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現実味を帯びる「消費税増税」解散 (文藝春秋) 
http://www.asyura2.com/11/senkyo124/msg/308.html
投稿者 赤かぶ 日時 2011 年 12 月 31 日 10:36:09: igsppGRN/E9PQ
 

現実味を帯びる「消費税増税」解散
http://bunshun.jp/bungeishunju/akasakataro/1201.html
文藝春秋 2012年新年特別号「赤坂太郎」


 TPP騒動は野田政権の限界を露呈。「新党オバケ」は解散風を嗅ぎ付ける。

「国が動かないなら、年内にも国政選挙の候補者擁立の準備に入る」。前大阪府知事・橋下徹は気勢をあげた。十一月二十七日投開票の、“大阪秋の陣”、大阪ダブル選挙は、予想をはるかに超える大阪維新の会の圧勝で幕を閉じた。既に中央政界の関心は、新大阪市長となった橋下徹が中央政界に向けて打つ「次の一手」に移っている。橋下はこの勢いをかって、来たるべき総選挙に向けて、一気呵成に攻め上がる決意を隠さなかった。なかでもこの圧勝を喜んだのは、みんなの党代表・渡辺喜美に他ならない。渡辺は、民主・自民が橋下との距離感を置こうとする中で、橋下とのタッグを模索し、大阪での応援演説で声をからした。渡辺とみんなの党にとって総選挙に、橋下と二人三脚で臨めるかは、文字通り、存亡のカギを握ることになるが、橋下は腹の内をみせない。

 一方で国民新党代表・亀井静香も橋下に熱い視線を注ぐ。亀井は、東京都知事・石原慎太郎を党首に担ぎ、橋下や名古屋市長・河村たかし、愛知県知事・大村秀章までの“大連携”による新党構想を思い描く。

 十月二十四日には、東京・赤坂の「外松」で、民主党元代表・小沢一郎らとも会談して、小沢グループの中から離党者が出るなら、その受け皿としたい考えを直接伝えた。

 再び頭をもたげる「石原新党」は具体化するのか。取り沙汰される民主党からの先行離党は現実のものとなるか。新党結成による政党助成金の交付を求めるなら、年末がリミットになる。

 ダブル選に先立つ十一月十一日、野田佳彦首相は「TPP交渉参加に向けて、関係国と協議に入る」と表明した。野田にとって、初めての大きな政治決断といってよい。いや、鳩山由紀夫、菅直人と続いた首相が政治課題への決断を常に先送りしてきたことを考えると、民主党政権にとっての初めての大きな政治決断だったといってもよいかもしれない。

 野田は当初「TPP参加に向けて、交渉を始める」という文言で、自らの決断を示すことで一旦はハラを括っていた。しかし前農水相・山田正彦らの抵抗が日増しに強まったことから、その心に迷いが生じていた。党内調整は、結局、幹事長・輿石東に委ねることになった。

 輿石はまず、十日午後三時半に開かれた政府・民主党三役会議で、同日夕方に予定していた野田の方針発表を「一日待つべきだ」と進言して、野田もこれを受け入れた。

 輿石の頭にあったのは、「交渉参加なら離党も辞さない」と拳をふりあげてしまった山田らが追い込まれると、それが現実のものとなりかねないとの危惧だ。まだ政権基盤の安定しない野田にとって、この局面での離党騒ぎは「終わりの始まり」を意味する。官邸には、結論を年明けまで先送りするとの選択肢さえ浮上して、敗北ムードが覆った。

 輿石には幹事長として、離党者を出すわけにはいかないとの思いがあった。

 実際に気になる動きがあった。十一月六日、前日に急逝した参議院議長・西岡武夫の通夜の後、長崎市内のホテルで輿石は、元首相・鳩山由紀夫らと向き合っていた。話はTPPにも及び、TPP参加は見送るべきだと主張する鳩山が突然、「穏便に党を割るなら、政党助成金は分けてもらえるんですよね」と口にした。冗談とも本気ともつかない言葉に、輿石は、また宇宙人ぶりを発揮したと感じたが、その後の慎重派の動きをみるとあながち、単なる冗談とばかりは言えない空気も感じていた。

 では、やはり「TPPに慎重」とされた小沢一郎はどうなのか。それを確かめておく必要があった。輿石は、すぐに長崎空港で小沢とサシで向き合った。小沢は秘書も連れずに、警護官だけ付き添っていた。それまで輿石は「小沢がTPPを政局の材料にすることはない」との感触を得ていたが、実際に小沢と会って、その感触が間違いでないことを確信した。「また東京でゆっくりやりましょう」。そう言って二人は別れた。

