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日本人の多くは、「情報処理型の授業は時代遅れだ」と気付いている。気付いていないのは、官僚とバカな政治家だけ。 藤原和博
http://www.asyura2.com/11/senkyo115/msg/850.html
投稿者 TORA 日時 2011 年 7 月 01 日 12:32:06: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu243.html
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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日本人の多くは、「情報処理型の授業は時代遅れだ」と気付いている。
それに気付いていないのは、官僚とバカな政治家だけ。 藤原和博

2011年7月1日 金曜日

◆日本を覆う「正解主義」と「エセ平等」の呪縛から脱却せよ――藤原和博・東京学芸大学客員教授
http://www.toyokeizai.net/business/interview/detail/AC/c438c39dffb09541a378dbac28fb7738/page/1/


――具体的に、学校のカリキュラムをどう変えるべきでしょうか。

 小学生の間は詰め込み中心で記憶力を鍛える形でいい。百ます計算も音読暗唱も100%賛成。小学校のうちは頭の回転、速さを競えばいい。

 しかし、中学校からは頭の柔らかさを育てる必要がある。ディベート、ロールプレイ、ブレインストーミング、プレゼンなどを繰り返して、自分の意見をきっちり表現するための教育をしなければならない。小学校で1、2割、中学校で2、3割、高校では5割を、情報編集力を鍛える教育に当てるべき。

 授業は、「思考力・判断力・表現力」を高められるような内容にする。たとえば、生徒に「原子力を推進すべきか?自然エネルギーを推進すべきか?」をテーマにディスカッションさせれば、互いに価値の葛藤が起きる。そうした経験を通じて、自分の意見をきっちりと表現し、人を説得していく能力が磨かれていく。

日本人の場合、意見を言っただけで、相手の人格まで否定しているかのように誤解されることが多い。それがまさに「2ちゃんねる」で起きていること。だから、「意見を言うことと人格を叩くことは別」だと認識し、人の人格を傷つけずに意見を言うマナーを学習しないといけない。そうでないと、とてもグローバルエリートへの第一歩が踏み出せない。

 大学教育については、100%を情報編集型にすべき。そもそも、海外の大学というのは、情報の編集を学びにいくところであって、暗記はやらない。「サンデル教授の白熱授業」をみればわかるが、授業中は「情報の編集」に集中できるよう、授業前に「情報の処理」を済ませている。事前に教授が「この10冊の本を読んでこい」と指示し、生徒はそれを読んできている。

 ただし、全部の資料を読みこなすのは無理なので、10冊のうちどれが本質的かをかぎ分けることが大事になる。そうした能力は、トレーニングを積むにつれて自然とついてくる。

 サンデル教授がこれだけ人気になるということは、日本人の多くは、「情報処理型の授業は時代遅れだ」と気付いている。それに気付いていないのは、官僚とバカな政治家だけ。

(中略)

 もうひとつ、日本人のマインドを変えるために大事なのが、大学生の就職活動。

 日本の人気企業ランキングをみると、すっかり保守化してしまって、上位10社に財閥系がずらっと並んでいる。これは、「正解主義」教育の行き着いた果てだと思う。今の時代に、外資系やユニクロ、楽天などベンチャー系の企業が入ってこないのはどうなのか。

 アメリカの人気企業ランキングを見ると、上位にアップル、ウォルト・ディズニーが並んで、1位はグーグル。ただ面白いことに、10社の中に、ピース・コープ(アフリカや南米などで英語や技術の指導を行う団体)とティーチ・フォー・アメリカ(学部卒業生を国内各地の学校に2年間教師として派遣する団体)という、2つのNGOが入っている。

 ハーバード、スタンフォード、MITの生徒たちが、最初にそういうキャリアを歩もうとするのは日本と大違い。これこそがアメリカの底堅さだと思う。アメリカは本当にしょうもない部分もあるが、多様性という点ではすごい。

 まず日本では、三菱商事、トヨタといった人気企業が、クリエイティブで「情報編集力」を駆使した入社試験をやってくれるといい。そして面接では、知識ではなく、「情報編集力」の基盤となる経験とか知恵とか技術を問うようにする。学生側は、自分が突き詰めてきた分野の話をしてもいいし、ボランティア経験を話してもいい。

 イギリスでは、私が滞在した20年前の時点ですでに、オックスフォードを卒業しても、すぐに大手企業に就職するのは難しかった。だから学生の多くは、履歴書に書く経験を増やすためにも、たとえば、「2年間国境なき医師団に参加して、アフリカの奥地で難病の人を助ける」といった活動をしていた。日本も絶対そうならざるを得ないと思う。(後略)


(私のコメント)

日本の政治家や官僚がバカなのは、時代に合わない教育体制で優秀な成績をとった人たちがなっているからであり、日本が壁に突き当たっている時代では記憶力重視型の教育システムは機能しない。記憶力重視型とは情報処理型の教育のことであり、本を読んでそれを丸暗記すればいい成績が取れる。しかし壁に突き当たった時代ではそれでは役に立たない。

テレビなどでは、サンデル教授の白熱教室が話題ですが、教授との討論形式の授業が行なわれている。日本の教育ではこのような討論形式の教育がほとんど行なわれていない。討論そのものを学ぶことすら満足ではない。つまり自分の意見を言う機会はほとんどなく先生の言うことを覚えるだけの教育が行なわれているのではないだろうか?

