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小沢一郎元代表への被告人質問でヤマを越した「陸山会事件」の持つ意味と露呈した刑事司法改革の難しさ[現代ビジネス]
http://www.asyura2.com/11/senkyo124/msg/693.html
投稿者 さそり座 日時 2012 年 1 月 14 日 09:43:05: skGvs8zjwBMFM
 


http://gendai.ismedia.jp/articles/-/31545

現代ビジネスより

 読まされる方も報道する方も、いささか食傷気味だった「陸山会事件」が、10日、11日の両日、行われた小沢一郎元民主党代表への被告人質問でヤマを越した。

 事件発生から3年が経過、最初は小沢事務所の巨大裏ガネ疑惑を追及していたが、途中で諦め、最後は秘書宅取得資金の4億円が政治資金規正法違反にあたるか否かを問う事件となった。

 小沢一郎という日本を左右する大物政治家の「政治とカネ」に関する事件だけに、意味がないとは言わないが、検察の「小沢許すまじ」といった執念から始まり、マスコミを引き連れ、ようやく起訴にまで持ち込んだという背景を考えれば、「小沢叩き」に与する気が失せる。

 むしろ国民は、検察が主導してきた刑事司法が、特捜検察の制度疲労によって改革の時を迎えているだけに、「陸山会事件」は、その岐路を象徴する事件だと理解すべきではないだろうか。

 実際、「小沢逮捕」にかける検察の執念は異様だった。その"見立て"が間違っていたことは、12月16日、第10回公判で法廷に立った前田恒彦元大阪地検特捜部検事(証拠隠滅罪で実刑確定)が、「私が裁判官なら無罪判決を書く」と述べたことでも明らかだ。

 検察に切られ、地位と身分を失った前田元検事に怖いものはない。前田元検事は、「初日に主任検事から『特捜部と小沢の全面戦争。小沢をあげられなかったら特捜部の負けだ』と言われた」といい、当時、「4億円は複数の企業からもらったという"妄想"を抱く幹部がいた」と、辛辣に批判した。

 つまり、「小沢逮捕ありき」で捜査は進み、裏ガネがあると"妄想"した検察幹部によって、事件が組み立てられていった。「小沢公判」に先立つ「秘書公判」で、検察が水谷建設からの1億円の裏ガネを立証したかったのは、事件に関係はなくとも、「小沢事務所はクロ」と印象付けたかったからだ。

 特捜検察が手がける事件の多くが「強引なシナリオ捜査」で仕掛けられると指摘されてきたが、検察の"身内"がそれを暴露したことになる。

 小沢元代表は、検察には起訴されなかったが、検察審査会に強制起訴された。それは、強引に取られた調書によって審査員に「おかしなカネ集めをする事務所」という意識が刷り込まれていたからだと主張した。

 10月の初公判の「意見陳述」で、「本件が特に許せないのは、国民の負託を受けていない検察が、議会制民主主義を踏みにじり、国民主権を冒涜したことだ。(中略)恣意的な権力行使が許されるなら、民主主義国家とはいえない」と、小沢元代表は検察をののしった。当否はともかく"怒り"は理解できる。

 しかし、だからこそ「検察改革」なのである。取り調べの全面可視化も含め、検察は変わろうとしている。前田元検事が犯した大阪地検特捜部事件と合わせ、東京地検特捜部の「陸山会事件」は、明らかな行き過ぎであり捜査の失敗。その修正は始まっている。

 まず検察は、特捜部が手がける独自捜査を少なくし、「ノルマに縛られない捜査」を目指すことになった。むしろ国税当局、公正取引委員会、証券取引等監視委員会など外部と連動、時には警視庁と組む。

 同時に、有罪率100%を目指し、強引な自白調書を散るような取り調べはしない。調書至上主義からの脱却。また、全面可視化を目指すことも決めており、白黒は法廷でつければいいと考えるようになった。

