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〔小沢被告第5回公判(1)〕 “金庫番”と称された元会計責任者 政治資金規正法「詳しく知ろうと思わなかった」〜(8)完 
http://www.asyura2.com/11/senkyo122/msg/945.html
投稿者 赤かぶ 日時 2011 年 12 月 01 日 00:20:41: igsppGRN/E9PQ
 

【小沢被告第5回公判(1)】
“金庫番”と称された元会計責任者 政治資金規正法「詳しく知ろうと思わなかった」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111130/trl11113011570007-n1.htm
2011.11.30 11:55  産経新聞


 (10:00〜10:20)

 《資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第5回公判が、東京地裁(大善文男裁判長)で始まった。資金確保を図る立場の会計責任者だった大久保隆規元公設第1秘書(50)=1審有罪、控訴中=が出廷する》

 《大久保元秘書は岩手県釜石市出身。平成3年の釜石市議選に30歳で初当選、2期目途中の11年、同市長選に出馬したが落選した》

 《その落選後に、小沢氏の私設秘書として東京事務所で働き始めた大久保元秘書。前任の会計責任者が小沢被告に“反旗”を翻したことを契機に大久保元秘書が公設秘書となり、「側近中の側近」として小沢氏の信頼を集めるようになった》

 《秘書の“まとめ役”として、陸山会の会計事務担当を務め、元秘書の石川知裕衆院議員=1審有罪、控訴中=や、その後任の池田光智元秘書=同=らを指導する立場にあった》

 《法廷は東京地裁最大規模の104号。傍聴席は前回に続きほぼ満員だ。裁判長の呼びかけで小沢被告が入廷する》

 《裁判長に一礼、胸を張るように背筋を伸ばし、小沢被告がゆっくりと弁護側の席に向かい、腰を下ろした。濃紺のスーツ姿だ。ピンクのネクタイが、シャツの白さを際だたせる》

 《続いて、裁判長は証人の大久保元秘書の入廷を促した。大久保元秘書は黒縁眼鏡の奥の目を、小沢被告の顔には向けず、証言台に立った。小沢被告は、時折目を閉じ、じっと前を向いたままだ》

 《裁判長が名前を尋ねた後、偽証罪などについて説明をし、証言台の前に座るように促した》

 《大久保元秘書はゼネコンとの打ち合わせなどでは小沢被告の「名代」を務めることもあったとされ、政治献金の受け皿の“金庫番”と称されることもあったという。その側近に対する検察官役の指定弁護士の追及が幕を開けた》

 指定弁護士「あなたが被告人の秘書になったのはいつですか」

 証人「平成11年11月1日です」

 指定弁護士「書生になったのは?」

 証人「その日が書生になった日でもあったと思います」

 指定弁護士「あなたは、検察官への説明で秘書と書生を区別していますね」

 証人「私自身のことではなく、他の秘書が書生から秘書になったと話をしました」

 指定弁護士「あなたの場合は違ったのですか」

 証人「他の人は大学から書生になり、その後秘書になるケースですが、私は38歳で途中から入門したものですから、入門と同時に秘書となり、書生的な仕事も少ししていました」

 《指定弁護士は、他の秘書とは違う立場だったということを際だたせる》

 指定弁護士「秘書と書生は仕事の上で違うのですか」

 証人「秘書になると外に出て事務所に入り仕事をしますが、書生は先生の自宅で、身の回りのことをします。もっぱら仕事は先生の自宅で、そこが大きく違います」

 指定弁護士「秘書の業務は一般的にどういうものがありますか。抽象的なことでも構いませんので」

 証人「はい。私の場合は議員会館で仕事をしていまして、そちらで陳情に来られる人にお会いして対応します。あるいは、さまざまな会合に、先生に代わって出席したり、国会見学に来られる人の案内もします」

 指定弁護士「秘書一般としては?」

 証人「先生の(車の)運転や先生に随行する仕事もあります。地元岩手では、選挙や講演会活動の任務もあり、赤坂の個人事務所では先生の政治資金の仕事もあります」

 《指定弁護士は、大久保元秘書の仕事内容を確認しながら、徐々に核心部分に触れていく》

 指定弁護士「陸山会の会計責任者には、なぜなったのですか」

 証人「当時は東京事務所の責任者が会計責任者になるという慣例だった。そういうことからだったと思います」

 指定弁護士「責任者となった経緯については?」

 証人「当時、衆院の解散総選挙があり、(陸山会の会計責任者を務めていた)大先輩の人が選挙に立候補されたので、残った秘書の中で私が年長でもあって、まとめ役という立場になったと思います」

