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国民が自ら「食」の安全管理ができる情報提供の徹底を 牛乳は混ぜることで基準値以下に?
http://www.asyura2.com/11/senkyo119/msg/265.html
投稿者 sci 日時 2011 年 9 月 08 日 13:17:13: 6WQSToHgoAVCQ
 

http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110902/222403/?ST=print
国民が自ら「食」の安全管理ができる情報提供の徹底を進めよ
中央省庁を増やすだけでは国民の命と安全は守れない

2011年9月8日 木曜日
高鳥毛 敏雄


 3月11日に発生した東日本大震災──。地震、津波という自然災害に原発事故という社会災害が重なり合う未曽有の事態は、これまで社会や企業が前提としてきた安全の常識を次々と覆した。3月11日を境にどのような常識が新たに形成されていくのか。それに応じて社会や企業活動の安全マネジメントをどう変えていかなければならないのか。

 このコラムでは、自然災害と事故などの社会災害の両方に精通した防災や危機管理のプロを育成する場として日本で初めて誕生した関西大学社会安全学部の教授陣が、社会や企業の安全マネジメントについての新たな考え方や具体策を講義していく。

今回のテーマは、「食の安全」。東京電力・福島第1原子力発電所の事故に伴う放射性物質の拡散によって、牛肉や米など食材の汚染が次々と明らかになり、食の安全に対する懸念が急速に高まっている。

 この未曾有の事態にどう対応すればいいのか。公衆衛生の現場に詳しい高鳥毛敏雄教授は情報の扱いにおける政府の姿勢転換を訴える。

(構成は、峯村創一=フリーライター)

 公衆衛生の概念は、もともと疾病や感染症などの危険から人々を守る環境を整備するために生まれた。日本はこの100年余りの間に、総力を挙げて衛生的な環境づくりを進めてきた。その結果、上下水道が完備され、食品や飲料水の安全性も保たれるようになり、衛生面では世界でも有数の国を造り上げた。

 そんな衛生の優等生が、今回、放射能汚染という非常に厄介で「非衛生」な問題に苦しめられることになろうとは、まるで醒めない悪夢を見ているようである。
放射能汚染を想定していなかったトレーサビリティー制度

 我々の食卓には日々、穀物、牛肉、豚肉、鶏肉、魚介類、野菜、牛乳、卵などなど、さまざまな食物が上っている。今、消費者がそのすべての産地を知りたいと思うのは当然だろう。

 生産者から流通を経て消費者に届くまでの経路を記録し、追跡可能にすることを「トレーサビリティー」と言う。現在の日本で、公的な制度としてトレーサビリティーが整備されているのは、実は牛肉と米だけである。

 牛肉のトレーサビリティーは、2001年に日本でも発生したBSE(牛海綿状脳症)への対策として生まれた。2004年から国産牛肉を個体識別番号で管理し、取引データを記録している。

 消費者が、牛肉の経路をたどるのは簡単だ。家畜改良センターのウェブサイトにアクセスして、購入したパックシールに印字されている番号を入力することで、生年月日、雌雄の別、母牛の個体識別番号、種別、飼養場所の履歴などの情報を入手できる。

 一方、米のトレーサビリティーは、残留農薬で汚染された「事故米」が食用として不正に転売されていたことが発覚した2008年の「米偽装問題」をきっかけに整備された。

 具体的には、2010年10月1日から業者間取引の記録の作成と保存が義務づけられており、さらに今年7月1日からは産地情報の伝達も義務化される。産地をパッケージに直接記載するか、ウェブサイトや電話で消費者に伝えるといった方法が取られる。

 ここで注意しなければならないのは、これらの制度が今、放射性物質に汚染された牛肉や米の産地などの確認に利用されているが、もともとは放射性物質による汚染を想定して作られたものではないことだ。だから、東日本大震災の発生に伴って東京電力・福島第1原子力発電所で放射能が漏出する事故が起きた直後には、放射性物質による汚染に関係した情報までは確認できなかった。

 牛肉については、7月に入って流通過程で国の暫定基準値を超す放射性セシウムが検出されたことに伴って、ようやく放射性物質による汚染の情報と突き合わせられるようになった。識別番号を入力すれば、放射性物質に汚染された稲わらを与えられて育った牛の肉かどうかを検索できる。

 さらに現状では、牛肉と米以外の食材については、自分が口にしているものの産地をたどろうとしても、国によって制度化された情報がない。消費者は小売店で表示を見て、それがJAS法に基づく正しいものであることを信じて買うしかない。
牛乳は混ぜることで基準値以下に薄めることも可能?

