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今のデフレで、いずれ日本は「ゆで蛙」になる。これを打破するには「インフレ目標」を!!(かっちの言い分)
http://www.asyura2.com/11/senkyo122/msg/760.html
投稿者 メジナ 日時 2011 年 11 月 26 日 22:59:22: uZtzVkuUwtrYs
 

今のデフレで、いずれ日本は「ゆで蛙」になる。これを打破するには「インフレ目標」を!!
 作成日時 : 2011/11/26 21:53 :(かっちの言い分)
 
 

今日は、菅政権から野田政権になって、ますますひどくなってきている円高について述べてみたい。

先日円レートが1ドル75円程度になり、安住蔵相が円高に断固とした処置を取るとして為替介入した。一時的に円安誘導出来たが、今は77円/USドルで元に戻りつつある。この際、円を下げるために、一説には5兆円程度を為替市場に投入したと報道されている。その前にも数兆円投入しているので、かれこれ10兆円程度投入している。しかし、これだけ円を投入しても、、結局投機筋を儲けさせただけとも言われている。

現在は完全にデフレ状態で、競争力のあったトヨタなどの大手メーカーもこのままでは利益が出ず、極めて危ない状態になってきた。大手メーカー本体がそんな状態であるので、そこにぶら下がっている下請け、孫請け、その関連企業は、さらに悲惨な状態と言わざるを得ない。もう無策としか言いようがない。もはや、ゆで蛙の状態に陥っていると思われる。厳しい、厳しいと頑張っているうちに、本当に茹で上がってしまう。

一方、復興財源に10兆円程度を捻出するために、これから所得税を増税して国民から取ろうとしている。為替のため投入したお金は、費目は違うが同じ国民からの税金には違いない。この為替などの金融政策は、単に政府だけが頑張っても改善しない。そんな中、超党派の議員が日銀を批判し、「インフレ目標」を要求した。


元首相らが日銀批判=鳩山氏はインフレ目標要求

 日銀法改正を目指す超党派の国会議員らによるシンポジウムが24日午後、衆院第一議員会館で開かれた。特定の物価上昇率の達成を日銀に義務付ける「インフレ目標」の導入を民主党の鳩山由紀夫元首相が訴えるなど、日銀の金融政策への批判が相次いだ。

 鳩山元首相はこの中で、「欧州債務危機が米国やアジアに襲いかかる中、円高・デフレを加速させる可能性が極めて高い」と指摘。首相在任中に白川方明日銀総裁にインフレ目標導入を自ら要請したが、総裁が受け入れなかったと述べた上で、「このままではデフレ解消ができるとは思わない」とインフレ目標導入の必要性を強調した。

 また、自民党の安倍晋三元首相は「『物価の安定』にプラスして、日銀の使命に『雇用の最大化』を入れるべきだ」と主張。みんなの党の渡辺喜美代表は、国会の同意を得て総裁ら日銀首脳を解任できる権限を内閣と財務相に与えるために、日銀法を改正するべきだと改めて訴えた。  [時事通信社]

これは一見難しいが、デフレ状態を緩和するために日銀がお札を刷って市場に投入すれば、お金が余ってくるので物価が上昇し、インフレになり、円の価値も下がるというロジックである。これを鳩山元首相らが要求している。鳩山氏は自分が首相の時、白川日銀総裁にその導入を求めたが拒否されたという。これは日銀法で、首相と言えども日銀を自由にコントロール出来ないからである。

この「インフレ目標」は別に禁じ手ではなく、多くの国で行われている。1990年のニュージーランドで導入されたのを皮切りに、1990年代イギリス・スウェーデン・カナダ・オーストラリア等でも実施され、つづいてブラジル・チリ・イスラエル・韓国・メキシコ・南アフリカ・フィリピン・タイ・チェコ・ハンガリー・ポーランドなど、現在は20カ国以上で導入されている。これを導入していないのは、日本や米国、ユーロ圏があげられる。日本は律儀に米国に操を立てている。全て、米国が命である。

