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科学的社会主義・日本共産党批判――マルクス主義の反人間(労働者)的・抑圧的本質を批判する。(その4)
http://www.asyura2.com/11/senkyo122/msg/493.html
投稿者 Y. Kakasi 日時 2011 年 11 月 19 日 00:47:36: BW32mpuE76J86
 

 共産党の優れた理論家・実践家・研究者である不破さんが、マルクス・エンゲルスのわかりやすい解説を、ネットで公開されていることに敬意を表します。しかしKakasiの立場は、マルクスの剰余価値(搾取)説と史的唯物論が、西洋的・19世紀的欠陥をもち、現実の政治経済社会に適用するのは不可能と考えます。そしてその誤りが、社会主義と人類福祉の実現にとって障害になり、マルクスの人間解放の意図とは逆に、労働者支配と人間抑圧の結果を招くと考えます。
 共産党の古典教室では、1〜3回で剰余価値説について、4〜5回で史的唯物論について述べられています。そして6回目から9回目にかけて、エンゲルスの『空想から科学へ――社会主義の発展』をテキストにして「科学的社会主義」の概要が講義されています。是非、テキストを読み聴講してください。「科学的」の意味の、時代錯誤性が理解できます。
 http://www.jcp.or.jp/kk_kyousitu/

 さて、この投稿では、逐条的に批判することはできないので、不破講義からの着想の一部にとどめます。つまり、9回目第3章後半の社会主義未来論についてです。
 エンゲルスによれば、人類の前史が終わり社会主義社会の成立後の様子を次のように述べています。続きも是非読んでください
「社会が生産手段を掌握するとともに、商品生産は廃止され、それとともに生産者にたいする生産物の支配が廃止される。社会的生産内部の無政府状態に代わって、計画的、意識的な組織が現われる。個人間の生存闘争は終りを告げる。これによってはじめて、人間は、ある意味で決定的に動物界から分離し、動物的な生存条件からぬけだして、ほんとうに人間的な生存条件のなかに踏みいる。・・・・」(邦訳全集19 p223)
 上の記述は、マルクスが社会主義を科学にしたとされる二つの発見(「唯物史観」と「剰余価値の秘密」)の虚偽性が導く結末を明らかにしています。すなわち上の引用は、@商品生産の廃止、A計画的な組織(計画経済)の出現、B個人間の生存闘争の終了、C動物界から分離(理性的自律的人間)等によって、「必然の国から自由の国への飛躍」がおこなわれるとするのです。
 これらの想定は、今日から見ると、ソ連の失敗を例に引くまでもなく、およそ考えられないことです。貨幣を用いた市場の商品交換という自由で円滑な人間関係を否定し、多様な欲求と感情を持つ個性的人間を排除し、人間の動物性を無視する。このような一種絵に描いたような機械的ロボット的な社会と人間像こそ、マルクスが『資本論』を構想しつつ、未来の社会主義社会を思い描いていたものなのです。
 エンゲルス(マルクスも)は、資本主義社会は動物的人間の支配する必然的な社会であり、社会主義社会は理性の支配する自由な社会と考えます。この考え方は、社会が変われば人間が変わるという唯物史観と、搾取は合理的(等価交換)であるとする剰余価値説に由来します。つまり両者一体となって人間の判断の個別性と主体性を排除し、そこで社会主義が必然的に実現するのを科学であると自称するのです。しかしこれは検証されていない(できない)非科学的な社会観・人間観です。このような人間観のまま生産手段が社会的な計画経済の下に置かれると、計画をする人間集団、すなわち共産党組織(党員)による新たな官僚制的民衆支配が行われるのは必然的なことです(「国民が主人公」としても変わらない)。