■野田政権の本質

 十日の延期を受け元官房副長官・松井孝治らが練り上げたのが、「交渉参加に向けて、関係国と協議に入る」の文言だった。官邸サイドからすればベタ折れの文言だが、翌十一日の昼過ぎ、輿石は、野田と農水相・鹿野道彦に、この文言でいくことを確認したうえで、山田を呼び、こうした方針を伝えた。山田は「先生のおかげです」と頭を下げた。鹿野や山田からすれば、「事前協議に入るが、うまくいかないなら撤退する」との意味だと、言い張れる余地を残したぎりぎりの表現といえた。この日、夜八時、野田は「TPP交渉参加に向けて、関係国と協議に入る」と正式に表明した。執務室に戻ると、野田は輿石らの携帯を鳴らして「ありがとうございました。本当によかったです」と頭を下げた。

 一連のTPP政局では野田政権の本質が浮き彫りになった。今後、これ以上の厳しい局面を想定すると、「土壇場でブレる」という今回の野田の印象は、反対勢力に対して「押せばなんとかなる」との感触を与えた。さらに、党内調整はやはり輿石一人に丸投げせざるをえないことを露呈してしまった。

 野田政権の下では、政策決定プロセスを変えたことによって、政調会長・前原誠司が大きなカギを握る存在になりうると見られていたが、慎重論を「TPPおばけだ」と評したのが唯一の目立った発言で、火中の栗を拾おうと、対立する党内のまとめ役を果たそうとした跡はない。あまりの存在感のなさに、グループ内からも、「これでは次の代表選もおぼつかない」と嘆きの声が漏れる。政権の命運を握るのは、輿石であり、その輿石は節目節目で小沢の意向を必ず確かめたうえで、結論を導く。今回は、小沢の「TPPを政局にはしない」という意向が、輿石を通じてもたらされたことが、野田にとっても唯一の救いだった。

 輿石と小沢が、再び向き合ったのは、十一月十五日の夜、東京・赤坂の料亭「浅田」だった。この日のメインテーマは、年末から年明け通常国会にかけての政局だったとされる。TPPの次に控える政策テーマは、消費税増税だ。野田は、政権につくとTPPよりもむしろ、この消費税増税に的を絞り、避けて通れない課題と位置付けてきた。十二月中に消費税増税の実施時期、上げ幅まで盛り込んだ消費税増税法案をとりまとめ、野党との協議を経て、来年一月に召集される通常国会に提出して、成立を期したい考えだ。

 財務省にとっても悲願であるこのテーマを実現するために、政権発足の段階で、野田が「私の後任(の財務相)に据えるべきはだれか?」と財務次官・勝栄二郎に問いかけた。勝の「安住先生です」の一言で、財務相・安住淳は実現した。小沢に近い官房長・香川俊介も安住を推していた。

 野田・安住ラインが思い描くのは「二〇一三年十月か二〇一四年四月に、消費税を七パーセントか、八パーセントへ引き上げること」である。国民の間にも消費税増税やむなしの理解は進んでいるかに見えるが、実際に政治日程に上ろうとすると、途端に抵抗感が強まるのもこれまでの歴史が示してきたことだ。それでも野田らは本気で突っ込む覚悟であり、党を預かる大蔵官僚出身の党税制調査会長・藤井裕久も当然、そこの気持ちは共有している。

 だが、TPPと違って、消費税増税について小沢は二つの理由で反対の立場をとる。第一に、政権交代を実現した〇九年総選挙で、衆院任期中の四年間は、消費税増税をしませんと約束したのに、それを反故にすることになる。第二に、東日本大震災の被災県選出議員として、まだ復興が軌道に乗らず、しかも景気の先行き不透明感が強まる中での消費税増税には納得できない、というものだ。

 ただ小沢にとっては、やはり自らの裁判に集中せざるをえない事情がつきまとう。小沢にとって、判決が言い渡される来年四月までは大人しくして、そこで無罪を勝ち取って、晴れて政治的な復権を果たすことが唯一のシナリオだ。無罪を勝ち取ることがすべてに優先する。

 しかし、そんな小沢の政局観でも、消費税をめぐって、衆院の解散・総選挙になる可能性は決して低くないと、肌で感じ始めている。

■「何機、戻ってこられるか」

「消費税増税法案は、“政権自爆法案”とはなりませんか?」。十一月二十二日昼、国会内で開かれた自らの「一新会」の会合から去り際に、小沢グループの中堅議員が恐る恐る小沢に尋ねると、小沢は「大いにあるんじゃないか」と答えた。小沢は、定例のこの会合にはほとんど姿をみせないが、この日は違った。「自分の思いははっきりさせておく」と厳しい視線を向けて、マイクをとると、思いのたけをぶつけるように言葉を続けた。「(消費税をきっかけに)総選挙がいまあったら、特攻状態だ。出撃したら、何機が戻ってこられるかわかったもんじゃない」。消費税選挙になれば、大半が小沢チルドレンと呼ばれる一年生議員百四十人の再選は、おぼつかない、と本音を吐露した。