2ちゃんねるを見ればわかるように、「バカ」とか「氏ね」とかいった罵声が飛び交い、冷静な討論を行なうことが不可能だ。バカと言うのならどこが間違っているか正確に指摘すべきであり、論拠を出して照明する必要がある。しかし実際に行なわれているのは中身のないレッテル張りや決め付けばかりだ。彼らと討論しても無意味であり、相手にしないほうがいい。

サンデル教授のように討論形式の授業を行なうためには、課題となる本を読むのは当たり前であり、読まずに討論に参加しようとすると「バカ」とか「氏ね」とかいった感情的な討論になってしまう。「株式日記」でも課題となる問題点を書いているのですが、それに対する反応はなく、関係のないことばかり書き込んでくる。あるいは一方的に決め付けて批判してくる。

藤原氏の記事にもあるように、「原子力推進か。自然エネルギーか」といった議題でも、かなり勉強してこないと討論になりませんが、何冊もの本を読んで自分なりの意見をまとめないと討論にならない。何が良くて何が悪いのか資料をあげて説明できなければ反論のしようがない。原子力推進でも様々な意見があり、自然エネルギーにも様々な欠点がある。

日本の原子力政策が冷静な議論もされることなく推進されてきたのは、経済産業省や東京電力の幹部たちの狭量さであり、記憶力重視型のエリート幹部は反論に耳を傾けようとはしない。むしろ反論するものを抹殺して自分の意見を通そうとする。東京電力の株主総会でも勝俣会長は数の論理で押し切ってしまいましたが、そのような態度が原発事故の元になることが分からないようだ。

欧米の大学では多くの本を読ませますが、日本の大学では本を読んでも無駄であり、アルバイトばかりしていて大学にはテストの時しか出てこない。情報処理型の授業など役に立たないと見限っているからですが、それでは時間と費用の無駄だろう。情報編集型の訓練をしていないから、どれが重要な情報かを見分けることが出来ない。

日本の大学では、かつて大衆団交として大学教授を教壇に閉じ込めてつるし上げることが良く行われた。だから東大等では授業が閉鎖されて学生たちを追い出してしまった。それに対して三島由紀夫が東大に乗り込んで学生たちの大衆団交に応じました。日本の大学教授は卒業証書の発行人であり、それを金で売っているだけだ。

つまり日本では討論型の授業は難しいのではないだろうか。ネット上の議論なども2ちゃんねるのような、人の意見に対して茶化すような書き込みが多くて、まともな議論が出来ない。ブログなどもコメント欄が封鎖されているのも、議論の訓練が出来ていない証明にもなるだろう。

日本の大学生の多くが財閥系の大企業を希望しますが、これも「正解主義」が原因であると藤原氏は指摘してますが、思考能力のない大卒者は大企業でしか役に立たない。大企業なら記憶力だけでも何とかなるのでしょうが、ベンチャー企業だと独創性と創造性が問われる。逆に言えば独創性や創造性のある大卒者は大企業では爪弾きされてしまう。

記憶力重視型の大学では、大学を卒業して5年も経てば卒業証書の効力はなくなる。だから大学在学中から就職活動ばかりするような大学生になるのであり、独創性や想像性のある学生なら自分で起業するなりして就職を焦る必要がない。ビル・ゲイツもスティーブ・ジョブスもザッカーバーグも大学を中退して起業したのであり、日本の大学生は独創性も創造性もない。

日本の大卒者の就職内定率が最低を記録していますが、役に立たない大卒者を採用しても意味がないからだ。日本の大企業も壁に突き当たっていますが記憶力型の秀才では意味が無い。人とは全く違った視点を持つ人材を採用して壁を乗り越えなければなりませんが、日本の教育システムがそのようになっていない。

藤原氏が言っているように、日本の大学生も就職活動をするよりも、東北でボランティアをすべきであり、これからの日本はどうあるべきか東北の被災地で考えるべきだろう。それが出来るような学生でなければ企業に入っても役所に就職しても役に立たない。会社に就職する前に広い社会を知っていなければ社会常識が身につかなくなり、企業に飼われた籠の鳥になるだけだ。


