溶けた核燃料が、圧力容器の底を破り、格納容器から敷地にめり込み、地下へ沈みつつある。一刻も早く地下ダムを築き、汚染水の海洋流出を食い止めねばならない、との指摘がある。

こうした中で、元エンジニアたちが、事故収束のシニア隊を結成した。この呼びかけでは、汚染された環境下で、一時凌ぎではない冷温安定を掲げている。

　そこでは、数多くの技術的課題があり、日本の頭脳を結集した体制ができていないことを指摘し、さらに有能な作業者が必要だとしている。東電も、地下ダム計画文書の作成を認め、政府と東電は、この訴えを受け入れ検討している。

　だが、溶融した核燃料の所在が不透明な中で、どのような循環サイクルが必要なのだろうか。そのために、国を挙げた英知の結集が望まれる。シニア隊を、使い捨てにしてはならない。事故の収束は、東電任せと二枚看板の政府という、原子力ムラの変革無しには実現できないのだ。
　

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