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この国の歴史からTPPを読み解けば
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投稿者 wordblow 日時 2011 年 11 月 16 日 19:15:08: 0b5D99uguBdUI
 

いまさら歴史を紐解くまでもなく、太洋の末端に浮かんだ小国は、つねに大国を震源とする磁場のなかに存在しつづけてきた。人類史に例外なく、磁場の一面は凶暴な物理力への不安と恐怖であり、他面は、最新の文明と秀逸な文化への憧れだった。白村江の戦い(663年)、元寇(1274年、1281年)などは、そうした磁場にたいする独立・防衛戦争の一種ではないか。

とくに現在、小国を揺り動かす磁場の震源は、米、中、そして極北に位置するロシアだろう。しかし、これら諸国を隋、唐、あるいは元、明、建国直後の清、オランダ、スペイン、黒船時代のアメリカなどに比べれば、何か重大な欠損に気がつく。もっと身近に引き寄せて、太平洋戦争後の米国はどうか。その後、冷戦の終結とともに、米・露が世界帝国としての強度を落としつつある、などの相対量的な評価は表面的にすぎる。かつて大国が及ぼしたはずの磁場が衰退しただけではなく、その内容が本質的に変化した。とするのが、ここに議論する文脈である。すなわち、恐怖と憧れの変質。

このうち米国の軍事的な恐怖の衰退は、イラク、アフガンを例に取るだけで、日本人の間では十分のコンセンサスが得られるだろう。特殊部隊とステルス・ヘリを投入し、ひとりのイスラム原理主義者を追いつめ暗殺したハリウッド劇は、予定される米軍の退路をバラで飾る政治劇にすぎなかった。

大国を震源とする磁場のうち、他方の憧れはどうだろう。太平洋戦争の直後から、敗戦国には車、医薬品、食料、医療など、米国製の商品が雪崩をうって流入した。焼夷弾と原爆で焼かれ、壊滅した国土には、雑草と焼け焦げた無数の人骨以外に、ほとんど何も残っていなかった。その後、上野着の就職列車が象徴するように、農村部の安価な労働人口を工場に吸い上げ、機械制近代化を急いだ国は奇跡ともいわれる国土の復興をなしとげ高度成長時代を築き上げた、というのが教科書的な現代史のサワリだろう。

しかし筆者が注目するのは、まず最初に、化粧品である。国土復興と高度成長期における女性用の化粧品には、ほとんど例外なく欧米女性がCMに起用されていた。車、電化製品、衣料品、食料品、趣向品など、他の商品でもほぼ同様だったはずである。ところが、今はどうだろう。篠原涼子のCM写真が氾濫して辟易したときもあったが、化粧品に使われるモデルたちは、すっかり欧米人から日本人を中心とする東アジア系にシフトしている。映画界はどうだろう。あいかわらずハリウッドの物量は壮絶な迫力をもっているが、出演する俳優にたいする小国人の感受性は変質した。証拠のひとつは韓流ファンの熱狂であり、欧米系俳優に向けた従来の憧れが、島人を中心とする東アジア系俳優へと方向転換しているのである。カー・レースを除くスポーツ界でも、サッカー、バレー、短距離走のウサイン・ボルトなど、例に挙げるまでもなく同様の集団意識を示している。ほかに、ナデシコ旋風やAKB旋風など、島人の意識変化を指し示す興味ある出来事があるが、ここでは割愛する。

現在の大国を震源とする磁場のうち、米国発の激震は明らかに変質し、衰退の一途をたどっている。では、中国発の磁場はどうか。と問うまでもないのではないか。南シナ海に及ぼす軍事的な脅威と魅惑の女子十二楽坊、『グリーン・デスティニー』、『HERO』、『LOVERS』、『女帝 [エンペラー]』など、中国映画の成功は、中国磁場の波及を強く予感させる例である。いまのところ、ロシア発の磁場は脅威(北方領土問題、領空侵犯など)のほかは存在せず、大洋に浮かぶ小国に波及する磁場の震源としては特徴を欠く。