 牛乳については、そもそも産地の表示が義務づけられていない。通常、工場ではいろいろな産地のものを混ぜて、それを加工してバターやチーズなどを作っている。だから、どこのものとも言い難いのである。

 しかし、1986年のチェルノブイリ原子力発電所の事故が起きた後のソ連(現在のロシア)では、放射性物質に汚染されている牛乳と汚染されていない牛乳を混ぜるということをしていた。仮に、放射性物質に汚染された1リットルの牛乳に99リットルの汚染されていない牛乳を混ぜれば、100分の1に希釈され、基準値をクリアできるというわけだ。

 では、日本はどうだろうか。消費者庁が作成した「食品と放射能Q&A」には、牛乳の安全性を巡ってこのような一問一答が載っている。「クーラーステーション」とは、酪農家から集められた生乳を、工場へ送る途中で一時的に冷却し貯留する施設のことだ。

【牛乳・肉・卵の安全性】

問1 原乳は、農場単位でなくクーラーステーション単位で検査が行われています。これでは、暫定規制値を上回っているものとそうでないものが混合され、正しい検査にならないのでは。

答1.2.(略)

3、このように、酪農家が生産する原乳は、クーラーステーションに集められた後、原料として乳業工場に出荷され、個々の酪農家が生産した原乳をそのまま消費者が飲むわけではありません。

4、したがって、消費者に提供される牛乳・乳製品の安全性を確保するためには、個々の酪農家ごとではなく、クーラーステーション単位で放射性物質に関する検査を行っています。

 要約すれば、「もし、放射能汚染された牛乳が混ざっていても、消費者が飲む牛乳や乳製品は基準値以下だから、問題ありません」ということだろう。これについては理屈はそうであっても、心理的な抵抗を感じる国民が多いのではないだろうか。

 「どこかで汚染された原乳が混ざってしまったが、基準値以下です」という論理が、いつの間にか「汚染度の高い原乳は他のものと混ぜて、基準値以下に薄めています」にすり替わっていくのではないかという懸念である。もちろんあってはならないことだが、それを規制する法律がない以上、可能性がないとは言いきれない。

 このような政府の「食の安全」対する姿勢から、地震や津波に対する姿勢からとは正反対のシグナルを我々は受け取っている。

 地震や津波に対しては、少しでもリスクがあれば「避けよ」「逃げよ」というシグナルが発せられる。たとえ1000年に1度の地震でも、それを想定して活断層の上には家を建てるな。津波警報が出れば、一刻も早く高台へ避難せよ。それが、生命と財産を守るための最良の策であるというわけだ。

 一方、食品に対するシグナルは逆である。リスクはあるが、「基準値を下回っているので、食べてください」と言っている。地震や津波と同様、「国内産の食品は一切食べないで。全部海外から買って食べなさい」。こう言えないのは、そうすることが現実問題として無理だからだ。

 だから、「安全基準を作って、それに安全係数を掛けてさらに厳しくするから安心してください」「交通事故や喫煙の方がはるかにリスクがあります」と言って説得する。だが、国民はこのダブルスタンダードの矛盾に敏感にならざるを得ない。

 何より政府への不信を決定づけたのが、3月12日と同14日、福島第1原発で2度の水素爆発が起きた際、大量の放射性物質が大気中に拡散したという情報が周辺住民に全く伝えられなかったことである。

 政府はパニックを恐れて、放射性物質の大気中濃度や被曝線量などの情報を発表しなかったとも言われている。いずれにしても、国民の健康が第一であれば、このような「不作為」が許されるものではない。

 もし、放射性物質拡散の情報が伝えられていたなら、「自分には小さい子供がいるから、少しでもリスクを避けて遠方に避難しよう」などと、1人ひとりが取るべき行動を判断ができたはずである。ところが、周辺住民にその重要な機会は与えられなかった。

 これは理想論を振りかざしているのではない。現に、英国では医療分野において、国営の保健医療制度「ナショナル・ヘルス・サービス(NHS)」の一環として、国民が自ら判断することを支援するための情報提供サービス「ナショナル・ナレッジ・サービス(NKS)」を試行的に始めている。
英国の情報提供サービスの試行を見習え

 従来、適切な医療を判断することができたのは、学会誌を読み、専用のデータベースにアクセスできる医療従事者や大学の研究者、政府の役人に限られていた。NKSは、一般の国民も、これと同等に容易に情報へアクセスし、自分で判断できるシステムを構築しようというものだ。

 例えば医師からインターフェロン治療を勧められたガン患者が、NHSのウェブサイトで情報を得て、放射線治療を受けた方がいいのか、それとも外科手術を受けた方がいいのか、自分で判断して決めることができる。

 日本でも、主治医以外の意見を聞く「セカンドオピニオン」を求めるケースが増えつつあるが、NHSをそれをさらに一歩前に進めて、患者が自分自身で判断できるシステムを目指している。

 「そうは言っても、今回のような原発事故の場合、専門家でなければ、測定値などの1次データを見てその判断を下すのは難しいのではないか」という反論もあるだろう。しかし、我々国民は日々進化している。

 大学進学率が50%を超え、普通の人がIT(情報技術)を使いこなし、英語で書かれた海外の文献も読める。大半の人が、情報を見てある程度判断できる時代だ。もはや、限られたエリートが知識や情報を独占し、大衆がそれに従う時代ではない。