みんなの党の渡辺氏は、日銀首脳陣を解任出来るように日銀法を改正しろと述べている。今政府は完全に打つ手がない状態になっている。これを打開するには、日銀によるインフレ目標を立てるしか、日本は救えないと思われる。今の野田政権では、とてもそれは期待できない。

元記事リンク:http://31634308.at.webry.info/201111/article_26.html
 

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コメント
 
01. 2011年11月26日 23:32:51: LuO4ipnUDU
日銀に依存しなくても、政府発行貨幣という手法は使えないのか?
金属による貨幣でなくてもICカードのような貨幣があってもよいと思う。
日銀が動かないのなら、千円貨幣・五千円貨幣、1万円貨幣をIC貨幣で造る。
しかもその貨幣には期限が切られている。2年間だけ有効とか。
レジの専用チェッカーを通すと再度2年間有効となるような仕掛けがあれば
お金は廻ると思うが。単なる妄想かなぁ

02. 2011年11月26日 23:40:02: vdzkvy3526
>今のデフレで、いずれ日本は「ゆで蛙」になる。
>これを打破するには「インフレ目標」を!!

賛成。インタゲに限らず、スコット・サムナー教授(ベントレー大)が提唱しているNGDPターゲット政策でもよい。

先の代表選で、インフレターゲットを掲げたのは、馬淵だけ。
代表選で、リフレ派の馬淵が首相になっていればなあ。。。
国債日銀直受けや政府通貨発行など財政拡大を伴う強力なリフレ政策を採る以外、経済危機を乗り越える方法はない。

■インフレ目標と危機への対処に関する実証分析
正確なタイトルは「Inflation Targeting and the Crisis: An Empirical Assessment」で、著者はIrineu de Carvalho Filho。
以下はMostly Economicsの紹介の拙訳。
IMFのIrineu de Carvalho Filhoが、インフレ目標採用経済と非インフレ目標採用経済の危機におけるパフォーマンスの差を評価している。
この論文は、インフレ目標採用国が今回の危機をどう乗り切ったかを評価している。
論文の目的は、将来の研究の手引きおよび動機付けとなるような定型化された事実の確立にある。
(1)我々は、2008年8月以降、インフレ目標採用国がそれ以外の国に比べて名目政策金利をより低め、
この緩和政策が、実質金利においてさらなる大きな差をもたらしたことを発見した。
(2)また、デフレに陥る可能性がより小さかったことも発見した。
(3)さらに、市場がより大きなリスクを感知したということとは無関係に発生した実質為替の急激な減価も見い出した。
(4)我々はまた、インフレ目標採用国が失業率でも良い成績を収めたこと、
および、インフレ目標を採用している先進国が比較的良好な鉱工業生産を達成したことについての幾分弱めの証拠も発見した。
(5)最後に、インフレ目標を採用している先進国が、そうでない先進国に比べ、高いGDP成長率を達成したことを発見した。
ただし、新興諸国やサンプル全体ではそのような傾向は見られなかった。

大抵の経済変数についてインフレ目標採用国の勝ち、というわけだ。
http://d.hatena.ne.jp/himaginary/20100227/Inflation_Targeting_and_the_Crisis

■4%のインフレ目標でデフレ脱却の姿勢示せ――岩田規久男・学習院大学経済学部教授《デフレ完全解明・インタビュー第1回(全12回)》(1)
■要点
・日銀がデフレを容認しているからデフレが定着している
・マネタリーベースを増やせば、予想インフレ率は上昇する
・4%のインフレ目標の導入でまず、デフレ脱却を急げ
http://www.toyokeizai.net/business/interview/detail/AC/396d5a486965f76dffd92e2c8e5208ec/