 指定弁護士「誰かから『お前がやれ』と言われたのではないですか」

 証人「そのように小沢先生から言われ、そういう立場になりました」

 《大久保元秘書は会計責任者に就任した後、盛岡に異動する。だが、会計責任者の立場は継続していた。続いて指定弁護士は、この点を尋ねていく》

 指定弁護士「盛岡の方に異動していますね。いつのことですか」

 証人「平成17年ごろだったと思います」

 指定弁護士「先ほど、あなたは慣例として陸山会の会計責任者は、東京事務所の責任者が務めるとおっしゃいましたね。どうして盛岡に行った後も継続していたのですか」

 証人「厳密なものではなかったと思います。打ち合わせなどで、東京に来る機会もありましたし、そのままにしていたのかもしれません」

 《指定弁護士は盛岡での勤務状況などを質問。その後、再び陸山会の会計責任者の追及に切り替えた》

 指定弁護士「あなたは会計責任者になって、どういう仕事をするようになりましたか」

 証人「全体の(秘書の)まとめ役として、あわせてなったという認識しかありませんでした」

 指定弁護士「政治資金規正法上の重要な立場だとの認識はありましたか」

 証人「詳しく、具体的に真剣に考えたことはありませんでした」

 指定弁護士「法律上の制度との認識については」

 証人「法律で定められているという認識はありましたが…」

 指定弁護士「法律上の権限や義務があることについては?」

 証人「そこまでは詳しく考えていませんでした」

 指定弁護士「政治団体にとって、政治資金は重要なはずですが、その法律を詳しく知ろうと思わなかったのですか」

 証人「はい。ありませんでした」

 《会計責任者として大久保元秘書が政治資金に関する事務を掌握していたことを印象づけようとする指定弁護士だが、大久保元秘書は終始否定。その後も両者の対決姿勢が続く》

 指定弁護士「(政治団体が何かに支出した場合は)会計責任者に明細を提出しなければならないが、その認識はあったのか」

 証人「はい。わかりませんでした」

 指定弁護士「すると、明細書や、そういう報告を受けたこともなかったということですか」

 証人「はい。ありませんでした」

 指定弁護士「もし、あなたが法律上の制度に則っていない行為をした場合、他の秘書らに迷惑をかけることになるということは考えなかったのですか」

 証人「そういうことがあると全く考えていなかった。会計責任者ではありましたが、会計全体は、個人事務所の担当がきちんとやっていると、ずっと思っていました」

 指定弁護士「収支報告書を提出していることは知っていましたか」

 証人「はい。その時期になると、実務を担当する秘書が作成し、提出していると思っていました」

 《収支報告書には会計責任者が署名、押印する宣誓書が添付されている。指定弁護士はこの点を追及する》

 《指定弁護士は平成17年3月31日付の収支報告書に添付された宣誓書を大久保元秘書に示す。そこには大久保元秘書の署名とともに印も押されている》

 指定弁護士「見たことはありますか」

 証人「ありません」

 指定弁護士「こういうものが存在することは知っていましたか」

 証人「具体的には知りませんでした」

 《大久保元秘書は指定弁護士の追及を否定し続ける》

       ◇

【小沢被告第5回公判(2)】
問題の土地は「新聞チラシで」 担当秘書に「ず〜っと」一任と強調
2011.11.30 12:11

 (10:20〜10:40)

 《資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第5回公判は、大久保隆規元公設第1秘書(50)に対する検察官役の指定弁護士による証人尋問が続いている》

 《指定弁護士は、平成16年分の収支報告書について、大久保元秘書の署名・押印がある宣誓書をモニターに示し、質問を続ける》

 指定弁護士「誰が実際に署名・押印したんですか」

 証人「当時の担当秘書が、私に代わり名前を書いて押印した、と思っていました」

 指定弁護士「例えば石川(知裕衆院議員)さん、池田(光智元秘書)さんですか」

 証人「はい、そうです」

 指定弁護士「自分の代わりに名前を書いて押印することを、認めていたんですか」

 証人「毎年確認のやりとりがあったわけではありません。はじめのころ石川氏から『宣誓書を出しておきます』という話があり『そういうのもあるんだな』と知っていたくらいでした」

 《指定弁護士は会計責任者としての職務を果たしていなかった点について繰り返し質問するが、大久保元秘書は落ち着いた様子で淡々と返答を続ける》

 指定弁護士「署名・押印を行う責任があるとは考えませんでしたか」

 証人「会計責任者ではあるので『責任があるのだろう』とは思っていました」

 指定弁護士「東京事務所の責任者として、下がきちんとやっているかをチェックしようとは思いませんでしたか」

 証人「私は会計担当をしたことがなく、慣例として会計責任者に就任したと思っていました。担当がしっかりやるものと、ず〜っと思っていました」

 指定弁護士「陸山会で会計を担当する人が責任者になれば、中身も分かっていて責任もとれますよね」

 証人「そこまで考えたことはありませんでした」

 指定弁護士「あなたが会計を扱わない、というのは誰かが決めたことですか」

 証人「議員会館の仕事に集中しており、特段そこまでやれとは小沢先生からも言われていませんでした。担当がしっかりやるものと、ず〜っと思っていました」

 《会計業務について、一貫して担当秘書に一任していたことを「ず〜っと」という言葉で強調する大久保元秘書。16年7月から大久保元秘書が公設秘書となったことから、指定弁護士は「法令順守の意識が強まっていたはずだ」と強調したが、大久保被告の返答は変わらず、打ち消していく》

 指定弁護士「会計責任者の職務として、よく確認しようとは思わなかったんですか」

 証人「うちは優秀な秘書がやっているので、そういう問題が起こるはずはないと、ず〜っと思っていました」

 《指定弁護士はここから、問題となった東京・世田谷の土地購入の経緯について尋ねていく》

 指定弁護士「土地はどういう経緯で探したんですか」

 証人「だいぶ前のことではっきりとは覚えていませんが、チラシか何か、新聞広告で見つけたような、そういう認識です」

 指定弁護士「もともと土地を探していたんですか」

 証人「はい。秘書からそろそろ結婚する、という話を持ちかけられるようになり、住む場所がないということで、土地購入の必要性があると考えていました」

 指定弁護士「今回の土地を見つけるまで、どのくらいかかりましたか」

 証人「だいたい1カ月以内くらいだったと思います」

 指定弁護士「見つける前に、小沢さんに相談はしましたか」

 《指定弁護士側の冒頭陳述によると、小沢被告は世田谷区の土地について「散歩のついでに見てきたが、あそこだったらいいところだな。あれでいいんじゃないか」と気に入り、大久保元秘書に一括購入を指示したという》

 証人「相談したかどうかまでは覚えていません」

 指定弁護士「安い買い物ではありませんよね。代表に相談せず、あなた限りで探すんですか」

 証人「実際のものがないと説明のしようがありません。私の一存で探し始めました」

 指定弁護士「具体的に、どのように土地を探したんですか」

 証人「不動産屋さんの店頭の物件を見たり、道すがら空き地がないかな、と探したり、せいぜいその程度です」

 指定弁護士「探すつもりなら、不動産の店に入って話を聞こうとはしなかったんですか」

 証人「店に行くと、自分の立場をきちんと明かさなければいけません。いい物件がなくて断ったりした場合に、いい加減な話が広がるのは嫌でした。慎重に考えていました」

 指定弁護士「条件が合わなくて売買が成立しない、というのは別にいい加減な話ではないと思いますが」

 証人「私の名前が出て相手に嫌な印象を与え、先生に迷惑をかけるのが嫌でした」

 《小沢被告は、ほおをポリポリとかき、無表情で耳を傾け続ける》

 指定弁護士「秘書の家が必要なら、賃貸で借りればよかったんじゃないですか。不要になれば立ち退くだけで、費用対効果は高いですが」

 証人「必要な物は購入した方が、掛け捨てになりませんし。盛岡や仙台でも、マンションを購入した経緯がありました」

 《さらに、想定していた土地の広さについて問われ大久保被告は「4人ほどがやがて結婚するので4世帯以上は必要になると考えていた」と返答。476m2という広大な土地を取得した理由について、指定弁護士はさらに細かく経緯を尋ねていく。小沢被告は前回までと同様、無表情を貫いている》