 年の瀬に最大のヤマ場となるであろう、この消費税問題をめぐって、輿石がどういう手綱さばきをみせるか。消費税をめぐっては、野田と小沢は最後まで、正反対の立場を貫くだろう。双方が頼る輿石は、野田と小沢の間に入って、股裂き状態になるのは明白だ。輿石は、これまでの民主党を振り返って、「親小沢だの、反小沢だのと騒ぐべきじゃない。党内で綱引きやって、綱が切れたらどういうことになるか」と言ってきたが、今度ばかりは、綱がプッツリと切れてしまうかもしれないのだ。

 一方で、昨年の参院選で消費税十パーセントを掲げた自民党は、今回は「消費税増税法案を提出する前に、解散・総選挙で信を問え」という立場を崩さない。

 自民党総裁・谷垣禎一の総裁任期も来年九月までと、残り一年を切った。年明けの通常国会で、「衆院の解散・総選挙に追い込めなければ、谷垣総裁再選はない」が党内の共通認識として定着しつつある。しかし、攻めどころは満載だったはずのTPP政局でも、谷垣の動きは鈍かった。農村票の反乱を恐れて、TPPに対して、「国民に十分な説明がなされていない状況下で、判断を下すのは時期尚早だ」として、自民党としての見解を出すことには最後まで及び腰だった。

 これにかみついたのが、党内外の期待を一身に集める、小泉進次郎だ。煮え切らない谷垣の態度に業を煮やした進次郎は、「民主党の推し進めるTPPには入らない、しかし政権を取り戻してからは別です、というのでは有権者の信頼を得ることはできない」とひとり、正論を吐いた。TPP推進論は、父親の小泉純一郎譲りだ。

 だが谷垣の意思決定を大きく左右するのは、加藤紘一、川崎二郎といった相変わらず変わり映えしない顔ぶれだ。発信力に乏しく、野党ボケした自民党の醜態をさらすだけになってしまった。

 これで来年九月までに衆院の解散・総選挙に追い込めるのか。自民党内では幹事長・石原伸晃が、「解散の可能性は、来年三月、六月、九月」などと、評論家めいた言葉を発することに批判も強い。

 谷垣が秘かに後継総裁候補と目す筆頭は、石原とされ、その石原は元首相・森喜朗や、引退後も参院に影響力をもつ青木幹雄とも一定の関係を築いている。ただ、本当に政権奪還を図る先頭に立ちえるのか、その力量に首をかしげる向きも少なくない。対抗する前政調会長・石破茂も党三役ポストを去ってから、弱気が目立ち、「何をやってもしょせんは一匹オオカミだからと言われるのだろう」とぼやく。「小泉進次郎までいかにつなぐか。そればかり考えている」(元党幹事長・武部勤)のは、厳しくも悲しい現実ではある。

 一方の公明党は、十一月二十四日までに、九人の小選挙区公認候補を正式に決定し、選挙態勢を本格化させた。その前提となるのは、自民党との選挙協力。つまりこれらの選挙区では、自民党が候補擁立を見送る。民公連携がささやかれた時期もあったが、今後は民主党と鋭く対立するスタンスに変わるだろう。

 今や年末の風物詩となった感もある“新党オバケ”は本当に出るのか。消費税増税法案は通常国会に出せるのか。そして解散総選挙の時期をめぐる綱引きは、いかなる決着を見るのか。

 未曾有の大震災が起こった今年だが、年の瀬の永田町では、別の次元で不気味なマグマが、蠢きだしている。 (文中敬称略)

 

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コメント
 
01. 2011年12月31日 11:43:58 : qoVHGfd6sY
厄人の御用週刊誌文醜は
工作週刊誌でもある
お金がもらえればガセも
平気でのせる
要は小沢派のユサブリ工作がねらい
厄人は解散したら
大阪の二の舞だとわかっている
だから 小沢派を追い出し
自滅と第二自滅の大連立だ
協賛党まで含めた既得権益派は
小沢派の兵糧攻めにより
野垂れ死にを望んでいる
本線は再来年のW選挙まで
既得権益は先延ばししたいのだ

02. 2011年12月31日 12:49:58 : wEcxf1cND2
>財務省にとっても悲願であるこのテーマを実現するために、政権発足の段階で、野田が「私の後任(の財務相)に据えるべきはだれか?」と財務次官・勝栄二郎に問いかけた。勝の「安住先生です」の一言で、財務相・安住淳は実現した。小沢に近い官房長・香川俊介も安住を推していた。

財務大臣まで、官僚(勝)が決めるとは、想像していたがあきれる。
一番、軽くてパペットに都合の好さそうな安住とは露骨すぎないか。
 私が官僚だとしても安住を選ぶ。軽くてパーがよいからだ。


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