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天災・人災・政災に向き合う国民の知恵と力 ー緊急対応と未来への展望(更新)
http://www.asyura2.com/11/senkyo110/msg/441.html
投稿者 伊予次郎 日時 2011 年 3 月 22 日 15:21:19: kixPLv9awJZfA
 

                         
 東日本大震災と福島原発の被災は、文字どおり国難と言える危機だ。そこには、天災・人災・政災が相互に絡み、掘り下げが必要な三つの課題がある。

<天災>

 まず、天災とは、M9.0の大地震と大津波だ。想定外が言われるが、世界には、チリやスマトラなど、今回を上回る地震や津波があったのだ。御厨貴は、「復旧を超えた新しい国造り」2011.3.17朝日新聞)、辺見庸は、「日常の崩壊」(同愛媛新聞)を書いている。そこでは、変化の激しい風土が育んだ日本人の自然観が問われている。

 私達は、脱亜入欧で西欧技術文明を受け入れてきた。それは、科学・技術信仰と言ってもよい。だが、そこに一神教で人間優位の西欧自然観と、「敬天愛人」で自然と人間が共生する日本人の価値観の背反を感じる。

 テレビで地震防災の研究者の一人は、大津波に10メーターの堤防が無力だったことから、これまでのような災害復旧では対応できないと語った。そこから、コンクリートと鉄による従来型の災害復旧ではなく、災害に順応し得る国土と生態系の保全が必要となる。

 大津波の被災地は、多くが田畑や森林などの農林地に、遊水池・沼沢地が組み込まれて自然生態系が形成され、住民の居住地は、扇状地の山麓や山間の高所に設けられる。その基軸は、灌漑・輪作・放牧などの高度化、自然更新・択伐・林牧複合、魚釣り林など、農林漁法の変革だ。

 自然と人間が共生する、地域循環型の地域再生計画だ。それは、流域圏を範囲とし、堤防やダムから、信玄や清正の霞堤みのように、自然に逆らわない低水方式の水利技術が軸となる。被災者が求めているのは、これからの展望だ。この地域再生計画は、その設計図であり、住民の仕事と暮らしの羅針盤となる。 
 また全国には、荒れた山野と不耕作地、居住者の無い住居を抱える限界集落が、広範に存在している。こうした地域の人々が、伊達直人になって、ネットで被災者の受け入れを呼びかけ、これを自治体や政府が支える仕組みが必要だ。

 既に福島県知事は、他県や国民に被災者の受け入れを呼びかけ、集団移転に周辺自治体の公共住宅・施設の提供も始まっている。日本は、皆家族だ。近隣だけでなく全国で、移住を含め、長期の体制を構築できないだろうか。

 併せて、百万円を限度に、10年期限の長期無利子生活資金資金貸し付け、不耕作地の提供による家庭菜園などの自給自足や、自治体による雇用の創出など、住民の智恵を結集したい。こうして地震や津波が再発しても、悲劇を繰り返さないようになる。
 
 この国を挙げての取り組みは、被災地の東日本とシャッター街を抱える西日本が、禍を転じて福にする再生の契機になる。閉塞した日本が、元気になる第一歩なのだ。

<人災>

 次に、人災とは、福島原発事故と計画停電に集約されている。小沢一郎は、「今日の地震と津波による、福島県の原子力発電所における火災や、爆発による放射性物質拡散などの事態につきましては、政府、東京電力に対し、正しい情報を迅速に公表することを、強く求めるものです。」と述べている。

 また日本の原子力安全・保安院は、福島第1原発の事故について、「レベル4」と発表していた(18日「レベル5」に修正)。だがフランス原子力安全局(ASN)は、「事故の現状は前日(14日)から、全く異なる様相を呈している」と述べ、国際原子力評価尺度(INES)の「レベル6」に相当するとの見方を示した。【3月16日 AFP】

 1979年に米スリーマイル島で起きた原発事故は「レベル5」、1986年旧ソ連のチェルノブイリ原発事故は「レベル7」だった。だが、今回の事故は、原子炉に加え、地震と津波で電源と冷却機能が破壊された。加えて福島第1原発だけで、6基の連鎖事故という、過去に経験したことが無いものなのである。