       ◇

【小沢被告第5回公判(3)】
契約立ち会いも…書類「覚えてない」「担当でない」 無関係・無関心強調
2011.11.30 12:57

 (10:40〜11:00)

 《資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第5回公判は、大久保隆規元公設第1秘書(50)に対する検察官役の指定弁護士による証人尋問が続く》

 《指定弁護士は大久保元秘書が問題となった東京都世田谷区の土地を選定する過程について質問していく》

 指定弁護士「本件の土地について気づいたのはあなたですか」

 証人「そうです」

 指定弁護士「(土地に関する)チラシを見たということですが、最初に宣伝物を見たのですか、それとも空き地を見たのですか」

 証人「どちらかははっきりとは覚えていません」

 指定弁護士「購入まで、どういう行動をとりましたか」

 証人「チラシを見て、現地で確認を行いました」

 指定弁護士「それからどうしましたか」

 証人「非常に良い物件だと思いました」

 《大久保元秘書は背筋を伸ばし、正面を見据えながら質問に応じる》

 指定弁護士「それは、いつごろでしたか」

 証人「そこまでは覚えていません」

 指定弁護士「平成16年9月の終わりごろではありませんか」

 証人「購入までそれほど間がないと思うので、だいたいそのころだと思います」

 指定弁護士「不動産会社に行きましたか」

 証人「はい」

 指定弁護士「不動産会社ではどんなやり取りをしましたか」

 証人「『購入したい』と言いました」

 指定弁護士「最初から購入したいと言ったのですか」

 証人「はい」

 指定弁護士「ほかの物件に関する資料を求めませんでしたか」

 証人「より良い買い物をするためにしたかもしれません」

 指定弁護士「その日はすぐに契約を締結しましたか」

 証人「その日は購入申し込みをしました」

 指定弁護士「それは書面で行いましたか」

 証人「口頭ではなかったと思うので、私の名前で書類を書いたと思います」

 指定弁護士「申込用紙を持ち帰り、作成してから改めて持っていたのですか」

 証人「覚えていません。そうであったのかもしれません」

 指定弁護士「購入申込書を示します」

 《指定弁護士は大善文男裁判長の許可を得て、大久保元秘書に購入申込書を示す。法廷内の大型モニターにも書類が写し出される》

 指定弁護士「日付が平成16年10月1日ですが、覚えていますか」

 証人「よく覚えていません」

 指定弁護士「申込書の氏名欄には『(資金管理団体)陸山会代表 小沢一郎』と書かれ、印が押されていますが、あなたが書かれたのですか」

 証人「私が書いたのではありません」

 指定弁護士「見覚えはありますか」

 証人「覚えていません」

 《大久保元秘書の座る席から右に数メートル離れた弁護側の席に座る小沢被告。首をやや傾け、薄目で大久保元秘書の横顔を見つめている。指定弁護士は大久保元秘書が元秘書の石川知裕衆院議員=1審有罪、控訴中=と契約手続きを進めたことを確認し、不動産売買契約書を大久保元秘書に示す》

 指定弁護士「見たことはありますか」

 証人「覚えていません」

 指定弁護士「石川さんから見せてもらったことはありますか」

 証人「よく覚えていません」

 指定弁護士「契約締結には立ち会ったわけですよね」

 証人「はい」

 指定弁護士「契約締結に立ち会ったのに、覚えていないのですか」

 証人「そこまでは覚えていません」

 指定弁護士「買い手のところに『陸山会代表 小沢一郎』と書かれ、印が押されています。あなたの字ですか」

 証人「違います」

 指定弁護士「誰の字ですか」

 証人「分かりません。これは石川氏が行っていましたので」

 指定弁護士「日付は10月5日ですが、おかしいと思うことはありますか」

 証人「おかしくないと思います」

 指定弁護士「この日、石川さんは手数料など払っています。記憶にありますか」

 証人「うっすらとあります」

 指定弁護士「いくら払いましたか」

 証人「そこまでは覚えていません。石川氏がやっていたので、気にもとめていませんでした」

 指定弁護士「あなたが土地の必要性を感じて、購入を考えた。契約がどのように締結されるか関心なかったのですか」

 証人「お金の話は私の仕事ではありません。石川氏がしっかりやる分野と割り切っていました」

 指定弁護士「代金はいくらだったか覚えていますか」

 証人「建物を含め、約4億円を想定していたと思います」

 指定弁護士「陸山会が4億円を調達できると考えていましたか」

 証人「石川氏に『4億円になると思う』と話しました」

 指定弁護士「石川さんは何と?」

 証人「『全部かき集めたら何とかなりますが、運転資金が足りなくなる』と言っていました。それで小沢先生に相談してみようとなりました」

 指定弁護士「実際に相談しましたか」

 証人「はい」

 指定弁護士「(小沢被告は)何と言いましたか」

 証人「『分かった』と言っていました」

 指定弁護士「『分かった』とは?」

 証人「土地の必要性、購入について『分かった』と」

 指定弁護士「4億円についてはどうなりましたか」

 証人「小沢先生が用意してくれるという話だったと思います。それ以降、お金の話は石川氏とやり取りされていたと思います」

 《小沢被告はゆっくりと首を左右に動かし、やり取りに耳を傾ける》

 指定弁護士「やり取りの場にはいたわけですよね?」

 証人「先生から『ゴーサイン』を頂戴して、自分の用事は済んだと思いました。それ以上の話に関係する必要はないと思いました。どうだったか覚えていません」 

 指定弁護士「4億円がいつ準備できるかについて関係ないと?」

 証人「はい、そうです」

 指定弁護士「これ(小沢被告とのやり取り)は契約前の話ですか」

 証人「はい」

 《指定弁護士はその後も4億円に関する記憶について質問を重ねたが、大久保元秘書は「私の担当ではない」などと繰り返した。大久保元秘書は小沢被告を見ることはなかった》

       ◇

【小沢被告第5回公判(4)】
「4部屋で2千万円」 寮の詳細克明に語るも登記は「気にせず」 
2011.11.30 13:39

 (11:00〜11:30)

 《資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第5回公判(大善文男裁判長)は、検察官役の指定弁護士による会計責任者だった大久保隆規元公設第1秘書=一審有罪、控訴中=への証人尋問が続いている》