 さて前置が長くなりました。不破さんはこれをどう説明するでしょうか。かれは、「ソ連は社会主義とは無縁であった」と言いますが、それは一つの主張であるとしても、ソ連はマルクス主義を忠実に実現しようとしていました。不破さんは「社会主義の原点であるマルクス・エンゲルス(の原点)に帰って、現代の条件にふさわしい社会主義に発展させるべきだ」と言います。しかし剰余価値説と唯物史観の二つの欠陥をもつ原点を考えれば、生産手段の社会化すなわち労働者集団による管理は、マルクス共産党の代行的支配にならざるを得ません。
 なぜなら等価交換(による剰余価値説)は、市場の不等価性・多様性・個別性・複雑性・具体的な利害の対立を見失わせますから、管理は画一的になります。また唯物史観は、抽象的階級支配・生産手段の強圧的管理が優先し、人間の個別的主体的判断を制約しますから、特定の個々の集団や個別的集団的指導権が排除され、疑心暗鬼が横行して官僚統制が必要となります。いずれにせよ生産手段を独占する一党独裁体制は不可避となります。
 これは階級支配に代わるマルクス思想の共産党支配を意味します。物神(貨幣欲)崇拝に代わる理論崇拝です。マルクス思想による社会管理は、労働者を抑圧的なままに計画的に管理支配し、人間としての自己解放を理論的に保証しないのです。不破さんは、マルクスの晩年の著作『フランス
における内乱』から、社会主義への過渡期は漸進的な過程で「自由な結合的労働の社会経済の諸法則の自然発生的な作用」によっておきかわりうるという言葉を引用し、現在では「生産者が主役(主人公)という社会主義の原則」を独自に綱領に規定したと述べています。
 しかしマルクス理論はもちろん綱領でも、商品市場における契約関係(自由取引)の未来像は述べられていません。「自由な結合的労働」の記述はあっても「商品生産の廃止」の原則は残されています。一体、自給自足の小さな社会ならいざ知らず、今日のような高度に発達した地球経済の中で、自由な結合的労働があって、貨幣も商品もない、交換もない社会が想像できるでしょうか。自由な結合は、未来社会においても社会契約の問題を無視して存在し得ないでしょう。
参考→http://www.eonet.ne.jp/~human-being/page11.html
 長くなってしまいました。また続けます。抽象理論嫌悪症の方も多いようですが、ごまかされないためには頭の訓練も必要なのではないでしょうか。

(管理人さんから板違いを指摘されそうですが、Kakasiは政治板に掲示したいので大目に見てください。もう少しで終わります)  

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コメント
 
01. 2011年11月19日 05:17:06: msaJyupoKE
投稿者は元党員か?


なんなら共産党の内部事情とかを投稿したほうがいいんでない?


02. 2011年11月19日 11:03:27: lGQ9x4NIUs
> これらの想定は、今日から見ると、ソ連の失敗を例に引くまでもなく、およそ考えられないことです。

マルクスの想定では、社会主義社会はヨーロッパの資本主義の次に生まれるとされており、農業社会のロシアが資本主義を飛び越えて社会主義社会になるとは一言も言っていません。つまり、「これらの想定は、今日から見ると、ソ連の失敗を例に引くまでもなく」
はマルクスの想定したこととは無関係です。

> 貨幣を用いた市場の商品交換という自由で円滑な人間関係を否定し、多様な欲求と感情を持つ個性的人間を排除し、

現在のイギリス、フランス、ドイツはマルクスの言う資本主義社会ですが、「自由で円滑な人間関係を否定し、多様な欲求と感情を持つ個性的人間を排除」など起きていません。

今後、イギリス、フランス、ドイツが社会主義社会になると「自由で円滑な人間関係を否定し、多様な欲求と感情を持つ個性的人間を排除」する社会になると思っているのですか?
そんな社会をイギリス、フランス、ドイツ人が目指すはずがありません。

つまり、マルクスはイギリス、フランス、ドイツのようなヨーロッパ社会を念頭に置いていたのであり、ソ連や中国、北朝鮮のような独裁的国家を念頭に置いたのではありません。

北朝鮮が「自由で円滑な人間関係を否定し、多様な欲求と感情を持つ個性的人間を排除」しているからマルクスは間違っている、と主張しているのと同じです。


03. 2011年11月19日 14:18:25: aGP1IKCKxw

投稿者は、共産党というどうでもいい死に体を今更叩き起こして、
団塊左翼がその全盛時代に永遠くりかえしてきた論争をまた蒸し返しているだけです。
(共産党を出汁にした諸左翼への際注目がねらい?)

経済真理の追求よりも、
党派性や反党派に重きを置いているので中身が新鮮でない
と思うのは私だけでしょうか。

古典派の経済学がニュートン力学同様に
完全じゃないのは現代からみれば自明のことで、
それを間違っていると今更披露するより、
自流の経済学に真理があることの証明を披露していただきたい。

ダメ教義をダメと復唱する投稿よりも、
ここのマニアはもっと完成された理論投稿を望んでいるんですよ。


04. Y. Kakasi 2011年11月19日 15:53:05: BW32mpuE76J86 : fXOQhCwWGs
01)さん 読んでいただいてありがとうございます。
コメントというのはそれなりのエネルギーが必要です。
無視されることほど悲しいことはありません。感謝。

02)さん 重ねてのコメントありがとうございます。
1つめは、微妙な指摘ですね。意見が分かれます。
2つめは、誤解があります。引用されている文は、エンゲルスの想定した社会主義の4つの原則を批判したものです。現在の英・独・仏とは無関係です。誤解を与えてすみません。

