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深層レポート 日本の政治(217) 菅政権は機能しているか? (フォーサイト) …これが本格記事(新世紀人) 
http://www.asyura2.com/11/senkyo111/msg/214.html
投稿者 新世紀人 日時 2011 年 4 月 06 日 08:36:34: uj2zhYZWUUp16
 

http://www.fsight.jp/article/10364?ar=1&page=0,0&ar=1

深層レポート 日本の政治(217)

菅政権は機能しているか?

2011/03/31

時計の針をいったん震災の日に戻そう。
 菅直人首相は3月11日朝、政権発足以来最大の危機を迎えていた。この日の朝日新聞朝刊が「菅首相に在日韓国人から違法献金の疑い」と大々的に報じたからだ。
 2月17日に民主党の1年生議員ら16人が会派離脱届提出による造反行動を起こして以降、松木謙公農林水産政務官の辞任、衆院愛知1区選出の佐藤夕子氏の離党、さらに、前原誠司外相の辞任という大問題が次々と菅首相を襲った。誰がどう見ても、政権は末期状態だった。そこに首相本人のスキャンダルが発覚した。政治資金規正法は外国人からの寄付を禁じている。当然、菅首相は退陣に追い込まれてもおかしくない状況だった。
 この日、国会議事堂本館3階西側にある参議院第1委員会室では午前8時55分に参院決算委員会が始まり、自民党の野上浩太郎、岡田直樹、岡田広の各氏が菅首相のこの問題を執拗に追及していた。午後2時半ごろ、ようやく自民党側の攻撃が一段落して、議題は子ども手当の是非に移った。
 とりあえず難を逃れた菅首相が安堵の表情を浮かべようやく落ち着きを取り戻した午後2時46分、東北・三陸沖を震源とする巨大な地震が国会議事堂をも揺さぶった。
 振動する窓、大きく揺れるシャンデリア。頭上を見上げながら机にすがる議員、壁際に寄り添う議員、叫ぶ者……。鶴保庸介決算委員長はやむを得ず、委員会を「暫時休憩」とすると宣言した。ほぼ同時刻、首相官邸から猛スピードで発進した首相専用車は数十秒後には国会議事堂にすべり込み、菅首相を拾った。菅首相は、その2分後には首相官邸執務室に駆け込んだのだった。

疑惑追及からは逃れたが…… 

 まるで疑惑追及から逃げ出すように、国会から去っていった菅首相だが、この日を境に、震災復旧・復興、原発放射能漏れという国家的規模の重大危機への対応を迫られることになった。だが、皮肉なことに、同じ危機でもまったく次元の異なる個人的なスキャンダルによる政権崩壊という危機からは脱することができたのだった。
 一方、地震発生当時、国会議事堂本館2階の民主党国会対策委員会事務局にいた安住淳国対委員長は廊下に飛び出し、大声で叫んだ。
「でかいぞ!」
 安住氏は衆院宮城5区選出。多くの犠牲者を出した石巻市が地盤である。部屋に戻り狼狽しながらも、食い入るようにテレビの地震速報をながめた。震源は東北地方! 片手で携帯電話を操作する。だが、親族につながらない。
「生きてるんだろうなあ」
 安住氏が両親の生存を確認したのは、その5日後のことだった。
 地震と津波、それに続く東京電力福島第1原子力発電所の爆発、放射能漏れへの対応で、首相官邸の不手際が続く中、一部の議員は個人的な救援活動を展開した。
 自民党の菅原一秀衆院議員は自ら2tトラックを運転し、瓦礫を避けながら岩手県陸前高田市の避難所を訪問、救援物資を届けた。菅原氏は22日に開かれた自民党緊急災害対策本部で現地の状況を「被災地は凄惨な状況だ。小高い丘に車が埋め込まれている。津波で流された車がまだ瓦礫に挟まっている。現状はそういうことだ」と報告。さらに、次のように付け加えた。
「陸前高田のプレハブでのことだが、人の列が……物資を求める列かと思った。だが、違った。死亡届の書類を出す列だった」
 菅原氏は石巻市で安住氏と偶然出会った。安住氏が力なくポツリとつぶやいた。
「高台から見ると、東京大空襲のようですよ」
 その安住氏は22日に東京に戻ると、首相官邸を訪ねた。そして、現場で聞いた人々の声を参考にして、菅首相に対して、復興を遅らせかねない行政の問題点をこう指摘した。
「自治体は役人の作った法律に右往左往させられている。細かな法律を突破していく力が今、必要だ」
 安住氏は被災現場で、放置された乗用車が道路をふさぎ、緊急車両が通れないが、車は私有財産なので片づけられない――などという声をさんざん聞かされ、法律上の制約を取っ払う必要性を感じたのだ。
 菅原氏の言う死亡届の列にしても、安住氏の言う車両撤去の話にしても、些細なことのように思えるが、現実の被災現場ではそういう問題ひとつひとつの解決が実は大事なのである。