 かつて、たばこの箱に警告表示は存在しなかった。やがて、箱の側面に「健康のため吸いすぎに注意しましょう」と印字されるようになり、次は「あなたの健康を損なうおそれがありますので吸いすぎに注意しましょう」という直接的な表現に変わっていった。

 2005年以降は、パッケージの表裏に「喫煙は、あなたにとって肺がんの原因の一つとなります。疫学的な推計によると、喫煙者は肺がんにより死亡する危険性が非喫煙者に比べて約2倍から4倍高くなります」など、法律で定められたより具体的な文言を表示することが義務づけられた。

 この規制は国際条約である「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」によるものだが、その基底にあるのは喫煙者にリスクの詳細を知らせたうえで、どう行動するかは本人に任せるという自己決定の原理である。

 こうした大きな時代の流れは今後も変わらないだろう。食品についてもあらゆるリスク情報を開示することが必要である。そのうえで、例えば「ガンになるリスクがコンマ何%増える程度なら、3割安い食品を買って食べよう」など、消費者自身が判断できるようになるのが、あるべき姿のはずだ。
悲鳴を上げる地方の現場に予算と人員の増加を

 今回の大災害をきっかけに、普段はほとんど顧みられないような、地方の産業・生活に光が当たった。

 「中古でもいいから、漁船が1隻ほしい。船さえあればなんとかなるのだが」と、苦渋をにじませる宮古や気仙沼の漁師たち。東京の台所である築地市場をにぎわせてきたのは、彼らの獲った魚だ。

 原発を誘致しなくても、自分たちで知恵を絞ってブランド牛を育て、それなりに豊かな暮らしを営んでいる福島県飯舘村の人々の存在。そして、東北地方が被災すると、電子部品の供給が途絶えて、自動車・家電などの製造全体がストップしてしまうということも知った。

 東京・大阪などの都市部が単独で存在しているわけではなく、各地方がそれぞれの役割を担い、日本全体がまとまって1つの身体のように機能しているのである。

 ただし、この身体は、その健康を守る体制に大きな問題をはらんでいる。
国民の命や安全を脅かすような大事件、大事故が起きるたびに、霞が関には消費者庁や食品安全委員会といった組織が新設され、あたかも解決に向けて大きく前進したように見える。

 しかし、それはまやかしである。現実にはこの20〜30年間、国民の安全を守る各地域の最前線の部署は統廃合が進められ、予算も人員もどんどん減らされてきた。

 福島第1原発の周辺の12市町村に存在する保健所は、わずか1カ所しかない。地域の現場はどこも疲弊し、悲鳴を上げている。

 平時でさえ、サンプリング調査によって食の安全を保つのがぎりぎりの体制である。今回のような非常事態が起こった時に、「全頭検査など積極的な食品検査を行え」と国が旗を振ったところで、各地域の最前線に実働部隊がなければ、国民の命を守ることはできない。

 政府は、平時・非常時を問わず、地域の人々の健康維持を支援できるような組織体制の整備や職員の配置に早急に取り組むことが必要だ。
■変更履歴
本文中で、「放射能物質」は「放射性物質」の誤りでした。お詫びして訂正いたします。すでに修正済みです [2011/09/08 11:30]
このコラムについて
「3・11」から始まる安全マネジメントの新常識

 2011年3月11日に発生した東日本大震災──。観測史上最大のマグニチュード9.0を記録した大地震は、大津波によって甚大な被害をもたらすとともに、原子力発電所の放射能漏れという重大な事故をも引き起こした。
 地震、津波という自然災害に原発事故という社会災害が重なり合った大規模複合災害。かつてこの国が経験したことのない未曽有の事態は、社会や企業が前提としてきた安全の常識を次々と覆した。それに伴って、3月11日を境に新たにどのような常識が形成されるのか。新たな常識を踏まえて社会や企業活動の安全マネジメントをどう変えていかなければならないのか。
 自然災害と事故などの社会災害の両方に精通した防災や危機管理のプロを育成する場として日本で初めて誕生した関西大学社会安全学部の教授陣が自説を緊急に講義する。

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著者プロフィール

高鳥毛 敏雄(たかとりげ・としお)

高鳥毛 敏雄関西大学社会安全学部・大学院社会安全研究科教授。1955年生まれ。81年に大阪大学医学部卒業。同大学大学院医学系研究科特任教授、大阪府教育委員会事務局学校保健指導医などを経て2010年4月から現職。博士(医学)。専門は公衆衛生学、健康科学
日経BP社   

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コメント
 
01. 2011年9月08日 18:41:50: H0e6ay11VE
基準値なるものを決めるのにごまかせばクリヤーできるレベルに『インチキ基準値』を作る国。もちろん補償金を払わず、原発を今後も推進するため。

国民の健康よりも大事な「利権」を手離すわけにはいかない、by マスコミを含むゴミ利権連合。


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