 

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コメント
 
01. 2011年7月01日 13:05:19: eJcwQUA9aU
情報処理能力と情報編集能力の違いがよく分からない。情報処理能力の方が広い概念の様に思える。情報収集能力、情報整理能力、情報解析能力、・・・など全てを総称しているように思う。

02. 2011年7月01日 13:27:03: QXVaulDOhs
日本の教師は客観性が求められ、特に学習成績評価で主観的な評価は厳しく禁じられているのが普通である。しかし自分の意見を持たずに、つまり自分の「思考力・判断力・表現力」あるいは持たづにあるいは、自分の判断や表現を禁じられている状態で、どうやって子供たちにそれを身に着けさせることができるだろう。

日本の教師には本当の意味で作文の評価ができない。誤字脱字だとか、文法上の間違い、文章の字数が課題より少ないとか減点法的な評価はできる。起承転結などの構造を評価の対象には出来るかも知れない。しかし、本当の意味で良い作文の評価は教師には出来ない、してはいけないのである。きっと、文章としては正確で誤字脱字もなく、文章の構造は整っている官僚の作文、文章明瞭なれど意味不明みたいなのが作文では良い評価が付くだろう。

創造力の育成には自分の主張を文章にすることが素晴らしい訓練になる。これは小学生のうちから取り組むべき課題である。そのためには教師の主観的な評価を尊重する必要がある。しかしそんなことしたら父母からその教師は吊るしあげを食うかもしれない。また、入試では主観的な評価はさらに厳しく禁止されているから、素晴らしい作文を書く能力など無駄だと考える父母も多いだろう。

賢明な保護者なら主観的な評価を受ける、または主観的な評価に耐えることの大切さが十分わかっているだろう。またそれを教師に求めることが酷なことも分かっているだろう。おそらく親子の対話をとおして、また様々な環境のなかで育てられるのだろう。


03. 2011年7月01日 13:38:50: FUZTSVgW5w
無理無理。いくら教育評論家があれこれ空想を言っても、何も変わらない。

日本人は、優秀な「セーラー」になれても、「キャプテン」になれないことを自覚すべき。数千年の歴史がそうさせている。

とにかく、「原発」「各兵器」みたいな、ビッグで超危険なものは、羊の群れには扱えない。

だから、もたないようにすればよい。それだけだ。


04. 2011年7月01日 13:57:41: rWmc8odQao
「人の人格を傷つけずに意見を言うマナーを学習しないといけない。」

賛成です。その一つとして「二人称で意見を言うのをやめてください」とサンデル氏は指導していたと思います。
しかし世の中には「ハラスメント」をしかける輩がいて、いまだに「小沢信者」などと言ってる低脳もいるので、低脳には「キミは低脳だよ」とハラスメント返しをしてあげなくてはなりません。
つらい作業です。いやなことです。でも辻恵氏がおっしゃるとおり「やらないと政治が歪む」のです。
この「きちんとした議論」「ハラスメント返し」の二つは、どちらも社会を正常に保つための機能として切り分けて考える必要があると思います。


05. 2011年7月01日 23:56:31: Hrr2jC5VRw

この藤原って人、東大で、リクルートで、あの和田中で民間出身の校長で、
話題になった人ね〜

いまどきサンデル教授の方法ね。。

教育が、経済、政治を支配する側の重要な、第一級の政策であることを
知ってか、知らずか。。。

教育の主たる目的が、だいたいが経済界が必要とする労働力の育成であり、
支配する側とされる側を知らしめ、階級を分化させるためのものであることを
知らないのだろうか。。

多くの大衆労働者には、考えて欲しくないのだよ。
言われたことを、逆らわずに従う。それが重要な資質。

討論だなんて、幻想。

多くのことが、討論なんて関係無しに、一部の集団の意向で決まる。

支配層の手先になる中間管理階級の育成に、大学、大学院がある。

超支配階層は、一般の教育なんか受けない。


06. 2011年7月02日 11:59:17: WvhBCXjilo
進化論を否定して原始人と恐竜が同時に登場するマンガが全国放送され、
ディベートとやらの授業を重視している米国が豊かになったか?

読み書き計算がまともにできず、自然科学の基本を知らず、自分の住む土地を
中心とした地理・歴史や政治・経済のしくみがわからないで、社会活動に参加
するのは無理。

資源がなく平地も少ない日本では、地道に働いて「ガラパゴス」でも何でも
いいから外国人には真似できないような物を作って売るしかないんだよ。
そのためには、地道な勉強、大いに結構。


07. 2012年2月19日 15:52:24 : mZ22nnJL2g
>>6
そのガラパゴスの物が売れなくなってるのが問題なのであってだね

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