優遇を受けながらの医師（とりわけ産科医）とパチンコ屋の脱税規模は有名だが、医師や病院に関する税制の問題には触れない。

　記事にある「厚生労働省はより詳細な実態把握が必要としており、１２年度に改正されるかどうかは微妙だ」という内容からも、「混合診療」の解禁や営利企業による病院経営容認が日本の医療をおかしくするという観点でＴＰＰ参加に反対している医師会や歯科医師会などに対する“揺さぶり”ではないかと勘ぐることができる。

　消費税引き上げスケジュール化法案に反対していた自民党も、本部駐車場（国有地）の“私物化”問題をネタに財務省から諭され、消費税増税を政局にしない方向に舵を切った。（ＴＰＰ参加問題も、経団連との会合で叱責され、とにかく国民にきちんと説明しろという路線に切り替えた）

　自民党の場合、駐車場はほんのオサワリで、本部全体の敷地が国有地で格安の賃貸料しか払っていないことを持ち出される恐れがあるから、元々反対ではない消費税増税を政局ネタから外すことにしたのだろう。

　医師会など、このアドバルーンが現実化されると影響を受ける組織も、それとこれは別ということを肝に命じ、ＴＰＰ参加反対を貫いていただきたい。
　医師会のなかにも、混合診療や営利事業化を期待する“隠れ推進派”がそれなりにいるのだから．．．

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医師の税優遇見直しへ　政府税調　経費概算計上廃止も

　政府税制調査会は、医師や小規模な病院に認めている経費の概算制度について、廃止も含めて見直す方針を決めた。実際の経費が概算経費より大幅に少ないケースが多く、税逃れに使われているとして会計検査院が見直しを求めていた。２０１２年度税制改正大綱に見直し方針を盛り込む。

　概算経費は年間の保険診療の収入が５千万円以下の医師や病院が税務申告する際、実際の経費にかかわらず経費率を５７〜７２％とみなして計算できる特例措置。小規模な病院の事務負担を減らし、医療に専念させる目的で１９５４年に導入した。開業医の４割が適用を受けている。

　だが会計検査院が調べたところ、制度の利用者の８５％超が実際の経費を計算した上で、概算経費と比べ有利な方を選んでいることが判明。自由診療で多額の収入がある病院が、保険診療を５千万円以下に抑え特例を使うケースもあったという。
　検査院は利用実態が特例の目的に沿っていないとして財務省に見直しを求めていた。ただ厚生労働省はより詳細な実態把握が必要としており、１２年度に改正されるかどうかは微妙だ。

［日経新聞１１月１８日Ｐ．５］

コメント
01. 2011年11月18日 15:39:04: wmGZPJ9OVA 医師、特に経費のかかる歯科医師などは、仕入れにかかる消費税を負担している。酷い場合は消費税を入れた仕入れ値は保険点数を上回る。 消費税アップのしわ寄せを全て引っかぶっる事になる。 輸出産業とは大違い。
02. 2011年11月18日 15:49:50: nHwYqnKWTQ いま、医師がどんな状況におかれているのか、解って書いているのか？ そんなに美味しいなら、なぜ市中から産婦人科がなくなっていくのだ？ 新たに開業しようとすなら、内科や、一部美容整形などと除くと 数億や、それ以上の設備が必要だし、 外科になると一人じゃ手術もできない。 産科も、異常分娩のことを考え、帝王切開ができる体制をつくろうとすると、 麻酔医を含め、二人以上の医師の体制が必要。 いまの保険制度とか、地域の医療制度、国全体の医療制度を見直す 必要のあるとき、もっと別の切り口で、問題提起すべきでは？
03. 2011年11月18日 15:58:39: ifWTwCiBgY 医師の顔色を見てから書けよ。 入院患者の方が元気そうだよ。
04. あっしら 2011年11月18日 16:04:09: Mo7ApAlflbQ6s : DvLZNEv2EI nHwYqnKWTQさん、こんにちは。 ＞いま、医師がどんな状況におかれているのか、解って書いているのか？ ＞いまの保険制度とか、地域の医療制度、国全体の医療制度を見直す ＞必要のあるとき、もっと別の切り口で、問題提起すべきでは？ 記事に対するものか、私に対するものかはっきりしませんが、私になら、「医師や病院に関する税制の問題には触れない」と書いているように、それらの問題をテーマにしているわけでありません。 産科医の話も知られている話と書いてだけです。また、医師不足と税制は直接の関係がないし、関係づけて処理してはいけない話だとも思っています。 その種のテーマであれば、「医療崩壊板」に投稿します。 官僚機構が、自分たちの政策を実現するために手練手管を使う卑しき連中だという話ですので、あしからず。
05. 2011年11月18日 16:26:15: wmGZPJ9OVA あと、ほとんどの医師は１００％保険診療だと思います。 つまり、税務所が１００％収入を把握しているという事です。 サラリーマンと同じです。自費分と経費だけが申告という事です。 付け加えておきます。
06. 2011年11月18日 17:04:13: nHwYqnKWTQ 投稿者さん、 表題から、解っているのですが、こういう書き出しだと、 予断を持たせるので、書かないのうがいいです。 たしかに、「優遇」税制の見直しうんぬんは、 TPPに反対する医師会に対する攻撃だと思います。
07. 2011年11月18日 18:20:38: VakF4nKSH2 医師の優遇税制が実態に合っていないから見直すということと、TPPの件は何の関係もない。 TPPに参加しようがしまいが、実態に合っていない不適格な優遇税制は改めるべきであって、医師会がTPPに賛成に転向したからといって、この決定が覆ることはない。 基本的に別問題だからだ。 医師会がTPPに賛成したとたんにこの決定を覆せば、マスコミや国民から総スカンを喰らう。 税調もそんなことはわかっている。 あっしらさんともあろう人がピント外れですな。
08. 2011年11月19日 08:32:25: 2mka7faRpo 自民党の場合、駐車場はほんのオサワリで、 野党の自民党は、いやにおとなしいから、野田内閣の暴走止められない。 過去に自民党は、相当スネに傷あるとみたね。 そんなのチラつかされたら、何も言えなくなる。 そして小沢さんのウソ事件「政治とカネ」ももはや通じなくなってきた。 野党の存在感発揮できないね。石原幹事長は昼寝ているのかな？
09. 2011年11月19日 21:52:33: qXc4KlPUB2 彼らは、自分たちの利益のためなら「どんなこと」でもやるだろう。 ＴＰＰを通すために、医師会に圧力をかけることなど朝飯前だろうね。 以前に過酷な官僚の取調べで、自死した歯科医師さえいた。 （地元の歯科医師会が抗議したが担当医官への処分はなかった） いまやもうけてるのは、ごくごく一部の例外医師。 今の医療現場がどれくらい厳しいか（特に歯科は）知っていて言っているのだろうか。そもそも誰のせいでこの国の医療が崩壊寸前なのか。 だとしたらもはや人間ではないわ。国民を、医療関係者をなめるな。

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