ようするに、経済自由化のなかにあるTPP問題は、この国を激震させる2つの干渉しあう強磁場の間に生じた問題である。ひとつは衰退していく磁場、もうひとつは復活を強く予感させる磁場。これら2つの干渉しあう磁場の力を、困難だが読み誤っては亡国に通じる。TPP推進派としての野田政権は、一方の衰退する磁場を選択する。これは、太平洋戦争の終結から小国がたどってきた国家経営の、忠実な延長線上にある。

いま、この路線を選択するには困難がともなう。大方の予想どおり、米国発の金融不況はユーロ圏にも深刻に波及してきた。こうした米国の磁場に、いっそう身を乗り出して参入するのであれば、まず第一に、衰退する磁場の下支えを強力に行う必要がある。それがどこまで可能か。次の問題は、この国の産業構造の改変、いわゆる構造改革である。TPPにかぎらず、経済自由化の大枠は、衰退する磁場の震源、米国の復活を目論むものである。というのは、多くの島人にとって共通認識になりつつあるだろう。その目論みなくしては、米国発の磁場に身をゆだねるわけにはいかないからだ。具体的には、巨額の資産を背景とする米系○○ファンドによる優良企業の買収、吸収・合併が進むと推測できる。オリンパスがニュースを騒がせているが、さぞかしファンドは涎を垂らしていることだろう。ジワジワと輸入制限を緩和してきたとはいえ、残留農薬の基準が100倍近くだという米国産の野菜、遺伝子組み換え農産物、狂牛病で有名になった米牛など、詳しい表示もなく国内に出回り、消費者の口に入っていくだろう。一般的に、政治は犠牲者なくして行われない。とはいえ、こうした事情を「消費者が得する」と説得にかかる自称・経済学者など、知識人として許されるものではない。消えろ。

しかし現在、中国発の磁場に身をゆだねるのも早計である。すでに述べたが、南シナ海に空母まで浮かべ、周辺国の恐怖をあおっているが、島人を憧れさせる産業と文化の隆盛はまだ見られない。また中国googleのように、文化度の遅れた独裁政治のもとでの投資効果に疑問もある。だが、やがて中国の文化と文明は歴史的に復活・成熟し、かつてアジアの歴史をつづった大国らしい強磁場の震源地に発展する可能性は小さくない。そうなれば、大洋に浮かぶ小国の政治は、ふたたび遣隋使を中止して、やがて遣唐使を送ったのと同様な政治の転換を行う必要が生じるのだ。

さて以上では、強磁場のなかで揺れ動く小国としてのみ、取り急ぎ簡単な歴史的評価をスケッチしてみた。しかし、この国は一体どこへ行くのか。単に大国の強磁場のなかで揺れ動かされ、国民の大半を犠牲にしながら右往左往するだけに終わるのだろうか。この国の歴史的な存在感は、どこにある?

ひとつは、経済自由化とTPP路線の延長のうえに、もっと明確にドル圏のなかに組み込まれていく方向だろう。具体的には、円という独自貨幣を廃止して米ドルを流通させる。こうすれば、ドル安・円高などに国内市場が振り回されることもない。日の丸を州の象徴にし、米国を「わが国」と呼んで磁場の衰退を修復し、その復活に役割を見出すのだ。勤勉で技術力が高く、また想像力が豊かな米国の一部として、歴史に刻み込まれるだろう。

もうひとつは、干渉する磁力の力関係を見据え、TPPなど経済自由化への要請にたいする政治的なバランスを発揮する方向である。簡単にいえば、距離を保つのだ。古来より日本には、得意とする政治・外交の方向だったのではないか。筆者としては、こうした方向を取るなかで、脅威なき憧れの磁力にみちた未来志向の大国を目指していただきたい、と強く願う。  

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