インタゲ以外に金融安定目標政策はいろいろあります。

■金融安定目標政策(NGDP目標、CPI目標等)の例
1.来年度以降のGDPデフレーターの上昇率1−3%の範囲に収める(インフレーションターゲット型)
2.GDPデフレーターの上昇率と失業率の双方について目標範囲と優先順位を定める(テイラールール型)
3.1ドル=110円〜130円の購買力平価並みになることを目標に金融政策と為替介入を行う(為替ターゲット型)
4.来年度以降名目経済成長率を3−5%の範囲に収めるために財政政策と金融政策を協調的に実施する(成長率ターゲット型)
5.1ドル=120円の時限的な固定相場制の導入を目指し、各政策、各政府部門および日銀等の特殊法人のシステムを改編する。(固定相場制型)
6.2−4%インフレが続いたとしたら、達成されていた物価指数の水準に到達するまで金融緩和を続ける。
  ゼロ金利解除条件をコアコア4%とする。(プライスターゲット型)
(参考文献:「日本経済復活 一番簡単な方法」)
スコット・サムナー教授(ベントレー大学)の案は、4。
http://togetter.com/li/108453
この著名経済ブログ(「道草」)周辺では、インフレ目標よりも物価水準目標(プライスターゲット)が優れていて、
さらにNGDP水準目標(名目成長率ターゲット)はもっとも良いという合意に至っているようです。

■「失われた20年」を取り戻すには、6−7%成長のNGDP成長率ターゲット政策
津西晃、スコット・サムナー(ベントリー大学教授)
■NGDP成長率ターゲット政策に関して言えば、裁量的な政策やインタゲよりもずっと失業に優しい
(失業を生みにくい・回復が早い)政策だと思いますよ。
http://twitter.com/night_in_tunisi/status/44046343710314496
名目GDP目標政策を説明してみる
http://reflation-jp.net/?p=691
名目GDP目標政策の歴史を調べる
http://reflation-jp.net/?p=702

まあ、私としては、NGDPターゲットでも、インフレターゲットでも、なんでもいいから、
やってみてはどうかという立場です。


これに、国債日銀直受けや政府通貨発行など財政拡大を伴う強力なリフレ政策を採れば“鬼に金棒”。

高橋教授は、50兆円規模の政府紙幣発行を提案。
■震災復興で10兆円以上のほか、
前からデフレギャップを埋めるのに
特例公債の日銀引受(政府紙幣と同じ)をいっているので、
合わせて行えば、日銀直接引受50兆円といってもいい
http://twitter.com/YoichiTakahashi/status/48358103271473152
■円高対策は日銀直接引受と買切をドカンとかますこと。
しかけに勝つまでやるとコミットメントすること
http://twitter.com/YoichiTakahashi/status/48263693741457408
■政府紙幣50兆円で国民50万円=社会保障保険料2年間タダをやってもまったく問題ないはず。
この程度なら今の日銀の通貨発行怠慢から今でもインフレにならない。
政府紙幣500兆円で国民一人あたり500万円にしよう
(高橋洋一 元財務官・元内閣参事官・嘉悦大教授)
http://twitter.com/YoichiTakahashi/status/28820476591611904

もう政府通貨を100兆円くらい発行するしかないだろう。
政府通貨を発行して、
被害者救済、復興、景気対策、そして原発被災者への損害賠償に使え!

【緊急提言:25兆円の量的緩和と、25兆円の政府通貨発行を!】
もし、私が具体的な対策を提案するならば、金融・財政政策のフル稼働で、
25兆円の量的緩和と、25兆円の政府通貨発行(その財源で、2年くらい
社会保険料を免除します)をするべきだと考えます。
(「この金融政策が日本経済を救う」高橋洋一(元財務官)著 204ページより)

@Y_Kaneko 金子先生、WC優勝という
日本フットボール史上に不滅の金字塔を打ち立てたなでしこジャパンを称えるために
1万円の記念通貨を大量発行することを提言します。
現行法だと、閣議決定さえあれば法改正は不必要ですから先生方がその気になれば出来ると思います。
http://twitter.com/Joujitan/status/112560353291935744