 《指定弁護士側は、秘書の寮を建設するために取得した世田谷区深沢の土地の購入経緯について、さらに問いただしていく》

 指定弁護士「土地売買契約の締結後、不動産仲介会社と連絡を取ったことは」

 証人「一度もない」

 指定弁護士「では、どんなときに連絡を取った?」

 証人「石川(知裕衆院議員)氏に『決済を先延ばしにできないか先方に聞いてくれ』といわれたので」

 指定弁護士「なぜ先延ばししようとした?」

 証人「民主党の代表選だったか、選挙があるので先延ばしした方がいいということだったと思う」

 指定弁護士「先延ばしにすると収支報告書の記載はどうなる」

 証人「その翌年になるということ」

 指定弁護士「報告を翌年にしたいということだったのか」

 証人「そうだと思う」

 指定弁護士「資金が準備できなかったわけではない?」

 証人「そうです」

 指定弁護士「不動産仲介会社の反応は」

 証人「すんなり行く話じゃなかったと記憶している。『具体的なやりとりは担当の石川としてください』と言った」

 指定弁護士「その後、決済がどうなったのかはご存じか」

 証人「きちんとした対応ができました、という説明をされたと思う」

 指定弁護士「なぜあなたが不動産仲介会社に電話したのか」

 証人「一番最初のとっかかりが私だと石川氏が判断したと思う」

 指定弁護士「実質の担当者が石川氏なら、彼が電話すればよかったのでは」

 証人「石川氏から頼まれたので」

 指定弁護士「あなたが売買契約のことを知らないと詳しい話ができないのでは」

 証人「石川氏から頼まれたので連絡したまでです」

 指定弁護士「決算を遅らせてほしいと電話したが、その後は詳しい話を聞いていないということか」

 証人「はい。私は取り立てて気にしていなかった」

 指定弁護士「何月何日に決済して、登記がどうなったかなども?」

 証人「気にしていなかった」

 《ここで指定弁護士側は、陸山会と土地を所有する不動産会社との間で交わされた「合意書」を大久保氏に見せ、質問を続ける》

 指定弁護士「この書類を見たことはあったか」

 証人「ありません」

 指定弁護士「契約後の話を(石川氏)したことは」

 証人「ありません。きちんと話して終わった、と。良かったと思った」

 《続いて指定弁護士側は、陸山会と不動産会社との間で交わされた「不動産引き渡し完了証明書」を大久保氏に見せる。小沢被告は表情を変えず、じっと大久保氏を見つめている》

 指定弁護士「この書類を見たことは」

 証人「…なかったと思います」

 指定弁護士「全く知らない?」

 証人「はい」

 指定弁護士「この土地を必要があって、寮を建てるため購入したわけですよね。ちゃんと土地が入手できるのか関心があったのでは」

 証人「事務的なことまでは興味がなかった。石川氏がやっていたので」

 指定弁護士「土地の境界の確認に立ち会っていますね。これは事務的なことではないのか」

 証人「大事なことなので。(石川氏と)2人で行った方が確実だと思った。ただ、事務的なことは石川氏がやっていた」

 《あくまで石川氏が実務に当たっており、自分は関与していないと一貫して主張する大久保元秘書。指定弁護士側は、小沢被告から出された土地購入代金の原資について話題を変える》

