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[月刊日本7月号]解散・総選挙を恐れる輩に政治家の資格なし ─存在論的政治家論─文芸批評家山崎行太郎
http://www.asyura2.com/11/senkyo115/msg/535.html
投稿者 元引籠り 日時 2011 年 6 月 23 日 00:36:12: dkOnWN./sADdA
 

山崎行太郎(やまざき・こうたろう)
1947年鹿児島生まれ。慶應義塾大学哲学科卒業。同大学院修了。東工大、埼玉大学を経て、現在、日大芸術学部講師。著書に『小林秀雄とベルグソン』(彩流社)、『小説三島由紀夫事件』(四谷ラウンド)。

政治家が政治家でなくなった

―― 政治の劣化に対し、国民の間にはもはや諦めの感情すら流れているようだ。なぜこのような政治空白状況が生み出されたのか。

山崎: まず私は、政治家という存在をそれなりに高く評価し、ある意味では尊敬すべき、畏怖すべき存在だと思っている。そういう前提で話をしたい。だから「政治家に物申す」とか「政治家を叱る」とかいう類の、上から目線の政治家への批判のスタイルには反対だ。
 政治家は「選挙」という、生きるか死ぬかの命がけの実存的選択と洗礼を受けている。衆議院の場合、少なくとも四年目には次の選挙がある。現役有利とはいえ、そこで落選、失職するものは少なくない。政治家は落選すればタダの人になる。つまり生き残るのはそんなに多くない。一歩間違えば、一家離散や自殺、銃殺というような地獄が待ち構えている。政治家とは、多かれ少なかれ、安定した地位や職業、生活をすてて、選挙に名乗りをあげる、一種のギャンブラーだ。総理大臣にもなれるかもしれないが、コジキにも落ちぶれるかもしれない。政治家は職業としてみれば、決して楽な、安定した職業ではない。それなりに安定した職業であるサラリーマンや公務員、あるいはジャーナリストや評論家とは異なる。私の考えでは、政治家という存在は、存在論的に突き詰めて考えれば、畏怖すべき存在だ。
 さて、最近の日本の政治家について言うならば、政治家そのものの質が低下している。必然的に政治も劣化したということだ。
 その原因はいろいろあるだろうが、政治家が選挙を恐れて、解散総選挙から逃げ回るようになったことが大きい。つまり政治家が政治家でなくなったことが大きい。国会議員の質が低下したのは、代表する者(政治家)と代表される者(国民)との間に乖離が生じたためだ。すなわち、現在の国会議員は、有権者・国民の声を吸い上げ、代弁・代行するという存在ではなくなっている。議員たちは漠然と「国民の代表」ということになっているが、実のところ、誰の代表でもなくなっている。政治家は選挙民や国民を見ていない。