@mabuchi_sumio 馬淵先生、WC優勝という
日本フットボール史上に不滅の金字塔を打ち立てたなでしこジャパンを称えるために、
政府による1万円の記念通貨を大量発行を検討願います。
現行法だと、閣議決定さえあれば法改正なしで済むので発行は容易のはず。是非ご検討を。
http://twitter.com/Joujitan/status/112562373067411456

■大蔵省時代に、榊原さんが10万円金貨で派手にやって6000億円の国庫収入。
そこまで派手にやらなくても、毎年記念通貨で小遣いかせぎ。
http://twitter.com/YoichiTakahashi/status/23052215208

■財政難で景気対策ができないなら量的緩和だが、それをどうしてもいやというなら政府紙幣でいい。
量的緩和でベースマネーを増やすことと政府紙幣は理論的には同じだから。
政府紙幣20兆円を日銀に持ち込めば2年くらい年金保険料をタダにできる。
これでデフレが直らなければさらに政府紙幣20兆円
http://twitter.com/YoichiTakahashi/status/18838647138689024

■政府紙幣でデフレ脱却・円安・失業率低下になるが何が、問題なのか。
やり過ぎると酷いインフレになるが20兆円くらいなら大丈夫。
インフレ目標で縛っておけばいい。
http://twitter.com/YoichiTakahashi/status/18920525086588928

■政府紙幣はまず20兆円。その次から5兆円ずつ。
beiその他の予測資料をみながらだけど、たとえばbeiが2%を超えたらストップとかね。
効果にタイムラグがあるからあのあたりをよくみながら。
こういうことをやるのが本当のテクノクラート
http://twitter.com/YoichiTakahashi/status/18968321940525056

■政府紙幣50兆円で国民50万円=社会保障保険料2年間タダをやってもまったく問題ないはず。
この程度なら今の日銀の通貨発行怠慢から今でもインフレにならない。
政府紙幣500兆円で国民一人あたり500万円にしよう
http://twitter.com/YoichiTakahashi/status/28820476591611904
(高橋洋一=嘉悦大教授・元財務官)


03. 2011年11月27日 02:31:31: vdzkvy3526
■元首相らが日銀批判=鳩山氏はインフレ目標要求
日銀法改正を目指す超党派の国会議員らによるシンポジウムが24日午後、衆院第一議員会館で開かれた。
特定の物価上昇率の達成を日銀に義務付ける「インフレ目標」の導入を民主党の鳩山由紀夫元首相が訴えるなど、
日銀の金融政策への批判が相次いだ。
鳩山元首相はこの中で、「欧州債務危機が米国やアジアに襲いかかる中、
円高・デフレを加速させる可能性が極めて高い」と指摘。
首相在任中に白川方明日銀総裁にインフレ目標導入を自ら要請したが、
総裁が受け入れなかったと述べた上で、
「このままではデフレ解消ができるとは思わない」とインフレ目標導入の必要性を強調した。
また、自民党の安倍晋三元首相は「『物価の安定』にプラスして、
日銀の使命に『雇用の最大化』を入れるべきだ」と主張。
みんなの党の渡辺喜美代表は、国会の同意を得て総裁ら日銀首脳を解任できる権限を内閣と財務相に与えるために、
日銀法を改正するべきだと改めて訴えた。 
http://www.asahi.com/business/jiji/JJT201111240143.html
まあ、鳩山も安倍も、「では、なぜ総理のときにやらなかったのか」ということだ。
鳩山は「首相在任中に白川方明日銀総裁にインフレ目標導入を自ら要請したが、
総裁が受け入れなかった」といってるが、ならばなぜ日銀法改正をぶちあげなかったのか。
みんなの党が賛成し、みんなの党の協力も得られたではないか。
とにかく、鳩山も安倍もいまさらいってもおそいんだよ!と言わざるをない。