 指定弁護士「被告人(小沢被告)が4億円用立ててくれると聞いたわけですよね」

 証人「はい」

 指定弁護士「石川氏からは聞いていなかった?」

 証人「気に留めていなかったので、全く覚えていない」

 指定弁護士「陸山会の定期預金を担保として小沢さんが4億円を借り入れたことについては」

 証人「知りませんでした。全く聞いていなかった」

 指定弁護士「知ったのはいつ?」

 証人「一連の報道がなされて、私のところにも問い合わせにくる方がいたので。その時に知った」

 指定弁護士「4億円を用立ててもらうとき、いつ返すとかいう話はあったか」

 証人「それはなかった」

 指定弁護士「石川氏からも報告を受けていない?」

 証人「お金は石川氏の方がしていたので。立ち入る必要もなかった」

 指定弁護士「(4億円を)返したのか、返したとしたらいつ返したのかという点については聞いていたか」

 証人「一連のお金のやりとりについては一切興味を持ちませんでした」

 指定弁護士「土地売買について。土地の本登記が翌年に繰り延べになったのは知っていたか」

 証人「きちんと処理されていると信じていたので、確認する必要はないと思っていた」

 指定弁護士「登記などを最終的に確認はしなかったのか」

 証人「はい。やがて結婚する若い人たち(秘書)にとっていいところが見つかったと思っていた」

 指定弁護士「(土地購入の理由について)先ほどから秘書の寮を建てるため、言っているが、福利厚生はあなたの仕事だったのか」

 証人「若い人たちのことを考えるのも私の役割だと思っていた」

 指定弁護士「自分の仕事の一環だと」

 証人「はい、そうです」

 指定弁護士「実際には土地だけでなく建物も建てているが」

 証人「私は土地を買う時期に、転勤というか拠点を盛岡に移したので。私じゃなくてもできると思った」

 指定弁護士「それまでは東京事務所の取りまとめ役だったんですよね。あなたの公判記録によると、平成17年11月に盛岡に行ったということになっているが」

 証人「はい」

 指定弁護士「その時期に寮を建てたのでは」

 証人「はい」

 指定弁護士「それには関わっていたのか」

 証人「はい」

 指定弁護士「ちゃんとできたか気になったのでは」

 証人「後は建築業者が申請したりするレベル。何か瑕疵があれば承知するが、そういうこともなかったのできちんとした取引がされたと思っていた」

 指定弁護士「寮の間取り、大きさなどは。単身者用のものについてだが」

 証人「ワンルームでトイレ、簡単なキッチン、風呂がある。鍵を掛けたらプライバシーが保護されるものをつくった」

 指定弁護士「単身者用の部屋数は」

 証人「全部で4部屋あったと思う」

 指定弁護士「かかった費用は」

 証人「ざっと2千万円だと思う」

 指定弁護士「その後、さらに建てたわけですね」

 証人「私は関わっていないが、当初の予定通り」

 指定弁護士「それは何世帯分か」

 証人「関わっていないので分からない」

 指定弁護士「なぜ単身者用を先に建てたのか」

 証人「(秘書の)家族のプライバシーがあると思ったので。一緒に建てて、プライバシーが保たれないのは嫌だと思ったということ」

 指定弁護士「どういうことか」

 証人「建物がくっついていて、一つ屋根の下にいれば音とか振動とかが響くので。プライバシー保つのが難しいと思った」

 指定弁護士「でもファミリー用のものを建てたんでしょ」

 証人「建物はくっついていない。すぐ結婚して住まなくてはならないというわけでなく、時間が空いていた」

 指定弁護士「単身者用を建てた当初にすぐ4人入ったのか」

 証人「すぐ埋まったわけではない」

 指定弁護士「それまでは(秘書は)どこに住んでいたのか」

 証人「別の場所にある、通称『1号邸』『2号邸』『3号邸』で共同生活していた」

 指定弁護士「どういう建物か」

 証人「(世田谷区)深沢にある建物。以前からある」

 指定弁護士「どうしてそこから今の寮に移る必要があったのか」

 証人「一軒の建物で共同生活するとプライバシーが保てずストレスになるのではと思った。独身者も室内に入って鍵を掛けられる場所があれば仕事の能率も上がると思った」

 《大久保元秘書は核心部分は簡潔に否定し続けるが、その他の事項については詳細に説明を続ける》

       ◇

【小沢被告第5回公判(5)】
「無責任ではないですか」 詰め寄る検察官役にも「覚えていない」連発 
2011.11.30 14:32

 (11:30〜12:03)

 《資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第5回公判は、大久保隆規元公設第1秘書=1審有罪、控訴中=に対する検察官役の指定弁護側の証人尋問が続いている》

 《大久保元秘書は姿勢を正し、秘書寮の建設について、指定弁護士の質問に淡々と答えている》

 《指定弁護士は大久保元秘書が寮建設で中心的役割を果たしたことを印象づけたいようだ》

 指定弁護士「建設にあなたもかかわっていましたね」

 証人「はい」

 指定弁護士「業者の選定は?」

 証人「元々の支持者とか、関係のあったところです」

 指定弁護士「あなたが頼んだのですか」

 証人「はい」

 指定弁護士「支払いは?」

 証人「(衆院議員の)石川(知裕)秘書にやってもらいました」

 《指定弁護士は、建設費用の支払いをめぐり、大久保元秘書のかかわりを問う》

 指定弁護士「金の問題はすべて石川さんが担当したと?」

 証人「はい」

 指定弁護士「建設費用は小沢被告の4億円の一部を使ったと?」

 証人「私はそのように思っていました」

 指定弁護士「費用が足りない部分については、石川さんと一緒に(小沢被告に)報告した?」

 証人「はい」

 指定弁護士「(寮建設の)発案はあなたなんですよね。だが、返済についてはノータッチということですか」

 証人「はい」

 指定弁護士「発案者として無責任ではないですか」

 証人「いえ。費用やカネは別の担当となります。明確に自分の中で区別していました」

 指定弁護士「石川さんから運転資金が足りなさそうと言われ、あなたは関心はなかったのですか?」

 証人「私は購入できればそれでいいので、そこから先は石川秘書の仕事だと割り切っておりました」

 《堂々巡りの回答に、指定弁護士は政治資金収支報告書の質問に切り替える》

 指定弁護士「法律上、収支報告書は会計責任者が提出するということを知らなかった?」

 証人「分かりませんでした」

 指定弁護士「実際に出す収支報告書の中身については、見ていない?」

 証人「はい」

 指定弁護士「しかし、収支報告書は政治団体にとって、大きな問題ではないですか」

 証人「それぞれの事務所で任務に精励します。自分の任務以外は、それぞれでしっかりやっているものと思っていました」

 指定弁護士「あなたは秘書の取りまとめなのだから、(政治資金の事務を担当していた)赤坂の事務所の仕事も取りまとめるのではないですか」

 証人「取りまとめ役であっても、業務までは取りまとめるのは任務ではありません」

 《指定弁護士は、大久保元秘書の取り調べ段階の供述調書についての質問に突然切り替える》

 指定弁護士「調書には応じましたね」

 証人「応じました」

 指定弁護士「あなたが供述したということですね」

 証人「はい。いろいろ雑談したりしている中で、検事が調書を作ります。できあがった調書を読み上げ、確認し、そういう内容になっていたという意味です」

 指定弁護士「最終的には、あなたに(調書を)確認する機会が与えられていたわけですね」

 証人「(できあがった調書を)読みました」

 指定弁護士「読んだ上で、押印と署名をした」

 証人「はい」

 《ここで弘中惇一郎弁護士が率いる弁護団から「どの段階の調書についての質問か分からない」との異議が唱えられる》

 《大善文男裁判長から大久保元秘書に対し、取り調べ全体の一般論として答えるように指示が出る》

 指定弁護士「具体的にこういうことは言っていないというところはありますか」

 証人「今は思い浮かびません」

 指定弁護士「言ったのですか」

 証人「覚えていません」

 指定弁護士「あなた自身は真実として、石川さんや池田(光智元秘書)さんから収支報告書について説明は受けていないのですね」

 証人「受けていません」

 指定弁護士「赤字なのか黒字なのか。どの程度の資金があるのか。まったく認識がなかったと」

 証人「はい」

 指定弁護士「資金が分からない状態で土地を探していたのですか」

 証人「仙台や盛岡でもマンションを購入していたので、資金がまったくないという印象はありませんでした」 

 《指定弁護士側の質問は再び収支報告書に戻る》

 指定弁護士「平成17年以前も会計責任者だが、まったく見たことがなかったのですか」

 証人「はい。同僚として、何か(問題が)あったわけではなく、間違いなくやっているだろうと思っていました」

 指定弁護士「担当外の仕事はしていない?」

 証人「自分の関係のないことについては、興味を持ちませんでした」

 指定弁護士「陸山会には指揮系統はなかったのですか?」

 証人「ピンときません」

 指定弁護士「普通の会社のように、部長や課長のような役割はなかった?」

 証人「そういうことだと思います」

 指定弁護士「全体を把握していない責任者ということですか」

 証人「人間関係について取りまとめていました」

 《正午を過ぎ、裁判長が休廷を告げると、大久保元秘書は小沢被告と目を合わせることなく、裁判長に大きく一礼して退廷した》

       ◇

【小沢被告第5回公判(6)】
「事件、私で止まるように」と虚偽供述? 元側近の熱弁を前に小沢被告の表情は…
2011.11.30 16:20

 (13:45〜14:15)

