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日本・無責任体制は律令制度そのものに内在した (uedam掲示板)
http://www.asyura2.com/11/senkyo115/msg/213.html
投稿者 五月晴郎 日時 2011 年 6 月 16 日 13:44:25: ulZUCBWYQe7Lk
 

(回答先: 「経産省には≪擦り合わせ方式≫という時代遅れでしかない金科玉条の価値観がある」 by 古賀茂明(uedam掲示板) 投稿者 五月晴郎 日時 2011 年 6 月 16 日 13:40:55)

http://8706.teacup.com/uedam/bbs/10369
uedam.com.」の掲示板から掲題を転載投稿します。

=転載開始=

投稿者:ウエダ 投稿日:2011年 6月16日(木)07時58分30秒

おはようございます、皆さん、植田です。

 古賀茂明氏の『日本中枢の崩壊』から。
 2点。

 1 第7章 「役人ーその困った生態」

 昨日、官僚の皆さんは今や登庁したら寝ていた方が日本社会に貢献する時代に入った、と書いたのですが、経産省の場合は、寝ていた方がいい、というより、そもそもこういう省が必要なのか、という印象を受けました。
 古賀氏は20のポストを体験したようです。
 それらのめぼしいものを振り返っていますが、私の印象では、全部民間でできるものばかりではないか、と。
 そもそも経済活動が諸個人の自由な自発的な意志・意欲で行われるものだとしたら、経産省官僚の出番がどこにあるのか?

 というわけで、ここから実に簡単な結論が出てきます。
 経産省という省が存在すること自体が、日本社会は律令体制なのである、と。
 本来、諸個人たちが形成し、推進すべき経済活動でさえ、官僚の介入を待たずには成り立たない社会、それが律令社会である、と。

 古賀氏が取り上げている具体例。
 ガソリンスタンドのセルフ給油の解禁。
 独禁法改正。

 2 日本・無責任体制の原因は、霞が関官僚主導の結果である。

 「ビジネスに関する目利き能力という点では、日本政府ははっきりいって幼稚園以下である。
 NTTの株式売却収入などを原資にして3000億円近く資金を、経産省がベンチャー支援と称してあまたの企業に出資したことがある。結果がどうなったかー。還って来たのはわずかに5%。なんと2千数百億円がドブに捨てられたも同然、大損失を出したのである。運営したのは天下り法人。それに対して誰ひとり責任を取っていない。」p.287

 小出裕章氏によれば、原子力行政は過去、誰ひとりとして事故の責任を取ったことはない、と指摘しています。JOCの事故にせよ、何にせよ。だから原子力の無責任さは特別にひどい、と繰り返し指摘していますが、いや、それが律令制度の常態です。
 律令制度そのものが「官僚無責任」の上に成り立っている、と

 「日本無責任体制」を初めて指摘し、解明したのは丸山真男でした。
 彼の場合は、「あの戦争」が素材でした。
 そこでは天皇がいました。
 ゆえに、丸山氏は、天皇問題にこだわってしまい、律令制度そのものが「無責任」を土台にして回転しているという洞察まで行きませんでした。

 私たちは、今や、律令制度が続く限り、官僚の無責任は永遠に続く、と断定しましょう。
 このように認識すれば、それでも手の打ちようがある、と。

 で、手を打つために2009年8月に「政権交代」となったわけですが、民主党政権はどこで失敗したか?
 古賀氏の判断では、民主党は政権を運営することの準備・覚悟ができていなかった、と。「マニフェスト」の内容がすでにいい加減だった、と述べています。
 だから、その甘さが、結果的に、官僚依存になってしまった、と。

 では、私たちは民主党を見限って、自民党政権を再現すべきなのか?
 というと、イタリアの国民投票の結果を見て、「集団ヒステリー」と反応するような幹事長の党が権力を握るなんてことは、とんでもない、となります。
 石原伸晃氏は、自民党の政治家としてはまっとうな発言をしました。人間としては、正気を失いました。

 福島原発事故から3か月。まだ原発を推進しようという発想は、どうすればできるのか?
 答え。自分の世界を利権集団だけで固めることによって。
 ネガティブな面は、見ない(存在しない)。
 というわけで、思うに、石原氏の周囲には、原発利権集団が群がっていると推測されます。

 要するに、私たちは、1300年続いている不比等戦略から抜け出すには、まだまだ政治のダッチロールを続けるしかありません。
 3.11以後は、放射能汚染の中で。
 小出氏によれば、「今は戦争状態にあると心得よ」です。
 今は、国民の生命と財産が危険の真只中にある緊急事態である、と。
 すでに発生した犠牲を補償するには、東電が何度も倒産しても足りず、日本政府も倒産する。

 それを回避するには、安全基準をちょいと引き上げればいい。
 そして日本人を病気にし、死に追いやればいい。
 それで、問題は解決。
 (ジェントルマンの小出氏は、ここまでストレートには言っていません。)

=転載終了=  

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