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日本は、TPPの原理がまかれた土俵の上で、大統領選を控えた米国と「二国間」のFTA/EPA交渉をすることになる。
http://www.asyura2.com/11/senkyo121/msg/918.html
投稿者 あっしら 日時 2011 年 11 月 10 日 03:01:36: Mo7ApAlflbQ6s
 


 国民生活なぞ知ったことではない、自分たちの“身分”と輸出優良企業の繁栄さえあればいい、その他の企業や国民はそのおこぼれにあずかっていればいいと考えているようにしか見えない連中は、「米国と二国間で厳しい交渉をしなければならないFTAより、多国間で交渉するTPPのほうが日本の国益を実現しやすい」と宣伝している。

 しかし、それも真っ赤なウソ。
 TPP交渉に行けば待っているのは、通常のFTAよりずっと過酷なTPPの考え方(例外なき関税撤廃)をベースにした、米国との苛烈な2国間FTA交渉なのである。

 過日、「米国とのFTAより過酷な交渉になるTPP:理念は参加国全体が共有、具体的適用ルールは二国間の交渉がTPP」(http://www.asyura2.com/11/senkyo121/msg/801.html)という投稿をしたが、末尾に示した資料によると、10年10月にブルネイで開催された交渉で、関税問題を扱う市場アクセスの進め方は、米国が主張する2国間方式とオーストラリアやシンガポールが主張する多国間方式で対立し、結局、どちらでもOKということになったという。

 米国の思惑は、抽象的な原理ではハイレベルの自由化を確立する一方で、自分に火の粉がかかることもある具体的な交易ルールに関しては二国間交渉にこだわり、相手を見ながら有利に交渉を進めたいというものである。
 相手より競争力で優位なら、原理を盾に関税撤廃を迫り、劣位ならあれこれ理屈を付けて例外品目にさせてしまうという交渉術である。

 ということで、新聞記事にも出ていたように、FTAを結んでいるオーストラリアなど4カ国とは交渉を一切行わず、FTAをいまだ締結していないブルネイ、マレーシア、ニュージーランド、ベトナムにのみ物品市場アクセスに関する米国の提案を提出している。

 仮にとんでもない首相がおかしな“決断”をすれば、日本も、FTA締結国と再交渉する煩わしさは避けたいので、未締結国と二国間の物品市場アクセス交渉をすることになるだろう。
 米国も、日本とはFTAを締結していないから二国間での交渉を望む。
 なんのことはない、TPPと言いながらも、実態は米国とFTA/EPAの交渉を行う破目になるのである。

 通常のFTAであれば、原則論に関しても二カ国間の交渉で固まっていくが、TPPの枠内であれば、すでに「例外なき自由化」(関税撤廃)という前提がある。

 さらに、限られた交渉時間しかないなかで、米国とだけではなく、オーストラリアやニュージーランドの2カ国とも交渉しなければならない。この3カ国は農産品の輸出大国であり、日本に期待するのも農産品・乳製品の輸出拡大である。
 日本は、工業製品については皮革製品などごく少数の品目を除けば無きに等しい関税率であり、交渉相手3カ国は穀物・乳製品・野菜・魚介類に絞って関税撤廃を迫ってくるだろう。
 米国は、価格競争力で劣るNZと豪州とのあいだは乳製品を例外品目にしようとしているが、価格競争力で勝る日本には強気で交渉してくるだろう。

 多国間交渉で決めたとされるP4(シンガポール・ブルネイ・に―ジーランド・チリ)協定で設定された例外は、イスラム国であるブルネイの酒・煙草とチリの乳製品(関税撤廃まで12年猶予)だけだから、米国・豪州・NZはそれを盾に日本に関税撤廃を迫るだろう。

 「米国が自国の砂糖や乳製品などの関税撤廃を避けるために、もしかするとコメで譲歩するのではないかとの期待が日本側にある」そうだが、多国間交渉ならいざ知らず、日米二国間交渉であれば、沖縄などの砂糖や日本ではコストが安いとされる北海道の乳製品よりも価格競争力で優位にある米国がコメと引き換えにするとは考えにくい。
 二カ国間交渉とりわけ米国の交渉術は、相手によって違うダブルスタンダードのオンパレードと考えなければならない。

 ほんとうに根こそぎスッポンポンにされかねないTPP交渉に参加しようと考えるのは狂気の沙汰である。

 TPP参加推進派で参考資料として利用した論考のなかに、「TPP交渉は越年することになるが、2012 年は米大統領選の影響で、交渉の実質的な進展はほとんど期待できない。TPP の合意は2013年に先送りとなりそうだ」という一文があるが、12年の11月に大統領選があるからこそ、TPPを実りの大きな内容にして最終合意まで持ち込み、その成果をぶち上げたいと思うのが当然であろう。
 大統領選があるというのに、翌年まで持ち越しでは誰のために交渉を続けてきたかわからないではないか。新聞記事に出ているように、遅くとも10月というのが最終合意のターゲットであろう。