 《資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第5回公判(大善文男裁判長)は約1時間半の休廷を挟み、大久保隆規元公設第1秘書(50)=1審有罪、控訴中=に対する検察官役の指定弁護士側の証人尋問が再開された》

 《小沢被告は入廷時に一礼、さらに大善文男裁判長の前を歩く際にも再び一礼してから、弁護側の席に着席した。続いて会計責任者だった大久保元秘書が入廷し、小沢被告に視線を移すことなく証人席に座った》

 指定弁護士「あなたは、陸山会の会計責任者でしたか」

 証人「はい」

 指定弁護士「誰が任命したのですか」

 証人「小沢先生です」

 《大久保元秘書は午前中の証人尋問で、陸山会の収支報告書を元秘書の石川知裕衆院議員(38)=1審有罪、控訴中、池田光智・元私設秘書(34)=同=が作成していたと証言した。指定弁護士はこの点について指摘した上で、質問を行う》

 指定弁護士「収支報告書には、(大久保元秘書は)関与していないのですか」

 証人「はい」

 指定弁護士「指揮、監督、指示、命令をしていないのですか」

 証人「はい、していません」

 指定弁護士「決裁もしていないのですか」

 証人「はい」

 指定弁護士「あなたが全く関与していないことを小沢氏は知っていたのですか」

 証人「分かりません」

 指定弁護士「小沢氏に『関与する必要ない』と言われたのですか」

 証人「言われていません」

 指定弁護士「関与しないという習慣があったのですか」

 証人「習慣ではなく、やらないといけない内容ではなかったと思いました」

 《会計責任者でありながら、収支報告書を軽視していたとも受け取れる証言に指定弁護士はやや呆れた様子で質問を重ねる》

 指定弁護士「今は、やる立場だったとご存じですね」

 証人「はい」

 指定弁護士「土地購入ですが、秘書寮のために土地を探していたわけですよね?」

 証人「はい」

 指定弁護士「購入ではなく、借りるという発想はなかったのですか」

 証人「はい」

 指定弁護士「なぜですか」

 証人「そういう形で秘書の住まいをやったことがなかったので、借りるという発想はありませんでした」

 指定弁護士「(別の場所にある秘書寮)1号邸、2号邸、3号邸は借りていたのではないのですか」

 証人「よく分かりません」

 指定弁護士「ならなぜ、『借りるという形でやったことがない』と断言したのですか」

 証人「一般の人が所有しているアパートなどから借りたことがなかったので…」

 指定弁護士「1号邸、2号邸、3号邸は誰のものだったのですか」

 証人「(小沢被告の)奥様の所有と聞いています」

 指定弁護士「ちゃんと知っているじゃないですか」

 証人「借りているかまでは分かりませんでした」

 指定弁護士「誠実に答えてください!」

 証人「はい…」

 《指定弁護士から強い口調で戒められ、大久保元秘書は声を落とした》

 指定弁護士「予算はいくらぐらいと考えていましたか」

 証人「予算よりもふさわしい物件かを一番の基準に考えていました」

 指定弁護士「一般的に大きな買い物をするときには手元の資金を確認するのではないですか」

 証人「一般的にはそうです。どれくらいまでで買えるかは石川氏から聞いていたので、『これくらいならいける』という想定のもと、ふさわしい物件を探しました」

 指定弁護士「いっぺんに現金で払うのではなく、ローンを組むということは考えなかったのですか」

 証人「はい。小沢先生に相談してからと思いました」

 《指定弁護士側は再び収支報告書について質問を戻す》

 指定弁護士「あなたは取り調べの中で、収支の概要について、石川さんから聞いていたと供述していましたね?」

 証人「そういうことはありました」

 指定弁護士「実際に聞いたことはあったのですか」

 証人「ありませんでした」

 指定弁護士「聞いていないのに、取り調べでは『聞いていた』と言っていたのですか」

 証人「はい」

 指定弁護士「なぜですか」

 証人「一番最初の事件で出頭して、いきなり逮捕されました…」

 《大久保元秘書は平成21年3月、西松建設の違法献金事件で逮捕された》

 証人「その当時、小沢先生は民主党の代表、国民の生活が第一という理念で政権交代を目指していました。私も日本の国民のため、1日も早く政権交代すべきと考えていました。事件になり、これで政治の流れがどうなるのか危惧していました。(収支の概要について)私は知らないことでしたが、事件の広がりが私だけで止まるように事実ではない話をしました」

 「実務に当たっていた石川氏、池田氏に累が及ばないと判断しました」

 《大久保元秘書は声をやや震わせながら、熱弁をふるった》

 指定弁護士「西松事件のときに認めたのは、いつですか」

 証人「定かではないです。当時の取り調べの中で、そのような聴取に応じました」

 《指定弁護士は、大久保元秘書が22年1月に陸山会をめぐる事件で逮捕されたときにも同様の供述をしていたことを指摘する》

 指定弁護士「石川さんも池田さんも逮捕されていますね」

 証人「はい」

 指定弁護士「でもその時点でも、(収支の概要を知っていたと)認めていましたね?」

 証人「西松事件の裁判で調書が使われたので、2度目の逮捕、勾留の中でも西松の流れで事実ではない調書に応じました」

 指定弁護士「弁護人には相談したのですか」

 証人「こと細かく相談していません。接見の時間は限られていて、すべてを相談できません。抑圧された中で、接見はストレス発散の場でもありました。冷静に調べの内容を再現できませんでした」

 指定弁護士「しかし(1度目の逮捕から)22年1月まで随分時間があります。保釈されていなかったのですか」

 証人「されました」

 指定弁護士「保釈後、事実と違う調書に署名したと言わなかったのですか」

 証人「しました。弁護人からは『事実と違う話をしてはいけない』と言われました。しかし、実際に石川氏、池田氏、私の3人が逮捕され、事件が大きく広がらないことが日本の政治のためと思い、事実ではない調書に応じました」

 指定弁護士「弁護人からはそのような調書にサインしてはいけないと言われたのに、自分の判断でサインしたのですか」

 証人「そうです」

 《元秘書が法廷で見せた政権交代への“想い”。小沢被告はわずかに目を開けて証言を聞いていたが、その表情に変化はなかった》

       ◇

【小沢被告第5回公判(7)】
捜査段階での供述転々 他の秘書守る、早く帰りたい…理由もいろいろ
2011.11.30 17:28

 (14:15〜14:45)