問題の根源は郵政選挙にある

山崎: この現象は、実は民主党政権下において初めて生じたものではなく、小泉政権下の郵政解散にその根源がある。政治家はそれぞれの地域、利益団体の利害を代表して選挙に臨むというのが代表民主制の基本だ。ところが、郵政解散においては郵政民営化というただ一つの争点で衆議院選挙を行った。たいした選挙運動もしないままに当選してしまったという政治家も少なくなかった。
つまり郵政民営化に賛成というだけで当選したのが小泉チルドレンだった。小泉チルドレンというのは、本会議で郵政民営化に賛成票を投じるためだけに選ばれた国会議員であり、有権者の様々な思いや要求を代表してはいなかった。誰の代表でもなかったのだ。彼らが解散総選挙を恐れるのは当然だろう。
国会議員というのは、その身分を維持しているだけで年間約一億円の収入がある。郵政民営化を達成してしまえば、チルドレンの役目は終わり、あとは「余生」を過ごすだけだ。バッジを胸につけてごろごろしていれば黙っていても年一億の収入がある。現代の生涯平均年収が二億円強だというから、四年間任期を全うできれば、一生分以上の蓄えができる。これほど楽でおいしい仕事はない。彼らの全精力は、いかに任期ギリギリまで議員でいられるか、すなわち、いかにして解散総選挙を回避するかということに集中する。このため、党執行部の命ずるままに党の政策に賛成票を投じるだけの、政治家としての意志のない賛成票投票マシーンと化した。
地盤もなく、確固とした後援会も持たないのに政治家になってしまった議員は、次の選挙では負けることが分かっている。だから、いかに衆参でねじれが生じようが、全力で解散総選挙を遅らせようとする。自民党末期、麻生政権下ですぐに行われるはずだった解散がずるずると引き伸ばされたのは、こうしたチルドレンたちが一日でも長く議席にとどまり、一銭でも多く稼ごうとあがいた結果だ。
有権者にしてみれば、郵政については信任を与えたとはいえ、そのほかの政策について全権委任したという意識はない。ところが自民党は、衆議院の優越を濫用して、次々に国民の理解を得られていない政策を押し通していった。こうして、政治不信というよりも、政治への諦めが生まれたのだ。
民主党への政権交代も、郵政解散とまったく同じ構造だった。「政権交代」だけが問題であり、「政権交代」への賛成反対投票が行われ、その結果、小泉チルドレンの代わりに小沢チルドレンが生まれ、やはり彼らもまた、誰の代表でもない、からっぽの政治家だ。しかも政権交代を実現した時点で、彼らはその目的を達成した。いわば、衆議院議員として誕生したと同時にその存在意義を失ったのだ。
この後、自民党時代とまったく同じことが繰り返されている。すなわち、次の選挙で落選が確実であると身にしみて理解している議員たちは、一日でも長く議席にとどまり、蓄財に励もうとしているわけだ。そしてそのためには党執行部に刃向かうなどとんでもない、唯々諾々と党の決定に従うだけなのだ。
党内で権力闘争が起きれば、不安気にどちらにつけば自分の命が助かるか様子を伺い、優勢な陣営に雪崩を打って馳せ参じて門前市をなすがごとき有様だ。職業政治家といえば聞こえはいいが、正確に言えばアルバイト政治家だ。本会議場で起立するだけの簡単なお仕事で、しかもその報酬は日給30万円というわけだ。
念の為に言っておくが、国会議員の報酬が高い、という問題を話しているのではない。むしろ、真面目に政治活動をしていれば年一億でも足りないぐらいだろう。「井戸塀」という言葉があるように、真剣に政治を志せば財産などあっというまになくなり、井戸と塀ぐらいしか残らないものなのだ。問題は、次の選挙で落選することを受け入れている、政治家としての目標を持たない、ニヒリズムの政治家というものが生まれたことにある。

以下全文は本誌7月号をご覧ください
http://www.gekkan-nippon.com/

小生の政治論文「存在論的政治家論」(「選挙を恐れる輩に政治家の資格なし」)が、「月刊日本」七月号に、巻頭論文として掲載されています。是非、御一読を。
http://d.hatena.ne.jp/dokuhebiniki/20110622/1308703586


今、宇都宮行き新幹線。今日も、一日中、ドストエフスキーを読む。ところで、昨日発売の「月刊日本」七月号に、巻頭論文として小生の「存在論的政治家論」(「選挙を恐れる輩に政治家の資格なし」)が掲載されています。是非、「月刊日本」の御一読を。今、読むに値する論壇雑誌は「月刊日本」だけだ。僕は、「存在論的政治家論」で、ドストエフスキー、ハイデガー、小林秀雄、本居宣長、藤原定家などを取り上げたり、引用したりしている。ドストエフスキーからは「カラマーゾフの兄弟」のなかの、「大審問官」の直前に出てくる話で、「リシャール」という凶悪犯が、「善意の大合唱」に包まれて、処刑される話を取り上げている。悪の限りを尽くしてきた犯罪者・リシャールは、獄中で、神父や善良な支援者たちの教えや説得のお陰で、信仰に目覚め、過去の犯罪を悔い改めたために、一躍、世の善人どものヒーローとなる。そして善人どもが、 「他人の不幸」をダシに、「善意の押し売りゴッコ」に歓喜するなかで、つまり「神に召される」という宗教美談の粧いを凝らした形でギロチン台で、処刑される。この話は、美談の粧いを凝らしてはいるが、何かがおかしい。明らかにイワンは、つまりドストエフスキーは、この話の中に、世の善人どもの「自己欺瞞劇場」を見出し、それを曝露している。東北大震災に対する国民総動員の「善意の押し売りゴッコ」の構造とよく似ている。野次馬や傍観者どもは「頑張ろう、日本」の合唱で自己満足している。この善意の大合唱に隠蔽されている自己欺瞞の構造を暴き出すことこそ、思想家や文学者の勤めではないのか?(続く)  