それから、鳩山がリフレ派なら、なぜ、先の代表選でリフレ派の馬淵や小沢鋭仁を推さなかったのか。
鳩山元首相に聞いてみたい。


04. 2011年11月27日 03:21:10: vdzkvy3526
■日銀会見と宮内庁会見は同類だ!? 記者、学者との癒着が生んだ“日銀タブー”がもたらす罪悪
──一部週刊誌では取り上げられるものの、全国紙の経済面や社説で日本銀行に対する批判はほぼ皆無。
日銀の政策は、常に正しいのだろうか?実は日銀と新聞社、
そして新聞に寄稿やコメントをする経済学者の間には、不健全な関係があるという。
深刻化する欧州金融危機と世界的な株安、史上最高値圏で推移する円相場、
さらには東日本大震災後の復興財源をどこに求めるかという問題──。
日本経済に降りかかる数々の難題を受けて、我が国の金融政策をつかさどる日本銀行への関心が高まっている。
例えば復興財源をめぐっては、財務省が提唱する増税案に対し、
エコノミストやジャーナリストの一部からは不況下の増税は景気を一層悪化させるとして、
日銀による国債の直接引き受け策を求める声も出てきた。
これに対しては、日銀引き受けが想定外の通貨安(円に対する信任低下)をもたらす危険性を指摘する声もあるが、
日本経済新聞をはじめとする大手メディアでは、こうした議論自体が正面から取り上げられることはない。
元日本経済新聞論説委員で、現「FACTA」の編集主幹・阿部重夫氏は、
「日銀は外部の批判にほとんど耳を貸しません。
それは日銀クラブ(日銀の記者クラブ)に所属している記者を早々と日銀の論理に洗脳して、無批判の環境で自らを囲い込んでしまうからです」と話す。
「私自身もそうでしたが、多くの新参記者は日銀クラブに入った時点で金融の実務知識が十分ではないので、
手取り足取り金融のイロハを教えてくれる日銀が師匠役になります。
そこで純粋培養されてしまうと、『金利を上げるインフレファイターは正しくて、下げるデフレファイターは弱虫』という日銀の価値観に染まり、
欧米の金融政策の常識や経済学の最先端と日銀がいかにズレているかが見えなくなります」(阿部氏)
さらに、新聞社の体質にも問題があるようだ。
例えば日銀記者が少しでも批判めいた記事を書こうものなら、デスク、部長、編集委員、論説委員といったお歴々が、
「こう書いたほうがいいんじゃないか」「こういう見立てが正しいんじゃないか」と暗に記事の方向性を変えるように仕向けるという。
大手新聞社の経済記者はこう語る。
「日銀が直接何か言ってくることはないけれど、なんとなく記事の方向性が社論として決まっていくのが実際の新聞社の有様です。
日銀はそうした新聞社の構造を熟知してか、経済部長だけを呼ぶ『経済部長懇談会』、経済担当論説委員を集めた『論説委員懇談会』などを、
1〜2カ月に一度、定期的に開いています」
部長や論説委員クラスになると、現場に足を運ぶ機会はほとんどないため、“ご進講”が貴重な情報源となる。
彼ら上層部が日銀の話を鵜呑みにすることは、想像に難くないだろう。
こうした日銀に対するメディアからの批判の少なさが、日本の金融政策の即応性と健全性を損ねているのではないか。
そう指摘するのは『デフレ不況 日本銀行の大罪』(朝日新聞出版)の著者で、上武大学教授の田中秀臣氏だ。
「日経新聞の喜多恒雄社長が財務省と蜜月関係にあることに表れているように、新聞社の上層部では、財務省・日銀支持の姿勢が打ち出されている。
そんな中、現場の記者は批判的な意見を持っていても、上層部に従ってしまう」という田中氏の話を聞こう。
「今回のギリシャ債務危機をきっかけに、世界経済はすでに不況局面に入ったと見ていいでしょう。
景気に関するあらゆる指標が悪化しており、各国で緊縮財政策や金融引き締め策の見直しが始まっています。
