叩き、首相を操る財務省に声援を送っているのである。

ここで、2月10日の「永田町異聞」メルマガ版にくわしく書いた新聞界の思惑にふれないわけにはいかない。メルマガから一部を転載する。

◇新聞と財務省の関係をうかがわせる人事があった。昨年11月16日、丹呉泰健氏が読売新聞の社外監査役に就任するという小さな記事が各紙に掲載された。

丹呉氏といえば、2009年の政権交代直前に財務事務次官となり、2010年7月に退任したばかり。OB人脈を含めた財務・大蔵一家のなかでの影響力は大きい。

読売新聞がなぜ、丹呉氏を必要とするのか。読売グループのドン、渡邊恒雄の意思がはたらいているとみるのが自然だろう。この人事の背後に、「消費増税」への新聞界の思惑が透けて見える。

消費税が数%でもアップされると、ただでさえ人口減、インターネットの台頭、広告収入の大幅ダウンに見舞われている新聞業界はもたない。

そこで、渡邊氏ら新聞界のトップが考えているのが、英国のように食料品など生活必需品の税率をゼロ、もしくは軽減するよう世論を誘導し、その生活必需品のなかに、さりげなく新聞をもぐりこませるという算段だ。

それを可能にするために、財務省の増税路線を大いに支援して恩を売っておく必要がある。いざというときの橋渡し役として、丹呉氏はうってつけだと考えたに違いない。

新聞にとって、もうひとつの恐怖は、再販制度と特殊指定の特権を剥奪されることだ。現在のところは、再販制度によって高価格に維持できているからこそ、まがりなりにも新聞の経営はなりたっている。

ふつうの商品なら、価格を決めるのは小売であり、メーカーが価格を押しつけると独禁法違反になる。新聞は特殊指定によって、メーカーである新聞社が価格を決めることができる数少ない商品だ。

渡邊恒雄氏ら新聞業界トップには再販制度をめぐるこんな前歴がある。2005年11月、公正取引委員会が、再販制度について新聞の特殊指定を見直す方針を打ち出した。実はそれよりはるか前の1998年にも公取委が「基本的に廃止」の方針を固めたことがあったが、新聞協会会長だった渡邊氏らの政界工作で、「当面見送り」にさせた経緯がある。

05年の見直し方針に対しても同じだった。新聞協会は猛反発し、各政党への働きかけによって政界の支持を得た新聞協会に公取委が屈して、方針を取り下げた。

記者クラブの独占的取材体制など新聞協会の既得権に手厳しい小沢一郎は、マスメディアにおもねる体質が色濃い政界にあって異彩を放っており、それが異常なバッシング報道を受ける大きな要因であることは確かだろう。

ちなみに、再販制度を所管する公正取引委員会の委員長、竹島一彦は大蔵省OBであり、読売新聞の社外監査役となった丹呉が、この方面でも一定の役割を果たすことになると推測される。

こうしてみると、強大な予算配分権の維持をめざす財務省は国家財政の危機を過大に喧伝して増税の必要性を唱え、現実に経営危機が迫りつつある新聞社とその系列のテレビ局を抱き込むことで、世論調査という擬似国民投票に右往左往する菅内閣が財務省の言いなりになる形をつくることに成功したといえる。◇

大新聞がこぞって消費増税を支援している理由がわかっていただけたのではないだろうか。

経営の論理が新聞の「社論」になり、そこから逸脱しないよう、いやむしろ社長の覚えめでたきよう意図して「社説」が書かれている日本新聞界の現状が、今日の朝日社説からも浮かび上がってくる。


新 恭  (ツイッターアカウント:aratakyo)


http://ameblo.jp/aratakyo/entry-10806173145.html
 

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コメント
 
01. 2011年2月19日 21:52:38: A9U7lih7UM
次は16人の志士に、声高く「日本のマスコミの偏向とクロスオーナーシップの廃止」を言っていただこう。マスコミの報道が日本をくさらせた元凶だということを。これをいかにしてマスコミが報道せざるを得ないかという状況にもっていくかを考えなければな。

02. pochi 2011年2月19日 22:00:48: gS5.4Dk4S0rxA : oG0N4rvSgc
「お上=官僚」の裁量によって、再販制度の存続や押し紙の黙認などの恩恵がマスメディアに与えられており、その見返りとしての袖の下こそが、官僚専制政治を守るための「言論の自由=言論の暴力」であり「報道の自由=情報の操作」である。そこには国民の利害などは一切関係ない。官僚とマスメディアがお互いに潤うための「国民の金」だけが目的なのだ。その目的のためにマスメディアは、あるときは国民の代弁者を騙り、あるときは国民を人質にする暴論を吐く。そのことで国民からの「支持=売り上げ」が減れば、官僚に頼んで税の分け前を増やしてもらうだけだ。そのための消費税増税であろう。

03. 2011年2月19日 22:39:05: B1ZhhZMSbM
>これだけ読んだら、「そりゃそうだ」と納得する読者も多いことだろう。

んなこたぁない。約束を守れない場合新しい約束で信を問うのが正しい道
そもそも菅の場合、可視化等お金に関係ない守れる約束も守っていない。これは
菅が造反したということで、造反議員が王道だということだ。


04. 2011年2月19日 22:44:01: 5OSV8Up776
この16人を民主党A。菅たち裏切り者を民主党Bと言うそうです。

05. 2011年2月19日 23:14:41: B1ZhhZMSbM
この16人を民主党B。菅たち裏切り者を民主党Aと言ってもいいが
別れたほうがいいということだ

06. 2011年2月20日 01:18:57: rWmc8odQao
「渡邊氏ら新聞界のトップが考えているのが、英国のように食料品など生活必需品の税率をゼロ、もしくは軽減するよう世論を誘導し、その生活必需品のなかに、さりげなく新聞をもぐりこませるという算段だ。」

これは重要な推理です。もし財務省も品目によって税率を変えることを検討しているなら、先にそのことを国民に明らかにしたほうがよいと思います(基本的には私は増税は反対ですが)。
「全品目一律」と「生活必需品を除く」では全然印象が違います。

たとえば社民党の参院選マニフェスト
http://www5.sdp.or.jp/policy/policy/election/2010/manifesto2010_11.htm
消費税の項目の3本柱の一つは逆進性の緩和策です。


07. 2011年2月21日 13:09:29: FHVyh15Kso
現状のマスコミは(財務省の支持だと思いますが)複数税率制を「議論の俎上に乗せたくない」そんな感じがします。
現時点で複数税率制が議論された場合、食料品の税率は5%からゼロにという主張が出て、
その他医療・介護、紙おむつや子供服などもゼロないし複数税率にしろ、と「候補が目白押し」になってしまうだろう。

安定税収の確保を念等に置けば、食料品や日用品にできるだけ高税率を掛けたいのは当然なので、
食料品などを「消費税ゼロ」にしろ、という議論が勃興しては、『なんのための税率の値上げなのか意味がなくなってしまう」。
霞が関は、国会審議の最終版で、「低所得層の負担を考慮して」食料品は15%の半分の7%」に抑えました、というような「ごまかし」を狙っているのだろう。

新聞業界は、新聞の消費税をオマケしてもらうために霞が関にコビを売っているのだろうが、
世論が「複数税率制」議論に目覚めない様に世論を寝かしつけておく事で、後に「そのご褒美」をもらいたい、そんな感じがする。


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