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コメント
 
01. 2011年6月23日 00:49:08: ywXobU4ssA
小選挙区制になってから 議員がサラリーマン化して
組織にがんじがらめにくみこまれている 
ひとたび執行部に反旗を翻すと 次回の選挙で公認されなかったり
刺客をおくられたりする ひどい状況だ

若くて力の無い連中は ただただ執行部に盲目的に従うしかない

やはり二大政党制は無理があるような気がしますが、それを推し進めたのは
誰だったでしょうか?


02. 2011年6月23日 02:19:58: 1G6zn3A3Ks
解散は必要なし。
民主党の主たる使命は、2013年任期満了までの間、
国民との契約であるマニフェストを履行することだ。

結局、民主党はマニフェストの骨格部分を時間がかかっても
忠実に進める以外価値はない。

できないやる意志もないやつに総理・執行部をさせる意味はゼロ。
マニフェストを実現する意欲をもった総理・執行部に替えるべき。

これは民主にとっても日本にとっても これは震災も含むもっと大きな話である。


03. 2011年6月23日 02:52:41: rWmc8odQao
「自己欺瞞の構造を暴き出すことこそ、思想家や文学者の勤めではないのか?」

(続き)が楽しみですが…山崎氏は本当に「保守」なのだろうか?
「共通善」のようなものも欺瞞があるとして受け付けないなら、リベラルに「権利(人権)」を保障するしかないのでは?

ただ、政治家観については賛成いたします。
「アルバイト政治家だ。本会議場で起立するだけの簡単なお仕事で、しかもその報酬は日給30万円というわけだ。」
解決策は、報酬を極端に落とせばいいのです。そうすればアルバイト政治家はいなくなります。


04. 2011年6月23日 08:19:55: QJMTmEtmds
基本的に解散によって国民の信を問うというのが常道であるが、菅は手当たり次第に「人気取り」で「任期取り」を策している。選挙となれば、彼のペテンが発揮されるだろう。国民は「どうしてこんなやつを選んでしまったのか」と悔悟の念を持つことになる。何度と行われているペテンにも、「今度こそ本物と信じたい」とまた騙されていくのが、目に見えるようだ。心変わりが本物かどうかは、まずは彼自身が立場を離れることで明確になる。

この時期についての選挙については、選挙人名簿が失われた被災地では実施不能だろう。また、選挙に要する多額の費用と長期にわたる選挙運動・政治の停滞を考えると当然やるべきではない。しかし、菅なら甘言を弄して選挙を実施するかもしれない。そんな首相を衆議院議員は選んでしまった責任がある。


05. 2011年6月23日 11:30:30: 0P0AEZSaFI
選挙を恐れる政治家も原因として大きいですが、私はやはりオリジナルの民主党の不誠実な連中が、この政治の劣化を決定的なものにしているのではないかと今は思ってます。郵政選挙で自民を批判した民主党はかなり詳細な公約を掲げて政権を獲得したにもかかわらず、その公約を次々と破り恥じ入るところが微塵もない。もうこうなりますと劣化というようなレベルではなく、ただの詐欺集団といった方がいいのかも知れませんけど。

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