ですが、日銀は相変わらずデフレ状況を放置したままで、さらなる金融緩和などの対策を打とうともしない。
金融政策は本来、民主主義のプロセスで決めるというよりも、一部の政策エリートが責任を持ってやるという性質がありますが、
それが正しく機能するには、きちんとした批判が存在することが前提です。
しかし、金利は上げるものという伝統的な金融政策にとらわれている日銀に対する批判の声は、逆に小さくなっているのが現状です」
それでは実際に、日銀に対する取材現場では、どんなやりとりが交わされているのだろうか。
経済ジャーナリストとして長年にわたって日銀を取材してきた須田慎一郎氏は、日銀総裁会見の様子を次のように語る。
「日銀総裁会見は、宮内庁の皇族会見と大変似ています。日銀総裁とのやりとりは、いわば皇族とのやりとりとまったく同じ。
記者が厳しく詰め寄ることはなく、総裁が言ったことに対して『ごもっとも』と拝聴する空気です。
私たちが考えている以上に、マスコミにおける日銀総裁の権威は高い。
なおかつ、あたかも絹の手袋をしているように、(政治家との水面下の裏交渉など)汚れ仕事を避けているのが日銀総裁といえるでしょう」
1998年の日銀法改正で、政府による総裁解任権が廃止されるなど、日銀総裁の立場は格段に強くなった。マスコミ報道においても、
しばしば「日銀の独立性」が好意的に報じられるが、前出の阿部氏はそれこそが日銀の独善性を助長したと指摘する。
「法改正以前の日銀は大蔵省(現財務省)の下部機関みたいなもので、公定歩合の上げ下げも大蔵のOKがなければ不可能でした。
経済記者も判官びいきで日銀の独立性を守れと肩を持ってきました。
それが法改正で過剰な独立性が認められてしまい、今の日銀は物価と通貨の安定という漠然とした目標があるだけで、
結果責任も問われず、どんなミスをしても総裁は自ら辞任しない限り、任期の5年間は誰も引きずり下ろせない存在になってしまった。
制度上の大きな欠陥と言うべきです」(阿部氏)
■経済学会が群がる「日銀審議委員」利権
こうした中、日銀クラブに属し、日銀の意見に同調することは、記者や経済学者、エコノミストらにとってもメリットがあるという。
まずは新聞社のエリートコースという日銀担当記者から見ていこう。
須田氏の話。
「経済部の記者クラブでは、格において日銀クラブは最高峰。
日銀クラブのキャップをやった人間が、ワシントン支局長など海外のトップ級支局長に転ずるケースも多く、
『失敗しないできちんと勤め上げると、出世コースが見えてくる』という幹部への登竜門なのです。
また、日銀クラブは日銀だけでなく民間金融機関の動向もフォローするため、所属記者が他業界の記事をハンドリングすることも多く、
記者自身が次第に『自分はトップエリートで特別な存在なんだ』と錯覚する。
その結果、多くの日銀クラブ記者は将来の出世に備えてインサイダー意識を持ち、日銀幹部との人脈作りにいそしむという構図が出来上がります」
では、大手紙の経済面にコメントや解説記事を寄せる経済学者やエコノミストたちはどうだろうか? 
彼らの中にも“日銀シンパ”が広がっており、中には憧れの日銀審議委員の座に就きたいために、日銀批判を控える人物もいるという。
「計9名からなる日銀審議委員の席は、日銀から3名、産業界から1名、銀行界から1名、アカデミズムから1名……と割り当てが決まっています。
日銀は金融学会にも補助金を出していますから、多くの学者たちが陰に陽に媚びています。
例えばある私立大学の有名教授は、審議委員への指名を意識しだすと、それまでの日銀批判をピタッとやめてしまった。
日銀に覚えのめでたい経済学者ばかりが優遇され、日本の経済学のレベルが低い理由になっています。
現に日本ではノーベル経済学賞を受賞した人はひとりもいないでしょう?」(前出・阿部氏)
彼らの羨望の的となる日銀審議委員の年収は約2600万円。