 その分、有罪率は低下するが、起訴すればほとんど有罪。有罪率99・9%という数字が間違っていたのであって、裁判所は、検察側最終弁論で判決文を書くような"手抜き"が許されなくなる。

 検察が無理をしないということは、裁判所に被告が否認している案件が数多く持ち込まれるということだ。裁判官は、有罪を前提に量刑だけ決めればいいというこれまでの刑事司法から一転、自分の頭で公判資料を読み込み、尋問をし、自ら判断を下さねばならなくなった。

 「陸山会事件」の秘書公判で、東京地裁の登石郁朗裁判長は、特捜部の強引で恣意的な捜査を批判、供述調書の主要部分を認めず、「検察に対立するのか」と、訴訟指揮の評判は悪かった。しかし、「反検察」だったわけではない、裁判所もまた変わろうとしていた。

 それは、検察と"癒着"することで成り立つヤメ検弁護士の世界にも変化をもたらす。ヤメ検と言えば、罪を認めさせる代わりに、保釈を早くし、執行猶予判決を取ることが主な"役割"だった。だが、それは正しい刑事司法の姿ではない。

争うべきは争う---。そう発想する人権派弁護士への依頼が増え、小沢元代表に就いたのが、冤罪の村木厚子事件で無罪を勝ち取った弘中惇一郎弁護士であるところに、それは表れている。

 司法マスコミもそうである。裁判所にタダ同然で記者クラブを置き、検察と一体となって報じていればいい記事、社内で評価の高い記事が書けていたのだから、検察と一心同体だった。だが、村木事件と小沢事件を経て、ネットジャーナリズムが雑誌ジャーナリズムと連帯、「検察べったりの司法マスコミ」を批判するようになった。

 検察自身が、制度疲労を認め、変革しようとしているのだから、司法マスコミも自立しなくてはならない。かつては考えられないことだが、検察批判、裁判批判が堂々と論じられるようになった。

 そういう意味で、「陸山会事件」は、法曹3者に司法マスコミも加えた刑事司法の関係者が、自立を始めるきっかけとなった事件であり、公判だと位置づけられよう。

 むろん素人を裁判に巻き込む裁判員裁判と合わせ、定着は容易ではない。自立を目指していた秘書公判の登石裁判長は、結局、検察の主張通りの判決を下したし、司法マスコミは横一線で形式犯に過ぎない「陸山会事件」を、微に入り細に入り報じ、「なぜ、いつまでも裁判が続いているのか」という、国民の声には答えていない。

 それだけ刑事司法改革は難しく、検察がすべてのシナリオを描く司法を郷愁する向きもある。だが、回り始めた歯車は元に戻せない。国民も含め、それそれが自分の頭で刑事事件を考えるしかなく、そうすることが、冤罪を生む強引な捜査からの決別になると信じたい。
 

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コメント
 
01. 2012年1月14日 12:53:44 : FVA6HNDv7k
はがゆい文章だが、マスコミに洗脳されている人にはこの程度の事実から教えることが必要だろう。その意味で賛成する。

実際には、マスコミ、検察、裁判所は悪意を持って事件を捏造し自分達の「強固な利権」を守ろうとしているだけで、こんな検察改革ごときで状況が改善するわけでは決してない。ハッキリ言えば、全て叩き潰し国民主権の法曹界に変えなければならない。

みんなに知ってもらわなければならないのは、憲法に記されているとおり国民は検察官・裁判官の適性を判定し”解任”できる権限があることだ。

具体的には国民の代表による
検察官適性審査会、国民審査を実際に機能するように改め、情報を公開し公開の場でその内容について議論するようにすることだ。


02. 2012年1月14日 18:44:27 : eJcwQUA9aU
陸山会事件における検察の組織的捏造(虚偽報告書、証拠資料の隠蔽)は、村木事件における一検事の証拠改竄より遥かに悪辣であり、検察による組織犯罪である。
これは、戦前の特高警察の犯罪と全く同じであり、徹底的に糾弾し、真相を明らかにすべきである。日本が民主主義国家であるならば!!!