 《資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第5回公判は、大久保隆規元公設第1秘書(50)=1審有罪、控訴中=に対する検察官役の指定弁護士による証人尋問が続く》

 《指定弁護士は、大久保元秘書が政治資金収支報告書の虚偽記載に関与した、と自ら認めた捜査段階の供述調書について引き続き質問を重ねる》

 《対する弁護側は、この供述調書については、検察官が、他の被告が自白したといううその事実を告げて供述を引き出す違法な「切り違え尋問」が行われたとして、任意性を否定しており、裁判の行方にも大きく影響する部分だ》

 指定弁護士「どうして事実と違う内容なのに署名したんですか」

 証人「『石川さんはこう話している、大久保さんが受けてあげないと』と(検事から)言われ、『石川氏が悪い立場に追い込まれないように話を合わせてあげないといけないなあ』と(虚偽の供述をした)」

 指定弁護士「認識として虚偽記載の収支報告書提出はなかったんですか」

 証人「全くありませんでした。西松事件で逮捕されており、これ以上(事件の影響が)広がらないようにするなら、と思いました。(西松建設事件で収支報告書記載への関与を認めていたことから)掛け違えたボタンを、最後まで掛け違えたまま進めなければと」

 《大久保元秘書は21年3月に西松建設の違法献金事件で逮捕され、その後保釈されたが、22年1月に陸山会事件で再び逮捕された。指定弁護士は、大久保元秘書が2度目の逮捕前、保釈中の任意の取り調べでも、関与を認めていた点について追及、供述の信用性を訴える構えだ》

 指定弁護士「2度目の逮捕前から、虚偽記載を『見落とし・チェックミス』と供述していましたね」

 証人「1度目の逮捕の方で裁判が始まったばかりで、そちらに集中している時期でした。『早く帰りたい』『取り調べが済めばいい』と考えていたところ検事から提案を受けた。『それでいいでしょう』と応じました」

 指定弁護士「では、本来は西松建設の裁判で『収支報告書の虚偽記載にかかわっていない』という主張をするつもりはなかったんですね」

 証人「はい、そうです」

 指定弁護士「22年1月5日、陸山会事件の任意の取り調べでも、収支報告書への関与について聞かれていますよね。逮捕(同16日)されるまで、弁護士に相談しなかったんですか」

 証人「2回目(陸山会事件)が事件になっていくなか、予断のない緊張した時期だった。主な関心はそれがどうなっていくのかにありました」

 指定弁護士「通常、そういう緊迫した時期だからこそ、弁護士に『こう話したが、事実ではない』と伝えるはずです。それをしなかったというんですか」

 証人「調書は手元に残らず、写しをもっているわけではない。一字一句を再現できません。聴取直後は興奮しているのもあって、わかりませんでした」

 指定弁護士「私が伺っているのは『一字一句』ではなく、『事実と異なる話をし、調書を作成した』という点について相談しなかったか、ということですが」

 証人「『少しおかしいと思ったが、面倒だったので応じた』と、そういう抽象的な表現では伝えました」

 《大久保被告は虚偽の供述をしてまで早期に捜査を終結させようとした理由について、「日本政治」というキーワードを繰り返し強調する》

 指定弁護士「収支報告書を見ていたかどうかは、あなたの刑事責任を考える上で重要と思いませんでしたか」

 証人「自分(のところまで)で事件を終わらせ『日本政治』そのものに影響が及ばないように、と考えました」

 《大久保被告は“想定外”の2回目の逮捕後、収支報告書の虚偽記載について否認に転じるが、担当検事が前田恒彦元検事=証拠改竄(かいざん)事件で実刑判決が確定=に代わると同時に、再び関与を認める。指定弁護士はこの経緯について尋ねていく》

 指定弁護士「(22年1月の)逮捕勾留(こうりゅう)後、当初は否認していましたか」

 証人「はい」

 指定弁護士「『収支報告書は見ていない』と?」

 証人「『実は見ていませんでした』と。石川氏、池田氏まで逮捕されてしまったので『本当のことを話してもいい』と思いました」

 指定弁護士「その後、検察官が交代したら、また『虚偽記載の内容を知っている』と変化しました」

 証人「そうでした」

 指定弁護士「1月23日の調書から『いずれも間違いない、(石川、池田両秘書が)独断でできるはずがない』という趣旨の話をしましたね」

 証人「そういう内容に署名・捺印(なついん)しました」

 指定弁護士「どうして供述が変わったんですか」

 証人「抑圧的な生活を強いられ、だんだん怖くなりました。真実を主張し続けると『小沢先生の逮捕までつながりかねない』『事務所や先生の自宅の家宅捜索もやりかねない』と思いました」

 「真実の主張を続けることで、(元秘書)3人以外に事件を広げさせるわけにはいかないと判断した。調書に応じることが小沢先生の逮捕を回避し、『日本政治』をまともに戻す道と考え、態度を変えました」

 指定弁護士「小沢さんの自宅を家宅捜索されると、何かまずいんですか」

 証人「ニュースが流れ、事件のイメージが強調されてしまう。『日本政治』に集中してほしかったんです」

 指定弁護士「家宅捜索をして、何もでてこなければむしろプラスじゃないですか」

 証人「(家宅捜索は)もともと必要がありません。ものすごいイメージダウンを懸念しました」

 指定弁護士「逮捕直後に否認したり、供述を変更させることについて弁護士に相談はしましたか」

 証人「具体的にはしませんでした」

 指定弁護士「有罪・無罪の判断にかかわる大きな要素ですよね」

 証人「こんな異常な事件が収束するよう、私が犠牲になるなら日本のために仕方ないと思いました」

 指定弁護士「そうはいっても弁護士にも弁護方針がある。話をしていないというのは信じられません」

 証人「先ほど申し上げたように、当時は興奮しているのもあり、きめ細かく相談できませんでした。『石川・池田はこう話している』といわれ、ある程度自分で判断するしかありません」

 《指定弁護士は1月22日の取り調べ後、大久保元秘書が前田検事に対し調書作成を翌日まで延期するよう要請し、翌23日午前には弁護士と接見していた点を強調。大久保元秘書の証言の変遷・矛盾を突き、攻勢を強めていく。小沢被告の表情は終始変わらず、その心情は読み取れない》