 日本が参加すれば、豪州以外他の国の存在感がなくなるような経済力構図になる。
 大統領選との兼ね合いを考えれば、さらに過酷な日米交渉になると予測できる。

【TPP交渉の経緯と予定】

1:10年03月オーストラリア:幅広い交渉対象分野で議論
2:10年06月米国:既存のFTAの存続を確認
3:10年10月ブルネイ:市場アクセス交渉の進め方(選択型)合意
4:10年12月ニュージーランド:横断的事項を集中議論、条文草案の作成開始
5:11年02月チリ:各論点にかかる交渉分野の明確化
6:11年03月シンガポール:多くの分野でテキストベースの交渉開始
7:11年06月ベトナム:すべての交渉分野で条文に関する議論進展
8:11年09月米国
9:11年10月ペルー

2011 年11 月米国(ハワイ)APEC首脳会議で大枠の合意を目指す
(出所)経済産業省資料。


※ 参考資料

「米国のTPP 戦略と日本の対応」
馬田 啓一杏林大学 教授 (財) 国際貿易投資研究所 客員研究員

http://www.iti.or.jp/kikan85/85umada.pdf

 

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コメント
 
01. 2011年11月10日 11:26:03: Ae2pBvpFEg
これの結論は結局、TPPもFTAも同じだ、ということなのですか。
それなら、議論は結局日本としては不安感の元を先送りするかどうか、ということになってしまう。
日本のTPPやFTAを妨害したい中国や韓国としてはその間に付けいる隙があると
見ているのでしょうが。

02. 2011年11月10日 11:45:39: VakF4nKSH2
>関税問題を扱う市場アクセスの進め方は、米国が主張する2国間方式とオーストラリアやシンガポールが主張する多国間方式で対立し、結局、どちらでもOKということになったという。

そのソース元は?

仮にそうだとすると、各国が2国間方式と多国間方式を交渉の場でそれぞれ主張しあい、収拾がつかなくなるのではないか?



03. 2011年11月10日 12:56:24: FUviF2HWlS
日米FTAだと、国民の感覚としては、如何にも米国からの対日要求を呑まされたという印象が残り、経済状況の変化によっては反米感情が湧き起こる。
TPPならば、多くの加盟国からの要請という理由付けができ、日本に不利な条件であっても反米感情には直結しない。

ところが、当初の思惑と異なり、TPPに関しては、は交渉に入る前の段階で、日本人の対米感情に変化が起きてしまう異常事態に遭遇した。これは想定外のことであった。こんなことは、過去の通商交渉では前例が無い。

キヤノングローバル戦略研究所・山下 一仁 研究主幹は、11月10日午前のテレビ朝日の番組で「政府のハンドリング(国民世論の操作技術)がまずかった。」と酷評している。

野田首相をはじめとする、民主党政権幹部は国民世論の操作技術の稚拙さにおいて世界の笑い者である。

国民世論のハンドリングの巧みさは、過去の政権では、小泉政権が一番しっかりしていた。野田政権は小泉政権に学んで欲しい。

http://www.tetsu-chan.com/05-0622yuusei_rijikai2.pdf


04. あっしら 2011年11月11日 02:59:55: Mo7ApAlflbQ6s : DvLZNEv2EI

VakF4nKSH2さん、ソースは末尾に提示している参考資料です。

>仮にそうだとすると、各国が2国間方式と多国間方式を交渉の場でそれぞれ
>主張しあい、収拾がつかなくなるのではないか?

 二国間で交渉するという国とはサシで、多国間でまとめるという方向で一致したグループは多国間でということになるはずです。
 結論的に言えば、単独で主張できる二国間でしか交渉しないという立場のほうが強いことになります。


「米国のTPP 戦略と日本の対応」
馬田 啓一杏林大学 教授 (財) 国際貿易投資研究所 客員研究員

http://www.iti.or.jp/kikan85/85umada.pdf


05. taked4700 2011年11月12日 02:08:22: 9XFNe/BiX575U : 8D5RUrQ3A2
あっしらさんのご意見に賛成です。

日本は何もかも価値のあるものは皆根こそぎもっていかれるでしょう。山中伸弥京大教授も、アメリカへくればノーベル賞もらえるよと説得されるはずです。日本でノーベル賞をもらっていれば、周囲も今まで以上に遇するので日本を離れることはなかったでしょうが、今の状況ではわからない。


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