もっとも、大手メディアにおいてもこうした慣例を嫌う例外的な日銀批判がないわけではない。
かつては毎日新聞社の社会部記者が経済部に移り、日銀総裁に容赦ない質問を浴びせかけたこともあったという。
「警視庁二課四課担当だった原敏郎氏が日銀クラブに配属され、
マル暴刑事を見習ったかのような態度で、日銀総裁を総裁とも思わないような言動をしていました。
原氏は経済部長に上り詰めましたが、あれは極めて特殊なケースでしたね」(須田氏)
また、このところ産経新聞紙上で財務省・日銀批判を繰り広げている田村秀男記者が日銀ウォッチャーの間で話題になっている。
「産経新聞で『増税はおかしい』とはっきり書いた田村氏は、元日経新聞記者。
日経時代に日銀を担当した経験を踏まえて、なぜ増税を先にして国債発行を後にするのか、順序が逆ではないかという正論を展開しているのですが、
朝日や読売など他社の記者は誰も追随しようとしない。
というのも、増税を避けて復興財源を確保するためには、国債の直接引き受けなどの量的金融緩和策を取る必要がありますが、
それは日銀にとって金利を下げるのと同じ。
日銀と価値観を同じくする記者にとっても“負け”を意味するからです」(阿部氏)  
そもそも、金融緩和イコール悪という発想はどのようにして生まれたのか。
田中氏は、その発想は第二次世界大戦直後の日銀体制にさかのぼると指摘する。
「終戦後のGHQ占領時には、大内兵衛などのマルクス主義経済学者が日銀の金融政策に関与しました。
彼らは1929年に起きた大恐慌後のニューディール政策がアメリカを戦争に導いたと考えていましたが、
そうした史観と、高橋是清元大蔵相の金融緩和策で日本経済が復活したために戦争に至ったとする GHQの史観がピタリと一致してしまった。
以来、インフレは悪で、量的金融緩和などとんでもないという考えが日銀内に定着し、現在の幹部もそれを踏襲しているのだと私は考えています」(田中氏)
それでは、今後の日銀報道はどうあるべきか。須田氏は、日銀自身がもっと国民に語りかける必要があると語る。
「金融政策を議論するには専門的な知識が必要であるため、日銀にはいくら説明しても国民にわかってもらえないという被害者意識があるのでしょう。
しかし、現在のような金融政策が日本経済を左右する状況では、日銀はもっと懇切丁寧に政策内容を説明する必要があります。
財務省が高飛車な説明不足だとすると、日銀は低姿勢の説明不足です」(須田氏)
阿部氏は日銀クラブ記者としての経験を踏まえ、次のように提言する。
「日銀クラブはかつてよりも開放され、総裁会見などにロイターなどのウェブメディアが参加するようになりました。
しかし、ウェブメディアでは速報性が一番求められるために、十分な分析をしないまま情報を発信する風潮が記者の間でも広まっています。
その結果、高い専門性を持つ日銀職員と対等に議論できる記者が減り、むしろ日銀批判は聞かなくなりました。
健全な日銀報道のためには、十分な金融知識と分析力を持った記者が育つ必要があります」
現在は08年のリーマンショック時と比べて各国の財政状況が悪化しているため、大規模な財政出動策などが難しくなり、
「もはや不況入りを防ぐ手段はない」との声も出始めた。
そんな中、日本経済の落ち込みを防ぐためには、大胆な金融政策を含めた、あらゆる選択肢が検討される必要がある。
そのためにも、大手メディアには日銀に対する活発な問題提起を期待したい。
(取材・文/神谷弘一 blueprint)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20111126-00000301-cyzoz-soci

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