03. 2012年1月15日 05:10:03 : dqkClQKYDU
先ずは、戦後GHGがやろうとしていた司法制度
の民主化だべさ。

現在は、国民の負託を得ていない輩が逮捕権・
捜査権・起訴権・裁判権を行使しているので
民主化とは程遠い。

適任者を選べるように、選挙あるいは国会承認
が必要にすべき。

また、欧米は証人・証拠裁判だが、日本は調書
裁判になってしまっている。

これは、欧米では被告が調書内容を否定すれば
調書内容は客観的証拠がないかぎり、証拠となら
ないが、なぜか日本ではいくら被告が否定しようが
しかも客観的証拠がなくても、「検事の主張
のほうが被告の主張より信用できる。」という
子供騙しの理由により密室で作成された調書が
証拠採用される。

因みに、戦前は欧米のように被告が否定すれば
証拠とならなかった、調書主義が生まれたのは
戦中です。

デタラメ調書が証拠となるので、捜査段階でも
欧米のやり方と際立った違いが出てきます。

それは、捜査段階で一番大切な初動捜査が疎かに
なり、見込み捜査が最後まで遂行されてしまう
弊害です。

欧米では、証人確保や証拠探しが重要なので
初動捜査が最重要され、また初期思い込みを極力
無くす為に、捜査三段階で違った捜査班が編成
され、また客観性に欠ける日本式面通しではなく
米国では客観性を高める為に10人ほどが並ぶ
ラインアップ方式を採用しています。

この弊害が生まれる原因は、「信用できる証人探し
や物的証拠を発見するのは手間隙掛かり大変なので、
引っ張ってきて密室で、はかせればいいじゃん。」
という安易な捜査方法が蔓延っているからです。

この結果、新規受刑者の3割から4割ほどが知的障害者
で占められるという人権大問題が発生しているのですが、
電通マスゴミNHKはほとんど報道しません。


04. 2012年1月15日 07:28:48 : NE29TlxrEs
伊藤博敏氏の文章は、たしかにはがゆい。
が、この文集の主張には基本的に賛成である。

検察が、みずからのねらいを果たせなかったことを
検察審査会へゆだねて、ターゲットとした政治家を裁判にかけさせる
そういった手法が許されるものではない。

そもそも西松事件が起こされたところから
陸山会事件まで、検察特捜部の一部(佐久間、大鶴)らの暴走があった。

最初にボタンを掛け違えると最後まで気がつかない。
検察は、身柄班、業者班という大捜査にもかかわらず、収賄の事実は出ずに、
小沢氏を不起訴にせざるをえなかった。
普通はここでボタンの掛け違いに気がつく。

ところが、検察暴走部は、さらに禁じ手を使った。
検察審査会を利用する手だ。
市民甲なる告発人をしたてて、あらたに第五検察審査会をつくらせ、
検察調書の不都合な部分の証拠を隠し、普通はありえない
再調査までおこなって、それを田代検事にねつ造させ、
上司(佐久間らだろう)はねつ造報告書を、第五検察審査会に
提出し、御用弁護士を補助員にしたてて、強制起訴議決をさせた。

これはまさに検察による無実の人を犯罪者にしたてる
でっちあげ裁判であり、逮捕・起訴という特権を有する
検察の犯罪行為である。

告発状がだされた。
笠間検事総長ら検察幹部は、この告発状を
検察改革の好機ととらえて、ぜひ、検察内部に巣くう
冤罪つくりのプロを一掃して、信頼される検察へと改革を実行してほしい。

司法マスコミも変わらなくてはならないだろう。
あいもかわらず、朝日や毎日という、本来は良識の代表とされる
大新聞は、小沢氏裁判で争われている事実が、
訂正ですまされる政治資金規正法の記載の解釈の違いであることを
知っていて、そのことを報じていない。