http://www.fsight.jp/article/10364?ar=1&page=0,1&ar=1
「選挙の雰囲気ではない」 

 だが、こうしたことは、現場と政権中枢とのパイプが通じていなければなかなか伝わらない。23日に開かれた震災対策に関する政府と各政党との合同会議で、福島県須賀川市が地元である新党改革の荒井広幸幹事長は、避難所の惨状が東京では皮膚感覚としてなかなか理解してもらえないことにいらだちながら、こう嘆いた。
「あんたたちも2、3日、泊まれば分かる」
 一方、東北地方から遠い選挙区や比例代表の議員たちの中には、被災地支援もそこそこに、4月の統一地方選に向けて走り出した者もいた。だが、今回の地震の被害をまったく受けていない西日本選出の民主党中堅議員は震災から数日後、地元の秘書からこんなふうに忠告された。
「とてもじゃないけど、選挙をやる雰囲気じゃないですよ。義捐金のお願いならいいですけど、投票のお願いなんて……。演説会だってミニ集会だって、皆中止なんですよ」
 ある北陸地方選出の自民党若手議員は地震発生から数日たって地元入りした時に、後援者にこう言われた。
「ここにいないで東京に帰れ。皆、自民党に期待している」
 東京に戻って被災者救援、被災地復興などを立案、調整、そして実行するという政治家としての本来の任務を、与野党の枠を超えて果たしてこい、という意味だ。
 そうした中、首相官邸には、現場を見てきた議員らの報告や被災した自治体から窮状を訴える声が次々と届いた。だが、政府の対応は鈍かった。その原因のひとつは、政権中枢に位置する2人、菅首相と枝野幸男官房長官が原発対策だけに没頭しすぎていた点にある。被災地対策まであまり手が回らなかったのだ。

情報の真空地帯 

 地震が発生した11日の夜、政府は福島第1原発で放射能漏れの危険があると発表し、原子力緊急事態宣言を発令した。翌12日午後、原発1号機で突然、爆発。その後、2〜4号機も爆発や火災を起こし、放射能漏れが現実のものとなった。
 この間、首相官邸の対応は混乱をきわめた。典型的だったのは、原子炉と燃料プールを冷却するための放水作業である。17日、政府が最初に試みたのが自衛隊ヘリによる上空からの放水。だが、霧状になった水は原発冷却に効果があるようには見えなかった。次に警視庁、自衛隊、東京消防庁が順次投入され放水は徐々に効果を上げ始めた。22日に切り札として登場したのが生コン圧送機である。工事現場で高所から生コンクリートを流し込むために使用する装置で、これなら原子炉やプールを狙ってピンポイントで水をかけたり、注入したりすることができる。
 この圧送機による放水を最初に提案したのは公明党だった。18日に圧送機メーカーから「圧送機が放水に使える」との情報が伝えられ、ただちに首相官邸に連絡し、瀧野欣彌官房副長官に資料を渡した。冷却作業に四苦八苦していた首相官邸はすぐにこの案に飛びつき、19日朝、圧送機は横浜から現地に向けて出発。22日から放水作業が始まった。現時点で、かなりの効果を上げているとみられている。
 圧送機投入は公明党のお手柄だったわけだが、当の公明党幹部は少し首をかしげて、こう言っている。
「こういう圧送機が国内に存在していることは、建設現場に詳しい国土交通省ならば絶対に知っていたはずだ」
 しかも、公明党が首相官邸に提案するよりも随分前の段階で、インターネット上では、生コン圧送機が有効であることが指摘されていたのだ。
 官僚たちが知っていたのに官邸に伝えなかったとすれば、職務怠慢である。ただ、これまで付け焼き刃の「政治主導」を唱え、官僚たちとの信頼関係を築いてこなかった民主党政権側にも問題がある。また、ネット上でいくらでも流れていた圧送機の話に本当に気がつかなかったとすれば、今の首相官邸は情報の真空地帯にいることになる。これは国家の危機管理上恐るべきことである。

「救国内閣」を視野に入れよ 

 こうした事態に苦悩を深めた菅首相は、事務次官会議を事実上復活させた。これは民主党が政権の座に就いた際に、「政治主導」の名のもとに廃止した会議である。ようやく官僚の知恵を使わねば、この危機を克服できないと思い至ったのかもしれない。また、苦し紛れに自民党に連立を打診したほか、次から次へと有識者を首相官邸に呼び込み、その一部の人材は内閣官房参与として登用した。
 しかし、多くのマスコミが指摘しているように、すでに菅首相は限界ぎりぎりの状態である。東京電力本店に直接乗り込んだほか、原子力安全委員会の班目春樹委員長を呼び出して叱責したり、首相周辺によれば、閣僚や官僚を怒鳴りつけたりしているのだという。これでは、危機にあたって冷静で的確な対応など、望むべくもない。
 こうした菅首相の言行に対しては、野党の自民党からさえ、「私どもは、むしろ菅首相しっかりせよ、と言うことが今一番必要なのではないかと思っている」(小池百合子総務会長)と心配する声が上がっている。
 もはや、今回の国家的危機への対応は菅首相の能力を超えている。菅首相には早々に退いてもらい、国民新党の亀井静香代表が提唱しているような与野党を幅広く糾合した「救国内閣」を樹立して、国難を乗り切る――そのための方法を考え始めなければならないのかもしれない。


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コメント
 
01. 2011年4月06日 11:45:53: 78IL90wTo6
「気違いに刃物」というが、「精神異常者に権力を持たせた」事が、この国の「大災害後の大混乱」を招いている。

02. 日高見連邦共和国 2011年4月06日 23:54:35: ZtjAE5Qu8buIw : QU6BwGaBvk
”菅”機能を含め、多臓器不全状態です・・・

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