 既に米国議会やドイツや中国の首相など、世界に原子力発電の再検討・中止や凍結が伝えられ、国内でも浜岡・上関の見直しが浮上している。放射能の不安に、エネルギー政策の見直しは必至だ。だが、その検討は、原子力からの転換を含む政治主導が必要で、その場凌ぎの糊塗策に終わらせてはならない。 

 この事故で、原発の安全神話は、大きく信頼を失った。使用済み核燃料の処理、石棺を含め廃炉・閉鎖技術も、未解決な課題が多い。その根底には、技術文明に疑いを持たない利便と効率の追求がある。加えて、政財界主導の集権体制が生み出した一極集中の首都圏と、地方の過疎という表裏の歪みがあるのだ。

 地震列島の原発は、エネルギー政策を見直し、長期的には原子力発電を廃止し、小水力・バイオなど自然力の利用優先に転換が必要である。それは、地域資源や住民の仕事や暮らしを、活かし・つなぐ地域循環を構築し、地域経済・社会の再生を土台に、日本全体を再生させるだろう。

<政災> 

 小沢一郎は、また「この度の災害は、現在も被害の実態が把握できないほどであり、戦後の荒廃期に匹敵するほどの危機的状況ともいえます。私たち日本国民は有史以来、幾多の国難を乗り越えてきました。この事態にあたり、今こそ私たちは、その勇気と英知を結集して、この危機を乗り切らなければなりません。」と述べている。

 さらに国民新党の亀井代表は、菅首相に対し、「災害対策本部には各党から参画させ、挙国体制をつくることなど、四項目を申し入れた。

 だが政府・東電・与野党・マスコミの災害対応は、原発事故の連鎖・深刻化と不安の抑制が表裏で、客観的な情報の公開、最悪の状況が明示されず、後手後手に回って迷走した。原発電源の回復・注水冷却の緊急対策に加え、そこに欠けていたのは、放射物質汚染データの公開、最悪事態に備えた避難計画の明示ではないだろうか。

 飯田哲也は、福島原発事故について、次の三つを指摘した。一つは、電源や冷却装置の復旧は、「カーターマジック」(幸運)を祈るだけである。二つは、圧力容器・格納施設の破損による、最悪懸念の水蒸気爆発、再臨界のシュミレーションを行い、避難計画を明示することだ。三つは、災害対応の経済財政政策であると。

 政府の待避地域は、3キロ、10キロ、20キロ、30キロと拡大し、駐日米国大使は80キロを指示し、外国人の国外退去もあった。そして被災地域の住民は、自発的な待避を始め、自治体の長は、政府と住民の狭間で立ち往生した。

 そこには、口蹄疫の宮崎県知事が、政府と住民農家の狭間で、苦慮した情景が思い起こされる。原発事故への対応、計画停電、待避や支援の組織体制に不可欠だったのは、政府・東電主導のトップダウンではなく、国民・住民・地域の智恵と力を結集するボトムアップなのだ。

 東日本大震災・福島原発事故の影響で、被害予想12.7兆円、GDPを0.4 %引き下げが報じられている(世銀〜19兆円)。そして産業界の生産規模の縮小、西日本への生産拠点の移動、自動車・鉄鋼の海外移転加速、電機の脱原発事業改革、エネルギー政策の見直しも予想されている。

 これまでTPPで第三の開国が言われ、政府・多国籍企業は新成長戦略で、原子力発電を含むインフラ輸出を推進してきた。また社会保障と税の一体改革も、震災・原発事故の影響が産業・社会全体に及び、共に新たな視点への転換が必要となる。

 即ち、今度の大震災と原発事故は、従来の外需依存・海外生産指向経済と、内需再構築・国内産業の立地と技術・市場構造変革という、政策路線の選択を必要とし、日本の命運を決めるのだ。それ故、迷走する政災の打開には、この政治的な路線選択に、国民が広く参加する論議の場が不可欠である。  

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コメント
 
01. 2011年3月22日 20:29:36: pfY10pKoDc
歴史の偶然

細川内閣→自社さ政権・村山内閣→阪神淡路大震災

鳩山内閣→管内閣→東日本大震災

もはやエネルギー政策の転換は必至。

天変地異は人々の心の共振現象が引き金になるのか、それとも逆に地球の周期的な動きが人々の心の不満や鬱積感、やるせなさを増大させ共振させるのか?