       ◇

【小沢被告第5回公判(8)完】
検察官役の追及に声を上ずらせ応戦 「刑事裁判より政治」
2011.11.30 17:32

 (14:45〜15:00)

 《資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第5回公判(大善文男裁判長)は、検察官役の指定弁護士による会計責任者だった大久保隆規元公設第1秘書=一審有罪、控訴中=への証人尋問が続いている》

 《収支報告書の虚偽記載をめぐり、東京地検特捜部の調べに対し「事実と異なる供述をした」と主張する大久保元秘書。その経緯や理由を繰り返し尋ねる指定弁護士側は、「(調書にある)署名を本人に確認したい」と大善裁判長に申し出た》

 《指定弁護士は証言台の前に座る大久保元秘書の横に立ち、実際に調書の書面をめくりながら、「この署名、指印はあなたのものか?」と問いかける。大久保元秘書は、その都度「はい、そうです」などと答えた。一通り確認が終わると、指定弁護士側がこの日最後の質問に移った》

 指定弁護士「3点、お尋ねします。まず、今日のあなたの証言の中で『聴取のさなかに検事が交代し、交代した検事は凄腕なので、今後はどうなっていくか分からないと不安を感じた』という内容の話があったが、聴取の中でそのようなことを言ったのか」

 証人「そのようなことはまさか…。言っていません」

 指定弁護士「検事の交代について、『検察庁に何らかの悪意があるのでは』と(供述したと)調書にあるが」

 証人「どうして検事がこんなに変わるのか。何かあるのかと不信感を感じたので、それを担当検事にぶつけた」

 《ここで大善裁判長が「それはいつの調書か」と質問する。指定弁護士側が「1月26日付の調書です」と回答した》

 指定弁護士「担当検事はどう回答したのか」

 証人「『思うように仕事がはかどらなかったからだ』といわれた」

 指定弁護士「『あなた(大久保元秘書)への悪意があるわけではない』という説明はあったのか」

 証人「そういう説明はあった」

 指定弁護士「では次の質問。(聴取の中で)『潮目を変えるときだ』という言葉を使ったことはあるか」

 証人「ない」

 指定弁護士「どういう意味の言葉か知っているか」

 証人「状況を変えるというような意味だと思う」

 指定弁護士「漁港で使う言葉ですよね」

 証人「漁港というより、船乗りが使う言葉ではないか」

 指定弁護士「あなたは(岩手県の)釜石市生まれですよね。だからあなたから出た言葉なのかと思った。検事が使ったのか」

 証人「はい」

 指定弁護士「では最後に。1月30日付の調書で『収支報告書の虚偽記載については、石川(知裕衆院議員)から聞いていた』とあるが」

 《自らの刑事責任が問われるにもかかわらず、なぜ「事実ではない供述」をしたのか。指定弁護士側は再度、大久保元秘書に問いかける》

 証人「そういう調書があるのは知っている」

 指定弁護士「そう供述したのはいつか」

 証人「できあがった調書を見て、その日に応じたということだ」

 指定弁護士「調書の内容を了承した、了承したから文書化されたということか」

 証人「本当にそういう形で(調書に署名して)いいのかは、数日来考えていたので…」

 指定弁護士「(調書に署名した)最大の理由は石川さんが(大久保元秘書に話したと)言っていたからか」

 証人「はい」

 指定弁護士「弁護士に石川さんが本当にそう言っているかどうか、聞かなかったのか」

 証人「石川氏に限らず、(捜査対象となり自由を制限されている自分との)時間差、温度差がある。どう信用していいのか分からなくなっていた」

 指定弁護士「ちょっとかみ合っていない。弁護士に聞いたのか、聞いていないのか?」

 証人「冷静には聞けていなかった」

 指定弁護士「聞いたのか、聞いていないのか?」

 証人「聞いていなかったと思う。連日接見する中で、言っても分からないだろうなと思ったから」

 指定弁護士「石川がそういうことを言っている、なぜそれを聞けないのか!」

 《語気を強めて迫る指定弁護士側。大久保元秘書も、やや声をうわずらせながら応じる》

 証人「(弁護士との接見がある)月曜日から金曜日の限られた時間の中で、すべてをきちんと報告できていたわけではなかった。どんどんかけ離れていった。途中から、何を相談しても中のこと(どう自分が供述するか)は自分で判断するしかないと思った」

 指定弁護士「こちらもすべてを話せるとは思っていない。でも石川さんが本当に言っているのか、と聞けないのは信じがたい」

 証人「この事件が大きく広がることを恐れていた。何としても防がなくてはならない、それが一番だった。自分の刑事事件より、早く収束して日本の政治自体が早く集中してほしい、と思っていた」

 《感情を高ぶらせて「日本のためだった」と訴える大久保元秘書。ただ“側近中の側近”の訴えにも、小沢被告の表情に変化はみられない》

 《ここで指定弁護士側の証人尋問が終わり、大久保元秘書は軽く一礼し、小沢被告と目を合わせることなく退場。本日の審理も終了した。終了と同時に、隣の女性弁護士と言葉を交わし始めた小沢被告。念頭にあったのは、翌日に行われる大久保元秘書への弁護側の反対尋問か》

 

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コメント
 
01. 2011年12月01日 01:20:32: 847vpLm82w
この指定弁護士の訊き方をみると、警察にぱくられて、連日取り調べを受けている人間の心理を全く理解していない。こういう弁護士ばかりだから日本ではえん罪がなくならないのだな。今日も再審決定があり、検察の証拠が隠されていた事実が明らかになったが、えん罪の背景には検事や裁判官がいいかげんというだけではなく、日本の弁護士が被告の権利を守るという思想がなく、起訴された被告は”悪いやつだ”という、先入観を持っているのがよくわかる。
日本も規制緩和で医者や弁護士、会計士、税理士、司法書士何度などの資格も完全自由化した方がいいのではないか。
資格がなくても誰でも弁護人になれて、かつ弁護人の人数も無制限につけられるようにすればよいのだ。

02. 2011年12月01日 02:48:33: 46WIRd431Y
「詳しく知ろうと思わなかった」なんて、オリンパスの取締役が弁解に使いそうなせりふじゃないか。来年は見ざる言わざる聞かざるでこの言葉が流行るのかな。

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