03)さん 
>共産党というどうでもいい死に体
→というのは全く誤っています。共産党は、現状の問題点を克服して成長発展していこうとしています。共産党の綱領・古典教室を聴講されることをおすすめします。
>ここのマニアはもっと完成された理論投稿を望んでいるんですよ。
→失礼しました。肝に銘じます。是非お手本をご教示願います。


05. 2011年11月19日 18:54:56: v9I0GzB2Vc
国民皆保険の制度、国民健康保険で医療の皆保険の制度、雇用されているものの団体交渉権、失業したときと手当てをする雇用保険の制度。

いずれも資本主義で運営している社会に対して社会主義というアンチテーゼがあったからこそ生まれたものだ。

マルクスの思想がなかったらいずれも生まれていないものだ。過去の資本家階級も今の市場原理主義者が自主的にそんな制度を作るはずがない。

ただ今の日本共産党の政策は科学的社会主義などと呼ばれるものとはほど遠いというか何の関係もない。


06. Y. Kakasi 2011年11月19日 23:32:16: BW32mpuE76J86 : fXOQhCwWGs
05)さん コメントありがとうございます。
前半は同意見です。
後半については見解が異なります。アメリカ独立宣言やフランス革命の自由・平等・友愛・人権の思想があれば、社会保障や労働者保護の制度は生まれてくるのではないでしょうか。
 現実の社会主義運動は、イギリスのチャーチスト運動(1830年代後半)やフランス二月革命(1848、共産党宣言)を通じて盛んになりますが、思想家など(マルクスを含めて)は後追いをしているだけです。ちなみに最初の保険制度は、ドイツのビスマルクが、労働者などの不満を和らげるために作ったものです(飴と鞭)。ご承知のように、社会福祉はマルクス的発想ではなく、労働者の望む生活改良主義と、支配を永続させようとした権力者の妥協的発想の産物でしょう。
 日本共産党の科学性については判断がつきかねます。検証が必要です。

07. y.kakasi 2012年11月26日 15:22:07 : hWt4MHUbwLqMk : wXPShKYgaw

 この投稿が「科学的社会主義」で検索にかかることがわかりました。読者の便宜のために、続きの投稿と投稿一覧を紹介しておきます。kakasi

 続き⇒http://www.asyura2.com/11/senkyo122/msg/635.html

 一覧⇒http://www.eonet.ne.jp/~human-being/asyura1.html 


08. 2014年4月26日 19:49:35 : tjLCwdTJ8E
▼『日本共産党の戦後秘史』兵本達吉
http://blog.goo.ne.jp/Augustrait/e/7cc44392062b015f735dbc0579e0369b

[提供:新潮社]
 冷戦期1950年代初頭,共産党は朝鮮戦争下のソ連・中国を支援する役目を負って日本国内を混乱させようと試みた?

外で中ソに媚び,内で絶え間ない権力抗争.結党以来,実はこの醜悪な原理のみに従ってきたと見る立場から,著者は党の"国民そっちのけ"の実像を告発する.

警官殺傷事件などが頻発した「極左冒険主義」時代の活動ほか,元有力党員だからこそ書けた衝撃の記録――.


 言い古された表現だが,「青年期にマルクスにかぶれない奴は馬鹿.ずっとマルキシストでいる奴は大馬鹿」という.

共産主義というグレート・イデアは,必然的に事実を理論に沿わせて理念を壮大に構想する.

事実からの「出発」とはいい難い内部組織の論理に触れた兵本達吉が,戦後再建期以来の日本共産党史を述懐.

コミンテルンの日本支部として始まった政党の闘争と排撃の体質を,「醜悪な原理」とまで読んで糾弾している.

同党で議員秘書を長く務め,ロッキード事件やリクルート事件,北朝鮮による日本人拉致問題に関与してきたが,突如として党から「除名」されたと吐露している.

その詳細はわからないが,査問により指導部の意に沿う自白を引き出すまで,監禁と脅迫が繰り返される恐怖を繰り返し述べている.

 一人ひとりの党員は,貧困や不平等という資本主義の矛盾を是正する純粋な理念に燃えている.

しかし興味深いのは,戦後の共産党員の構成.指導者層を形成する立場,被差別層に属するとされた立場と棲み分けされていた.

====================================================================


日本共産党の戦後秘史(2)

北朝鮮「拉致事件」と日本共産党

北朝鮮「帰国事業」と日本共産党

兵本達吉
http://www2s.biglobe.ne.jp/~mike/hyomoto2.htm


『拉致被害者と日本人妻を返せ〜北朝鮮問題と日本共産党の罪』


第五章 善意の批判者をパージして成り立つ日本共産党
     〜民主主義とほど遠い「別世界」の政党〜
http://www.yanagiharashigeo.com/htm/report2c.htm


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