いままで、さんざん、小沢氏を巨悪とみたてて
報じてきたため、彼らの目にも偏見がこびりつき、
小沢氏裁判への暴走行為をみずからとめることができなくなっている。
検察リークだけでなく、自らの取材によって論を組み立てる
力量が求められている。

裁判官も同様である。検察調書重視主義が、
無理な自白を生み、数多くの冤罪を生み出してきた。その反省にたって、
裁判中心主義にかわろうとしているが、
それが勘違いした裁判官によっては、推認判決をうむという矛盾を抱えることにもなった。

マスコミも裁判官も、
小沢氏裁判においては、この犯罪事実とされたものは、本来、政治資金規正法の訂正で済んでいるものに同意したどうかであり、形式的な解釈の違いに過ぎないことをしっかりと見極めてほしい。
最近の記録をみても平成19年504件、平成20年314件、平成21年219件(政治資金規正法の問題点、http://my-dream.air-nifty.com/moriyuuko/files/h22_924.pdf)も訂正され、それですべて済んでいる。訂正により虚偽記載で逮捕された事例は皆無である。
小沢氏の犯罪事実されているものは、そういう形式問題であることを
マスコミも裁判官も、また、そのことをふまえたうえでこの裁判を論ずるべきである。

本質的には、小沢氏には政治とカネの問題があると主張する人がいる。
しかし、それは主張する本人が調査したものではなく、憶測にすぎない。

カネの問題をいえば、小沢氏裁判で明らかになったことは、
特捜検察は、小沢氏が知らないところの
小沢氏のカネの出入りを総て、その日付まですべて明らかにしていた。
りそな銀行からいくらとか、裁判記録をみた人ならそのことがわかるだろう。
検察はそれこそ、検察の総力をあげて、大捜査をしたことがわかる。
そういう大捜査をしても、小沢氏につながる収賄の事実はなかったのだ。
だから、不起訴になったし、それは揺るぎなかった。
しかし、小沢対検察特捜部という危機意識を抱いていた
特捜部の一部が小沢氏無罪の証拠を隠し、再聴取によるねつ造調査報告書を
作成し、検察審査会に提出して、強制起訴議決の議決を誘導した。
これが、小沢氏裁判の本質である。


05. 2012年1月15日 10:22:00 : mp6fw9MOwA
小沢さん関連の捜査で分かってきた事は、司法関係は法の精神を踏みにじり冤罪事件を作りやすい状況を築いてきた事である。
@別件逮捕の禁止:捏造供述調書作成の手段となっていた。
A訴因変更の禁止:検察の違法逮捕隠しに使われている。
B推認判決禁止 :裁判では法と証拠を基に判断しないと誤判断で罪が確定。
C裁判は論理的に:裁判での道義的責任・国民感情などの真実を歪める報道対策。
D不明な判決禁止:収賄額0円の収賄罪は意味不明。検察起訴の追認目的。
E無罪判決の扱い:無罪判決への報告書の義務付けは明らかな違法では。
現状の司法関係はつるんでおり、裁判所は検察の言いなり、検察OBが法務省・裁判所に入り込んでおり、その前にはCIAで教育を受けている等が暴露されており、この構図を知って現状をみると冤罪作りがされやすいように法を捻じ曲げている事が分かる。
上記した以外にも色々な問題点が有っても、判例重視との自己弁護で冤罪捏造を押し通してきたと思われる。
小沢さん裁判で、規正法違反での秘書の逮捕と共謀による裁判との違法行為を検察が仕掛け、それを司法関係・政治家が後押しするとの異常事態を産んで、日本が法治国家でない事が判明してしまった。
この流れを踏襲し、期ずれの共謀という罪を捏造し有罪判決を出そうとしている。
司法関係者は法の精神を勉強し直さないと、日本は沈没する。
司法関係の法を無視した動きが、官僚の暴走を許していると感じており、司法が原点に戻れば、官僚も国民の為の施策に戻ると考える。

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