とにもかくにも、有史以来の善政が求められる事態だ。


02. 蒲田の富士山 2011年3月22日 21:26:20: OoIP2Z8mrhxx6 : fIb6apMWAQ
私は十年ちょっと前、池袋に住んでいて、そこで東京新聞を取っていて、阪神淡路大震災があり、印象に残った記事(とゆうか、写真)がある。
ひとつは、夜明け前なのに西の空が朝焼けしているのを、確かタクシーの運転手が写真に撮ったもの、かなり紙面をさいて、大きなものだった。
もうひとつは、一人の女性がたたずんでいる写真。
母親が、つぶれた家に取り残されたのだが、助ける事が出来なかった。
地震のあとに、火事になってしまったらしい。
その跡に、たたずんでいる写真。
かなり紙面をさいて、大きなものだった。
できれば、こんな紙面は見たくない。
見たくはなかったが。

03. 蒲田の富士山 2011年3月24日 20:15:13: OoIP2Z8mrhxx6 : 31Vt9XRzOs
上記コメントで、
「たたずんでいる」の表現は、最適だろうか?
私は、一応日本人なのだが、ボキャ貧に悩まされる事がある。
たぶん、文章を書く時に数分考えて、これでいいとしたものだろうが。
おそらく、もっとましな言い方がある。
阿修羅道場では教えてくれないか・・・。

04. 彼岸楼 2011年3月25日 22:22:01: njbqC.Mf1PyZ2 : p3sGkh2IWE
 蒲田の富士山さん、はじめまして。
 後づけの、しかも全くの私見で恐縮ですが、情景の中の単なる一つの対象として完結させるのではなく、当該人物(女性)の心中にまで迫ろうとするような蒲田の富士山さんの心象風景を反映すべき表現としては、「たたずんでいる」よりも“立ち尽くしている”もしくは“じっと立ったままでいる”とする方がニュアンスが受け手に率直に伝わるかも知れません。
 以上です。

05. 彼岸楼 2011年3月26日 06:52:09: njbqC.Mf1PyZ2 : p3sGkh2IWE
 <追伸>

 手許の電子辞書には“立ち竦(すく)む”と云ったものも載っていました。これあたりも簡単に無視することができない迫真の表現に思います。
 何れにしても写真を実際に見ていませんので、果たして正鵠を射た回答になっているのかどうか心配なのですが、この辺でご容赦のほどを。
 また何かありましたら、次回は“雑談板”にてよろしくお願いいたします。


06. 蒲田の富士山 2011年3月26日 19:26:45: OoIP2Z8mrhxx6 : FbTXjStyIc
紙面では、おそらく、「立ち尽くしている」、だったかもしれません。
今日は、仕事で川崎に行ってましたもので、失礼いたしました。
東京新聞は、縮刷版がないのですよね。
ありがとうございます。
また、雑談版に投稿致します。



7. 2021年6月01日 22:43:30 : iFn8MDLkzI : MDE3MTROVWk5anc=[1076] 報告
125ベンガルヤマネコ(光) [US]2019/09/29(日) 08:34:31.90ID:2PvYn16h0
>>1

(^o^)見せてもらおうか、
偽本尊の毒薬の働きとやらを!
(論拠 「大白蓮華」第62号)

「今年は兵庫の年よ!常勝関西常勝関西ワー!」

グラグラグラー

その発言の翌日、神戸を阪神淡路大震災が襲った。
文字通り、その年は兵庫の年であった。

「おーイタリアさん、宗教協定結ぼう!」

協定発効の24日後、イタリアを大震災が襲った。


偽本尊交換会、初日次の日、その次の日に阪神淡路大震災。

「・・・謗法の法師一閻浮提に充満して諸天いかりをなし彗星(ほうきぼし)は一天にわたらせ大地は大波のごとくをどらむ・・・」日蓮上人
この言葉の現証が、大震災であった、ということか

h ttp://hayabusa9.5ch.net/test/read.cgi/news/1569711599/

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